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カテゴリ:絵本レビュー の記事一覧

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闇の中で思い出と出会う

女の子とぬいぐるみ(くま)という絵本では盤石の組合せ。
などと油断してよむと、心臓をぐいっと掴まれますよ。
当人にとっては実直な愛情が、相手にとっては異常な執着心
と受け止められるので、そこをどう解釈するか。

それは、二人の関係がこの後どうなるかによるのですが、
物語はそこまで描かれていません。母の子ども時代の
エピソードを娘が知って、親子関係が深まる可能性も
あるし、異世界に引きづり込まれることもありうるし、
事実が判明した後、新たな友情が築かれるのかもしれない。
そんな想像を読後にできるのも、この絵本の魅力と言えます。

もしも、ぬいぐるみでなくロボットだったらSF的味わいが
でるかも。これはファンタジーでなく現実に起こりうる。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
スマホの機種変更をしたらメールソフトが不調になった。
機種側の問題なのかプロバイダー側の問題なのかで
堂々巡り状態。どうなってんだ〜!と叫びたい衝動を
抑えている。
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寝床の格闘技

パパ・ママ・男の子の寝相の変化をプロレスに見立てた
ユーモラスな絵本です。正に寝技のオンパレード。
キックやブリッジを駆使したり、布団や壁をつかった技が
出たりと、見応えのあるアクションが繰り広げられますよ。

3人をみているオモチャやヌイグルミたちの実況解説も
戦いを盛り上げていますね。これはプロレス好きには
たまらない絵本です。もちろんそうでない人にもお勧め。
ベットタイムに読み聞かせると、朝になったら
知らない傷やアザができてたりして・・・

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
祖母がプロレス好きで子供の頃よくTV観戦してました。
アブドーラ・ザ・ブッチャーのことをブッちゃんと
呼んでた。今もたまに観るけれど、コスチュームや
技の名前が派手になり、アクションもよりスピーディに
なってる。色々と技の盛り合わせが楽しめるのはいいの
ですが、スープレックス一発でフォールを取れてた昔の
ように、ひとつひとつ技の重みがなくなっているのは
どうかと思う。
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今の自分はどこにいる?

子猫が飛び乗った気球というのはチャンスのような
ものなのだろうか。子猫は不遇な状況から抜け出すべく
勇気を出したのですね。海を越えてふわりふわりと
はるか遠くへ。様々な生き物や乗り物、鳴き声や騒音、
働く人々など未知の世界と出会って行きます。

「ぼくは いま、どこに いるの?」行く先々で出会った
者に子猫は尋ねますが、その返答には考えさせられました。
地に足をつけない限り、お前の居場所はどこにもない
と言われているように解釈してしまったので。

はたして子猫が気球を降りた場所は?
おそらくもう気球が待ち受けることはないと思いますが、
困難にであっても今度は乗り越えていけそうな気がします。
そんな素敵なエンディングでした。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
鹿児島の「古書リゼット」さんにて昨日購入しました。
店内は迷路のようでカフェにもつながっている不思議な
空間。箱のような席も用意されていて、ゆっくり
読書に集中するにはもってこいでした。

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いちじくの胡散臭さがクセになる

お話に飢えている方がいらっしゃったら、ぜひこの作品を
手にとり、いちじくのおはなしかいに参加されたし。
舞台となるのは、前作「たまごのおはなし」同様に意識が
覚醒した食べ物たちのシュールな世界。
キッチンの住人たちをも夢中にさせたお話は、怪物退治や
お宝をめぐる海賊との対決などなど。スリルの中にも
どこか抜けたところがあって奇妙な味わいを出してます。

信じたくなるほどリアリティのあるホラ話なんですが、
その意味では、本作自体がそうなんですよね。
食べ物たち表情や人間の心理を模したセリフなどが
妙に生々しい。描かれている事は我々の住む世界
とたいして違わないのでは。

それはそうと、いちじくが出入りするカゴの中が怪しい。
オレンジやレモンがちらりと見えるので。語り部のいちじく
とは別に、脚本や小道具係等の裏方としてお話会に
からんでいるような気がしてならない。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
蔦屋書店熊本三年坂の本屋ni本屋へ。
本屋の中に本屋があるという二日間のイベント。
熊本の歌人くろだたけしさんにお会いし、
歌集「踊れ始祖鳥」にサインもしていただきました。

 
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食物連鎖が逆回転

蜂を起点に>かえる>へび>ハゲタカ さらにさらにと
ページをめくるごとに食物連鎖の上位者が登場。
皆がしめしめと舌なめずりをしつつ自分も狙われている
事に気づかないという一触即発状態に。しかし最強キャラが
行動に出たとたん、ドミノ倒しのごとく、あれよあれよと
流れが逆転。最後に飯にありつけたのは誰?

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
男子バレーの後でチャンネルをかえたら、たまたまやってた
ドラマ「ノンレムの窓」。1話目のレジ待ちショートドラマの
成り行きが気になってしまい、2話目3話目と結局最後まで
みてしまった。バカリズムはいいなぁ。
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■の生態まで描かれる

前作「どっとこどうぶつえん」の虫バーションです。
それが何かわかったときに、パズルが解けたかのような
快感を味わえますよ。なんといっても見せ方が
秀逸です。前のページの虫が次のページの伏線になって
いたり、配色との合わせ技で、たんなる市松模様でさえ、
◯◯虫に見えてしまう。究極は最小単位の正方形「■」 
これが他の要素との関連で足や頭が見えたり、
飛んでいるように見えたりするのですから。
ページをめくる度に想像力のツボが刺激されました。

つぎは「どっとこすいぞくかん」もお願いします!

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
AIにも似たようなものができるのだろうか?
掛け算や足し算的な描画は得意そうだけど、
単なる■を何かにみたてるのは困難かも。

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自分の絵を描きたくなります

元々は独立した一編の詩だったのですが、あたかも
最初から絵本化を前提としていたかのような、
言葉と絵の融合が見事です。

谷川さんの言葉によって、一本の線から始まった
絵を描くという行為が次々に進行していく様子が描かれ、
それを長さんが色や形をもった言葉として見せてくれる。

詩は画面に左から右へ一列でつづられ、それに寄り添う
絵も横へと展開。ページをめくるごとに流れていく世界は
言葉と絵による音楽のようでもありました。

これは神による天地創造を表現したのか? それとも人類の
歴史を俯瞰したようにも受け止められるし、一人の人生を
追っているかのようにも感じられる。色々な解釈を内包
させながらも、最後は絵を描く個人の視点に着地させ、
読者いる世界へと、しっかりつなげられました。

その証拠もちゃんとあります。
本書は図書館で借りたのですが、ページを開いた
ときクレヨンの残り香がしたのです。この絵本に誘発されて、
思わず画用紙に向かった子どもの姿が見えました。
一本の線は画面の外にも伸びていったのですね。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
今日は長さんの命日。今年も無事レビューできました。
昨日は佐賀の音楽と絵本の読み語りグループSORAさんの
イベントに参加し、夜は近所の書店で開催された読書会で
本書を紹介。今日は福岡で開催中の警固塾展の最終日に
向かう予定。絵本濃度の高い週末を楽しんでます。
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悲しみを抱きとめてくれる絵本 

ママを失った男の子がゴリラとの出会いを通して
自分の気持ちと向き合う、情感あふれる作品です。

青い大きな腕が印象的なゴリラ。家に居るときも
学校へ行くときもいっしょに寄り添ってくれます。

「みんな しぬの?」「ママは どこにいったの?」
男の子の問いかけに、真摯に答えてくれるゴリラ。
ふたりの会話が中心ですが、間接的に
パパの心情も伝わってきました。パパはパパなりに
心の空白を受け止めようとしていたのですね。
男の子とパパがお互いを通してママの存在を感じ
取るシーンに胸がじわりと暖かくなりました。

さりげないですが、画面の隅に現れる赤い小鳥。
二人を気に掛けるママの姿なのかな?
画面全体から心情が伝わってくる水彩画も
素敵です。あふれる涙で描かれかのようで。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
最近は以前のように絵本のレビューを書いてませんが、
6月11日は個人的に特別な想いがあり、あえて
この作品をとりあげさせていただきました。
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カッパラッタッタ

和食をイタリアンにアレンジした味わいの絵本。
盗品を取り戻しに旅に出るというストーリーはありますが、
一番の魅力は日本の土着的な妖怪が伊太利亜の町で暮らして
いるという設定です。カッパではなくカッパーノ。
キュウリ柄のフカーフや赤のブーツもオシャレです。
特に金髪の上にのせたピッカピカの皿が人気で、
それをカラスがカッパらったのですね。

絵の隅々まで楽しめますが、もっとこの世界を堪能したい。
キュウリカフェのメニューとか気になるし・・・
妖怪物はインド風味もいけそうな気がする。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
約2ヶ月ぶりの絵本レビュー。
昨日、熊本市内の絵本屋「Hotto」にて購入しました。
https://ehonyahotto.com/
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すてきエフェクト

一羽の蝶の羽ばたきが巨大な台風を引き起こす。
そんな科学の例え話を思い出しました。

すてきだなと想い、それを伝えたいなと手紙を
書いたら、それを手にした配達員にも連鎖して、
その影響が意外なところまで広がっていく。

夜空を見上げて、いつもより明るく感じられたら、
それは誰かが何かをすてきと想ったからだ。
きっとそうだ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
気づいてみたらamazonへのレビューも3000冊に達してた。
かといって4000冊を目指すつもりはありませんし、
見えている風景はいつもと大差ないですけれど。
・・・けれど、何かを期待してしまう。
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名画が猫画に

猫化の波が美術の世界まで広がっている!
古今東西の名画が猫の世界観に変換されてます。
人物は猫に置き換えられ、料理や酒がツナ缶や
ミルクになっていたり、毛糸玉にじゃれていたりと
好き勝手な振る舞いをしているようでいて、
元絵のポイントはちゃんと押さえてあります。

癒し成分が増量された猫絵画集として素直に
楽しむも良し、元絵を想像してその変異ぶりに
ニヤニヤするのも良しです。
巻末にはオリジナルの絵と解説もあるので、
美術入門書としてもおすすめ。

しかし自作が数百年後に猫化されてると知ったら
ダ・ヴィンチも北斎もビックリでしょうな。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
フェルナンド・ボテロのぽっちゃり画も連想。
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お客様も恐竜

恐竜とパン屋を組み合わせたか!これは斬新。
どちらも絵本では人気の高いネタですが・・
相性も・・バッチリじゃないですか。
販売しているパンはどれも正統派。それを様々な
恐竜の容姿に関連させたところが見事です。

白の背景がデフォルメをおさえたタッチを上品に
引き立ててます。ふと近所にあるドイツ料理店
を連想してしまいましたが、作者のやまださんの
経歴をみて納得。ドイツに住まれていたのですね。
画面からただよう海外の空気感はそのせいか。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
ベランダで鳥が囀っているなあと思っていたら、
エアコンの室外機の音だった。型式が古くモーターに
ガタがきたよう。近所迷惑レベルだったので、しばらく
暖房なしの生活をしてましたが、先週ついに新調。快適です。
暖房もしっかり効いてます。大家さんに言ってみるものですね。
室内で防寒着を着ていた日々もついに卒業だ。
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甘口の早口劇場 

幼児向けの早口言葉絵本ですが、読後はチョコレートが
欲しくなっちゃうかも、特にこどもは。導入役の四角い
チョコレートが大活躍!早口言葉にあわせた形の変幻ぶりが
みごとなので言葉といっしょに画面も楽しめますよ。

作者の吉田明世さんは絵本専門士の資格も取得されて
いたのですね。ラジオパーソナリティとしての声は
毎朝ラジオで通勤中に聴いているので、絵本の中からも
吉田さんの声が届いてくるような気がしました。
嬉しいことにyoutubeで実際に朗読を聴ける特典付き。
かなり早いのかなと思ったら割と丁寧な語り口でした。

早口言葉絵本ではスポーティな感覚で楽しめる
「はやくちまちしょうてんがい はやくちはやあるきたいかい」
結婚式を迎える家族の様子を早口言葉で紹介した
「生麦生米生卵 (声にだすことばえほん)」
もおすすめです。
 

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
毎朝チョコレート、甘いのとビターを一粒づつ
とコーヒーを口にするのが目覚めのルーティーン。
もう10年以上続いてます。このレビューもチョコと
コーヒーを味わいながら書きました。
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気づいた方はラッキー

カレーの行動力と勢いある話の展開に圧倒されました。
実は本作そのものが、もう一作の伏線にもなっていた
とは驚きです。仕込みの大セール状態です。
それが何かは同作者の「カレーは あとの おたのしみ」
をよまれたし。



ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
カレーで一番美味しいと思ったのは、ロイヤルホストの
カシミールビーフカレー。インド駐在中も色々とカレーは
食べましたが、牛肉は食べない文化なので、この組合せは
日本ならでは。味はもちろん色取りや薬味とのバランスも
含めて至高の一品です。
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おたのしみはつづく

恐るべしカレーパワー。節分は終わったけれど
豆をまくより効果があるかもしれません。

巧妙な隠し味が仕込まれているので、
「ラッキーカレー」との併せよみを
おすすめします。



ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
カレーは毎週食べています。木曜の夕食に。ほほCoCo壱です。
仕事のつかれが溜まってくる頃、カレーでパワーを注入して
週末にのぞむ感じ。
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未知との遭遇

表紙のきらきらした球体、ビー玉? あめ玉?
空から降ってきた未知の物体に、虫たちのとった
思い思いのリアクションが微笑ましい。
足で転がそうとするもの、温めようとするもの、
味見してみるもの、いかにもやりそう。

しかし蜘蛛の行動は別格。他の虫とは異なる
興行屋的視点に、つい感心してしまいました。
ある意味、小賢しい人間の発想とも言えますけどね。
そして私欲を肥やそうとする者を戒める方向に
話が進むのかと思いきや、さらなる展開があり、
最後は綺麗に着地。(落下物の話だけに・・)

白黒とカラーの対比を生かした演出もはまって、
画集のように眺めて楽しめる絵本でした。
小さなガラクタを宝物のように大切にしていた
子どもの頃が懐かしくなりますよ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
虫からみれば、人間は神か宇宙人なのかも。
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地味に尖っています

ファンタジーと現実の境界に存在する世界が丁寧に
描かれた大人向けの絵本と受け止めました。

擬人化されたトガリネズミが人間の世界に違和感なく
馴染んで、日々の勤務をこなしていきます。
動物であることを除けば、とある独身サラリーマンの
生活を描写したといってもいいでしょう。
朝のルーティーン、電車通勤、同僚との会話、
休日の息抜き、気心の知れた友と過ごす年末。
劇的な事が起こるわけではないですが、ハリネズミの
暮らしを通して、平穏な日常のありがたみが
しみじみと伝わってきました。

蔵書表、目次、各章のナンバー等を書籍の構成項目
としてではなく、絵の一部として作中世界に馴染ま
せた演出もいいですね。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
2月はあっという間の終わるから気を引き締めていこう。
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みんなでハッピーに

まずはケーキが登場。そして一息に火を消した後に
何を願ったかが明らかになる。3拍子の展開です。
いぬ、ねこ、うさぎ、ねずみ、ケーキや願いことが
それぞれの動物らしくて微笑ましいです。
最後は男の子。何を願うのでしょうか?
みんなの想いがひとつにつながるシーンで
胸がホカホカなりました。
それぞれが心の中に秘めた願いが調和する
世界っていいものですね。
さりげなく幸せの使いも登場してます。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
願い事といえば、今年の初詣。お賽銭をいれて
祈願をしようとした瞬間、急に腰をつかまれて
びっくりした。後に並んでいたお爺ちゃんが
つまずいて前のめりになり僕につかまったのです。
とても恐縮され謝ってきたので、大丈夫ですよと
僕も返した。でも頭が真っ白になってしまい、
そのまま参拝せずにもどってしまった。
しかも、お賽銭を入れたあと最初にお辞儀を
したのが、そのお爺ちゃん。
僕の今年はどうなってしまうのだろうか・・・
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お互い分かり合ってるなぁ

ひとくちに贈り物といっても様々な状況があって、
贈る側ともなれば、それなりに色々と考えるところで
ありますが、このウサギくんのようなきっかけも良いですね。
しかしながら贈り先が大切な人となると、やっぱり悩むもの。

大好きなおばあちゃんへの贈り物を求めて遠出するウサギくん。
彼が道中で色々と想像するシーンを通し、いかにおばあちゃん
のことを想っているかが、ちょっとづづ伝わってきます。

途中で出会う者との会話を通して、様々な価値観や
心の機微も描かれ、物語に深みが加えられています。
特にお月さん。なかなかの名演ぶりですよ。

そして、最後に並のウサギ君ではないと感銘し、
おばあちゃんから孫へ贈った一言も最高でした。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
この絵本は贈り物の返礼としていいかも。
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ずっーと浸っていたい世界

久々の登場となるシリーズ4作目。
今回も美味しそうなものが色々と出てきます。
なかでも朝日の取り扱い方がみごとでした。
ぜひとも、さとうくんに習ってコーヒーを淹れる時に
トライしてみたいけれど、俗世界にどっぶり使っている
身分なので無理だろうなあ。最近は休日の早朝に散歩する
ことが日課になってて、あっこれいいな、という瞬間を
道端でみつけることがあります。その何かを舌や耳で
も味わったら、なんてことを想像すると、一瞬だけ
さとうくんになった気になります。

そういえばウサギは今年の干支ですね。
この絵本のように平穏で美味しい時間が増えることを
願いつつ、心が疲れたら、そうーっと読み返そう。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
まだ早いけれど、こんな隠居生活も悪くない。
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ねこいた!

フリップ芸のノリで展開される猫出没絵本です。
最初は帽子からウサギが出てくる手品のような
驚きでした。次は猫が出るぞ出るぞを期待感を高めて
とんでもところから出るという驚き。さらには
連続技や変化球を混ぜたりと意表をつかれまくり、
最後はこんなところから!!と驚愕してしまいました。

一度読み終えた後、さらに注意して見ると・・・
心霊写真のような背筋の寒くなる驚きも。
大胆さと繊細さの振り幅に目眩がしました。

これは絵本でなければ出来ない芸ですね。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
仕事は波乱のスタート。
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手は届かなくても想いは届いた


いい意味で意表をつかれまくった絵本です。
表紙だけみると、風船をつかったネズミ君の逃亡シーン
にもみえますが、帯付きではデカ文字で「たすけて!」と
あるので、かなりピンチな状況なのですね。
きっかけは、犬のわんた君からもらった風船。
小さくて軽いネズミ君は風船を受け取ったと思ったら
そのまま空へ舞い上がり飛んで行ってしまうのです。
早く手を離せよ!と思いましたが、せっかくわんた君から
プレゼントされた風船。ねずみ君は失いたくなかったの
でしょう。わんた君も必死で追いかけます。
他の動物にも助けを求めます。跳躍力のあるもの、
背の高いもの、高所にいるもの。はたしてネズミ君を
無事に救うことができるのか?
わざわざ折り返しページまで使って劇的に描いたシーンは
見どころですよ(いろんな意味で・・)

最後に、えっ風船は? なのですが、
ネズミ君はもっと大切なものを得たのです。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
昨日、第1回みふね古本市にてモフbooks様から購入しました。
場所は江戸時代から続く町屋内の街なかギャラリー。
数多くのユニークな書店が集まり、畳の上を踏み歩きながら
探索するのが新鮮でした。
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フィンガーアドベンチャー

一筆書き系の絵本とも言えますが、砂場を指でなぞった軌跡を
描いたことで、触感に響く展開が魅力になってます。
最初は指を砂に”ずぼっ”と突っ込むところから。次は横へ”じー”と
動いていきます。次々に登場する砂場ならではの障害や生き物も楽しい。
まるでスキーのクロスカントリーやバイクで荒地を走るラリーの
ようだなと思っていたらちゃんとゴール地点もあったのですね。
手を泥だらけにして遊んだ頃を思い出しました。

一筆書系の絵本でおすすめ↓
「せんをたどって」旅行気分を味わえます
「どうぶつどのみちいっぽんみち」自転車で一本道をたどる
「おそばおばけ」一本の麺が色々な形に
  

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
netflixで「今際の国のアリス」を一気見してしまった。
次の展開が気になって途中でやめられなくなる感覚、
久々に味わいました。
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試合終了直前で逆転勝利の気分

7時47分。いきなりカウントダウンから始まる冒頭。
残り時間は13分。スリリングなスピード感に乗せて
タイトルの登場と男の子の顔面のクローズアップ。痺れます。

みどころは白昼夢のような学校への道中。
水たまり、散歩中の犬、歩道橋、踏切、普段ならどうってこと
ないものの時空が完全に狂ってます。大きめの画面から
脅迫的に迫ってくる男の子の焦燥感。読むほうも息苦しく
なってきます。ちょっとぐらいなら遅刻してもいいのでは。
じつは休日だった。時計がすすんでいた。なんて逃げ道も
想像してみたけど、これはガチだったよう。
この日のこの時間にそこへ居合わせなければならなかった
のですね。理由が判明したあとで再読すると、空に関連した
モチーフがちょくちょく登場しててじわりました。
今年の干支も登場してますよ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
焦っているときに見る夢。車で後方確認できない
ままバックしてしまい、慌ててブレーキを踏もうと
するが足が思うように動かない。
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ものまね芸の頂点へ

まめうしくんの芸達者ぶりが楽しめる絵本です。
丸いもの、三角のもの、四角いものと、次々にモノマネを披露。
身近な小物からスケールの大きいものまで、その守備範囲の
広さや自由自在さに圧倒されます。形をテーマにしているのか
と思いきや、固いもの、怖いもの、見えないものなど、
何でもありな展開へ。ぼくのおきにいりはロボまめうし、
かっこいいぞ! 締めくくりは誰もが知ってる大きなものへ。
元旦の夜によめば縁起のいい初夢がみれるかもしれませんよ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
今年は色々な意味で人生の節目になりそうな気がします。
まずは健康。そして感謝。試合終了まで諦めないこと。
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原書はカエル語か?

絵本の魅力を絵本で伝えるという正統派作品です。
舞台となる本屋があるのは池のほとりにある柳の根元の穴の中。
カエルですからね。人気作品がおたまじゃくしの成長物語や、
ヘビやネコなどの怖い動物から逃げる冒険物だったりと、
いかにもありそう。さらにユニークなのは読む側だけでなく、
作る側、売る側にもフォーカスしているところです。

企画から取材、製本して販売と新作が生まれ出る過程が
物語としても楽しめちゃうのだ。この作品がきっかけで
絵本作家や本屋になりたくなる子がいるかもしれませんね。

本がたくさんある場所といえば図書館を舞台にした
「かいぶつのとしょかん」もおすすめです。


ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
長期連休中の楽しみのひとつが読書。そして元旦に
読む作品はもう決めてあるのだ。
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虫×鉄道×絵本の魅力が凝縮

子どもが電車で一人旅して祖父母をたずねるという
絵本ストーリーの定番フォーマットを踏まえつつ、
牛窪さんならではの独自性が詰まった魅力的な作品です。

舞台は小さな虫の世界。電車好きのカナブンこてつ君が
様々な路線を乗り継いで、じいじとばあばの住む山へ
遠出します。洒落たコラージュと手書きの絵が絡み合い
グラフィカルなタッチの中にも遊び心の詰まった画面は
全てのページが見どころです。虫好き電車好きの子ども
はもちろん、絵本通の大人も楽しめる作品です。

↓電車絵本は交通新聞社からユニークな作品がでてますね。
  

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
移動手段ではなく旅の一部として電車に乗ったのは
いつ頃だっただろうか?
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ピンチを楽しめる


これは共感できる!日常の失敗あるあるがたくさん
紹介されてます。ピンチの度合いを1から100段階に、
発生頻度を星1から5で評価し、関連するピンチや
対策法まで事細かに解説されています。

読後は色々なピンチを思い返してしまいました。
例えばカップ焼きそばを作るときでさえ色々なピンチが
待ち構えている。加薬の袋が入ったままお湯をいれて
しまったり、お湯を出すときに中身をこぼしてしまったり、
ソースの袋を開けるとき手についてしまったり、無理やり
押し出そうとたら横に飛び散ったり、割り箸を割ろうして
半端なところで折れたり。はぁ〜 

でもそれを体験して次はもっと注意をしたり、対策の
準備をしたり、メンタルが強くなったりとレベルアップ
していくのものですよね。そして同じ体験を誰かと
共有できると、なんか救われたり、同志に出会ったような
気分になります。この絵本もまさにそんな感じ。

表紙の男の子の牛乳パックの持ち方が変に見えますが、
これも過去のピンチを経てたどりついた方法と推察します。
(その分、他の注意がおそろかになったのでしょう)

↓絵本でのハプニングは異世界へ迷い込むきっかけにも


ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
スーパーでのレジ待ちは苦手。ここが早く進みそうと
並んだら店員が実習中で作業がゆっくりしてたり、
他の列に移ろうかどうか迷っているうちに、
先に並ばれてしまったり。コンビニにいって行列まで
したくないので、他のお客の動向をチェックしてレジに
行くタイミングをはかったり、もはやスポーツ。
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実は子ワニのほうが上手だった

タイトルにもなっているワニの子どもの素朴な質問に
とうさんワニがウイットの効いた…と言うよりほとんど
駄洒落に近い回答をします。ワッ!と◯◯して、そのあと
ニッ!と笑うから。なのだそうだ。じゃあ、ブタは?
タヌキは? ウマは? と矢継ぎ早な質問にもブレずに
答えるとうさんワニのボケぶりと、それに納得する
子ワニの会話が微笑ましいです。

親役、子役の二人組でよみきかせしたらコントですね。
絵本としては、ゆるかわタッチの動物たちの表情や
アクションに味わいがあります。子ワニが感心したまま
終わっても十分に楽しめる内容ですが、さらなる終盤の
展開で面白さがジワってきました。

こどもの素朴な質問系絵本でおすすめ
 

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
身内がコロナに感染したとのことで帰省は取りやめに。
年末年始は熊本に篭って読書三昧になりそう。
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空想力がフルパワーで作動

電気シェーバーやドライヤーなど身近な家電品。それが
出来上がるまでには多くの人が関わっている。設計する人、
製造する人、売る人などなど。そして忘れてならないのは
それらの機械を中で作動させる人の存在だ。世間には知られ
ていない仕事だが、この絵本によって明らかになったこと
は喜ばしい。小さな関取たちの絶妙なチームワークで作動する
お掃除ロボットやレスキュー隊さながらの熟練の技が
活かされた水洗トイレなど見応えがありました。
電動ミシンは動物虐待レベルですが…

もっとも見てみたくなったのは、そんな妄想をする男の子
の頭の中だ。工学やAIの知識が及ばないところを、自分の
知っている人力を駆使して成立させてしまうところが
見事です。単純に肉体を酷使させるのではなく、動かす
人々の心や体にまで配慮したシステムを構築している
ところに人間的な器の大きさも感じました。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
約2ヶ月ぶりの絵本レビュー。いつもは休日の
朝一番のルーティーンだったのですが、最近は
早朝散歩するのが日課になってたので。
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