ピッチとあおいふく
2006/03/05 Sun 23:27
![]() | ピッチとあおいふく (わたしのえほん) (2006/01) 井川 ゆり子 商品詳細を見る |
完成度としては、今一歩
いろいろな要素がはいりすぎて、何をいいたいのかわからない作品だと感じました。
原因はいろいろとあげられますが、最も気になったのは母親がいなくなるところ。
あまりにも唐突すぎて、話しの流れが不自然に感じられます。
その結果、感動させようという作為がミエミエになっていると思いました。
不自然な点をもうひとつあげると、男の子と母親、男の子と小鳥という2つの関係性が
並行して存在するところです。それぞれコミュニケーションが成り立っているのですが、
かたや現実的な関係で、かたや空想的な関係なので、
読者の側で両方が成り立つ世界観を見いだす必要があるのでは。
しかしながら、小鳥が人間と会話し編み物までするような空想的世界と、人間の死と
いうリアリティを共存させるのは無理があるように思います。
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