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ねずみちゃんとりすちゃん なかよしの巻 (学研おはなし絵本)ねずみちゃんとりすちゃん なかよしの巻 (学研おはなし絵本)
(2006/03)
どい かや

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共感してくれる友がいる幸せ

楽しい事、うれしい事は相手とわかちあうことで、よりいっそう味わえる。
逆に、つらい事、かなしい事は相手につたえることで、心の重荷が軽くなる。

割と頻繁に語られたり書かれたりしているコミュニケーションの効用。
それを、ここまでストレートに描いた絵本は無かったのではないでしょうか。

今は、何かあるとすぐに携帯で写真やメールを送り合える。
伝える相手がいるってことは、幸せな事です。
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おなら犬ウォルター

2006/04/29 Sat 00:36

おなら犬ウォルターおなら犬ウォルター
(2006/03/02)
ウィリアム・コツウィンクルグレン・マリー

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子供は気にしないかもしれませんが

もっと、かわいい絵だったらよかったのに…
まるでひと昔前の、暴力的な米国製TVゲームを思わせるタッチだ。
これは生理的に好みが分かれるでしょうね。

ただ、話しの中身はまともなので、絵さえ気にならなければ
読んでみるのもいいでしょう。

おならが止まらない犬、ウォルター。
どうも生まれついての体質で、薬もまるで効かない。
それでも受け入れてくれる子供たちと、飼い続けることに反対する
両親とのあいだで、彼は揺れ動く。

みんなから認めてもらえないと悩んでいる人、
あるいはちょっとした他人の欠点が気になっている人に
向けての作品。
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どうしたらいい、ブルーカンガルー? (児童図書館・絵本の部屋)どうしたらいい、ブルーカンガルー? (児童図書館・絵本の部屋)
(2006/04)
エマ・チチェスター クラーク

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カンガルーくん考える

青いカンガルーのぬいぐるみと女の子リリーちゃんが登場。
よんだあとで知ったのですが、シリーズ化されてて本書が4作目なんですね。

本国のイギリスでも高く評価されているとのこと。
その理由はブルーカンガルーにあるようです。

なんと、このカンガルーは動かない! 

ぬいぐるみですから当たり前と言えば当たり前!?
いやいや、絵本ではよく、ぬいぐるみが動いて話しかけたりするでしょ。
だから全く動かないと かえって、おやっ となるのです。

動かないのは、自分はどうしたらいいかって考えているからなのです。
リリーへ対する、カンガルーの内面描写はみどころのひとつ。

そして、最後の最後に自分はどうしたらいいか思いつく。
読者に、自ら考え行動することをやさしくうながしてくれる作品です。
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ねどこどこかな?

2006/04/27 Thu 00:38

ねどこどこかな?ねどこどこかな?
(2006/01)
ジュディ ヒンドレイ

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役者がちがいますな

訳者に注目!
谷川俊太郎&覚和歌子のコンビだ。谷川さんはいうまでもないですね。
覚さんは「千と千尋の神隠し」の主題歌作詞でのレコード大賞金賞を
はじめ、詩作や音楽方面でかなり活躍している方だ。

読むまえに、ついついタイトルの訳をチェックしてしまいました。
すると「ねどこ どこかな?」の原題は「SLEEPY PLACES」と判明。
うわぁやられた!ってくらい完璧ですね。音感まで日本語に変換されている。

中の文章でも、リズミカルで心地よい響きが心の奥底まで伝わってくる。
おだやかな色彩の絵と合わせて、やすらかな眠りは保証されたといえよう。
子守唄というより、まるで催眠術にちかいものがある。

これは原書を買って、読み比べてみる価値があるゾ。
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へんてこりんなおるすばん

2006/04/26 Wed 00:39

へんてこりんなおるすばんへんてこりんなおるすばん
(2006/03)
角野 栄子

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留守番という魔法の力

じめて留守番をしたときのことを覚えていますか?

知らない人がきたらどうしよう。静寂、孤独、不安に襲われる。
その一方で、自立、権力、自由を獲得した気持ちにもなれる。
まるで、家という国の王様になったように。

さて、ランちゃんという女の子のはじめての留守番。
留守宅の鍵を開けて入るところからはじまるのがイイですね。
読者もランちゃんといっしょに、へんてこりんな世界へ入場。

へんてこりん度NO.1は食器棚のおばさんに決まり。理由は絵をみてください。
角野さんの文の通りに、かわかみさんがみごとに描き出してくれました。
他にもいろいろと、へんてこりんなヤツらが登場して楽しませてくれます。

かわかみさんの作品では、「わたしのおへやりょこう」という
自宅の部屋巡りを旅行にみたてた傑作もあるので、
読み比べてみるといいでしょう。
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クマさんのドーナツ

2006/04/25 Tue 00:40

クマさんのドーナツクマさんのドーナツ
(2006/03)
みやざき ひろかず

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結局、さいごはドーナッた?

クマさんの忘れん坊も、ここまでくると一つの才能ですね。
だって、自分の食べたいドーナツを買いに出かけたのに、
あるいているだけで忘れちゃうんですから。

ドーナツにも原因があるかもしれませんね。
だって、まんなかにポッカリと穴があいているから、
記憶だってポッカリ抜けてしまうんでしょう。

でも、何かを忘れていることに気付くところが、クマさんの
エラいところ。道々での出会いや、ふとしたきっかけで
ちゃんと思い出すんです。でもまたすぐ忘れますけど…

忘れる 思い出す 忘れる 思い出す 忘れる ・・・

さて、クマさんは無事にドーナツを食べられるでしょうか。
みやざきさんならではの、ほのぼのサスペンスを味わってください。
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チータカ・スーイ

2006/04/24 Mon 00:41

チータカ・スーイ (日本傑作絵本シリーズ)チータカ・スーイ (日本傑作絵本シリーズ)
(2006/01/01)
西村 繁男

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子供はもちろん、かつて子供だった大人へ

読み終えたあと、耳に音がのこって離れなくなってしまった。
チータカ チータカ スーイ スーイ ウォー ガオー
童子公園を出発した子供楽団は、大きな竜と2匹の獅子舞とともに町中を練り歩く。

不思議なことに、これだけ派手な編成にもかかわらず、大人は誰もその存在に気付かない。
家の中を堂々と通っても、新聞を読んでいたり居眠りをしていたりするのだ。

昭和初期の時代を思わせる懐かしい町が舞台。
そこに西村さんは、子供達だけが楽しめる痛快な世界を描き出した。

子供はもちろん大人だって、ちょっとだけ童心にかえれば、絵本を通して
楽団に参加できるでしょう。

絵にはいろいろな謎解きが仕掛けられているので、2度3度読み返して
楽しめる作品だ。
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カッパがついてる (絵本のおもちゃばこ)カッパがついてる (絵本のおもちゃばこ)
(2006/03)
村上 康成

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自然の生き物としてのカッパに出会える

村上さんといえば、アウトドアライフと絵本を結びつけた先駆者としての
印象がつよくある。自然の生き物、海、川、森、などの魅力をグラフィカルに
みせてくれる絵は、いつみても心地よい。

この作品には、カッパという架空の生き物が登場する。
いや、架空といってはいけないかもしれない。
なにせ、村上さんが描くくらいだから、実際に川の中にいるはずだ。

ヤマメやナマズ、コイにアユ。 カワウソやカワネズミ、カワガラスといった
川の住人たちも描かれている。そして彼らと共に生活しているはずなのである。
でなきゃ、絵本に描かれるわけがない。

この本の女の子のように、ちょっとした好奇心を持って、川にでかければ
あなたにもカッパが見えるでしょう。

ラストページにカッパの笑顔を感じました。
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庭の小径で

2006/04/22 Sat 00:43

庭の小径で庭の小径で
(2005/01)
きたむら さとし

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心のガーデニングに

ああいいなあ、小径のある庭か… 
土地がないから、そんなの無理なんて考えては行けない。

この本によれば、だれもが記憶の片隅にちいさな庭をもっているのだ。
それも楽園のひとかけらのような。

心の中に存在するとはいえ、庭というからには、手入れが必要。
やさしく、ていねいに、じっくりと。

ロウラ・ストダートの単語のように小さく緻密なイラストは、含蓄ある言葉となり、
絵本作家のきたむらさんによる短い文章は、時空を越えた遠近法で空間を描き出す。

読み終えたあと、すぐれた庭師によって手入れされた、自身の心の庭を
発見するでしょう。
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小さな王さまヌーノ

2006/04/21 Fri 00:43

小さな王さまヌーノ小さな王さまヌーノ
(2003/11)
マリオ ラモ

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かぶってみて分かる王冠の重み

百獣の王と言われるライオン。漫画や劇では王様役としてしばしば登場します。
「ジャングル大帝レオ」や「ライオンキング」は有名ですね。

当のライオン自身はどう思っているのか知りませんが、実際に王様になると
したら大変なものがあるでしょう。ただ単に強ければいいでは済まされません。
王としての人望、いや、獣望も必要で、他の動物たちの困り事にも
耳を貸さなければならないのですから。

この絵本の中にも、そんな世界観が登場。
でも、ユーモラスな作風が持ち味のマリオ・ラモだけあってひとひねりあります。
表紙から想像がつきますね? 父が倒れたため、その大役を幼くして務めること
になったのがチビライオンのヌーノ。はたしてうまくやれるのかどうか?

自分が王様だったら、どうやって問題解決するか。ニーノといっしょに考えながら
よむと、その苦労を分かち合えるでしょう。

子供の背中にのしかかる重圧と開放感を通して、父の偉大さを伝える作品。
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