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ぜつぼうの濁点

2006/09/03 Sun 17:22

ぜつぼうの濁点ぜつぼうの濁点
(2006/07)
原田 宗典

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日本語ならではの言葉ワールド

「ぜつぼうの濁点」とは、いったい何を意味しているのか??? 
このタイトル、けっして意味不明ではなくそのままの意味なのである。
つまり「ぜつぼう」という言葉の「ぜ」についた濁点を擬人化した絵本なのだ。
あるひ濁点は主人である「ぜつぼう」という文字から離れていく。
主人のあまりに辛そうな姿(絶望ですから)を見るに見かね、
自分さえいなければ楽になれるのだ(切望に変わる)と別れていくのです。

舞台となる ひらがなの国の世界観が、実にシュールだ。
住人達は、ひらがなの形をそのまま擬人化した変な姿をしている。
や行の街では「やぶからぼう」「よめ」「ゆすり」などが登場したり、
大きな「おせわ」という奴がきて、勝手に拾われたりという調子で、
話しについていくの大変だが、次はどうなるかという興味はつきない。

実は、ボクもこれと似たような話しを思いついたことがある。
濁点が勝手に移動して、世界が変わってしまう様子を描いた絵本だ。
例えば、子どもが登校したら校舎が無くなっていて、代わりに
ゼッケンを付けたカッコウが待っている。
実は「学校」の濁点が洗面所の「石鹸」のところへ行ってたせい。
なんてことを、色々と絵探し的にやったら楽しいだろうと思ったのだ。

半濁点の「°」がコロコロと転がって行くなんてのもアリかな。
ひょっとしたら、同じことを誰かが考えているかもしれませんね(笑)

要は何が言いたいかというと、くだらない思いつきも徹底的にやれば
作品になるんだなってことです。
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