fc2ブログ

うさぎはやっぱり

2006/12/31 Sun 01:06

うさぎはやっぱり (五味太郎さんの干支セトラ絵本)うさぎはやっぱり (五味太郎さんの干支セトラ絵本)
(2006/11)
五味 太郎

商品詳細を見る

トリからはじまる干支シリーズ(その7 卯)

干支セトラ絵本も折り返し点を越えて7冊目となりました。
後半戦の最初にくるのはウサギ。 ここまでの勢いを持続させたいところですが、
ちゃんと期待に応えてくれました。なにかを続けることへのこだわりが見えます。
本書でウサギがでるのは当然なのですが、

1:「でました」が今回のキーワードとしてでました
2:これでもかと言うほど色々なウサギがでまくる

しろうさぎに始まり、くろうさぎと続いて、○○うさぎでましたと出続ける。
(○○は体の色) でもこれなら他の干支でも何でもいいんじゃないか、
と思う人もいることでしょう。白ネズミだって白ヘビだっていますから。

うさぎと「でました」の関連性は何なのか?
などと難しいことを考えるヒマをあたえないほど、色々なうさぎがでました。
数えてみると、なんと19羽も! 変なヤツもたくさんでました。

注目したいのは、それぞれのうさぎが出方にこだわりをもっているところ。
ちゃんと前の流れを受けて、ここぞ自分の出番というかんじででるのです。
こちらは、まるで流行の変化をウォッチングしている気持ちになります。

もう行き着くところまで行ってしまいますが、

3:最後はでるべくしてでるヤツがでます

しめくくりはちょっとした快感です。 ところで辰はどう出るか?
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

ポポおばさんとことりたち

2006/12/30 Sat 01:07

ポポおばさんとことりたちポポおばさんとことりたち
(2006/11)
おおしま りえ

商品詳細を見る

小鳥たちの笑い声がきこえてくる作品

オカメインコを飼っているせいか、小鳥が登場する絵本には妙に反応してしまう(笑)
そうでなくても、この作品はまちがいなく好きになったでしょう。
表紙に並んでいるのは小鳥の園児たち。黄色い花の通園帽子がなんともキュート。
ところでポポおばさんはどこに?

主役のやまばと:ポポおばさんは、見開きの最初に満を持して大きく登場します。
部屋の様子や小物類から、ポポおばさんの温かさがじんわり伝わってきました。
色鉛筆をていねいに塗り重ねて描かれた、鳥たちと自然の描写はみごたえたっぷり。
絵本作家で、どいかやさんの好きな方は、この絵もきっと気に入るでしょう。

今回の話しは(って勝手にシリーズ化してますが)小鳥たちが住んでいる、
大きな木が関係するエピソード。大きな木の大胆な行動がみものです。
これで、役者たちと舞台が出そろったという感じでしょうか。
ここから、さらに何が生まれてくるのか、静かに応援しながら待っってます。

オカメインコもでてこないかなあ…
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
ゆうかんなミミと大きなクマさん (児童図書館・絵本の部屋)ゆうかんなミミと大きなクマさん (児童図書館・絵本の部屋)
(2006/09)
アンジェラ マカリスター

商品詳細を見る

小さなミミの大きな勇気に拍手

森に置き去りになった人形を助けるという話しの絵本はいくつかあります。
たいがいは、無事に家にもどれてよかったね、となります。
本作の場合は、女の子のポッケから落ちたうさぎの人形:ミミを大きなクマが
見つけ、家まで送ってくれます。しかし話しはそこで終わらないんですね。

クマさんがたいへんな状況におちいって、それをミミが助けるのです!
いったい何が起こったのか? なぜクマさんのピンチがわかるのか?
実は、秋から冬にかけてという舞台設定と、歌のとくいなミミのキャラクター設定が
大きなポイントになっています。

絵もいいですよ。特に黄色を基調にした森の自然描写には参った。
一見するとラフな水彩タッチのようで、実は繊細に神経が行き届いている。

くり返しよめばよむほど、その良さが伝わってくる絵本です。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

ねむいねむいおはなし

2006/12/28 Thu 01:08

ねむいねむいおはなしねむいねむいおはなし
(2006/09)
ユリ シュルヴィッツ

商品詳細を見る

とちゅうでねないように気をつけろ

表紙からもうすでに眠りの世界が始まっている。月も木も家も
目を閉じて寝ているではないか。

ページを進めるにつれ、眠りの世界は、どんどん深くなってくる。
ねむい ねむい ねむい ねむい と催眠術のように繰り返さる言葉。
家の外も家の中の物たちも、みんながみんな眠っている。

ボクも途中で眠くなり、最後まで読み進められるか不安になったほど
強力な効果がある。ほんとですよ。
しかし、そこは絵本の魔術師シュルヴィッツ。一本調子にはならないで、
ちょっと覚醒させてくれます。みんなで満足感を味わったあとに、
安心して眠りの世界へ入っていけるようにしてくれます。

ふぁーあ・・・・・・
ではボクも・・・これから一眠りしましょう・・・
おやすみなさい・・
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

ちいさなおひっこし

2006/12/27 Wed 01:10

ちいさなおひっこしちいさなおひっこし
(2006/10)
こみね ゆら

商品詳細を見る

誰か教えてください 小さな家の大きな謎について

久しぶりに故郷に帰って実家や小学校を訪ねると、あれっ昔に比べて
小さくなったな って思うことありますよね。
まあ 裏をかえせば、それだけ自分が大きくなったということになります。

さて、本作では住んでいる家そのものが、本当に小さくなってしまいます。
どんどん小さくなって、終いには犬小屋くらいまでになってしまうんです。
家族は住む所がなくなり、新たに家を建てることになるのですが…

少女漫画のようなリリしいタッチの絵で、こんなことを描かれると
単純に笑ってすますことができない。読む方としては困ってしまった。
いったい誰に何をつたえようとしたのかと?

せめて、家が小さくなった家族が七転八倒してくれれば
話しについていけたかもしれない。しかし、青い目で美形の彼らは
ヒョウヒョウとしていて、さらにいい家を建ててしまうし。
はあ~っ なんともリッチなことで…

ラストもこれでよかったのかどうかは判断できない。ミステリアスな結末に
するなら、もうひとつ何か暗示的な要素が欲しい所だ。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

おやつのじかん

2006/12/26 Tue 01:11

おやつのじかん (ciel books)おやつのじかん (ciel books)
(2006/10)
軽部 武宏

商品詳細を見る

3時の大惨事!?

食べ物の出てくる絵本をよんだあとは、それを食べたくなるものですが、
本書はそうならなかった。

おやつに出てきたのはイチゴと牛乳。どちらもポッコちゃんの好物です。
ところが、食べようとすると牛乳瓶の口からアワとともにオバケが登場。
シュールな序盤はよしとして、ここに至るまでが長い!ページを使いすぎです。
そのため、後半のもうひとつの山が急ぎ足になってしまった。

それと、賢明な読者は、途中で先の展開が見えてしまうでしょうね。
ラストにもうひとつ意外性が欲しかったです。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
ステキナカタカナステキナカタカナ
(2006/10)
五味 太郎

商品詳細を見る

主人公=アイウエオカキクケコサシスセソタチツテトナニヌネノハヒフヘホマミムメモヤユヨラリルレロワヲ

【イイナア、ホントニイイナア。コレカラカタカナヲオボエヨウッテヒトニハ、
コンナスバラシイホンガアルンデスカラ】

「すてきなひらがな」の姉妹編。
見開きの構成は、左に大きなカタカナひともじと、その書き順の紹介。
右はそのカタカナではじまる言葉=外来語をイラストと共に紹介。
ローマ字のよみがながついたり、英訳もあったりでサービス満点。
その中には必ず、そのカタカナではじまる国名の国旗があります。
五味さんならではの国際感覚に、おもわずホゥの連続。

例えば、「メ」のコーナーでは、
メロン/meron/melon/ メロン/皿にのったメロンの絵
というように5種類の表現があるのです。
他に メダル・メモ・メリーゴーランド・メキシコ が載ってます。
メキシコの国旗は他の絵とタッチを変えて色鉛筆で描かれています。

これだけ凝った本なのに、1800円とは安い。

実は最近、仕事でタイに出張しました。現地のデザインテイストを理解しようと
帰ってから、タイ語を書いてみたりしてます。あの独特のクネクネした文字は
手強いですなあ。日本語はカタカナまであるからもっと複雑だろうって?
でも、五味さんのコノ本とあの本があるからねえ。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

すてきなひらがな

2006/12/24 Sun 01:14

ステキナカタカナステキナカタカナ
(2006/10)
五味 太郎

商品詳細を見る

主人公=あいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわをん

【いいなあ、ほんとにいいなあ。これからひらがなをおぼえようってひとには、
こんなすばらしいほんがあるんですから】

見開きの構成は、左に大きなひらがなひともじと、その書き順の紹介。
右はそのひらがなではじまる言葉をイラストと共に紹介。
ローマ字のよみがながついたり、英訳もあったりでサービス満点。
イラストに加えて、ひらがなを物で再現した写真がすべて付いてます。
五味さんならではのシャレた遊びごごろに、おもわずニヤリの連続。

例えば、「め」のコーナーでは、
めがね/megane/glasses/ グラスイズ/めがねをつけた人の絵
というように5種類の表現があるのです。
他に めん・めんどり・め・めだまやき が載ってます。
「め」の形をしためだまやきの写真もあります。

これだけ凝った本なのに、1800円とは安い。

実は最近、仕事でタイに出張しました。現地のデザインテイストを理解しようと
帰ってから、タイ語を書いてみたりしてます。あの独特のクネクネした文字は
手強いですなあ。ひらがなのほうがもっと複雑だろうって?
でも、五味さんのこの本があるからねえ。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

ハンタイおばけ

2006/12/23 Sat 01:16

ハンタイおばけハンタイおばけ
(2006/10)
トム マックレイ

商品詳細を見る

実はボクもときどき見えるんです

ハンタイおばけは本当にやっかいですね。
本書に出てくるおばけは、男の子の言った事と逆の事をするし、
おばけがいるときは、男の子のすることが逆の結果になってしまうのですから。
たとえば、単純に朝食のミルクを器にそそぐと、ミルクが天井にかかってしまう
といった調子。男の子が「おばけがいる」と言えばいなくなってしまうし。

ただ、おばけといっても怖くないし、ちょっとした機転をきかせれば、
意外と付き合い易いところもあるようです。男の子はウマい方法を見つけました。

作品としては、もっと大胆な展開があってもよかった。
おそらく、人間のもつネガティブな感情を「ハンタイおばけ」という形に置き換えて
いるのでしょうね。シニカルな英国流ユーモアを味わいたい方にはお勧め。

このテーマはさらに発展させたものが見てみたい。
もっと共感しやすい作品が作れるはずなので…
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
ウポポ ウポポポ ポタージュスープ (ひまわりえほんシリーズ)ウポポ ウポポポ ポタージュスープ (ひまわりえほんシリーズ)
(2006/09)
越智 のりこ

商品詳細を見る

五感全開で楽しめる作品

この作品にもう理屈はいらない。感覚でとびこんで行きましょう。
ウポポ ウポポポというボタージュスープの歌声にさそわれて
女の子がスープの中へはいってしまう話しですから。

牛乳、ニンジン、ポテトに、コンソメ、コーン。他にもいろいろ
スープを作った素材たちが次々登場。リズムにのって自己紹介してきます。
もちろん子どもの嫌いな野菜も、中には入っているかもしれません。
が、栄養がどうとか、味がどうとか、関係ない。楽しきゃOK。

カラフルな色彩も食欲を刺激しますね。
さいきん寒くなってきました。今夜はあったかいスープにしようかな。
なんて気持ちになることうけあい。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
 | HOME | Next »