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お菓子を仕事にできる幸福

2007/01/31 Wed 00:26

お菓子を仕事にできる幸福お菓子を仕事にできる幸福
(2004/05/07)
木曽 健一中田 英寿

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仕事の原点と絵本のパワーを再確認

なるほど、ビジネス書で紹介されていたわけが解りました。

今回は簡単に一言だけ。

お菓子メーカーの某F社の一部の社員にぜひ読んで欲しかった。
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黒猫ナイト

2007/01/30 Tue 00:27

黒猫ナイト (cub label)黒猫ナイト (cub label)
(2006/10)
山崎 杉夫

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うぉー これはカッチョイーぜ!

アメコミを実写化した映画「ディック・トレイシー」を思い出しました。
その雰囲気が好きな人は、ぴったりハマる絵本ですね。
とにかく絵がいい。黒く太い線でグラフィカルな処理をしつつも、手書きの味わいが
濃厚に伝わり、光と闇が織り成す夜の世界をミステリータッチでみごとに活写しています。

怪しい会話 路地裏の酒場 暗い下水管 謎の情報屋 そして…

突如消えたギター弾きのおじいさんを探しに、黒猫と共に冒険へ出かけましょう。
ただし、子どもはご注意を。この本の世界にはアルコール分が含まれていますぞ。
グラス片手に大人の時間を堪能したい絵本です。
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十二支のことわざえほん

2007/01/29 Mon 00:29

十二支のことわざえほん十二支のことわざえほん
(2006/11)
高畠 純

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正月には十二支について考えてみましょう(その5)

十二支絵本は色々ありますが、本作はことわざと結びつけたところがユニーク。

「犬も歩けば棒にあたる」「猿も木から落ちる」など良く聞くものから
ほぅ、こんなものもあったのか! といった ことわざまで、干支にちなんだ
22種類もが紹介されているのであります。

ネズミと牛、虎と兎というように、隣あった干支どうしをからめたり、
見開きの右と左で2コマ漫画的に2つのことわざをからめたりと、
なかなか凝った構成になっています。

猫もちゃんと仲間に入っているし、カエル オオカミ ブタ 蟻 まで出演。

これだけでも充分に絵本として楽しめますが、元になっている十二支が競争した話しと
あわせてよめば、なおいっそう味わい深くなるでしょう。
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1ねんに365のたんじょう日プレゼントをもらったベンジャミンのおはなし1ねんに365のたんじょう日プレゼントをもらったベンジャミンのおはなし
(1978/08)
ジュディ=バレット

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原書は30年以上前ですが、この発想は古くない

「えっ?」 となるタイトルですね。 365日の誕生日なんて。

これはプレゼント中毒になった、犬のベンジャミンのお話なのです。
誕生日以来、プレゼントの包みを開く事に、この上ない喜びを見いだした彼。
この快感を毎日味わいたくなったベンジャミンのとった行動がなんともユニーク。
身の回りの物をラッピングして、翌朝それを開けるという技を思いついたのです。

もちろん包んでしまっては、その物を使えなくなるので、いっとき不便だったりする
わけですが、翌日包みの中からその物が現れたときは、そのぶん感動が増すという
仕掛けですね。なるほど!

とはいっても、こんなことを毎日つづけるとなると、包む物もエスカレートしていきます。
最後の最後に彼が何を包んだかが見どころ。

ありふれた日常をエキサイティングなものにしたい方
あたりまえの生活に幸せを実感したい方 にお勧めです。

おまけに、単純な事でも365日も続ければ、新たな気付きに出会えると信じたい方も。
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ミイラくんあそぼうよ

2007/01/26 Fri 00:33

ミイラくんあそぼうよ (わたしのえほん)ミイラくんあそぼうよ (わたしのえほん)
(2006/12)
にしかわ おさむ

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20年以上の時を経て新装復活

ミイラと目が合って顔を覚えられてしまい、家にまでやってくる話し。
なんて書くと、怖~い作品のように思えますが、ご安心を。
表紙をみてもわかる通りミイラくんはとってもキュート。

そんな彼となら友達になってみたい人も多いのでは。 なれます!
この本の世界に入り込めばOKです。ミイラくんと仲良しになり食事をしたり
遊んだりできますよ。ボクは絵本の力を新ためて実感しました。

ミイラくんをありのままに受け入れるツトムくんやママがステキです。
そして出会いがあれば別れもあります。ミイラくんならではの去り方が印象的でした。
これからも末永く読まれる作品ではないでしょうか。
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峠の狸レストラン (桂三枝の落語絵本シリーズ)峠の狸レストラン (桂三枝の落語絵本シリーズ)
(2006/12)
桂 三枝

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化かされた気分で

桂三枝の落語絵本第8弾。

パンフレットによれば、予定していた作品は全て出そろったことになりますね。
「乗りかけた船」でこのシリーズのレビューを続けてきましたが、
これでやっと一段落 できるわけだ。 ふぅ~っ

いままでの作品を思い返せば、動物を語り手に人間社会をおもしろ可笑しく
風刺していたのは、道頓堀川の亀、料亭の鯛、ヤクザな野良犬がでる1・2・3作。
4作目:養豚場のブタでは、その勢いが弱まり、5作目:動物園のワニでちょっと
方向転換して人間が語り手となり、6作目ではカラスと人間、双方の主張がみれた。
閉鎖間際の動物園を舞台にチンパンジーとゴリラが今後の身の振り方に
ついて心配する7作目は、割と風刺も効いていい感じでした。

さて、今回は人間側が中心。峠にある謎のレストランをめぐっての話しです。  
なんでもその店はタヌキが経営しているらしいとのウワサ。幸助とアキラがそれを
確かめに訪れるという、ちょっとミステリータッチの展開が新鮮でした。

ラストはよくあるオチで、やっぱりこうなるのかい! と思いましたが、
どちらかと言えば、そこに至るまでの丁々発止の掛け合いを楽しむ作品といえます。
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マルガリータとかいぞく船 (すきっぷぶっくす)マルガリータとかいぞく船 (すきっぷぶっくす)
(2006/12)
工藤 ノリコ

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新たな船出をするキミに

海辺でレストランを営む、クマのマルガリータとミツバチのマルチェッロ。
このマルマルコンビ、なにげにスゴイぞ! 
マルチェッロは小さい体で、蜂蜜のはいった瓶を軽々とお客様へ運ぶ。
いったいどこを、どのようにつかんでるんだ?
少なくともカラス並みの羽ばたき力を持っているナ。

マルガリータもはんぱじゃない。料理できたえた腕力のなせる技なのか、
店をひっくりかえして船にしちまうなんて、可愛い顔してトンでもないヤツ。

そんなコンビが、海賊に奪われた宝物を取り返すべく、いざ海へ出発する
のだから、おもしろくならないわけがない。
スーパーマン級の仕事をほのぼのとやってのけちゃうんです。
ふつうならハラハラドキドキ心臓バクバクの内容ですが、
作者の工藤さんのお人柄のせいか、安心してホイホイ読めちゃいます。

ふたりの船による冒険は、海から雪原ステージへと移って、さらに続く予感。
これはおおいに期待を膨らませて待つ価値がありそうです。
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ねこのセーター

2007/01/23 Tue 00:36

ねこのセーター (学研おはなし絵本)ねこのセーター (学研おはなし絵本)
(2006/12)
おいかわ けんじたけうち まゆこ

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正月にはネコのことも考えてみよう

正月になって、十二支の絵本を数冊よみました。
その度に思わず同情してしまうのは、競争に負けてしまったネコのこと。
(まあ、ネコにも原因がないとは言い切れませんが)

そんな気分のときに、ピッタリはまったのがこの本です。
もちろん普通に読んでも楽しめますが、十二支の話しの後日談として
みると救われた気持ちになれます。

なぜなら、とにかくマイペースなネコが登場するからです。
さむがりだけど、穴のあいたセータをきている。
仕事はすぐになまけ始める。行儀はわるく恥ずかしがりや。

「おいコラ! そんなことでは世の中で通用しないぞ」
なんて叱りたくなる人もいるかもしれませんね。
逆に「こんな生活ぶりも悪くないな」なんて憧れる人もいるかも。

読者がどう思おうと、当のネコ自身は日々の生活に満足しているようです。
十二支なんかに入れられたら、めんどくさい。
このネコなら、きっとそう考えるはずです。
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リリアン

2007/01/21 Sun 00:38

リリアンリリアン
(2006/05/26)
山田 太一

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味わい深い短編映画のよう

まずは表紙をじっくりと味わっていただきたい。

画面のほとんどを占める白い余白、そして文字のレイアウトと相まって、
視線はいやがおうでも下を向いた男の子の頭部へと導かれる。
男の子は自分を囲むように地面にチョークで丸を描いている。
内面的な世界が、うまく暗示されています。
さらによく見ると、作者名に添えられた小さな●はビー玉。
手に取れば、心地良い紙質と活版印刷のように少しへこんだタイトルにも
気付くことでしょう。

シンプルながらも神経がすみずみまで行き届いた造りの表紙。
落ち着ける時間と場所を確保してからページを開きなさいというわけである。

作品の舞台は60年以上も昔の東京。映画館や劇場が活気をもっていた古き良き時代だ。
今では大人となった「私」の視点で、子どもだった当時の思い出が語られていく。
話しの中心は、謎を秘めた少女と背後に見え隠れする威圧的な黒服の男との出会い。
虚構と現実が織り成す不思議な世界に、思わず引き込まれてしまいました。

ノスタルジックな想いに浸れる大人の絵本です。
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えがおをさがしに―メルローズとクロック (児童図書館・絵本の部屋)えがおをさがしに―メルローズとクロック (児童図書館・絵本の部屋)
(2006/05)
エマ・チチェスター クラーク

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ちょっと落ち込んだ気分のときに

犬のメルローズとワニのクロックの友情を描いた絵本。

「ぼく、えがおを なくしちゃったんだ」様子のおかしいメルローズに
「だったら、さがしに いこうよ!」と野原へさそうクロック。

この最初のシーンが好きですね。実にいい。
この中に魅力の全てが集約されていると言えるのではないでしょうか。
メルローズのことをちゃんとわかっているクロックだからこそ、
こんな言葉がでてくるんですね。

ところで、犬とワニという組み合わせ。いったいどんなふうに出会ったの?
なんて不思議に思っていたら、巻末で他にも作品があることを知りました。
その中には、出会いのエピソードを描いたものもあります。
翻訳では順番が前後したようですね。こちらも後でよんでみたくなりました。

さて、メルローズは笑顔をみつけることができたのか?
それはよんでのお楽しみ。ラストのシャレたセリフもいいです。
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