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十二支のはじまり

2007/01/01 Mon 01:07

十二支のはじまり (おひさまのほん)十二支のはじまり (おひさまのほん)
(2006/11)
やまち かずひろ

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正月には十二支について考えてみましょう(その1)

十二支のはじまりについて描いた絵本をよむたびにおもうこと。

○辰って動物に含まれるのか?
○ウシがいるなら なぜヤギ・ブタがでてこない?
○ヘビがいるなら なぜカエル・トカゲがでてこない?
○鳥はなぜニワトリなのか?(カラスやスズメでなくて)
○魚類がいたっていいじゃないか?
○競争するにしてはルールがいいかげんじゃないか?

本作も基本的なストーリは既存作といっしょなので、
いつもの疑問が解消されることはなかった。

そして読後感として必ず残るのが

○ネコのあつかいが可哀そうすぎる

別にネコ派というわけでもないが、何も悪い事はしてないのに
ネズミの嘘にだまされて、競争に加われないなんて同情してしまう。
絵本界ではメジャーな動物なのにね。
本作では、その辺りに気をつかったのか、ラストはおだやかな
表現でまとめているのが特徴といえるでしょう。

でもせっかく十二支の絵本を新たに作るなら、
もっと大胆な解釈や展開があってもいいのかなと思いました。

ネコが決起して、別な十二支をつくっちゃうとかね(笑)
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なんてことを書いたのですが、
1年以上たってここをのぞいたら、全く参考にならない(5名)とのこと。ドヒャー!

ボクもその後、いろいろと十二支の絵本をよんで勉強しましたので 今なら、もっとましなことを言えます。
という訳で この際、自分で自分の過去の質問に答えてあげることにしました。

>○辰って動物に含まれるのか?
 →動物かどうかではなく作品の世界に生き物として存在するかどうかに意味があるのです。

>○ウシがいるなら なぜヤギ・ブタがでてこない?
 →出る絵本もあるぞ

>○ヘビがいるなら なぜカエル・トカゲがでてこない?
 →だから出る絵本もあるってば

>○鳥はなぜニワトリなのか?(カラスやスズメでなくて)
 →ニワトリそのものの存在を認めてあげよう。鳥の代表ってわけじゃないよ。

>○魚類がいたっていいじゃないか?
 →そう思います。でも泳げる場所がないから競争に加われなかったんでしょ。

>○競争するにしてはルールがいいかげんじゃないか?
 →競技者が納得してるし、神様が審判なんだから細かいこと言うな。

>○ネコのあつかいが可哀そうすぎる
 →ネズミに言いなさい。

>でもせっかく十二支の絵本を新たに作るなら、
>もっと大胆な解釈や展開があってもいいのかなと思いました。
 →天下の荒井さんが描いている時点で、もう他の作品とは次元が違うんだよ。

>ネコが決起して、別な十二支をつくっちゃうとかね(笑)
 →ネコ科のトラで我慢してもらいましょ。
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空想観光 カボチャドキヤ

2007/01/01 Mon 01:05

空想観光 カボチャドキヤ空想観光 カボチャドキヤ
(2001/02)
トーナスカボチャラダムス

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空想観光の悦楽

新年を迎えると、スケールの大きなことを考えてみたくなる。
例えば、いままでにないような国を作ってしまおうとか。
起業ならぬ起国をしようとする人が増えて、かつてないユニークな価値観が
まかり通る世界が増えるとどうなるか。

なんて空想のものに生まれたのかどうかは知らないが、
少なくとも本書に描かれている「カボチャラダ王国」は魅力的である。
見開きの半分にカボチャのようなフォルムの不思議な建築物が描かれ、
もう半分に詳しい解説文がある。

へんてこな建物とともに描かれている住民たちの生活ぶりは、どこか日本の
昭和時代を彷彿させるものがある。銅版画によるモノクロの絵がよりレトロ感を
増長させているせいもあろう。が、ある点では現代の我々に勝る文明までもっている。

幸福が貯金できるし、省エネタイプのかぼちゃ人間が研究され、
エネルギーは人糞発電所によってまかなっている。ぐるぐる渦巻いて天へのびる
長屋はまるでバベルの塔だ。

これから国を作ろうとしている諸氏には、おおいに参考となる本である。

ちなみにカボチャドキヤ国立美術館が北九州市に実在しています。
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