fc2ブログ

ファーディとおちば

2007/01/02 Tue 01:04

ファーディとおちばファーディとおちば
(2006/10)
ジュリア ローリンソン

商品詳細を見る

「まもってあげるからね」その気持ちが大事なんです

子ギツネ:ファーディのみずみずしい感性にハッとさせられました。
秋から冬へとうつりかわる季節をはじめて体験するファーディ。
我々は経験から、冬のあとに暖かい春がくることをわかっています。

しかし、そんなことを知らないファーディは目に映る自然のすがたを
感性のままに受け止め行動するんです。
彼が友達になった大きな木。友達といってもお互いに会話するわけでなく、
木は木として描かれているところがポイント。

その大きな木に着いていた、つやつやの緑の葉っぱが、やがて変色し
カサカサになって落ちていく姿をみて、病気になってしまったと
ファーディは思うんですね。どうにかして葉がおちるのをふせごうとする
姿にジーンとさせられました。

ところが、自然の摂理には逆らえず、彼の奮闘もむなしい結果に。
もちろんこのあと春が来て、大きな木にも新芽が生えるところまで描けば、
彼も、大丈夫だったんだねと、安心することでしょう。
しかし、作者はそのシーンをあえて描かずに、別のアッと言わせる手法で
自然からのメッセージをファーディに伝えました。

ファーディの感性を通し、自分の心と素直に向き合うことを教えてくれる作品。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
 | HOME |