fc2ブログ
フォト絵本 十二支動物のヒミツフォト絵本 十二支動物のヒミツ
(2006/11)
川口 幸男中里 竜二

商品詳細を見る

正月には十二支について考えてみましょう(その6)

おおっ、これは十二支のフルコースですね。
ゲップがでそうなほど盛りだくさんの絵本です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【前菜】動物たちが神様のもとへ競争するエピソードを3ページの漫画で。

【メイン】十二支を写真で紹介。関連する仲間たちも登場します。
【付け合わせ1】干支にちなんだ故事ことわざを4コマ漫画に調理してます。
【付け合わせ2】干支に関するマメ知識を写真やイラストと共に味わえます。
【ソース】年賀状で使えるイラスト例を3種類。お好みで選べます。
【薬味】トリビアクイズ。知識の消化を助けます。

【飲み物】三千五百年前の中国の暦についてのウンチク話を堪能。

【デザート】十二支の絵柄をモチーフにした迷路。手が込んでます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

一冊にすべてを盛り込んだ点では、誰でも楽しめるファミレス的な本ともいえます。
絵や写真のクオリティーを求める方は、専門店(他の十二支絵本)へどうぞ。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

みんなにあげる

2007/02/09 Fri 17:22

みんなにあげる (そうえんしゃ・日本のえほん)みんなにあげる (そうえんしゃ・日本のえほん)
(2006/12)
みやもと ただお

商品詳細を見る

好みが別れるかも。年配者受けはするのかな?

2006年12月の出版なのですね。復刻版かなと一瞬おもってしまいました。
というのは、ずーっと昔の作品を読んだかの印象をもったからです。

よくもわるくも絵本界で長いこと仕事をされている宮本さんのテイストが感じられます。
何気ない会話であっても、その裏にある人の気持ちが伝わってくるとでもいいましょうか。
これに共感できるかできないかは微妙なところなんですよね。
同じ会話を、かわいい動物キャラで今風に描けば すんなり入ってくるのですが、
人が発したものとして受け止めると、過剰に生々しく感じ取ってしまうのです。ボクは。

今回の作品では、女の子のオリンちゃんと90歳のおばあちゃんとで善意のウソがかわされます。
寝たきりのおばあちゃんを気遣って、思わずでたオリンちゃんのウソ。
それを受けて、話しを合わせようとするおばあちゃん。
でも、これだとオリンちゃんも、おばあちゃんがウソをついているとすぐに判りますよね。
お互いがウソだと判りながら、こんな会話が繰り返される状況を想像すると…
耳が赤くなるというか…ちょっとネ。

おもいきってナンセンスな絵柄ならまだ楽しめるのですが。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

ぽっかぽかのおまじない

2007/02/08 Thu 17:25

ぽっかぽかのおまじないぽっかぽかのおまじない
(2006/12)
三枝 三七子

商品詳細を見る

誰でも使える魔法

おまじないは誰でも使える言葉の魔法。
痛みをどっかへ飛ばしたり、手に書いて飲み込めば気持ちが落ち着いたり、
唱えるだけで不思議な力がわいてきたりと、信じる人には効用あり。

本書では寒い季節にうってつけの ぽかぽかあたたまるおまじないが登場。
なんといってもフクロウおじさんの直伝ですから、効果てきめん。
おまじないを教えてもらった女の子のともちゃんは、それをネズミにもしてあげます。
すると他の動物たちも次々にやってきて…

木枯らしが吹きすさぶ画面は、ほんとうに寒そう~~~ブルブルブルっとなります。

干支の順番でいくとネズミの次はウシかな、なんて勝手におもいましたが
さすがに、そうなりませんでした。(干支の絵本の読み過ぎですね)
でも、けっこう十二支の動物たちがでてきてますよ。
どうしてこんな森の中にいるんだ? なんて動物も登場しています。
「ここは野外動物園か」なんてツッコミは適切でないことはわかってますけどね。
リアリティとファンタジーのバランスでいうと微妙かな。

母親の気遣いを さりげなく描くあたりはサスガです。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

ももんがモンちゃん

2007/02/08 Thu 17:23

ももんがモンちゃん (学研おはなし絵本)ももんがモンちゃん (学研おはなし絵本)
(2006/12)
とりごえ まり

商品詳細を見る

よく言えば素直な作品

ももんがのモンちゃんの初飛行を描いた心あたたまる絵本。

初めて何かをするときや、未知の世界にいどむとき、誰しも勇気がいるものです。
やれば出来る力があるのに、不安や失敗体験が頭をよぎって、なかなか一歩を
ふみだせないモンちゃんには、共感できました。

話しの展開は、きわめてオーソドックス。
絵本を作り慣れた人によるもので、すんなりと読めてしまいます。

絵本を読み慣れた人にとっては物足りないかもしれませんが。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
たこたこふうせんとまとまとたこたこふうせんとまとまと
(2006/12)
竹内 通雅

商品詳細を見る

たいくつをふっとばせ!

いきなり「たこ」と「風船」がため息をついているシーンが登場。
このふたりの関係が気になる方は、前作「たこたこふうせん」もよめば
納得できるでしょう。もちろん本書からでも大丈夫。

タコと赤い風船は、まあ似ていると言えなくもない。
ではトマトにも似ているか? と問われれば、意見が分かれるだろう。
が、彼らの感覚からすると、トマトの「とまとまとちゃん」も似ているのである。
この強引さがいい。とにかく退屈が嫌いな彼らはトマトをも仲間にいれたかったのですね。

そんな3にんが街で遊んでいるうちに、とまとまとちゃんをめぐっての三角関係が
エスカレートしていき、とんでもないことになってしまいます。
えっ、これは今のご時世、まずいんじゃ… なんて堅いことは考えずに、
適当な気持ちでよんだほうが楽しめる、ちょいシュールな作品です。

タコのごとく柔軟で、風船のごとく軽やかな心でね。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

こびとづかん

2007/02/04 Sun 17:27

こびとづかん (cub label)こびとづかん (cub label)
(2006/05/01)
なばた としたか

商品詳細を見る

こびとワンダーランドへの最適な入門書

いやぁ、懐かしいなあ。こどもの頃を思い出しました。
ボクも夏休みになると田舎で、よくコビトをつかまえたものです。

特に桃林は狙い目。朝早くいくと樹液の近くにコビトがたむろして
いたりしました。4、5種類は見ましたかね。

茶色いヤツは力が強く、甲冑をつけたような外見がカッコイイので
けっこう人気がありました。2匹を一本橋の上に対面させると
落とし合いをはじめるので、コビト相撲と称してよく遊んだものです。

靴下の中に、黄色と黒のシマシマのコビトが入っていて、足をいれたときに針で
刺されたこともあります。洗濯して干していたときに潜り込んだのでしょう。
泣いていたら、おばあちゃんが蓮の茎を器用に使って、毒を吸い出してくれました。

長い棒の先に針金でつくった大きな輪をつけ、そこにクモの巣をからめた
捕獲ネットは、なかかな便利でした。高い所で酔って歌っているコビトはこれでOK。
はずすと逃げるときに、コビトのオシッコをひっかれられますけどね。

えっ! 
それは、コビトじゃなくて昆虫のことだろうって?
はいはい、その通りです。失礼しました。

でも、この絵本に出てくるコビトたちと、彼らを探す男の子の関係は、まさにそんな感じ。
着ぐるみをまとったお笑い芸人風情の怪しい姿とはウラハラに、彼らの生態が真面目に
紹介されているのです。童心にかえって、本気でコビトを探したくなります。

小さい頃に感じた、未知の世界や不思議なものに出会うときのワクワクする気持ち。
それを新たに思い出させてくれる作品です。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

のぞく

2007/02/03 Sat 17:28

のぞく (日本傑作絵本シリーズ)のぞく (日本傑作絵本シリーズ)
(2006/05/24)
天野 祐吉

商品詳細を見る

一粒ならぬ、1冊で三度おいしい作品

コラムニスト・写真家・イラストレーターの合作によって「のぞく」という行為を
表現した、新しい試みの絵本です。

確かに「のぞく」ことは魅惑の行動ですね。

それをまざまざとみせつけてくれるのは、写真に登場する「のぞく」ひとたち。
トンネルの向こう、小さな穴の奥、塀や壁を超え、好奇心は老若男女を問わず
とどまることを知らない。彼らはいったい何をみているのかな? と こちらも
いろいろと想像がふくらんでいきます。

読者も実際に「のぞき」体験できますよ。それはページに穴のあいた絵によって。
写真と交互に構成されているので、絵の穴から次の写真がチラリとのぞいたり、
絵の表裏が穴で関連づけられていたりして、ちょっとした異次元感覚を味わえます。

それらに添えられた文章が、写真や絵のもつおもしろさを いっそう際立たせています。
人類は「のぞく」ことによって進歩した:そんなところまで言及することにより、
内容に深みをもたせています。

欲をいえば、読者側の好奇心やのぞき本能をも劇的に満たしてほしかった。
それをやろうとすると物語的な構成にしないとむずかしいかな…
その意味では、感覚的というより知性的な実験作といえるでしょう。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

いかりのギョーザ

2007/02/01 Thu 17:29

いかりのギョーザいかりのギョーザ
(2006/12)
苅田 澄子

商品詳細を見る

プンプン ガハハハ 最後はニッコリ

えっ!いったい何だ? とおもわせるタイトル。これは手に取らざるをえないですね。
よんでみれば、なるほど納得。プンプンプリプリの怒りが、いい味付けになってます。

ギョーザを作って、みんなで食べるという絵本はいくつかありますが、
本作はそこに至るまでの、テンヤワンヤが斬新です。
テーマでもある「怒り」をこのように食べ物と結びつけたのはミゴト。

なんといっても関西弁をふりかざして大活躍するフライパンが見もの。
声に出してよむと熱くなってきますよ。読み聞かせも盛り上がることでしょう。

まるで、お笑いライブを堪能したような読後感。
絵本のM-1グランプリがあれば、決勝進出まちがいなしだ!
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
 | HOME |