fc2ブログ

さあ、犬になるんだ!

2007/03/29 Thu 07:08

さあ、犬になるんだ! (村上春樹の翻訳絵本集)さあ、犬になるんだ! (村上春樹の翻訳絵本集)
(2006/12/16)
C・V・オールズバーグ

商品詳細を見る

オールズバーグの魔術に期待しすぎたかナ

怪しいポーズの女性が、セピア色のパステルタッチで描かれている表紙。
オールズバーグのファンならば、一目で彼の作品とわかるだろう。
村上さん訳による、タイトルも抜群にいい! 絵との相乗効果満点。
表紙をめくる手にもおもわず期待がこもる。

あのオールズバーグの奇妙な世界へ入っていけると… しかし

ーいたずら好きの少年とかしこい妹ー この一文と催眠術をめぐる話し
というところから、ラストの展開が途中でよめてしまうのが残念だった。

オールズバーグのファンならば、ほぼ99%の人が独特(毒特ともいえる)なラスト
の余韻を魅力としてあげるでしょう。ただ それを本作に期待すると60%の人は
がっかりするかもしれません。なぜならば、この話しは現実にもありうることだからです。

実際はありえない、でもひょっとしたら起こりえるかも?… という現実と非現実の狭間に
読者を誘い込み、不安や恐怖、あるいは夢や期待をあたえてくれる。
ボクは彼の作品にそんなことを求めるようになってしまった。まるで中毒のようにね。
だからこそ、現実的につじつまの合ったラストには少し不満が残った。

原題の「PROBUDITI !」は本作に登場する催眠術師が、術を解くときに唱えた言葉。
オールズバーグの魔術も、ひょっとして本作が最後? なんて、考え過ぎか。

ちなみに普通の絵本として見ればレベルは高いし 充分楽しめる作品であることは
間違いありませんので、本文は単なる1ファンのグチと受け取ってください。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
 | HOME |