ビロードのうさぎ
2007/06/09 Sat 11:14
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新たな人生に幸あれと願いたくなる作品
この作品は有名な原作があり、既に何点も翻訳書が出たり絵本化されていたりするようですね。
それらを知らなかったボクは、酒井さんの絵本を通し、初めて「The Velveteen Rabbit」に
出会うという幸運に恵まれました。 「うさぎ」は酒井さんの代名詞といっていいほど
絵本によく登場しますし、繊細な心を描くことにかけても卓越した感性をもっているだけに、
原作はまるで彼女のために用意されていたといっても過言ではないでしょう。
(他の方の作品を読まずにこう言い切るのも何ですが)
主人公は男の子に愛されようとするうさぎの人形。緑の眼が印象的だ。
自分は本物のうさぎだと信じつつ、人形=物 としての役割をまっとうする
ビロードのうさぎが限りなく切ない。
が、そんなうさぎだからこそ、どんな本物のうさぎよりも 生きることの意味を
深く受け止めているように思えました。
そして、奇跡というものは起るべくして起るものなんだ と信じたくなりました。
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