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おかしのくにのうさこちゃん (ブルーナの絵本)おかしのくにのうさこちゃん (ブルーナの絵本)
(2007/04/12)
ディック・ブルーナ

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ちょっとおかしなうさこちゃん

表紙ではうさこちゃんが大変な事に! 彼女に降りかかっているのは
石? 絵具? いーえ大丈夫。これはドロップなのです。(雨でなく飴)

シリーズを全てみたわけではないのですが、今回はちょっと異色の感があります。
みどころは、うさこちゃんが食事中に空想した「お菓子の国」でしょう。

色とりどりのアイスクリームにケーキ、ジュースなどが次々に登場。
シンプルな絵にもかかわらず、本当においしそうに描くあたりは、さすがブルーナです。
しかし、うさこちゃんの空想は食べ物を超えて、わがまま方向へ暴走しはじめる。
おいおい、いったいどうやって収拾をつけるの? 血迷ったか!

なんて心配をよそに、結局は おぎょうぎの良い子に帰っていってしまうのですが…
ちょっと寂しかったけど、絵的には無表情なうさこちゃんが 心の中に秘めた欲望を
垣間見れたので良しとしましょう。ムフフフ。
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ぼんさいじいさま

2007/06/11 Mon 11:12

ぼんさいじいさまぼんさいじいさま
(2004/05)
木葉井 悦子

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死と出会う為に あるいは 出会った人を想う為に

死を迎えるとはどんなことなんだろう?
体験した者は、必然的にこの世にいないので想像するしかない。

死は旅立ちに例えられたりしますが、本作では、じいさまの
ところへ小さな小さな少年が迎えにくるというかたちで訪れます。
毎日を共にした山の動物たちに見送られながら、ゆっくりと歩いて
別の世界へ進んで行くのです。

じいさまの庭を彩る数多くの盆栽は まるで 彼が生きてきた証のごとく
様々なことを我々に伝え残してくれます。
そして最後をむかえる時まで じいさまと共に生きてきた山の動物達は
彼の人生で出会った多くの者達を代表しているかのように思えました。

死を迎えるとはどんなことかはわかりませんが、
もしも、人生を精一杯に生きたという満たされた想いで死を受け入れるならば、
本書の読後感に近いものがあるのではないでしょうか。

そう信じて毎日を大切に生きていこう という気持ちになる作品。
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