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よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし (レインボーえほん)よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし (レインボーえほん)
(2007/04)
及川 賢治竹内 繭子

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牛乳色の白昼夢

わかるわかる! よしおくんの気持ち。
誤ってテーブルの上のコップやびんを倒してしまったときの瞬間。
ヒャっと思うよりも先に、ドクドクと勢い良くひろがる液体。
このまま増えつづけて、まわりに溢れ出してしまうのでは。
なんて妄想を誰もがしたことでしょう。 少なくとも約0.03秒くらいは。

本書は見返しからいきなり画面が始まる。
間髪いれずに次のページで、牛乳をこぼす。「しまった」
おとぼけ顔のよしおくんが、ぼーっとしているうちに牛乳はどんどん部屋を満たしてしまう。
そしてあっと言う間に、まわりは牛乳の海になってしまうというスピーディな展開に
ハラハラドキドキしてくる。これは洪水どころではない。
けど、牛乳だったらなんとかなるか という不思議な安心感にも満ちている。
作者のもち味がなせる技ですな。

このあと、変な看板や怪しい魚、船乗りまで登場し白昼夢はどんどん加速する。
まあ、このまま牛乳の溢れた世界でもいいか なんて気持ちになりましたが
ちゃんと元にもどるので、ご安心を。

よしおくんへ 次はビールをこぼしてくれ!
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