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Cowboy and Octopus

2007/10/08 Mon 07:16

Cowboy and OctopusCowboy and Octopus
(2007/09/06)
Jon Scieszka

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名コンビが描いた、異色なコンビの友情

連想ゲームです。「カウボーイ」ときたら何と答えますか?

すぐに「タコ」と答える人は99%いないでしょう。
もしも、カウボーイとタコという全く接点がなさそうな1人と1匹が
友達になったらどうなるか  をユーモラスに描いたのがこの絵本。
シーソー遊び、おいしそうな(?)食事会、タコのお気に入りのジョーク
などなど、7つのショートストーリで構成されています。
ハローウィンで妖精に仮装したタコはけっこう笑えました。

絵としてのみどころは、ペーパークラフトやコミックブックからの切り抜きを
そのまま使った彼らの姿。作品中は、まったく同じポーズのままです。
彼らを取り巻く世界も、切り抜きや写真によるコラージュで構成され
LANE SMITHによるデザイン的な遊び心をぞんぶんに堪能できます。

しかし、なぜに「カウボーイ」と「タコ」なのか? という疑問は読後も残ったまま。
「カウボーイ アンド ○○○」という元ネタがあって、そのパロディーなのか?
あるいはアメリカ人ならピンとくる、裏の意味があるのでしょうか?
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本当だと信じたくなるラストがいい

えええっ こんなことバラしちゃっていいの?
なんと、あの有名なももたろうの舞台裏が明らかに!
読者は衝撃的な内容の数々にかなりショックを受けるのでは…

というのは ちょっとおおげさですが。
確かに「ももたろう」がいるならば「きゅうりたろう」や「りんごたろう」がいても
おかしくはない。そういえば「くりたろう」は公園で見たような気がする。
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ところで、もしおおきなモモが流れてきたらあなたはどうしますか?

1:切って中をみる
2:ヘルメットを買いに行く
3:眠ったふりをする

1 ですか…  
やめときなさい。モモの中に人なんて入ってませんよ。現実にはね。
ボクならヘルメットを用意します。だって川の上流には、そのモモがなってる
巨大な木があるはず。そんなところにはおおきなリンゴや栗だってなっているでしょう。
これは行ってみない手はない。でも用心しなきゃね。大きな栗が頭上に落ちてきたら
たまらないですから。
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すみません話しが横道にそれました。

要するに、物事や言い伝えは当事者に都合のいいことばかりが語られたり、
おもしろおかしくなる方向へ進みがちだってこと。
我々は話しの裏側にまで想像を働かせる必要があるわけだ。

そういう意味では
「それからのおにがしま/岩崎書店」
「桃太郎/ピエ・ブックス」 などもお勧めです。
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ヒロシマのピアノ

2007/10/06 Sat 07:19

ヒロシマのピアノ (えほんのもり)ヒロシマのピアノ (えほんのもり)
(2007/07)
指田 和子

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音色に宿る戦争の記憶(その2)

原爆は一瞬にして世界を変え、たくさんのものが失われた。
しかし、それに反して多くの物語が生まれている。
それらは哀しみや痛みを受け止めつつも前向きに進んでいこうとする
願いや希望が込められている。もちろん押さえきれない怒りや憎しみ
だってあるでしょう。でもその先に目指すところは、相手を打ちのめす
ことではなく、お互いを認め合える世界であると信じたい。

被爆を乗り越え音色を取り戻したピアノもまた、戦争が生んだ
ひとつの物語である。と同時にピアノと共に生きてきた女の子の物語でもある。
彼女の想いが通じてピアノは本来の姿をとりもどすことができた。
その中で今もなお生き続けているものを、ボクらは守っていかねばならない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上は昨日「ミサコの被爆ピアノ:講談社」で書いたレビューですが、
ほぼ同時期に全く同じテーマで出版された本書についても当然ながら
同様のことがいえます。

作品的な完成度を目指した前作に対し、巻末の写真や解説と付録のCDで
より具体的に事実を伝えようとした点が本書の特徴といえます。

ピアノを甦らせた調律師の矢川さんは、ピアノについた傷をあえて残したまま
にしたとのこと。もしこのピアノに出会うことがあったら、音だけでなく
その姿も目に焼き付けておきたい。
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ミサコの被爆ピアノ

2007/10/05 Fri 07:21

ミサコの被爆ピアノミサコの被爆ピアノ
(2007/07/03)
松谷 みよ子

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音色に宿る戦争の記憶

原爆は一瞬にして世界を変え、たくさんのものが失われた。
しかし、それに反して多くの物語が生まれている。
それらは哀しみや痛みを受け止めつつも前向きに進んでいこうとする
願いや希望が込められている。もちろん押さえきれない怒りや憎しみ
だってあるでしょう。でもその先に目指すところは、相手を打ちのめす
ことではなく、お互いを認め合える世界であると信じたい。

被爆を乗り越え音色を取り戻したピアノもまた、戦争が生んだ
ひとつの物語である。と同時にピアノと共に生きてきた女の子の物語でもある。
彼女の想いが通じてピアノは本来の姿をとりもどすことができた。
その中で今もなお生き続けているものを、ボクらは守っていかねばならない。

ピアノの気持ちが感じられるかのような絵も印象的だ。
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Skelly the Skeleton Girl

2007/10/03 Wed 07:22

Skelly the Skeleton GirlSkelly the Skeleton Girl
(2007/08/07)
Jimmy Pickering

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かわいい(?)ハロウィーンキャラ登場

10月の絵本のテーマ?と聞いて「ハロウィーン」と答える人も多くなったと思います。
絵本好きならば、本場の新作をチェックしておきたいところ。
本書は某雑誌でも紹介され、絵がユニークだったので早速購入しました。

Skellyは骸骨の女の子。コウモリの髪飾りがキュートでちょっと太めです。
彼女が部屋に落ちていた骨の持ち主を探すという、きわめてシンプルな
ストーリなので、英文でもすらすら読めました。

魅力は次々に登場する彼女の仲間たち。骨だけの魚、人食い草、をはじめ
ユニークなモンスターやゴーストらが目を楽しませてくれます。

何かを探すことが話しの呼び水となり、色々な場所や動物たちを
訪ね歩くという展開はよくあります。それをハロウィーン風の味付けに
したところが、この作品の特徴ですね。

で、骨の【本当の】持ち主は? という謎が残されたままなのが唯一の不満点。
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チリとチリリ―はらっぱのおはなしチリとチリリ―はらっぱのおはなし
(2007/06)
どい かや

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ちっちゃな好奇心がサイクリングする絵本

チリチリリ チリチリリと軽やかに自転車でおでかけする
ふたり組の女の子はチリとチリリ。シリーズ4作目の舞台は緑のはらっぱです。

草むらに入った彼女たちが、いつの間にか小さくなっているところが
ポイントですね。ミクロの視点でみると花や緑にあふれる草むらはまるで、
オシャレなジャングル。そこで生活する虫やトカゲに出会って特製の
お菓子やキャンディーをごちそうになります。これが実においしそう!

どいかやさんの得意とする心地よい自然描写のテイストが
シリーズの中でも、かなり色濃く出ている作品です。
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うえきばちです

2007/10/01 Mon 07:25

うえきばちですうえきばちです
(2007/09)
川端 誠

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シュールでナンセンスなガーデニング

ガーデニングの本? いやいやそんな生易しいものではありませんぞ
うえきばちに植えたのは、ふつうの種や球根ではなく「のっぺらぼう」!
そのうち「め」がでて「は」がでて…  あははは そうくるか という作品。

ばからしいといえば、ばからしいのですが、このネタを最後まで
徹底的にやりきったところが見どころでしょうか。
途中で自分ならでの展開やオチを想像しながらよむのもいいでしょう。

ちなみにボクは
・途中で枝分かれして、また「のっぺらぼう」が生えてくる
・口のついたのっらぼうが色々な物を食べすぎて「はら」が出る
・とちゅうから何事もおこらずに「あくび」が出る
・蚕がやってきて「まゆ」になる
・実は育てているほうが植物の姿をした人
なんて想像しました。
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