10にんのきこり
2007/11/30 Fri 11:12
サトシくんとめんたくん
2007/11/28 Wed 11:13
![]() | サトシくんとめんたくん (cub label) (2007/08) デハラ ユキノリ 商品詳細を見る |
キッチュなフィギュアーワールド再び
ちょっと不気味なフィギュアーが印象的だった「お野菜戦争」につづく
デハラユキノリの絵本第二弾はサラリーマンのおっさんが主役だ。
サトシくんというのが彼の名前だが、歳はもう50代になるだろうか。
家では妻や娘から相手にされず、飲み屋で過ごすつかの間にやすらぎを
感じているという彼。共感してしまう大人の読者も少なくないのでは。
そんな彼が道ばたで出会ったのが明太子に似た変な生き物。
まるで捨て猫に情が移ってしまったがごとく、めんたくんと名付けて
家につれて帰り、自分で育てはじめます。
なんていう、話のパターンは児童書によくあるものですが、
「サトシくん&めんたくん」という不思議な組み合わせのおかげで
最後まで目を離せない内容となっています。
ほんとはガハハハと笑いながら楽しむ作品なんでしょうな。
でも、サトシくんが人ごとに思えなかったので、ラストシーンは
ほんとによかったよかったと胸をなでおろしました。
さみしい大人の方、子供の頃に戻りたい大人の方におすすめの作品か!?
トゥートとパドル だからきみがだいすき
2007/11/27 Tue 11:14
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1年前に書いたことをふりかえって
以下は去年、原書のほうに書いたレビューです。
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前作と同様に約1年後の2007年秋頃には、この本の日本語版がでるはず。
ですから英語の翻訳に興味のある方は、一足先に訳してみるという読み方もできますね。
絵本なので、そんなに解りにくい文章はないものの、ちゃんと原文のニュアンスまで
伝えようとすると、けっこう頭をひねることになります。
ボクはタイトルの「The One and Only」でいきなり悩んでしまいました。
中身を読めば、なんとなく意味はわかるのですが、ピンとくる日本語が思いつかない。
OとOのくり返しにかけて、「お段」の言葉を組み合わせられないかとか、
あるいは、今回の主役であるオパール(Opal)に結びつけられないかとか… んーっ。
まあ、1年先の楽しみとしておきましょう(笑)
ということで、今回はオパールの話し。
転校生のバブルスは、オパールが好きで、何でもかんでもオパールのマネをします。
そのうち本家を追い抜いて、オパールがやろうと考えたことを、バブルスが
先にやってしまい、それが先生に褒められてしまいます。
それを見た友人のダフネは、バフルスを気に入りませんが、当のオパールはどうしたか。
今回も友情あふれる物語をステキな絵で堪能できます。
ところで、たくさん登場する子豚ちゃんたち。誰が誰かを、顔だけで見分けられますか?
表紙に出ているのは、オパールちゃんなのか、それともバフルスちゃんなのか。
これも、しばし悩んでしまいました。
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以上
なるほどタイトルはこうきましたか!
「だから きみが だいすき」Dakara Kimiga Daisuki と韻をふんだのですね。
それと表紙の子豚ちゃんも誰かわかりました。
コメント
7日(なのか)だけのローリー
2007/11/25 Sun 11:15
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見知らぬ犬との出会いと別れ
ローリーという名をつけられて、7日間だけ飼われた迷子の犬の話。
これは実話? 似たような話は現実にあるかもね。
持ち主がみつかるまで迷子の犬の面倒をみようとする
ぼくとおとうさんとおかあさん。
とりあえず2・3日のつもりだったけど、飼い主は現れそうもなく
家族は今後どうするか決断することになります。
犬と家族の微妙な距離感の変化がやんわりと描かれています。
だいすきがいっぱい
2007/11/24 Sat 11:17
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おもわず絵本をだきしめたくなりました
ぬいぐるみの中には何が入ってる?
綿? 確かにありますね。
オルゴール? そんな仕掛けがあったりもしますね。
女の子のもとへプレゼントとして意気揚々とやってきた、
ふわふわした白い熊のぬいぐるみが正にそうなのです。
ところが、遊ばれていくうちにだんだんボロボロになってしまい、
自分は魅力が失われていると意気消沈してしまうんですね。
この作品はぬいぐるみの視点を通して、人の心の中にある
大切なものについて感じさせてくれます。
感情豊かに描かれた、女の子と熊の表情も絵のみどころ。
おしり しりしり
2007/11/23 Fri 11:18
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よんで健康になる作品
病院の待合室におかれそうな作品、というのがボクの読後の印象。
健康的な生活習慣(トイレ)がテーマになっていて、
白をバックにした絵も明るくて見やすく、内容もシンプルで
あまり悩まずによめてしまうから。
おしり しりしり しりとり すきで
おしり しりしり しりとり あそび
と リズミカルにしりとりを展開させて、意識をおしりから
トイレへともっていくところがうまい。
巻末には歌詞付き。即興でうたって楽しむこともできます。
ぼくのおとぎ話からの手紙―Letters from Fairytale
2007/11/22 Thu 11:20
![]() | ぼくのおとぎ話からの手紙―Letters from Fairytale (2007/11) 荒井 良二 商品詳細を見る |
自分大好き人間へ荒井ワールドより
“ぼく”が毎月出した手紙が1年分。それと毎月“ぼく”のところへ
やってくるおきゃくさん12人の紹介で構成された作品。
おとぎ話からとタイトルにあるように、手紙の相手はとってもユニーク。
たとえば“ぼく”の身の回りのものが旅にでかけていたりするんです。
帽子、くつ、スケッチブック、陶器のロバ、などといったものがね。
手紙はそんな彼らに宛てて書かれているのです。
病弱で自由に外へ出れない子供がいて、外の世界へのあこがれを、
手紙というかたちで身近な物に託しのかなあ…
なんて勝手に想像し、勝手にグッと感動してしまいました。
おきゃくさんたちも、“ぼく”のオルゴールや“ぼく”のフライパンや
“ぼく”の手袋といったかんじで独特の世界が続きます。
ともすれば自己満足になりがちな内容を、いやみなく描いてみせる
あたりは、さすが荒井さんですね。
そういえば、先月から出かけている“ボクの思い出”はいつ帰って
くるのだろうか? 手紙くらいくれてもいいのに。
イエコさん
2007/11/21 Wed 11:20
![]() | イエコさん (2007/08) 角野 栄子 商品詳細を見る |
いったい家の中で何が起こったのか?
最近は家が主人公の絵本をよくみかけますね。
本作の“イエコさん”は、古くて誰もすんでいないひとりぼっちの家。
本当はさみしいくせに、やってきた動物たちと口喧嘩し、
あげくは手をのばして「ぱくり ぺろり」してしまうんです。
動物だけでなく、男の子までも…
「ぱくり ぺろり」された者たちは、いったいどうなってしまったのか?
ミステリアスな展開、リズミカルな日本語の文章、西洋的な家の造形
との組み合わせが独特の味わいをだしています。
ひとつ気になったのは、おおかみの変化。
家の中で何が起こったのか? これが一番不可解でした。
ちなみにボクは今、インドのアパートに「ぱくり ぺろり」されてます。
おうちくんのいえで
2007/11/20 Tue 11:24
![]() | おうちくんのいえで (おうちの絵本) (2007/09) 竹内 通雅 商品詳細を見る |
“おうちくん”の特徴をもっと出してほしかった
家そのものが引っ越しをする絵本はありますが、
家が家出をしてしまうところが、本作のナンセンスなところ。
なんと、家の中に家の子供がすんでいるのですね!
なるほど、これなら家も家出できるわけだ。
家出するのは、おねしょのことでお母さんにしかられた“おうちくん”。
家がおねしょ…ということは水回りの点検したほうがいいのでは?
なんてことを想像しつつ読み進めましたが、後の展開は特に
家でなくても成り立つような内容だったのが残念でした。
むしろ他の家とか建物とか出てほしかったし、“おうちくん”の中は
いったいどうなっているのかというところも見せてほしかったなあ。