だるまだ!
2008/01/09 Wed 23:43
![]() | だるまだ! (ciel books) (2007/12) 高畠 那生 商品詳細を見る |
だまるままのだるまにだまされるな!
どこからともなく大量発生したのか? あるいはだれかが大量投棄したのか?
とにかくたくさんの達磨たちが海から流れ着き、街中に広がっていくという
ナンセンスな作品。うさん臭いオシャレっぽさに満ちた絵が、ヘンな内容を
よりいっそう引き立てている。
達磨そのものが何かをするわけではない。まったくの人畜無害である。
人の好みによって、花瓶にされたり、スポーツ用具になったり、建築材にされたりと、
さまざまに使われたりしている。そうすることが、あたかも時代の最先端である
ような空気をかもしだしているのが、ちょっと不気味だ。
まあ、流行に追従する人たちを風刺していると受け取れとることもできますね。
タトゥとパトゥのへんてこマシン
2008/01/08 Tue 23:44
![]() | タトゥとパトゥのへんてこマシン (2007/10) アイノ ハブカイネンサミ トイボネン 商品詳細を見る |
ドラえもんもびっくりの発明品がいっぱい
発明好きなこどもの2人組、タトゥ&パトゥ。
こいつらはスゴイぞ!
カバー折り返しの紹介にもあるとおり、彼らの発明品のポイントは
こどもたちの遊びや生活をもっともっと楽しく豊かにすること。
そのためだったら、逆さになって自転車にのったり
頭にモップや巨大な鍵をつけたり、なんて平気でやっちゃう。
朝はできるだけラクしたい、きらいなものは食べたくない、
道路に水たまりをつくりたい、雨の日に砂漠の風景が見たい、
なんて欲求もかなえてくれます。
見開きひとつに、発明品のていねいな図解とへんてこな使用例が
あって、試してみたくなることうけあい。
世の中には発明という遊びあることを教えてくれる北欧発の楽しい絵本。
リトル・レトロ・トラム
2008/01/07 Mon 23:46
![]() | リトル・レトロ・トラム (2007/12) 天沼 春樹 商品詳細を見る |
どこかにふと出かけたくなったときにどうぞ
常の喧噪から離れて、ふと旅をしたくなったとき、
時間とお金があるときは、本当に出かけてしまえばいいのですが、
そうでないとき、絵本の中で旅してみるのも悪くないものです。
リトル・レトロ・トラムは1年に4回だけ運行される
不思議な路面電車。ちょっとさみしげな女の子がノートに書いた、
わたしをどこかへつれていって!という想いがきっかけでやってきた
女の子のためだけの個人的な乗り物のようです。
行き先は、全く見知らぬ街ですが、どこか懐かしさにあふれています。
過去にみた夢の中を散策するような感じといいましょうか。
北見さんの絵がぴったりとはまっていますね。
読み進めるうちに、街で友達になった少女と、母の過去の体験が
交錯してくるという、ちょっとミステリアスな展開もみせ、
最後まで心地よい緊張感が続きます。
寝る前によむと夢の中で素敵な旅ができそうな大人の絵本。
この作品が好きな方におすすめは
「僕への小さな旅/伊藤 正道:作/ポプラ社」
ぞうさんのふとん
2008/01/05 Sat 23:47
![]() | ぞうさんのふとん (2007/10) 鬼頭 隆 商品詳細を見る |
これが楽しいと思ったらそこまで
子供をのせて夜空をとぶゾウ。そしてこのタイトル。
これだけでも内容は想像できるのではないでしょうか。
ボクはおおいに期待をふくらませてページをめくりました。
すくなくとも前半部は。
ただ、後半部については、いまひとつ共感できませんでしたね。
環境問題にふれようとしたせいで、ファンタジックな世界が
説教臭いものになってしまったからです。
もちろん面と向かって、自然をきれいにしましょうなんて
訴えかけてるわけではありませんよ。でも子供のとった行動の
中に大人側の教育観がちらりと見えているのがいやらしい。
もっともっと楽しめる展開があったはずだとおもいました。
ーとんの大冒険
2008/01/04 Fri 23:48
![]() | いーとんの大冒険 (ciel books) (2007/12) なばた としたか 商品詳細を見る |
【2008新春運勢判断】
あなたは欲しいものを願うと必ず手に入るチャンスを得ました。
ただし自分の一番大切なものが失われるとしたらどうしますか?
A:失いたくないものがあるので、願い事はやめる
B:大切なものより、もっと価値のあるものを願うようにする
C:自分が犠牲になって、みんなが欲しいものを願ってあげる
D:他人を使って、自分の欲しいものを願わせる
A をえらんだかた →プイドルタイプ
B をえらんだかた →いーとんタイプ
C をえらんだかた →オバァーニーさんタイプ
D をえらんだかた →ダンデタイプ
以上
といっても何のことだか意味不明ですね。
もっと深く理解したい方は本書をよんでください。
クセの強いキャラクターたちがくりひろげる、
笑いあり涙ありの大冒険活劇絵本 けっして損はしません。
しょう太とねこのサーカス
2008/01/03 Thu 23:49
![]() | しょう太とねこのサーカス (2007/12) かわかみ 味智子 商品詳細を見る |
見せ場にもうひとくふうがほしかった
12月に出版された作品ですが、内容からすると夏向けの話ですね。
庭先のひまわり、虫取り網をもって公園に出かける男の子。
どうみても夏休みの出来事じゃないでしょうか。
(だからといって冬によむなとはいいません)
大きな猫より真夜中のサーカスに招待されたしょう太くん。
猫たちによって繰り広げられるサーカスの演目はハプニングにより、
お化け屋敷的な様相になってしまいます。
クライマックスシーンでは絵と文の関係にもっと気を使って欲しかった。
すべて解決した状態の絵柄に、心配そうに鳴きさけぶ猫の声をつけても
緊迫感にかけるでしょう。
夏の夜に少年が猫とかかわりあう絵本として思い出しましたが
「よなかのさんぽ:ビリケン出版」はおすすめです。
おつきさまとあそんだよる
2008/01/02 Wed 23:50
![]() | おつきさまとあそんだよる (講談社の創作絵本) (2007/09) 神山 ますみ 商品詳細を見る |
月あかりのもとでよみたい絵本
子供の頃、帰宅途中で眺めた月。
どこまで行っても、ずーと後に追いてくるなあ。
なんて思ったことのある方は、きっとこの作品にも共感できるでしょう。
本書では、クマの子が帰り道で、お月さんといっしょにブランコや
かくれんぼ、かけっこを楽しんじゃいます。
といっても月は何かを話すわけではありません。あくまでもクマの子の
想像力の中で完結していることなんだと思います。
このあたりの距離感を絶妙ととるか、物足りないととるかは
読み手によって別れるかもしれませんね。
ただ、家の中にまで招待して眠るところまで、一貫してこのスタイルで
描ききったところはみごとです。
The Arrival
2008/01/01 Tue 23:51
![]() | The Arrival (2007/10) Shaun Tan 商品詳細を見る |
異国の地で奮闘する同輩へ
この文を読んでいる方で、日本以外に住んでいる方はいったいどれだけ
いるだろう? ほとんどいないと思いますが、もしこれから海外へ
転勤されるならば、ぜひその地で本書を開いてほしい。
ここには家族と別れて、勝手のわからない異国へと旅立った一人の男性の
物語があります。舞台となっているのは地球上のどこにも存在しない架空の国。
そこは奇妙な文明がほびこり、文字を読むことさえままならない男は
船をおりての入国手続で早くも一苦労します。
家を借りたり、仕事を探したりする中で、同じ境遇の仲間たちとも出会い
少しずつ新しい地での生活に馴染んでいく様子に、ひとつひとつ共感しました。
文章はいっさいなく、モノクロの画面のみで展開される重厚な絵本。
古書のような装丁の演出も手が込んでいます。
MAX HOSPITAL
2008/01/01 Tue 00:11