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Not a Box

2008/02/29 Fri 23:22

Not a BoxNot a Box
(2006/12/01)
Antoinette Portis

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NOT A ○○○ごっこで遊びましょう(その2)

本書と同じテーマで描かれたのが「NOT A STICK」。
先日レビューでもふれましたが、この作品は最高です!
なもんで兄貴ぶんにあたる「NOT A BOX」も手にしない
わけにはいきませんでした。

表紙で大きな箱の横にならんだウサギくんと「NOT A BOX」というタイトル。
思わず えっ? となります。ボール紙の質感をさりげなく生かした装丁も
なかなかやるな! とうなってしまいます。 

さて、箱ではないのなら、いったい何なのよ?  

中身に入ると、ウサギくんが箱から顔をだしたり、上にのったり、
もぐりこんだりします。そして、それぞれの次の見開きでは、
ウサギくんの頭の中のイメージが表れるという構成になってます。
時にはスポーツカーに、時にはロボットに、時にはロケットへと
ウサギくんのイマジネーションの中で自由自在に変化する箱がみどころ。

想像力が飛び跳ねるグラフィカルな絵本です。
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よるがきらいなふくろう

2008/02/29 Fri 23:18

よるがきらいなふくろうよるがきらいなふくろう
(2008/01)
仁科 幸子

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主人公にもっと共感できるとよかった

はじめの設定がちょっと気になりました。
というのは、ふくろうが夜をきらいになったという、こどものころの
とある事故が、いまいち受け入れがたかったもので。
どうも原因と結果の関係がうまく結びつかない。ここは本作の場合かなり
重要なポイントなのですが、あっさりと数行の文で済まされているのです。

仮にその理由を受け入れたとしても、昼起きて夜寝るという生活の
せいで友達がいないというのは、どうでしょうか?
昼は昼でいろいろと出会いがあるでしょうし、夜には見れないものも
たくさんあるわけですからね。実際、始めの見開きでは、花をつんだり
して、昼をエンジョイしているわけで、これをどうして否定しなきゃ
いけないのかが、伝わってこない。

心に問題をかかえる孤独な者が、出会いと友情を通し、それを乗り越えて
いく姿を描こうとするのはいいとして、作者の都合がちょっと優先され
すぎたかなと感じました。
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ケチャップマン

2008/02/26 Tue 23:23

ケチャップマンケチャップマン
(2008/01)
鈴木 のりたけ

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なぜか共感してしまう変なヤツ

ボクの住んでいる国にも、さまざまな人たちがいますが、
さすがにケチャップの容姿をした人には、まだ出会っていません。
(それに限りなく近い人は何人かいます)

おいしいケチャップを提供できるというのは、確かに彼ならではの
特技というか才能といえるでしょう。ところが当の本人は、それを
完全に受け入れていないようで、それが悩みの種なのかもしれませんね。

例えば、ショッカーに改造された仮面ライダーは人類の為に戦う
のですが、それなりにかっこいい姿だからやっていけるわけで、
これが野菜やお菓子の姿だったら、そんな気分にならないでしょう。

トマト頭のトメイトウ博士がケチャップマンの秘密を解く鍵をもっている
と思いきや、自分の欲望に走ってあんなことになってしまうし…

そうなると彼の行く末は、作者の鈴木さんしか判らないと思います。
今後の作品の中で応えてくれるものと信じています。
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ビックリえほん

2008/02/23 Sat 23:24

ビックリえほんビックリえほん
(2008/01)
井上 洋介

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不思議いっぱいの井上ワールドへ

どこか懐かしい雰囲気の絵だなと、思ったら、
ブッキングによって復刻された30年以上も前の絵本なんですね。

井上ファンにはたまらない作品でしょう。
何気ない日常が、シュールに一転する井上さんならではの展開が
我々の想像力を存分にくすぐってくれます。

ボクがいちばん共感したのは、野原に寝そべって空を見ているシーン。
青空と雲を下から見上げていると、いつの間にか、上空から青い海を
ながめているような気持ちになったことはありませんか?
そうなるとやっぱり… あああ~落っこちるぅ!

ついでに言うと、長いトンネルを車で走っていても、いつの間にか
深い穴に落下していくような気持ちになることもあります。
(これはボクだけかな)

何を見ても不思議さに満ちあふれていた子供の頃を思い出しました。
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カンチガイ食堂―店長ブラウンカンチガイ食堂―店長ブラウン
(2007/12)
おくがわ じゅんいちオクガワ アサコ

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これって一番楽しんでいるのは、作者のほうだろうなあ

カンチガイ食堂のシェフは小さなぬいぐるみのブーちゃん。
カンチガイメニューやレシピの紹介をはじめ、料理の構想メモや
市場への買い出し、デリバリー、貸し切りパーティの様子などなど
盛りだくさんの内容で、最後まで楽しませてくれます。

何をやっても許される独特のキャラクター:ブーちゃんの大暴走
ぶりに、徹底的につきあってあげましょう。

日本に帰ったら、ボクもカンチガイ食堂へ行ってみたいのですが
どこにあるのかな?
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ふしぎなでまえ

2008/02/20 Wed 23:27

ふしぎなでまえ (講談社の創作絵本)ふしぎなでまえ (講談社の創作絵本)
(2008/01/16)
かがくい ひろし

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一番ふしぎなのは作者の頭の中!?

何が不思議かって、食材であるジャガイモとサツマイモが出前をとって、
ラーメンやカレーライスを食べようとするところが、まずひとつ。

つぎに、ピンポーンとやってきたのが、空のどんぶりと皿!
しかも、ジャガイモとサツマイモに料理を作れと指示するのです!

はっきり言って、ムチャクチャな内容です。

しかし、それをあたりまえのように描ききってしまうところが
作者かがくいさんの凄いところ。
食べ物や食器を疑似化して、まさに味のあるキャラクターに仕立てる
手腕は、いままでの絵本でも証明済み。

最近ユーモアに飢えている方には、特におすすめです。
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ときそば (落語絵本)

2008/02/19 Tue 23:28

ときそば (落語絵本)ときそば (落語絵本)
(2007/12)
川端 誠

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「三時のおやつ」の由来もわかります

川端さんによる落語絵本の第12弾。

最近は、偽装や異物混入等、食べ物による被害が相次いでいますが、
本作では、そばを食べた側が、支払いをごまかしちゃう話。

前半部は、うまいそば屋とずる賢い客のやりとりで、
そば屋をおだてまくる客のセリフが、実にいい調子で展開します。
最後は、支払いをまんまと一文ごまかしてしまいます。

それを踏まえての後半部が見どころ読みどころ。

先のやりとりを、傍で見ていた者が自分もやってやろうと企てます。
翌日に、全く同じことを試みるのですが、入った屋台のそばはまずくて、
なかなか思い通りにいかない。

まあ、この時点で落ちは想像できてしまうものですが、
前半部を知っている読者は、後半部のちぐはぐした展開を
ムフフと楽しめるわけです。

あとがきで作者も書かれているとおり、セリフ主体の内容上、
絵柄が単調になりがちな点は否めませんが、有名な落語を素直に
楽しめる作品といえるでしょう。
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Not a Stick

2008/02/17 Sun 23:29

Not a StickNot a Stick
(2008/01/01)
Antoinette Portis

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NOT A STICKごっこで遊びましょ

ボクの好みからすると、シンプルな絵でありながら高いセンスを感じる
絵本はかなりポイントが高い。これって実際に作ろうとすると難しいものです。
ある広告のキャッチコピーで「引くものは何も無い 足すものも何も無い」
なんてありましたが、まさにそんな絵本のひとつが本作。

表紙の棒切れをもったブタくんと「NOT A STICK」というタイトル。
思わず えっ? となります。木目柄のバックがさりげなく木の棒と
関連させているところなんか、やるな! とうなってしまいます。 

さて、棒ではないのなら、いったい何なのよ?  

中身に入ると、ブタくんが棒で何かを指したり、両手でもったり、
股がったりします。そしてページをめくるとブタくんの頭の中の
イメージが表れるという構成になってます。
時にはアーティストに、時には勇者に、時にはスポーツマンと
イマジネーションの中で変幻自在に変身。ブタくんの頭の中を
探りながら読んでみるのもいいでしょう。

たった一本の棒がさまざまに変化するグラフィカルな絵本。

姉妹編として「NOT A BOX」もあります。
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There Is a Bird On Your Head!

2008/02/16 Sat 23:30

There Is a Bird On Your Head! (An Elephant and Piggie Book)There Is a Bird On Your Head! (An Elephant and Piggie Book)
(2007/09/01)
Mo Willems

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頭にきたゾウ!

最初はゾウくんの頭の上にちょこっと乗っただけでした。
友達のブタくんに教えられなければ気づかないくらいの小鳥なのですが、
よっぽど居心地がよかったのか、そのまま居着いてしまうのです。

しかし、気の優しいゾウくんは払いのけるもできず、困ってしまうんですね。
「今、頭の上はいったいどうなっているのか?」
それを伝えるブタくんとの会話が、コントのようで絶妙!

この問題は、無事に解決するのか? 気になるかたはぜひよんでみてください。

「AN ELEPHANT & PIGGIE BOOK」というシリーズで他にも出ています。
英語もシンプルでわかりやすいですよ。
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