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ふねくんのたび

2008/06/30 Mon 01:09

ふねくんのたび (絵本のおもちゃばこ)ふねくんのたび (絵本のおもちゃばこ)
(2008/05)
いしかわ こうじ

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船が犬にみえてくるのは気のせいか?

Eメールが普及した今だからこそ、手紙をもらったときのうれしさは
格別なものがあります。特に遠く離れた場所から届いた手紙や荷物は、
実際に飛行機や船にのって旅をしてきたといえますからね。

海外に送られることにでもなれば、手紙自身もちょっとした
冒険になると思いますから、もしも魔法が使えれば手紙たちから
直接、話を聞いてみたいものです。

さて、本作では小さな船くんが 男の子の手紙を引っ越した友達に
届けるために、大きな港町にむかって出発します。
船くんといっしょに手紙にたくした男の子の想いも旅をしていると実感できます。
魅力は横にスクロールしていくシンプルな構成と最後のしかけ。
旅を終えたときの達成感が画面いっぱいに感じられるようになってます。

ボクもたまには手紙を出そうかな。
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たこやきかぞく

2008/06/29 Sun 01:10

たこやきかぞく (講談社の創作絵本)たこやきかぞく (講談社の創作絵本)
(2008/05/30)
にしもと やすこ

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たこ焼きの気持ちが伝わるシュールな絵本

そういえばしばらく、たこ焼きを食べてないないぁ。
まわりはカリッと、中はトロッと、まんまるコロコロの一口サイズ。
おいしさの決め手は、材料?、作り方?、調理器?

なんと、それだけではないことが、本書で判明しました。
実はたこ焼きのほうでも、おいしくなろうと努力しているんですね。

家族の絆を人間側ではなく、たこ焼きの側から描いたところがみごとです。
とうさん、かあさん、ねえさん、あかちゃん、そしてぼくの
絶妙なチームワークにおもわず拍手!

猫のポンタもいい味だしてます。
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ちびっこきかんしゃだいじょうぶ (にいるぶっくす)ちびっこきかんしゃだいじょうぶ (にいるぶっくす)
(2007/04)
ワッティー パイパー

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I think I can

原題は「THE LITTLE ENGINE THAT COULD」
機関車はLOCOMOTIVEとも言いますが、単純にENGINEでもいいのですね。

シュッ シュッ シュッ ポッ ポッ ポッ と山道を一生懸命のぼる小さな機関車。
故障した機関車にかわって、おもちゃやお菓子を子どもたちに届ける為に、
一度も登ったことがない山を超えようとします。
「きっと だいじょうぶ… だいじょうぶ…だいじょうぶ…」と自らを鼓舞しながら。
ここが英語では 「I think I can. I think I can. I think I can.」と繰り返されるようです。
声に出してみると、まるで機関車の動く音みたいですね。

本書は1930年に発売以来、アメリカで愛されてきた絵本とのこと。
イラストを手がけたローレン・ロングは、母から何度も聞かされ
困難に立ち向かう勇気を与えてくれたというこの作品を 新たな絵で
紹介してくれました。

旅客車をひく新型機関車や貨物をひく大型機関車、さびだらけの老機関車、
なども登場。とても機械とは思えない豊かな表情で存在感をだしているところ
も見どころです。

この話しはかなり有名で、色々な画家の手で絵本化されています。
それらと読み比べてみるのもいいでしょう。
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へんてこライオン のりものなのよ (おひさまのミニ絵本)へんてこライオン のりものなのよ (おひさまのミニ絵本)
(2008/03)
長 新太

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絵本そのものがへんてこなのよ

6月25日は長さんの作品について書くことにしている。(ちなみにそんな日が年間にいくつかある)
そういう特別なときにかぎって、ネットの接続がへんてこになったりするんですよね。特にこっちは。
最近は「ちくしょう!」なんて怒るのもバカバカしくなり、「なるほどそうくるのね!」 なんてトラブルを
あえて楽しむ余裕を持つようになりました。

それはともかく、今日書くと半年前から決めていた絵本が「へんてこライオン のりものなのよ」。
ライオンがのりものに変わる。文章にするとそれだけなのですが、長さんならではの展開が心地よい。
このライオンがただものでないのは、ちゃんとギャラリーを意識しているところ。
しっぽをひっぱらせたり、はやく来いと急がせたり、かならず誰かをまきこんでしまうのです。
ライオンそのものが長さんのナンセンススピリットを体現した存在なのでしょう。

イライラしたときの常備薬として備えておきたいような絵本です。
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せんをたどって いえのなかへ (講談社の翻訳絵本)せんをたどって いえのなかへ (講談社の翻訳絵本)
(2008/03/04)
L. ユンクヴィスト

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宝探し気分で家の中を散策しよう

「せんをたどって」の続編です。一筆書きのごとく一本の線で世界中を
旅した前作にたいして、今回は家の中が舞台。

ダイナミックな展開が前作の魅力なら、身近な物をテーマにした本作は、
親しみやすさが魅力といえます。部屋の様子やさまざまな小物から
住人の趣味や性格を想像してみるのも面白いでしょう。
使われている写真に写っているのは作者の家族でしょうか。

なにげなくよんでいたら、最後の質問にドキッとしました。
すんなり答えられたら、あなたの注意力はなかなかのものですよ。

ふと思ったのですが、人生というのも一本の線に例えられますね。
もしもボクが作者の立場だったら、3作目は人の一生をテーマにし、
赤ちゃんから老人になるまでを一本の線で描いてみるでしょう。
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ごくらくねこ

2008/06/14 Sat 01:16

ごくらくねこ (どんぐりえほんシリーズ)ごくらくねこ (どんぐりえほんシリーズ)
(2008/05)
内田 麟太郎

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今日は有休とれたし ちょっと極楽気分で

ボクはこの猫にひとこと言いたい。

離れ島を独り占めし、のんびりと食っちゃ寝してヴァカンスきどりかい!
で、ひととおり楽しんだあとは、使いの者達を出迎えにこさせるとは、
いやはやけっこうなご身分で。たまにはちゃんと働け。

なんて思っていると、猫の正体が最後に判明。
ちゃんとみんなの役にたっているわけですね。

ボクはこの猫にひとこと言いたい。

うちにもきてくれ。
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くまとやまねこ

2008/06/11 Wed 01:17

くまとやまねこくまとやまねこ
(2008/04/17)
湯本 香樹実

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「きょうの朝」をむかえて

静かに横たわる小鳥が描かれたタイトルページ。あまりにも唐突な死との
出会いに ボクはしばらく画面をボーッとながめてしまいました。
続いて、小鳥を前に肩を落とし座り込むクマの姿が。ふたりは仲良しだったんですね。

こんなときクマにかけてあげる言葉があるだろうか…
ボクはただただ、画面を見守ることしかできませんでした。

その後、小鳥を小さな箱に入れ いつも持ち歩くようになったクマのなんと痛々しいことか。
架空の世界での話ですが、魔法じみたことは何も起こりません。死は死なのです。
あえて奇跡とよべるとすれば、それはヤマネコとの出会いでしょう。
彼も何かしら捨てがたい過去を抱えているようで、心の底でクマとつながり合うのです。

死は終わりではなく、永遠という旅立ちの始まり。
そんなことを、ふたりの後ろ姿から感じました。

モノクロームで描かれた世界が象徴的です。こんなにも純粋な白があったんですね。
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そらの木

2008/06/08 Sun 01:18

そらの木 (キラキラえほん 2)そらの木 (キラキラえほん 2)
(2008/04)
北見 葉胡

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約束を果たそうとする心が生み出した奇跡

読み終えてシルヴァスタインの「おおきな木」を思い出しました。
少年と木との関係を 与えられる者 と 与える者という 視点で
描いた有名な絵本なので、知っている方も多いと思います。

本書では、少女と木との関係を 友情 という視点で描いていますが、
切なさの残るラストは共通していますね。

この結末をいったいどう受け止めればいいのでしょう。
少なくとも自然破壊への問題提起なんていう説教くさいものでない
ことは確かです。

素直に受け止めれば、たとえ離れても、時を経ても、そして自然であっても…
自分のことを想いつづけてくれる心が存在しうるんだというメッセージ
でしょうか。

卒業前に寮の近くの木に彫り込んだ落書きが、今でも残っているのを
発見したときの驚きに近い読後感がありました。
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ふわふわ、ぽかぽか

2008/06/07 Sat 01:19

ふわふわ、ぽかぽか―The Sense of Touch (BOOK OF SENSE SERIES)ふわふわ、ぽかぽか―The Sense of Touch (BOOK OF SENSE SERIES)
(2007/11)
ふくだ じゅんこ

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触覚をテーマにした絵本

体で感じるいろいろな感覚をコレクションし、
動物たちの愉快な絵とともに紹介してくれる作品です。

ふわふわ、とか、ぽかぽか とか
さらさら、とか、べちゃべちゃ などなど

反対の感覚を並べて対比させたり、前後の見開きに
関連性があったりして、構成にも工夫がされていますね。

まるで心地よい音楽を聴いているかのような気分で
楽しめる絵本です。
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にげろ!にげろ?―インドのむかしばなしにげろ!にげろ?―インドのむかしばなし
(2008/04)
ジャン ソーンヒル

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うわさ話には気をつけましょう

へぇー、インドにこんな昔ばなしがあったんですかぁ。

ひとつのちっちゃな出来事が加速度的に広がって、もうどうにも
止まらなくなってしまうという話で、さすが10億人以上が暮らすインドなら
ではのスケールを感じました。

最初のきっかけは、マンゴーが木から落ちたこと。

その音に驚いた超心配性のウサギが、世界が壊れはじめたと思って逃げ始めます。
するとそれにつられて他のウサギたちも、たいへんだ と逃げ始め その数は
何と1000匹にまでふくれあがります。さらに…
そのうわさがイノシシたちにまで広がり、イノシシたちもいっしょになって
逃げ始め またまた1000匹にまでふくれあがり、といった調子で うわさは
シカへ トラへと どんどん広がり 大変な事になってしまうんですね。
このままいくと本当に世界が壊れちゃうのでは…なんてことになるんです。

この危機的状況を救うのが、一匹の冷静な動物。
(解説によるとお釈迦様の化身とも解釈できるようです)

こんな話は絵にするのは大変だと思いますが、ジャン・ソーンヒルは
丁寧なタッチでみごとに描ききりました。逃げ惑う動物たちの姿が
大自然を舞台にした装飾模様のようにみえます。
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