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リカワールドツアー

2008/07/27 Sun 22:22

リカワールドツアーリカワールドツアー
(2008/04)
香山 リカ

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あのリカちゃんがブログを本にした!

最近の日本では親子間の痛ましい事件が後を断ちません。
あなたの子どもは、あなたの親は大丈夫?
ちょっとでも不安があるなら、この本をよむことをおすすめします。

スケールが飛び抜けている香山家の子育てをぜひ参考にしてみては!
りっぱなレディーになるために、リカは世界への旅に出かけます。
もちろん娘の旅費はすべてママが出してくれます。
人形でありながらも、本当に世界中に出かけるのです。

パリを皮切りに世界8カ国10都市を約8ヶ月かけてまわるパワー
(と財力)に誰もが圧倒されるでしょう。
ミラノ→LA→NY→ホノルル というルートで移動したり、
とちゅう京都にきてからロンドンに行くという、世界を縦横無尽に
飛び回るさまは人形ならではの軽やかさ。

レディっていったい何なのだろう?
なんて考えるのはこの際やめましょうね(笑)

ちなみにボクは、先週の日曜日に念願のタージマハールに行きました。
車で約4時間ほどですが、やっぱり旅はいいもんですよ。
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Today Is My Day

2008/07/19 Sat 22:24

Today Is My DayToday Is My Day
(2005/01/15)
Anushka Ravishankar

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今日はキミの日でもあります

インドの「TARA PUBLISHING」といえば知る人ぞ知る有名な出版社。
アーティスティックな本造りが特徴で、絵本も数多く出しています。
その中から、今日紹介したいのが本書です。

「今日は私の日」と主張する女の子が登場。
一年の中でも、この日だけは彼女に特別な力が宿るようなのです。
絵をみただけでも何かひとクセありそうな表情が印象的ですね。
(確かにこんな子、こっちにいるなあ)

早く起きろ! 歯をみがきなさい! 845×3はいくつか答えなさい?

などと、彼女にいろいろと指示したり、問いつめたりした者が
その日、どうなってしまったかが、みものです。
なんたって彼女の日なんですから。

いつも大人に命令されてうんざりの子どもにとっては痛快な作品。

文章の中にさりげなく「Tokyo」という言葉がでてくるのが
日本人としてはちょっと嬉しかったりします。
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だから?

2008/07/14 Mon 22:25

だから?だから?
(2008/07)
ウィリアム ビー

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ムシャクシャした気分がスカっとしました

シャレたコントを見せてもらったような読後感がうれしい。

「だから?」 

なんて思ったあなたにぜひよんで欲しい絵本。
驚愕のラストに唖然! …そしてムフフとなります。
手書きのようにみえるCGの絵もなかなかのセンス。
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かえるのじいさまとあめんぼおはなかえるのじいさまとあめんぼおはな
(2008/06)
深山 さくら

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殺し合いではなく、生き合いなのです

人の命の重みって今どれくらいあるんでしょうね?

カエルのじいさんにとっては、アメンボの命なんか空気のように
軽く取るに足らないものであることは確かなようです。
食べたからといって空腹が満たされるわけでもない。ただし、目の前で
動いていたら本能的に舌がのびてパクリとやってしまうこともあるという程度のこと。
ところが、それで両親を失ったアメンボの娘の立場からすれば、
悲しみの深さは計り知れるものでないことも確か。

絵本では、そんな二人を出会わせるという、あまりにも過酷なシーンが登場します。
カエルを前にしたアメンボの娘の命はなんと はかないものでしょう。
親の敵討ちなんて問題外です。彼女にいったい何ができるというのでしょう?

アメンボの娘が厳しい運命に向かい合おうとする姿は、最初とても見ていられませんでした。
それでも我々は、彼女が両親の死を乗り越えて前に進もうとする決意を最後まで
見届けなければなりません。それはカエルが生きようとするパワーを凌駕するのですから。

広大な宇宙からみれば、我々の命だってはなかいものです。
それでも…それぞれに生きていくしかないでしょう。
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ミニ・サウルス ズィンクレア・ゾフォクレスミニ・サウルス ズィンクレア・ゾフォクレス
(2008/05)
フリーデリーケ マイレッカー

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今日は数万年の時を超えた出会いに乾杯

インドでは今の時期、ヤモリをよくみかける。
夜中にアパートに帰ると、必ず玄関の白い壁に3~4匹はり付いている。
電灯の元に集まる虫は、彼らにとってかっこうの夕食というわけだ。
よく見るとけっこうカワイイもので、部屋でみつけたときはそっと手にのせたりします。
(イモリと混同しやすいですが、ヤモリに毒はないので触っても平気)

そんなわけで、博物館に展示されていたズィンクレア・ゾフォクレスの子どもに
そっと手をふれた、本書の男の子の気持ちは何となく分かるんだなあ。
しかも、その恐竜が永い眠りからさめ、男の子といっしょに博物館を逃げ出した
ときは、やった!と心の中で応援しちまったよ。さらにズィンクレアが
「友達になろうよ!」といってきたときは、喜びでいっぱいになったね。
でも、残念なことにズィンクレアが動けるのは、たったの1日だけ…
だから、その日は2人にとって万華鏡のように はかなくも変化に富んだものと
なったのです。

絵本としては文章が多めですが、物語は心の奥底に響くものがありました。
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青い大きな家

2008/07/09 Wed 22:28


青い大きな家青い大きな家
(2008/05)
ケイト バンクス

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気長な人向けの作品

この大きな青い家に家族がやってくるのは、夏の間だけらしい。
では、誰もいないあいだは いったいどうなっているのだろう?

そっと耳をすますと、誰もいないと思っていた家の中から
ささやかな生命の営みが聞こえてきます。
画面を追う視線は、それらをあるがままにとらえていきます。

家という限られた空間を舞台に、1年という大きな時間の流れを
静かに語った風景画的な絵本。
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オオカミグーのはずかしいひみつ (絵本・こどものひろば)オオカミグーのはずかしいひみつ (絵本・こどものひろば)
(2008/04)
きむら ゆういち

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無限大の愛情を感じてください

最近は血のつながった親子間でも、悲しい事件が跡を断たない。
愛情と血のつながりは無関係なのか。それとも愛情を強く求めるあまり
満たされないときの失望が、心のゆがみを生み出すのか。

オオカミのグーの育ての親は訳あってイタチ。
大きくなってくると、グーも見えやプライドが優先されるので、
自分の母親がイタチだってことを隠そうとするのですね。
わかるわかる! 誰しもそんな時ってあったのではないでしょうか?

もちろんイタチの母親にしてみれば、自分のことを母親と認めて欲しいでしょう。
でもそんなことより、グーが元気でありさえすればよかったのです。
そんな気持ちが、ある事件をきっかけにイタチを思い切った行動へ駆り立てます。
最後の最後にイタチの母親の願いごとはかないます。が、これは悲しすぎる。
背景の星空がにじんでみえる。

血のつながりの無い関係だけに愛情の純粋さが際立った感動作です。

そういえば日本は七夕か…
短冊がわりに、ここに願いごとを書いちゃおうかな。(許してね)
とあるレストランのメニューがすっごくかっこいいんですよ。
欲しいんだけど、こればかりはお店の財産でもあるから
むずかしいだろうな。でも欲しい!
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かぶと三十郎―きみのために生きるの巻かぶと三十郎―きみのために生きるの巻
(2008/05)
宮西 達也

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これは好みの問題かもしれませんが

ん~、あえて極端な意見をいわせてもらえれば、
この内容ならば、カブト虫侍はいなくてもいいのでは。

宮西さんの絵本といえば、ティラノサウルスシリーズですね。
涙なくしてはよめない愛と友情の物語のファンは多いと思います。

本作では、ゴキブリのゴキゾウがティラノサウルス的な役回り
になっています。嫌われ役として登場するものの、無心の愛を
うけ改心していく展開は共通しています。
そのエピソードの節々でカブト虫侍がからんでくるわけです。

ただ、一方で読者の涙をさそおうとしながら、もう一方で
カブト三十郎のキャラクターを描こうとしているので、
結果的にどっちつかずになったところが残念です。

今後シリーズとして続くのなら、コギゾウを相棒役として
残しておいてもよかったんじゃないかな。なんて思いました。
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カッチョマンがやってきた!

2008/07/04 Fri 22:36

カッチョマンがやってきた!カッチョマンがやってきた!
(2008/06)
ミニ グレイ

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いいぞ、カッチョマン!

うわぁ、この絵本いい! 子どもの頃を思い出すなあ。
棒切れ2本で、ひとりチャンバラしていたときの楽しさがよみがえってきました。
ひとりでチャンバラして何が楽しいのかって?
一本を正義のヒーロー役、もう一本を悪の怪人役にして、どっちかが折れるまで
ぶつけあうんですよ。棒切れといっても色々ありで、木の種類も様々だし
太いものや細いもの、やわらかくしなるものや、角材、電線の切れ端までふくめ、
要は細長ければなんでもいいんです。それぞれのキャラクターや得意技を
勝手に設定し、想像の中でストーリーを作るのです。
怪人同士の戦い、敵討ち、10番勝負などなど。はたから見てると、きっと変な子に
みえたでしょうね。でもこれって見立て遊びの一種で、人形ごっこみたいなものですよ。

本書の男の子は、クリスマスにもらったカッチョマンの人形をつねに携帯し、
食事や家族ドライブ、お手伝いのときまでも、ヒーローごっこに見立てて
遊びに変えてしまうのです。男の子だったら共感することまちがいなし!

この作者は誰だろうとカバーの見返し写真をみたら、なんと女性じゃないですか…
いやあ、いいですねぇ。(←何が?)
とにかく、子どもだけによませるのはもったいない作品です。

ところで、これを読んでいる貴男だけにこっそり教えますが、
「Vacationers from Outer Space」Edward Valfre作
洋書の絵本ですけど、なかなかおすすめですぜ。
本書を気に入った方なら楽しめることまちがいなしです。
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おたまじゃくしのチャム

2008/07/02 Wed 22:37

おたまじゃくしのチャムおたまじゃくしのチャム
(2008/06)
竹中 マユミ

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悪いけどボクは夢をわすれちゃいないぜ

小学2年生のとき、親父から将来は何になりたい? と聞かれて
素直にサイになりたいって答えたら バカかといわれた。
そのとき使っていた筆箱に描かれているサイの姿が、ワイルドでかっこよかったから
そう答えただけなのに。

中学卒業を前に校長先生から作文の宿題がだされた。テーマは自分のなりたいもの。
この場合は、学校の先生とかスポーツ選手とか俳優などと書いたらよかったんだろう
と、今にしてみれば思います。そのときボクがなりたいと書いたのは鳥でした。
校長先生は卒業証書を手渡すとき、ひとりひとりに作文にちなんだコメントをして
くれたのですが、ボクのときはちょっと困ったようでした。

こんなボクは、大人になった今でも魔法の存在を信じています。
なんて書くと誤解されそうですが、絵本をたくさんよんでいると、ときどき
魔法をかけられたかような瞬間にであうことがあるのです。すぐれた作品には
そんな力が宿っているのです。

本書にもそんな力が感じられます。自分が大きくなったときの姿を夢見る
おやまじゃくしのチャム。ページをめくると、そんなチャムの気持ちと
一体になれる瞬間があります。読者はきっと幼いころの自分に一瞬にして
タイムスリップすることでしょう。

先鋭的な表現や強烈な個性があるわけではありませんが、
とっても絵本らしい絵本です。カエルもの、あるいは成長をテーマにした
絵本特集があれば必ずとりあげられる作品になるでしょう。

今日は空港へいき、新たな仲間を出迎えました。彼はとってもカエルずき。
ボクよりも年はいってますが、夢にむかうパワーは健在です。
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