That's How I See Things
2009/01/30 Fri 12:07
![]() | That's How I See Things (2007/08) Sirish Rao 商品詳細を見る |
常識にとらわれない発想をたたえる絵本
この作品に登場する画家は、物事を人とは違うユニークな
視点でとらえ、自分の想ったまま感じたままを絵にします。
例えば、彼の描いたブタは、体にクジャクの羽が生えていたりします。
ブタがダンスするときに楽しめるだろうと想って描くと
そうなってしまうのです。他にもライオンの頭をした鳥や
カニの脚がついたゾウなど、おかしな動物たちの絵が次々に
描かれ、読者の眼を楽しませてくれます。
しかし、奇妙な動物達の絵が「こんな姿にされては困る」
と言い出したので、彼は困ってしまいます…
この作品の魅力は何と言っても、ゴンド画による動物達の絵。
ゴンド画は中央インドのゴンドという村落発祥の伝統画法で、
本作の絵を手がけたBhajju Shyamはその有名な使い手の一人。
細い線と点による装飾的なタッチが特徴です。本来なら笑ってしまう
動物達の奇妙な姿にも、神々しさが感じられるのは、伝統画法が
もつ力の成す技と言えましょう。
また、昔ながらの伝統と現代的な感覚が出会うという意味で、
激変しつつあるインドの一面を象徴している作品として見ると
興味深いものがあります。
Old Animals' Forest Band
2009/01/28 Wed 12:08
![]() | Old Animals' Forest Band (2008/10) Sirish Rao 商品詳細を見る |
こちらがオリジナルでは! と思いたくなる
グリム童話で有名な「ブレーメンの音楽隊」のインド人作家に
よるリメイク版。ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリ というグリム版に
対して、ネコではなくウシが入っているのが、いかにもインド的。
ゴンド画という先住民族の伝統画法によって生み出された格調高い
様式美が大きな魅力になっています。よく知られている童話を、
全く新しい作品として味わう事ができました。
「ブレーメンの音楽隊」はグリム兄弟がインド旅行したときに、
この昔話を聞いて童話化した、と言ったら誰もが信じてしまう
くらいの風格を持った絵本です。
HORN PLEASE (NH-8)
2009/01/28 Wed 01:11
ひらがなだいぼうけん
2009/01/26 Mon 12:12
![]() | ひらがなだいぼうけん (2008/10) 宮下 すずか 商品詳細を見る |
ひらがな達と仲良くなれる作品
本の中の、ひらがなが、しゃべったり、うごいたりするユニークな作品。
「は」の文字が、自分は「ハ」とよばれたり「ワ」とよばれたりして
いちばん大変なんだ、と言い出した事がきっかけで、他の文字も
次々に自分の意見を主張しケンカになります。文字同士がぶつかったり、
ひっくりかえったり、こぶをつくったりと本の中は大混乱。
例えば「が」の濁点がとれて「か」になったり、「き」の横棒がはずれ「さ」
になったりして、文の内容まで変わってしまい、笑いをさそいます。
そんな、ひらがなワールドを3編も味わえるのがうれしい。
文字を習いたての子どもたちはもちろん、外国人も楽しんで欲しい作品です。
アルファベットや漢字など各国語バージョンもできそうですね。
ボクは今インドにいますが、ヒンズー語の形もおもしろいですよ。
文字たちが話したり動いたりする世界を描いた絵本で、思い出したのは
「ぜつぼうの濁点/原田宗典 」こちらは、どちらかと言えば大人向け。
コメント
How Do Dinosaurs Eat Their Food?
2009/01/25 Sun 12:13
![]() | How Do Dinosaurs Eat Their Food? (2006/01/03) Jane Yolen 商品詳細を見る |
「きょうりゅうたちのいただきます」
我々の身近に生息するやんちゃな恐竜たち(子ども達)の食事時の生態を描いた作品。
イスの背に乗っかったり、脚で果物をしぼったり、食べ物を放り投げたりと
やりたい放題? でも、きらいなものをこっそり残したり、ミルクを口で
ブクブクさせたりする仕草はちょっとカワイイかな?
このシリーズは2作の訳書が出ていますが、本国では他にもいろいろあるようです。
How Do Dinosaurs Say Good Night? 「きょうりゅうたちのおやすみなさい」
How Do Dinosaurs Get Well Soon? 「きょうりゅうたちがかぜひいた」
How Do Dinosaurs Count to Ten?
How Do Dinosaurs Learn Their Colors?
How Do Dinosaurs Clean Their Rooms?
How Do Dinosaurs Eat Their Food?
How Do Dinosaurs Go to School?
How Do Dinosaurs Play with Their Friends?
絵が主体で英語はシンプルなので、興味のわいた方は
ぜひ、訳書を待たずによんでみては。
竹とぼくとおじいちゃん
2009/01/24 Sat 12:15
![]() | 竹とぼくとおじいちゃん (ふしぎいっぱい写真絵本) (2008/11) 星川 ひろ子星川 治雄 商品詳細を見る |
竹を通して世代間の交流を鮮やかに描いた写真絵本
おじいちゃんと食べたお弁当のタケノコがきっかけで、
竹に興味をもった、孫のつばさ君。翌日いっしょに竹林へ。
初めて見る竹の子の姿に驚いたつばさ君は、毎日そこへ通って
竹の子が大きくなるのを観察し続けます。
竹は食べられるだけでなく、道具になったり、おもちゃに
なったりと、様々な形で生活にとけ込んでいた事が
おじいちゃんから伝えられていきます。
身の回りに工業製品があふれる今、竹を通して人間と自然、
そして昔の人の知恵と出会うことは大きな意味があるでしょう。
子ども達が青空へ飛ばした竹とんぼが、未来に向かって
飛び続けることを願いたくなる作品でした。
絵本としては文字が多い印象。個人的には写真をもっと
生かして欲しかった。
コドモザウルス
2009/01/21 Wed 12:16
![]() | コドモザウルス (クローバーえほんシリーズ) (2008/12) 土屋 富士夫 商品詳細を見る |
恐竜絵本の怪作登場
外でうたたねしてしまった、恐竜ずきな男の子ダイちゃん。
誰かの気配で眼を覚ますと、そこには彼をみつめる恐竜達が。
ダイちゃんは、なんと「人間の化石」として発見されてしまったのです。
大発見に興奮する恐竜たちは、ダイちゃんを「コドモザウルス」となづけます。
博物館に展示され人気者になったはいいけど、ヘンテコな生き物として
恐竜の学者らにトンチンカンな解釈をされてしまったのは困りもの。
ダイちゃんはこのまま恐竜の世界に取り残されてしまうのか…
子ども達に大人気の恐竜。大昔はどんな生活をしていたのでしょう?
化石をもとにいろいろと推測するのは楽しいものです。
本作では、人間と恐竜の関係が大胆に入れ替わります。
ユニークな発想の中に、人間へのちょっとした風刺が込められている
ところも印象的でした。
ねぇ、パパ、どうしてシマウマはローラースケートをはかないの?
2009/01/19 Mon 12:17
![]() | ねぇ、パパ、どうしてシマウマはローラースケートをはかないの? (2008/12) カンタン グレバン 商品詳細を見る |
パパの答えに思わず納得!
【質問】人の眼はなぜ前についているのか?
【答え】後ろにあると髪がじゃまで見えないから
というような、なぞなぞを聞いたことはないでしょうか。
まともに答えようとすると、肩すかしをくう類いのなぞなぞです。
【質問】どうして、シマウマは、ローラースケートをはかないの?
【答え】それはね、○○○○○○○○○○○○○○からさ。
本書のタイトルにもなっている質問にも、非常に説得力のある
答えが用意されています(笑)
どうして カバは でんしゃに のらないの?
どうして ゾウは バレリーナに ならないの?
どうして 蚊は 獣医さんに いかないの?
中身に入ってもどんどん続くナンセンスな質問。
実は、ちいさな女の子が真剣にパパへ聞いているものなんですね。
動物たちを人間と平等に扱おうとする女の子と、
それをしっかりと受け止め 答えを返すパパのやりとりが
とても微笑ましい ベルギー発の絵本です。
It's Show-Time, Elvis!
2009/01/18 Sun 12:18
![]() | It's Show-Time, Elvis! (2006/01/06) Andrew Murray 商品詳細を見る |
犬好きにも猫好きにもおすすめ:その2
猫のELVISと犬のBUDDYは、LUCY家の微笑ましい喧嘩友達。
「Have You Seen Elvis?」では、彼らの魅力が存分に描かれていました。
ELVIS & BUDDYのファンになったなら、この作品もはずせませんよ。
LUCYと組んでDOG SHOWへ出場することなった犬のBUDDY。
はりきるBUDDYを横目に、ELVISはちょっとしたイタズラ心をいだきます。
しかし、それが会場の犬たちを巻き込んだひと騒動に発展して…
みどころは、犬に扮装したELVIS。これば爆笑もの!
ラストで彼らのために用意したLUCYの演出も粋ですね。
英語もわかりやすかったです。