コんガらガっち どっちにすすむ?の本
2009/12/31 Thu 08:59
![]() | コんガらガっち どっちにすすむ?の本 (創作絵本シリーズ) (2009/03/18) ユーフラテス 商品詳細を見る |
道の先は未知なれど
一本の道を指でたどっていくと、ページの終わりで2本に枝分かれし、
どちらを選ぶかによって、次の展開が変わるという趣向の作品。
しまった! 違う道を選ぶべきだった。
よかった! この道は正解だったなあ。 などと単純に楽しめる。
もともとは園児向けの おとぼけタッチな絵と内容でありますが、
大人がみると、哲学的なものを感じ取ることができましょう。
収録された3編のそれぞれ意味するところを考えると、
●どんな道を進もうが目標に向かうことはできる。
●ちいさな選択の繰り返しが大きな違いを生み出す。
●道は真っ直ぐとはかぎらず、時には横道にそれたり戻ったり。
というように、道をたどるという単純な作業を通して、
いかに人生を歩むかということにまで思いを深めていくことが
できるのだ!(ちょっと強引か・・・)
-------------【Review for Review】--------------
いよいよ2009年もわずかとなりました。忙しさでこんがらがる
こともあるでしょうが、それらも楽しみながら、2010年を
しっかり歩みたい。なんていう気持ちをこめ、本書を今年最後の
レビューとして取り上げました。(ちょっと強引か・・・)
ミニカーミュートだいかつやく!
2009/12/30 Wed 11:43
![]() | ミニカーミュートだいかつやく! (2009/04) 福田 利之 商品詳細を見る |
ミニカー君がんばる
小さな青いミニカー「ミュート」の活躍を描いた絵本。
紙のシワを生かしたレトロタッチの絵が昭和初期の広告やアニメを彷彿させます。
車をキャラクター化したアニメの傑作といえば、まず思い浮かぶのがピクサーの「カーズ」。
フロントガラスが目、グリルが口となって、車ごとに個性豊かな表情をみせてくれました。
本書では、フロントガラスに目や鼻や口が描いてあるので、まるで着ぐるみのような
愛嬌ある車キャラになっているのが特徴的です。
持ち主の男の子は新しいミニカーに夢中。遊んでもらえなくなったミュートくんは家を出て
動物園の引越し仕事を手伝おうとしますが、トラック達からはミニカーごときにと、
全く相手にされません。しかし、彼はウサギの子が動物園に取残されたのを知り、
助けに向かいます。小さな体でがんばるミュートくん。思わず応援したくなる展開です。
ミュート君はミニカーですから、ガソリンでは動かない。じゃあ何がエネルギー源か?
外へ向かっていく好奇心や、困ったものを助けたいと思う強い心。
本当に走っているのは、そんな読者の気持ちと言えるのではないでしょうか。
トラックの形や性格が、それぞれ運ぶ動物に合わせてあるところも見どころ。
画集のように絵そのものを楽しめる作品でもあります。
-------------【Review for Review】--------------
このレビューは旅行先のホテルで書いてます。最近はLANケーブルで
なく無線のWIFIを使うホテルが多いですね。外付けモデムを借りて、
アクセスするための番号が書かれたスクラッチカードを買いました。
30分で150ルピー、1時間で200ルピー、24時間で600ルピー。
やっぱり24時間分が特だよなあ、と考えそれを購入したはいいですが、
アクセス時間の累計ではなく、最初のアクセス時間から単純にカウント
されると後で知り、2日めに1時間分買い足しました。
実質は3時間程度の使用・・・ん~微妙。
国内旅行:エローラで感嘆
2009/12/30 Wed 06:51


エローラ第16窟
ここはスゴかった! 確かに世界遺産です。ははあ、恐れ入りましたって感じ。
で、何がスゴいかって、巨大な岩を上から掘り進んで寺院にしちゃっている
ところ。高さにして約34メートル!ちょっとしたショッピングモールも顔負け
の広さで、その重厚感に圧倒されました。完成まで100年以上とのこと。
そりゃそうだろうなあ、装飾も力が入ってるし。でも誰が設計したんだろう?
強度計算は? 道具は? 作業の段取りは?
ある日、偉い人が「おまえたち、今からこの岩を掘り進むのじゃ」と命令して
人夫らが「ティークェ」と首を横にかしげて始まった・・・訳ないだろうし。




ここは修学旅行のお決まりコースで、今日も学童らがバスで大挙してました。
周囲の岩に登ると、その高さをより実感できます。(柵が無いのでコワいけど)
HORN PLEASE(AURANGABAD)
2009/12/29 Tue 23:41
栄光への大飛行
2009/12/29 Tue 06:32
![]() | 栄光への大飛行 (2009/03) アリス プロヴェンセンマーティン プロヴェンセン 商品詳細を見る |
何事にも初めの一歩がある
飛行による英仏海峡初横断という偉業を描いた歴史絵本。
昔懐かしいタッチの絵柄だなあと思っていたら、それもそのはず。
原書が登場したのは20年以上も前ですから。とはいってもブラウンを基調に
した古びた写真のような配色は、初出版時も懐かしさを感じさせるものだったでしょう。
舞台は1901年のフランス。この日、ルイ・ブレリオは飛行船を目にしたことから、
空への憧れがつのり、自ら飛行機を作り始める。
そう、当時は飛行機は売っているわけではなく、ましてや航空会社なんてなかった。
大空を飛行機で飛びたかったら自分で作ることになるのですね。
ライト兄弟が飛行機を発明したのが1903年で、飛行といっても人間で言えば
まだ、よちよち歩きの赤ん坊のようなもの。それが、わずか6年余で海峡を渡れる
ようになってしまうのだから、その飛躍ぶりはたいしたものである。
もちろん最初からうまくいった訳ではない。1号機に始まり、失敗と改良を
繰り返して11号機にいたり、ようやく成功するのである。絵本では、その過程まで
丁寧に伝えてくれます。飛行機好き、歴史好きにおすすめの作品。
-------------------【Review for Review】---------------------
今はインド国内旅行中。エローラ/アジャンター遺跡を見にアウランガーバード
に来ています。もちろん飛行機で。気軽に空の旅ができるっていいものです。
(しみじみ)
GANESH
2009/12/29 Tue 00:59
だいくのたこ8さん
2009/12/28 Mon 08:35
![]() | だいくのたこ8さん (2009/11) 内田 麟太郎 商品詳細を見る |
大工も町の住人もユニーク
たこ8さんは、スーパー大工さん。何がスーパーかというと、
8本の足(手)に金槌、のこぎり、のみ、かんな といった色々な
大工道具をもって、同時にいろいろな作業をこなしてしまうのです。
それだけではない。彼への依頼主や依頼内容がこれまたユニーク。
兜コレクターのカブトムシ、イカのドラマーなどなど。
時にはモグラのごとく穴を掘ったり、わざとオンボロにリハウス
したりと、マルチな力を発揮するたこ8さんは人柄もナイスです。
見返しには町全体のイラスト付き。それぞれの家がどこにある
のか探して楽しめますヨ。
あっそうそう。たこ8さんに、ぜひ紹介したい女性を思い出しました。
「たこやきようちえん」という絵本に登場する、たこやきよこ先生です。
彼女も8つの手足をつかって大活躍をみせてくれます。
-------------【Review for Review】--------------
前にも書きましたが、インドの神様も手が何本もあります。
それぞれの手は、神のもつ様々な能力をわかりやすく示して
おり、それがインド的なデザインモチーフとしてよく使われ
ているのをみることができます。
もっとおおきな たいほうを
2009/12/27 Sun 07:49
![]() | もっとおおきな たいほうを (こどものとも絵本) (2009/11/04) 二見正直 商品詳細を見る |
どこまで続く?不毛な争い
とぼけたタッチの絵ですが、実は風刺の効いたとんでもない内容の作品。
王様vsキツネ。相手の持つ大砲に勝てるものをと、おたがいが大砲を
次から次へと開発していく。始めは単なる大きさ比べでした。
それが、見た目、数、形の面白さと本来の目的から離れて、どんどん
エスカレートしていく様子が滑稽です。キツネごときに負ける訳には
いかん!とムキになる王様の気持ちもわからなくはないですが、
素直に笑えない方も多いでしょうねぇ?
企業の商品開発も似たようなところがあります。ライバルよりも
付加価値を付けようと競いあった結果、いらない機能が増えてしまい、
分厚いマニュアルが付いた、判りにくい操作の商品になってしまったりとか。
段々と熱くなっていく王様、対するキツネの無表情さというコントラストも
テーマに立体感をもたらしてます。
-------------【Review for Review】--------------
インド人の価値観は非常に判りやすいところがあります。
より大きいもの、より多いもの、より重いもの、より高価なもの
が好まれやすい。要は勝ち負けが単純比較できるレベルの問題。
しかし、その価値観も変化しつつあります。世界一安い
コンパクトカーNANOの登場はその節目とも言える出来事でした。
ぼくたちのホワイト・クリスマス―
2009/12/25 Fri 07:57
![]() | ぼくたちのホワイト・クリスマス―トゥートとパドル (2009/11) ホリー ホビー 商品詳細を見る |
ふたりの友情は永遠に
日本では 「Let it Snow」 というには早すぎますが、彼らの住んでいる
ウッドコックポケットでは、クリスマスシーズンが到来し、雪がふります。
一夜にして現れた銀世界は2人にとって特別な日となりました。
なぜなら、パドルが生まれてはじめて雪をみたからです。
「この感動をいつまでも心にしまっておきたい」 そんな想いとはうらはらに
雨がふって雪はあっというまに消失。2人はがっかりします。
しかし… そこで2人はそれぞれ決意するのです。
クリスマスに相手に何をプレゼントするかを。それが何かは見ての
お楽しみ。ちゃっかり者のオパールちゃんもいい味だしてます。
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以上は約2年前に書いた原書のレビューですが、長きにわたって
続いたシリーズの最終作と書かれていたのに半信半疑でした。
今、翻訳版でもシリーズ最後の絵本と日本語でしっかり書かれている
のを見ると、ちょっとさみしい気持ちになりますね。
作者的には、シリーズにけじめをつけ、今後の作品で新天地をめざす
決意を表明したかったのかもしれません。
-------------【Review for Review】--------------
インドでも北の方、ヒマラヤの麓の方には雪が降ります。
年末の休みに、あえて雪を見るためだけに、はるばる北へ足を運ぶ
インド人も少なくないと知ってびっくり。所変われば価値観も変わる!
ともだちはゆきだるまくん
2009/12/24 Thu 06:44
![]() | ともだちはゆきだるまくん (2009/11) キャサリン ウォルターズ 商品詳細を見る |
雪って印刷できちゃうの?
雪だるまが登場する絵本はたくさんあれど、これほどシャレた雪だるまには
はじめて出会いました。特殊印刷で表現された雪の質感が実にリアル!
ちょうど雪に光が当たったときのキラキラ感、雪に手を触れたときの
ツブツブ感がみごとに再現されているのは感激物です。
ストーリーは定番的とも言えるシンプルなものですが、それがこの
雪だるまの存在を印象的なものにしていますね。本屋でみかけたら、
ぜひ手に取ってみてください。あなたの心は雪景色の中にトリップして
しまうことでしょう。
-------------【Review for Review】--------------
この絵本、クリスマスをテーマにした作品と勝手に勘違いして購入。
通販だったので特殊印刷のことは知らず、実物をみてビックリ。