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The Flight of the Mermaid

2010/01/26 Tue 10:16

The Flight of the MermaidThe Flight of the Mermaid
(2009/08)
Gita Wolf

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インド風味の人魚姫

アンデルセンの童話「人魚姫」をインドの民族画で描いた異色絵本。
基本的なストーリーはオリジナルをなぞってますが、絵のタッチが
変わったことで、新たな味わい方ができる作品です。
大きな特徴としては人魚姫の主観的世界が中心に描かれているところ。
王子への想い、自分が理解されない悲しみ、最後の葛藤など、
みどころは沢山あります。インド先住民族の画法を通すことで
魔女の呪術的な力や超自然的な力に一層のリアリティを感じました。

また、彼女が自分の責任で最後まで決断しきったところなどは、
古い慣習から抜け出し、自らの力で社会に進出していこうとする
新しいインドの女性像とダブって見る方も少なくないでしょう。

2種類の紙を使ったり、魚の型抜きになっている表紙など
装丁上の演出もなかなか凝っています。

-----------------【Review for Review】------------------ 
今日(1月26日)はインドの共和国記念日。今年でちょうど60周年になります。
そんなわけでインドの絵本を取り上げてみました。
インドの絵本 | コメント(0) | トラックバック(0)

共和国記念切手

2010/01/26 Tue 00:51

2000年の共和国50周年を記念した切手です。シンプルな線だけでガンジーを
表現し、さらにインド地図にまでなっているところがニクい!一目惚れです。
一風変わったお土産にもなりそう。4枚つづりで245ルピーは安いと思った
けど、元値と比べたら約20倍か・・・ (ebay.inにて購入)
DSC03721.jpg
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The Rabbit Problem

2010/01/25 Mon 06:51

The Rabbit ProblemThe Rabbit Problem
(2009/08/07)
Emily Gravett

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ウサギたちの生活感あふれる12ヶ月

Emily Gravettの最新刊。今もっとも注目している作家の一人です。
彼女は絵本の中に、いかにしてリアリティを持ち込むかという観点で、
実験的なトライをしているように思える。手法としているのが、ふだん
目にするちょっとした印刷物を本の中に“実物”として貼付けること。
印刷物というのは、手紙、アルバム、広告、新聞、ポイントカードetc.
それぞれ別々にデザインするという凝りようには恐れ入った。

本書はカレンダーの形式。ごていねいに穴まで開けられているので
開いて実際に壁にかけることもできる!それをウサギたちが実際に使って
いると想定し、その痕跡を1年のストーリーとしてみせています。
貼付けられている様々な印刷物や書き加えられたメモ、落書きなど
から、季節ごとに何が問題になっているのか手に取るように判ります。
全体を通して最も問題になっているのが、フィボナッチ数的に増え続ける
ウサギたち。彼らは画面に入りきれなくなって遂には飛び出しちゃう!

ぜひ翻訳版も出して欲しいです。翻訳者だけでなくデザイナーさんも
たいへんな仕事になるでしょうけどね。  

-----------------【Review for Review】------------------ 
書斎で使っているのは日本製のカレンダー。切取り線が入っていて
破いてめくることで、常に3ヶ月分表示できる。インド製は宗教ごとに
休みがバラバラで判りにくい。そういえば年末にこっちで買った
スケジュール帳は缶に入ったままだった。
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ART KONSULT(HAUZ KHAS)

2010/01/25 Mon 03:39

デリーで数多くの画廊が居並ぶHAUZ KHAS. ここに来たら必ず足を運びたい所が
ART KONSULT.地下におりると広い空間が現れ、ゆったりとアートを観賞できる。
今回やってた企画は、インドの現代作家によるグループ展。日用品をモチーフに
今の時代を表現した作品が印象的でした。上の写真は家族のポートレートで、
撮影スタジオの前に整列しているのは人ではなく大小の安全ピン。人間性まで
規格化されつつある今の時代を風刺したもでしょうか?
下左の写真はクシの穂先がのびて髪の毛のように編んである。
物と人との関係づけがユニークだ。下右は電子部品などで構成した都市のジオラマ。
これは観るよりも作るほうが面白そう。他にも色々あり見応えがありました。
残念ながら日曜日は閉廊とのこと。今日は平日に時間がとれてラッキーでした。
(ART KONSULT,23 HAUZ KHAS VILLAGE,NEW DELHI)



AK3.jpgAK2.jpg

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gunpowder

2010/01/25 Mon 03:08

なんとも物騒な名前のレストランですが恐れるなかれ。店はまともです。
HAUZ KHASビレッジの湖に面した端っこにありますが、案内表示に注意すれば
たどりつけます。4階にあるだけあって外の眺めはなかなかのもの。
ミニギャラリー風に作品展示もあり、HAUZ KHASでの足休めにはおすすめです。
メニューで注目はポークカレーがあること。豚肉の入ったカレーにインドで
初めて出会えたのがうれしかった。

●IDUKKI PORK CURRY(260ルピー)・・・正にポークカレー、肉は大きめ
●KHAS GUNPOWDER(50ルピー)・・・辛み付けの粉、もちろん火薬ではない
●STEAMED RICE(65ルピー)・・・カレーにはやっぱりご飯、量は多め 

22 HAUZ KHAS VILLAGE, NEW DELHI
gunpowder1.jpg gunpowder2.jpg




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DELHI PUBLIC LIBRARY

2010/01/25 Mon 01:35

え~っ ここが? 確かデリーでもっとも大きい図書館だったはずですけど・・・
歴史の重みがあるりっぱな建物という期待を即裏切るところはやっぱりインド。
入館してさらに参ったのは、停電で部屋がほとんど真っ暗だったこと。
これじゃ意味ないだろ。バックアップ電源くらい付けろよ。とりあえず児童書コーナー
をのぞいてみましたが、蔵書もいまいち。新刊案内にはボクがこっちで2年前に
買った絵本が紹介されていました。(溜め息) そういえばサロジニナグールの
メインマーケットの裏に図書館が建設中だった。そっちに期待しよう。
薄暗い館内にもかかわらず苦行のごとく本に向かうインド人たちが印象的でした。

dpl1.jpg

フラッシュをたいて撮影。   飾ってあった子どもの絵はなかなかうまい。
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ん~やっぱりインド | コメント(0) | トラックバック(0)

HORN PLEASE (HAUZ KHAS)

2010/01/25 Mon 00:36

100125.jpg
HAUZ KHASの工事現場から
HORN PLEASE | コメント(0) | トラックバック(0)

だじゃれ日本一周

2010/01/24 Sun 09:56

だじゃれ日本一周だじゃれ日本一周
(2009/12)
長谷川 義史

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いやぁ、ニッポンとられました!

ん~悔しいなあ。もうちょっと早くよみたかったなあ。
ボクは毎年大晦日に、その年に出た絵本のベスト10を選んでamazonのリストマニアに
載せており、世界中の絵本関係者に注目されています。(←もちろん大嘘です)
もし本書を去年よんでいたら、まちがいなくリストに載せたでしょうね。
だったら期限をのばして1月末にでもリスト化すればいいのでしょうが、やっぱ気分的に
大晦日なんだよなあ。1年を振り返って感慨にふけるのは。要するに何が言いたい
かというと、この絵本はとてもいいぞと叫びたい訳であります。

まあ、長谷川ファンなら中身を見るまでもなく満足できることは、想像に
難しくないでしょ。自分の出身地はどう描かれているか?アノ県ならアレが名物だ
ったよなあ。ウケ狙いの仕掛けがどっかにあるはず。などと想像力が先走りました。
もちろん充分に楽しめました。このレビューを読んでいるヒマがあったら早く本屋へ行け!
と言いたいくらいです。

基本は1ページに1都道府県づつ、ダジャレ付きで紹介という構成。
巧いのは、見開きで隣あった都道府県に、関連性をもたせているところ。
2コマ漫画的だったり、富士山を介して繋がっていたりとか。さりげなく平和への
メッセージが込められてたりもします。その意味ではただの絵本じゃありません。

-----------------【Review for Review】------------------
よくできた駄洒落からは日本語の豊かさを感じる。学習にも使える。
月曜学校休マンデー。木刀腰にサースデー。といって英語を覚えたなあ。
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チコ・ボンボンとすてきなどうぐベルトチコ・ボンボンとすてきなどうぐベルト
(2009/08)
クリス モンロー

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最強の工作猿

何が素敵かというと、道具ベルトには何でもそろっているところ。
これさえあれば、修理、改造、工作作業の類いは何でもござれ。
ドラえもんのポケットかチコ・ボンボンの道具ベルトかという感じです。
そんなベルトを持つ彼が、罠にかかってサーカスへと誘拐されてしまいます。
木箱の中に閉じ込められたチコ。そこで道具ベルトの出番です。
スパイの秘密道具のごとく、工具を巧みに使った脱出劇は実に痛快。
子どもの頃(特に男の子は)ちょっとした道具を手にするだけ
でワクワクした経験はありませんか? 道具の1つ1つが、わきあがる
工作本能を満たしてくれる宝物であり、日曜大工店が夢の空間
だった頃を思い出させてくれた作品です。

-----------------【Review for Review】------------------
秘密道具というほどではないですが、ボクが外出時に常にもっている物。
携帯電話、デジカメ、メモ帳、4色ボールペン、iPod
これで大概の事は何とかなります。
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ブルンディバール

2010/01/20 Wed 07:00

ブルンディバールブルンディバール
(2009/11/19)
トニー・クシュナー

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収容所で演じられた未来への希望

絵本のほとんどを覆っている帯に全てが描かれていると言っていい!
というのは半分冗談ですが、実際中身の濃い帯であることは確か。
ナチスの強制収容所で子どもたちが演じたオペラに基づく作品であること。
今、公開中の映画「かいじゅうたちのいるところ」の作者の最新刊であること。
裏には作品の歴史的背景が丁寧に解説されていること。
これらは中身には明記されていません。もしこの帯がなかったら、本書を手に
取ることもなかったでしょうね。絵もやや古い感じですし、タイトルも意味不明。
ただし、中身を読めば、好むと好まざるとにかかわらず悲しい史実に直面する。
もとになったオペラは収容所で、なんと55回も演じられたとのこと。
未来への希望を子どもたちへ託すメッセージが込められていただけに、
彼らのその後の運命を考えると複雑な気持ちになりました。
本書のメッセージは今の子どもたちが正面から受け止めるには重すぎる。
しかし、大きくなって再読したときに、ズシンと心に響くことでしょう。

-----------------【Review for Review】------------------
心までは収容所に監禁しきれない。インドに駐在する前も似たような
心境だったなあ。今思えばの話ですが(笑)
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