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ほんやのいぬくん

2010/04/30 Fri 07:13

ほんやのいぬくんほんやのいぬくん
(2010/02/27)
ルイーズ・イェーツ

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本好き、ついでに犬好きへ

本屋まで開くほど本好きな犬を通し、読書の楽しみを描いた絵本。
とにかくイヌくんは本が大好き。裏表紙をみると本の上に寝そべる彼が。
なんと幸せそうなことでしょう。そんな彼が読書の楽しみを伝えてくれます。
まあ、この作品を手に取るような方なら、すでに本好きだと思いますけどね。
その意味では、犬くんと読書の喜びを分かち合える絵本とも言えましょう。
(犬くんの愛らしさにつられて、さらに本好きになる方もいるかな)

よんでいると ここが ほんやじゃない みたい

これは、お客のいない店内で読書するワンシーンでの一文ですが、
おおいに共感してしましました。

もっともボクの立場では「ほんや」→「インド」と変換してますが。

-----------------【Review for Review】------------------ 
ワンシーンのワンは犬にちなんで使ってみたのですが誰か気づいたかな?
ボクが読書ずきになったのは卒業をひかえた小学6年生のとき。
授業の課程もほとんど終わったので、先生が1日まるごと読書タイムに
してしまったことがきっかけです。普段は教科書を開いている時間に
図書館から好きな本を持ち出して楽しめるというのはなんともいい気分。
そんな日が、1ヶ月くらいつづいたのでかなり読めました。
読後はそれぞれ簡単な感想を書いて壁に貼り出す。それをみて他の本も
よんでみたくなる。思えば、今やっていることと似ているなあ。
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Moonpowder

2010/04/28 Wed 07:42

MoonpowderMoonpowder
(2008/05/27)
John Rocco

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夢をめぐる冒険活劇

昨晩どんな夢をみましたか? いい夢(SWEET DREAM)? 悪い夢(NIGHTMARE)?
いい夢だったら、空の工場で精製されるムーンパウダーの原料となるようです。
そしてムーンパウダーがふりまかれると、みんなもいい夢をみれるのです。

その工場:ムーンファクトリーにトラブルが発生。
メカ好きな男の子エリは、Mr.ムーンの呼びかけに応じて工場へ飛び立ちます。
実は男の子の悩みの種も悪夢をみること。工場を助けることが、エリ自身の悩みを
解決することにつながっているのがポイントですね。

作品の舞台は真空管ラジオの時代。ムードに溢れたレトロ調の絵は
細部までしっかり描き込まれ、夢の話にしっかりとリアリティを与えています。
ハリウッド映画的な展開は流行りの3Dアニメを観ているかのよう。
眠る前によむと目が冴えてしまうかも。

-----------------【Review for Review】------------------ 
眠る前に観たDVDのシーンが、よく夢に登場することがある。
これを利用して自己暗示にかければ、思い通りの夢がみれるかもしれない。
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Billy Twitters and His Blue Whale ProblemBilly Twitters and His Blue Whale Problem
(2009/06/23)
Mac Barnett

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どうするよ? ドアの外にクジラがきたら

BLUE WHALE(シロナガスクジラ)を自転車で引っ張る男の子の表紙。
かなりのインパクトです。PROBLEMとはいかなる問題なのか?
というか町中に巨大なクジラがいる時点で大問題でしょ。

このクジラ、実は彼の母親から送られたものなんですね。
男の子を叱るたびに「言う事をきかないとクジラを買うわよ」
と言ってたのですが、本当に実行してしまったわけです。
夜中にトラックで宅配業者(FED○○)が配送するシーンは圧巻!

てな訳で男の子は、どこへ行くにもクジラを同行させるという
重い重い(いった何トンだ?)責任を背負うことになってしまい、
それが問題なのです。共に通学したり、散歩させたり、エサをやったり・・・

クジラは何かの象徴と見なすこともできるでしょう。
例えば怠惰な心とか、ストレスの蓄積とか。しかし本作では、あくまでも
クジラの存在を現実として描ききってます。男の子が最後にとった行動は
解決になっているんでしょうか。ちょっと疑問。
「答えは問題の中にあり」と言いたい訳でもなさそうだし。

カバーをはずすと、クジラを宅配するという広告あり。
母親はこれをみて注文したのですね。お試し期間は30日だそうです。

-----------------【Review for Review】------------------ 
昨晩はnoobaという中華レストランで駐在員が集まっての食事会。
インドで働く苦労を語り合う。クジラ級の悩みはけっこうあるもので。
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Dogs

2010/04/24 Sat 06:59

DogsDogs
(2010/01/01)
Emily Gravett

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すみずみまで犬づくし

そのものずばりのタイトルどおり、犬の絵本です。
すみからすみまで、あらゆる種類の犬が登場。ユニークなのは紹介のしかた。
見開きごとに 大きいのー小さいの、速いやつーゆっくりしたやつ、
吠えるやつーそうでないやつ、きれいなのーきたないの、という感じで対照的な
2種類が描かれています。犬といっても本当に色々な個性があるものですね。
さてさて、それでは一番好きな犬は? ちょっとヒネったラストにニヤリ。

出版情報や作品紹介ページまで、犬にちなんだこだわりがみられます。
こういった遊び心をくすぐる演出はポイント高し。

-----------------【Review for Review】------------------ 
ホーリーで色水をかけられたやつ。
いぬ
14/Mar/2009
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illustration ( イラストレーション ) 2010年 03月号 [雑誌]illustration ( イラストレーション ) 2010年 03月号 [雑誌]
(2010/01/27)
不明

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雑誌以上に価値がある付録付

今回のレビューは、かがくいさんの未発表絵本の別冊付録について。

まだラフの段階とはいえ、刊行予定だっただけに完成度の高さには驚きました。
タイトルは「ぞうきんがけとぞうさんがけ」。デビュー作の「おもちのきもち」を
彷彿させるダジャレ感覚はまぎれもなく、かがくいワールドですね!

のっけから勢いよくゾウがぞうきんがけします。巨大なからだで
たたたたたたた だだだだだだだ っと廊下を何度もいったりきたりして、
ぞうきんがけ終了と思いきや・・・今度は「ぞうさんがけ」が始まるのです。
ぞうさんがけって何さ? まあ想像力を駆使して考えてみてくださいな。
彼らがひと汗かいた後は、壮快感にひたれるラストが用意されています。

しかし、かがくいさんの新作がもうみれないのはさみしいですね。
レビューしていても楽しい絵本作家だっただけに残念です。
本誌の特集記事によれば、あと3年はネタがあるとのこと。
おそらく「ワックスがけとダックスがけ」とかも考えていたのでは。
ご冥福をお祈りいたします。

-----------------【Review for Review】------------------ 
最近うちの職場にエアコンが追加された。ボクはこれ以上部屋を寒くし
ないで欲しかったのだが、驚いたのはスイッチの場所。電源スイッチが
外にあるので、オンオフするにはいちいち窓を開閉せねばならない。
インド人の仕事は絵本以上にシュールです。

レモンツリー
28/Feb/2010 LEMON TREE HOTEL のカフェにて至福のひとときを過ごす
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Amos Jellybean Gets It Right

2010/04/21 Wed 07:08

Amos Jellybean Gets It RightAmos Jellybean Gets It Right
(2005/03/30)
Joanna Walsh

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?から!となる男の子の1日

Amos Jellybean(おいしそうな名前ですね)は物忘れのはげしい男の子。

彼の忘れっぽさは半端ではなく、朝から大爆発。例えばママに
「ベッドから出て、服を着て、下へおりて、テーブルにすわり、朝食を食べなさい」と言われ
彼が実際にしたのは・・・ベッドを下におろし、テーブルに着せ、朝食にすわり、服を食べる。

万事こんな調子で、帽子でなくカバンをかぶろうとしたり、ケーキにマスタードをかけたり、
風呂場で耳に靴下をかけたりと、朝から晩まで大混乱の連続です。
実際こんな子がいたら、笑い事ではすまないでしょうが、そこは絵本の話ということで
楽しみましょう。彼だってやるべきときは、ちゃんとやるのでご安心を。

男の子のハチャメチャな行動をいかに描いたかはちょっとした見所。
Joanna Walsh はコラージュによる絵で記憶のツギハギ感をコミカルに表現しています。
この軽快なタッチはいいです。他の作品もみてみたくなりました。

-----------------【Review for Review】------------------ 
という訳で、今朝のボクは、絵本をみがいて、歯を読み、
コーヒーをレビューして、新聞を飲もうとしています。
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じどうしゃアーチャー

2010/04/19 Mon 07:45

じどうしゃアーチャーじどうしゃアーチャー
(2009/07)
片平 直樹小林 彰太郎

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車が語る自伝絵本

アーチャーと名乗る自動車の語りを通して、人と車の関係を描いた絵本。

最初の主人は、金もちの紳士。アーチャーは広いお屋敷で行き届いた
整備をうけ、レースで優勝するなど華やかな日々を送ります。
しかし、大戦が始まり戦地へと送られ負傷。その後も各地を転々とするはめに。
消防車、運搬車と仕事も変わるのですが、毎回トラブルにみまわれ、やがて廃車に。

確かに車はちゃんと動いてなんぼのもの。道具としてみれば。
ただ、想い入れをもつ者にとっては、共に走った時間は別物です。
記憶はサビつくことなく、車から下ろすことは出来ないでしょう。

もしも車と話ができたなら、それぞれに豊かな物語を聞かせてくれるのでは。
そんな想いを、形にしてくれた作品です。

モデルとなったのは、1919年製シルヴァーゴースト・アルパイン・イーグルで
ロールス・ロイスの世界的な名声を確立した名車と言われています。
ワクイ・ミュージアムのコレクションにあるとのことなので、直接話しをして
みるのもいいでしょう。車とね。

-----------------【Review for Review】------------------ 
インドの車なら、オートリクシャーの話を聞いてみたいものですね。
毎日いろいろなお客を載せて、あらゆる所へ行ってそうだし。
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To Market! to Market!

2010/04/18 Sun 08:08

To Market! to Market!To Market! to Market!
(2007/04)
Anushka Ravishankar

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ポケットに好奇心をつめ、いざインドへ

映画のスクリーンのような横長の画面とカラフルな表紙に注目。
人と動物でごったがえす通りを走り去った自転車には5人もの男が乗車!
色鮮やかな商品が並ぶ店と同じく色鮮やかなサリーを着た女性たち。
確かにここはインドのマーケットです。

本をめくると、あなたの心も遥かインドへ。ポケットにルピーを入れた
女の子といっしょにマーケットを散策しましょう。
上下に分かれた見開きの片方には、様々なお店の様子が描かれ
女の子ならずとも心がワクワク。もう片方にはリズミカルな文章が
タイポグラフィクに添えられ声にするとウキウキ。

しかし、ゴミゴミした世界をよくぞここまで描写しきったものです。
絵は著名なイタリア人イラストレーターによるものと知って納得。
海外では異国情緒が受けるでしょうが、インドに住んでいる方は
内輪受け的な楽しみかたができる絵本です。

-----------------【Review for Review】------------------ 
でも本書に描かれている人たちは、この絵本を買わないだろうなあ。
彼らにとっては大金の650ルピーもだして(ボソっと)
インドの絵本 | コメント(0) | トラックバック(0)

Naked Mole Rat Gets Dressed

2010/04/17 Sat 06:56

Naked Mole Rat Gets DressedNaked Mole Rat Gets Dressed
(2009/01/06)
Mo Willems

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常識を脱ぎ捨て服を着る

Naked Mole Rat とはハダカデバネズミのこと。すごい名前ですね。
写真でみると、確かに体毛がなくて穴堀につかう出っ歯がある。

そんなハダカデバネズミの世界では、ハダカでいることがあたりまえ。
我々の世界ではハダカで外に出ると、注意されるどころか、犯罪に
なってしまいますが、彼らの世界ではこれが逆転しているところが面白い。
ハダカっぷりが良いほどエライというかんじですね。

しかし、彼らの中に服を身につけることの魅力に気づいてしまった者が
あらわれます。それがウィーバー。彼は服屋までオープンし服の魅力を
みんなに広げようとするのですが、当然のごとく反感を買って・・・

ところかわれば常識も変わる。その常識さえも時がたてば変わる。
みんなが正しいと思っていることも、本当にそうなのかと見直してみる
必要があるかもしれません。本書は、自分自身で価値判断することの
意味をユーモラスに問いかけています。

-----------------【Review for Review】------------------ 
昨日、日本の友人から1行のメールが届いた。ついに携帯を買ったとのこと。
常識にとらわれないヤツだけど、これには唖然としました。
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いそっぷのおはなし

2010/04/15 Thu 07:28

いそっぷのおはなしいそっぷのおはなし
(2009/05)
木坂 涼

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イソップ物語にもう一度出会える

「この絵本が好き!2010年版」で国内絵本ベスト1の栄誉に輝いた作品。
もう何人かのレビューがamazonにあるかと思いきや、ボクが初めてとなるのは意外・・・
2009年の「くまとやまねこ」をはじめ、代々1位となった絵本とは対象的ですね。
もとがイソップですから、ドラマチックな感動はなく、慣れ親しんだ物語を
いかに再構成したかという点が評価されたのでしょう。

その意味でいうと、冒頭の「きつねとつる」で作り手の姿勢を充分に
感じ取る事ができます。見開き左右に登場するのは、ツルとキツネ。
キツネがツルを見つめる視線の冷ややかさにはゾクッとなりました。
スクラッチによるモノクロのツルと絵筆によるカラーのキツネ。
イソップ物語の特徴ともいえる対照性、逆転性、表裏の世界をさりげなく
暗示させる効果が出ています。

全9話を通してみると、登場する動物たちにけっこう感情移入している
ことに気づく。古典の世界を現代へとつなげた文と絵の巧みさは、
通ならではの見所と言えましょう。

個人的には心地よく眠るウサギの絵が印象に残りました。
カメに負けても別にいいじゃん。なんて思う方も少なくないのでは。

-----------------【Review for Review】------------------ 
先日映画化された「かいじゅうたちのいるところ」はガッカリしましたが、
イソップ物は映画化したら、けっこう面白いだろうな。
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