fc2ブログ

ちいさなおうさま

2010/06/27 Sun 07:21

ちいさなおうさまちいさなおうさま
(2010/06/09)
三浦太郎

商品詳細を見る

デザインセンスで描いた王様ファミリーの誕生

表紙の単純化された王様。記号的な表現ながらも、どこかユーモラス。
そして緻密に計算されたレイアウト。左足は、なにげに新聞の切れ端を
コラージュしているように見えますが、記事もちゃんと中身に関連させる
という気の使いようはサスガです。大きなKはKINGの略号ですが、
中身に入って Q J 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 と王様の他にも略号がついて
いることから、実はトランプをモチーフにしていることが判明します。
前半と後半を対比させた構成も、カードの裏表のようで分かりやすい。

話はいたって単純。背景に「おおきなおひめさま」の物語も内包されている
のですが、残念ながらボクはそこまで想像を広げて読み取れなかった。

でも、JOKERも加え、こんなデザインのトランプがあったら買いますよ。

--------------------【Review for Review】--------------------
K=こども Q=先生 1~10=友達 お城=幼稚園 という見方もありか。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

チョコレートパン

2010/06/26 Sat 07:06

チョコレートパン (幼児絵本シリーズ)チョコレートパン (幼児絵本シリーズ)
(2010/03/03)
長新太

商品詳細を見る

甘くトロける空想の地へ

長さんは空想が生まれでる場所をよく知っているようで、
絵本にもたびたび登場します。本書では大きなチョコレートの池へ
案内されます。チョコレートの甘い香りで、われわれの日常感覚は
溶解し、心地よい無意識の混乱へとトリップ。

誰もが誘惑にさからえず、心はチョコレートの池にドップリとつかって
しまうことでしょう。しかし、危ない危ない。もしも池の一言がなければ、
現実世界にもどれなくなるところでした。ここで何が起っているかは、
観た人だけの秘密です。

長さんならではのスイートな絵本。心のデザートにどうぞ。

--------------------【Review for Review】--------------------
訳あって、本来ならこのレビューは25日にamazonのサイトへ載せる予定でした。
しかし、深夜の国民的勝利に感激したことと、それがTVの接続不良で観れなかった
というインドの情けないインフラへの怒りが交錯し、1日おくれとなりました。
次は29日。雨が降らないことを祈ろう。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

NJP (LAXMI NAGAR)

2010/06/20 Sun 22:59

NJPとはnot just paranthas の略。paranthaはインド特有のパンで生地の中に
ジャガイモや野菜が練り込んであって、けっこううまいです。その専門店なるNJPは
何店かあって近所のモールにもあるんですが、今日はあえて遠出しLAXMI NAGAR店へ。
理由は写真をご覧あれ。V3S MALLの一角にある店内はインドの街並を模した造りが特徴。
快適な店内でインドの街頭にいるような雰囲気まで味わえるというわけです。

DSC04140.jpg

●SEEKH KEBAB EGG POCKET PARANTHA(169ルピー)
けっこうお腹いっぱい大満足。味はエッグロールの中身をシシケバブにした感じ。

DSC04137.jpg DSC04139.jpg


ルピーでお食事 | コメント(0) | トラックバック(0)

門いろいろ(NIRMAN VIHAR)

2010/06/20 Sun 11:16

NIRMAN VIHAR駅の横道を入ったところにある閑静な住宅街にて。
それぞれの家ごとに趣向を凝らした門があるので、集めてみました。
DSC04141.jpg DSC04142.jpg

DSC04143.jpg DSC04144.jpg

DSC04146.jpg DSC04147.jpg



印度アート&デザイン | コメント(0) | トラックバック(0)

おばけのひやめしや

2010/06/20 Sun 06:58

おばけのひやめしやおばけのひやめしや
(2010/06)
ささき みお

商品詳細を見る

よく冷えたおばけ絵本

先日レビューした「じごくのラーメンや」は、閻魔様による熱くて辛い料理が
売りでしたが、それと対照的な作品ですね。こちらはオバケによる
つめた~い料理が売りもの。さびれた町の片隅に突如開店した「ひやめしや」。
人間たちを脅かして楽しもうというオバケの魂胆に反し、人気が出てしまうと
いうコントのような展開がいいですね。いっそのこと町に居着いてしまえば
いいのに、あえて閉店したのはオバケのプライドからか。

そんなオバケ君にアドバイス。次回は嘘が売り物の「ホラめしや」
歌いながら食べる「うためしや」、ふたを開けると何も無い「カラめしや」
気合いいっぱいの「ウリャァめしや」、料理がプラモデルの「プラめしや」
なんてやってみたらいかがでしょうか?

--------------------【Review for Review】--------------------
昨日はインド人スタッフより先に帰宅してTVでサッカー観戦。
(こちらでは夕方5時キックオフなので・・・)結果は残念でしたが、
寒い試合でなかったのがせめてもの救いか。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

HORN PLEASE (LAKSHMI NAGAR)

2010/06/20 Sun 00:15

DSC04151.jpg
真ん中に「オーム」とあるところがインドらしい。
HORN PLEASE | コメント(0) | トラックバック(0)

The Biggest Kiss

2010/06/19 Sat 04:48

The Biggest KissThe Biggest Kiss
(2010/02/04)
Joanna Walsh

商品詳細を見る

すきすき kiss kiss

はじまりからおわりまで、とにかくkiss kiss kiss の絵本。
いつでも、どこでも、どんなときでも、だれにでも、kiss という素敵な
コミュニケーションがあることを、動物たちを通して伝えてくれます。
日本人的にはちょっとくどい気もしますが、挨拶がわりにkissする西欧人の
感覚って、この絵本のようなんでしょうね。雨や雪さえ自然からのkissと
受け止めるなんて新鮮でした。で、タイトルの The Biggest Kiss は
やっぱりねえ・・・ということで幸せな気分になれます。

--------------------【Review for Review】--------------------
インドでは外に出ると埃にkissされる。やばい蚊にkissされると病院行きだ。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

石のきもち

2010/06/18 Fri 08:19

石のきもち―この星の上で石のきもち―この星の上で
(2010/05)
村上 康成

商品詳細を見る

石を意識してみると

大昔から森に居続ける石の気持ちを、石の言葉でつづった絵本。
石なので自分から動くことはできないけれど、彼の身の周りでは
様々な営みが繰り広げられる。それらを なが~い、なが~い定点観測
のごとく見守り続けた石の言葉は、シンプルながらも含蓄があり、
森に住む動物たちへの親愛に満ちています。

ときには動物たちの会合の場に、ときには悲しむものに寄り添ったり
ときには勘違いされ噛み付かれたり、ときにはイス代わりになったり。
石としての新たなる出会いは今も続いているようです。

毎日毎日くり返される生き物たちの日常風景の中にあって、ずっと
変わらないものの存在を地球的時間のスケールで感じさせてくれる作品。

--------------------【Review for Review】--------------------
石だって旅をすることもある。隕石や月の石の言葉を聞いてみたいものだ。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

ぶたにく

2010/06/16 Wed 08:19

ぶたにくぶたにく
(2010/01/30)
大西 暢夫

商品詳細を見る

がんばれ豚。と応援してみたくなる。

豚という生命が肉という物質になるまでを丹念に提示した写真絵本。
この作品に出会った人には、いままで食べていた肉に対して2通りの
道を考えるのではないだろうか。

1 命に敬意をはらいながら肉を食べる。
2 今後いっさい肉を食べるのをやめる。

表紙にもなっている愛らしい子豚。いっしょに生まれた兄弟とともに
母親のもとですくすくと育っていく。やがて屠殺場行きとなる運命を知らず。
この現実に涙して、2の道を選んだ方はスジが通っていると思います。
しかし、ほとんどが1の道へいくと思います。ボクもそうですし、
さらに言うと、料理されたものが不味ければ、残すでしょう。

豚に限らず、実験用の動物、闘牛士と戦わされる牛、食物にさえならずに
殺される数多くの動物たちも家族があり自分の命をもっている。
同じ動物でも生まれるところが違えばペットとして可愛がられたかもしれない。
人と動物の関係について、色々な事を考えさせられる絵本です。

はっきりしていることは、世の中は様々な矛盾があるということ。
異なる価値観の衝突が一人の人間の中でも起こるのだ。
それらに正面から対峙することを教えてくれる課題提示型絵本とも言えます。

--------------------【Review for Review】--------------------
期待して負けられるよりは、けなしても勝ってくれる方が良い。
日本代表の貴重な一勝に際して思いました。素直に応援するのは難しい。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

はじまりの日

2010/06/13 Sun 11:14

はじまりの日はじまりの日
(2010/02/13)
ボブ・ディラン

商品詳細を見る

未来あるすべての者へのメッセージ

インドの本屋でも原書をみかけて買おうかどうか迷いましたが、
あえて邦訳版のほうを選択しました。というのは訳者がアメリカ人であり
日本語で絵本も出している詩人のアーサー・ビナードと知ったからです。
実を言うと、絵本の元になっているボブ・ディランの「FOREVER YOUNG」を
知らなくて、歌詞に何が書かれているかよりも、何を伝えようとしているかに
関心があったせいもあります。で、それは正解でした。

冒頭の見開き。とあるフォークシンガーが彼の歌を聴いた少年へ
ギターを手渡そうとしている。その絵に添えられた文がいい。

きみが 手をのばせば しあわせに どどきますように
(ちなみに原文は May God bless and keep you always,)

息子のことを想いながら作詞したというボブの心の中を
覗いてきたかのような、絵と文ではないでしょうか!
この気持ちの高揚はページをめくるにつれて高まっていく。
彼の息子へのメッセージは、未来あるすべての者へのメッセージとして
時空を超え、心を響かせてくれました。
巻末にはオリジナルの歌詞。そして絵を描くにあたって全てのアルバムを聴いた
というポール・ロジャースのトリビア的解説もあり、味わいに深みを加えています。

が、作品の背景を知らなくても、純粋に存在感ある絵本といえます。

--------------------【Review for Review】--------------------
いよいよワールドカップがはじまりました。時差の関係でインドでは
夕方から深夜にかけて放送されます。がんばれ日本代表!
「足をのばせば ボールに とどきますように」 
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
 | HOME | Next »