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おきゃく、おことわり?

2010/11/10 Wed 03:23

おきゃく、おことわり?おきゃく、おことわり?
(2010/09/22)
ボニー ベッカー

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断っていたのは自分の本音か

このクマはかわってますね。だれも彼の家を訪ねてこないにもかかわらず、
あえて「おきゃくおことわり」の張り紙をするんですから。
するとやってきたのが、ちいさなネズミ。もちろん断ってドアをしめるの
ですが、ちゃっかり家に入りこんでしまいます。追返しても追返しても
どこからか入ってしまうという、軽業師のようなネズミとのやりとりは見物です。

自分のことにちょっとでも関心をもってくれる人がいるだけで、
世界が劇的に豊かになる。そんなことをクマとネズミの関係が伝えてくれます。

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昨晩は帰宅中にビックリしました。自分の運転している車が突然しゃべり出して、
今年のカーオブザイヤーを受賞したと伝えて来たのですから!
インドに行ってた3年間に車も変わったと思ってたけど、そこまでやるとは。
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いろいろペンギン

2010/11/08 Mon 03:55

いろいろペンギンいろいろペンギン
(2009/09)
アントワネット ポーティス

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色しばりで世界をみると

1つ気になったのは、表紙を原作と変えているところ。
確かにこの方が書店でアピールしやすいでしょうが、なんだかキャラクターブックの
ような雰囲気になって、本来のテーマから離れてしまいました。表紙や見返しなど
含めて絵本の表現では?原作者はどう思うのか気になります。
(翻訳小説で表紙を変えることはあるけど、絵本ではあまりやって欲しくない)

それはさておくとして、色をテーマとした内容と絵は秀逸です。
ペンギンの世界は雪と海だけ。そこで白黒と青しかないと定義付けたとこがポイント。
好奇心旺盛なエドナは、色という切り口から、新たなものが存在しないかと旅にでる。
そして今まで見た事ない色に出会います。実はもっとスゴいものに遭遇しているのですが、
全てを含め、色との出会いとして描いたのは判りやすさから言えば正解。

最近よんだ絵本「まっくろくろのおばけちゃんのぼうけん」も同様のテーマでしたが、
本作のほうが、明解さの点でお勧めです。

--------------------【Review for Review】--------------------

A Penguin StoryA Penguin Story
(2009/01/01)
Antoinette Portis

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ちなみにこちらが原作の表紙。インドでも見かけました。

半年前に購入したVAIOはオレンジ。5色のカラーバリエーションの中から
その色を選択した理由は?もちろんちゃんと説明できますが、それ以前に
質問されたことがないわけで・・・
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せいぎのみかた

2010/11/07 Sun 04:21

せいぎのみかたせいぎのみかた
(2010/09/08)
宮西達也

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本当の正義の味方とは

すれ違いによる悲しい結末に涙する話で思い浮かぶのが「ごんぎつね」。
ドラフラ星人の話も基本的には同じで、お涙物の王道的展開となってます。
わかってはいても、グスッっとさせてしますうのは、さすが宮西さん。
ティラノサウルスやウルトラマンシリーズで見せた手腕がうまく発揮されてます。
確かに世間を見渡すと多いですね。ウラあるヤツが甘い言葉や誘いをかけることが。
宇宙人との遭遇を通し、物事の本質へ目をむけるきっかけとなる絵本です。

--------------------【Review for Review】--------------------
昨日はインドから届いた絵本の整理。古本として出すものを仕分けしました。
問題は洋書。けっこうあるけど引き取ってくれるところがないんだよなあ。
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りょうりを してはいけない なべ (講談社の創作絵本)りょうりを してはいけない なべ (講談社の創作絵本)
(2010/08/11)
シゲタ サヤカ

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とんだ食わせ物

ひょっとして?と思い出し再読してみたら、いたいた!ちゃっかり食べてますね。
何の事かって? 前作「まないたに りょうりを あげないこと」をお読みください。
舞台は同じレストランです。そこへ新たにやってきた大鍋くんが これまたクセもの。
料理中に吹き出してしまうんですから。沸騰してではなく、文字通り笑って
しまうわけで、中身が口からドバーッと出てしまうのです。そんな人間味のある
料理器具はどうなんでしょう?コックは大変だけど、見てる分には面白い!
そして鍋に感情移入し、応援したくなる絵本です。

そういえば、ボクの台所には、気短ですぐキレる包丁とか、上がり症のフライパン、
熱血漢の冷蔵庫(日ハムのファンです)、冷ややかなホットプレート、スクいようが
無いオタマ、抜き差しならないフォークなどいて、かなり持て余してるので、
このレストランへ修行に出したい(笑)

--------------------【Review for Review】--------------------
一を聞いて十を知ると言いますが、1を押すと10が出ててくる計算機はヤダな。
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こっそりどこかに

2010/11/05 Fri 03:44

こっそりどこかに (cub label)こっそりどこかに (cub label)
(2006/05)
軽部 武宏

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肝試し的絵本

小学生の頃、さみしい夜道をひとりで帰宅したときを思い出しました。
行く先に何かが潜んでいる!!!背中に視線を感じる!!!
遠くから近づいてくるのは人だろうか?それとも!!!
なんてことを想像し始めると止まらなくなり、早く家に着かないかと
急いだものです。それを絵にしたのではないかと思うくらい、そっくりなのが
この作品の情景でした。黄色い雨合羽の男の子も、ひとり夜道を急ぐ。
裏道、工場地帯、鉄橋、墓地、神社、地下道と。ありえないものが見えます。
気の弱い子どもが見たらトラウマになってしまうのでは?
でも、コワいものに惹かれるって方は、夜中にこっそりとページを
開いてみてはいかが。一人でね。

--------------------【Review for Review】--------------------
空想が生み出す精神的な怖さはまだいい。今は物理的な怖さもありますから。
ボクの住んでいる街では小学校の下校時になると、注意を呼びかける
市内放送が流されます。
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ぼくはぼくのえをかくよ

2010/11/04 Thu 04:46

ぼくはぼくのえをかくよ (学研おはなし絵本)ぼくはぼくのえをかくよ (学研おはなし絵本)
(2010/10/06)
荒井 良二

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過去・現在・未来への絵本ジャーニー

白い画面に一本の横線がひかれる。それは海にもなり大地にもなり空にもなる。
空想が航海し疾走し飛行する舞台となるのだ。そんな見開き1・2・3と加速する
展開で心地よく荒井ワールドへと導かれました。そこには色々な出会いや発見で
満ちあふれています。空想という掴み所のないものが、見事に具体化されてます。
どっかで見た事あるシーンや、これから行くかもしれない場所もあります。
要するに、世界的作家が心で見ている世界を共有できるという贅沢な絵本です。
線はもっともっと伸びていくようですね。果たしてどこへ向かっていくのか?
自分も線をひいて旅に出かけたくなりました。

--------------------【Review for Review】--------------------
昨日は身内の結婚式に参列。人生という様々な線がひとところに集まり
とても感慨深いものでした。これから二人がひいていく線で何が描かれるか、
とても楽しみです。
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ふでばこのなかのキルル

2010/11/03 Wed 03:40

ふでばこのなかのキルルふでばこのなかのキルル
(2010/09)
松成 真理子

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夢とは同居し続けられないのか?

キルルとは、男の子が見つけた筆箱の中に入るくらい小さな竜です。
子どもと異生物が出会う話は、やがて切ない別れを迎えることが多いですが、
本作も例外ではありません。そんな話を読んで、ふと思うことは、夢はあくまでも
夢であって、人はどこかで現実と折り合いをつけねばならないのかってこと。

キルルは男の子の前にお爺ちゃんと出会っています。なんと50年以上も前に!
このエピソードが物語に奥行きを出しいるので、大人にとっては、いっそう
味わい深いものになり、読後の余韻にひたれる作品です。

竜(のような生き物)は、おそらく誰の心にもやってくる。
そして、人それぞれに関係を築きあげていくものだと思います。
自分の中に忘れられた生き物が居ないかどうか、問いかけられる絵本です。

--------------------【Review for Review】--------------------
インドのアパートに居た頃、ときどき見かけた子どものヤモリを思い出しました。
そいつに翼やヒゲがついた姿を想像すると、竜がリアルに実感できます。
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りすでんわ

2010/11/02 Tue 03:51

りすでんわりすでんわ
(2010/09)
高橋 和枝

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音声ではなく心が通う電話

すでんわ? 留守電のまちがい・・・ではなく、リスが開設した電話。
それは人間が使っている電話を見よう見まねで作ったものですが、何かヘン。
電話機らしきものを粘土で作って、つるを編んだロープを電話線として
つないだだけですから。でも大丈夫。どうにか役に立っているようです。
誰かに想いと伝えたいという気持ちが、森の中を軽やかに駆け巡る。
完全に可愛らしさを狙った内容ですが、絵まで媚びてないところで、
絵本としての品格が保たれています。

--------------------【Review for Review】--------------------
インドでは、そこらじゅうにリスがいました。オフィスの天井にも住み着いて
いて、夕方になると帰ってくる足音が聞こえたものです。垂直なビルの壁も
へいきで駆け上がってくる彼らの身体能力はすごい!
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てんぐのそばまんじゅう

2010/11/01 Mon 04:33

てんぐのそばまんじゅうてんぐのそばまんじゅう
(2010/09)
深山 さくら

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昔話で山形プレゼン

山形県新庄市の主催による「新・昔話」受賞作を絵本化したもの。
舞台となるのは神室(かむろ)。作者である深山さんの出身県だけあって、
ご当地への愛情がつよく感じられました。名物の蕎麦をはじめ、神室連峰の
峰桜などがうまく盛り込まれ、読後は山形への想いが高まるという構成です。
かむろ山の四季をのびやかな筆致で表現した長谷川さんの絵にも注目。

--------------------【Review for Review】--------------------
市のホームページをみたら、今年2010年は新庄市制施行60周年とのこと。
ということは共和国になったインドと同い年なんですね。
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