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モイモイのポッケ

2011/01/31 Mon 03:45

モイモイのポッケモイモイのポッケ
(2008/12)
H@L

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宝物のような絵本

色、赤、黄、青。丸、グルグル。線、太、細、グングン。
おかあさん、ポッケ、宝物。モイモイ飛ぶ、南、東、北。探す、出会う。
キリン、首、長い。ワニ、食べる、怖い。フクロウ、お話、ワクワク。

まともに説明するのがアホらしくなってくるほど気持ちいい絵です。
特に大人にとっては、日常のワクから解放されて童心に帰るという
貴重な体験ができる絵本。心のポッケに一冊どうぞ。

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動物は自然が生んだ役者だなあ って思うときがあります。
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黒いチューリップのうた

2011/01/30 Sun 08:11

黒いチューリップのうた / Song of Black Tulips黒いチューリップのうた / Song of Black Tulips
(2010/10/20)
モルテザー・マフジュービー

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イランを絵と詩と音で感じる

ギャラリーなが屋門で開催している「だれも知らないイランの絵本展」にて
昨日、購入しました。最近はイランの絵本も日本に紹介されるようになって、
だれも知らない というより 知るひとぞ知る くらいにはなったように思います。
中でもモルテザー・ザーヘディはボクも含めファンが多い画家ではないでしょうか。

今回のCD音楽付きの詩画集では、シンプルで素朴な絵が見られます。
人や動物や植物や乗り物が同質に記号化され、音符のように配列された絵からは、
添えられた詩と共鳴して、心の声が伝わってきました。最初はそのままよんで、
自分なりに音楽をイメージしてから、CDを聴くのも一興かと思います。

ペルシア音階に調律したというピアノは、どこか金属的で切ない響き。
ミニアニメーションのおまけもお見逃し無く。

--------------------【Review for Review】--------------------
昨日のお昼はギャラリーのそばにあるルーラルハウスにて。
民家を改装したレストランは味といい雰囲気といい大満足。

DSC04968.jpg DSC04965.jpg
ランチのコースより。メインは好きなものを選べます。
今回は舌平目をいただきました。
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トリゴラスの逆襲

2011/01/29 Sat 07:59

トリゴラスの逆襲 (えほんのもり)トリゴラスの逆襲 (えほんのもり)
(2010/12)
長谷川 集平

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あの怪獣が時代をまたいで飛来


   「ああ、あのトリゴラスか、懐かしいなあ」

なんて思う人はどれだけいるだろう? 知らない方は「トリゴラス」を
先に読むと、より深く楽しむことができます。が、30年以上も昔の作品なので
続編というには間が空きすぎかもしれません・・・

トリゴラスは思春期の少年が好きな女の子に寄せる妄想を具現化した怪獣。
初めてよんだときは、かなり衝撃的をうけました。今回も寝床でおとうちゃんに
トリゴラスの飛来を知らせる始まりは前作と共通です。違うのは怪獣が女の子の
妄想として描かれ、少年が受け身の側にまわっているところ。
女性がつよくなった時代性を反映したのかとも考えられますが、舞台となって
いるのは前作と全く同じく昭和時代。野球では王さんが選手として活躍していた頃。
結局は、巧みな責任回避をもりこんだ少年の妄想なのか・・・?

余談ですが、同じテーマで女性の絵本作家が描いたものをみたいような気が。
その場合は怪獣ならぬ「魔法の○○ちゃん」なんて感じですかねぇ。 

--------------------【Review for Review】--------------------
久々に学生時代を過ごしたつくばへドライブ。TXの開通でかなり
開発が進み、当時とは別世界になってました。だだっ広い敷地に巨大な
ショッピングモールが立ち並ぶ様は、ロサンゼルスを彷彿させます。
車があればけっこういい生活ができるかも。
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にんじゃサンタ

2011/01/28 Fri 05:35

にんじゃサンタ (PHPにこにこえほん)にんじゃサンタ (PHPにこにこえほん)
(2010/11/02)
丸山 誠司

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サンタが参上

クリスマスの夜に、泥棒はサンタの格好をするといい、なんて言われますネ。
人に見つからないように仕事をするという意味では、忍者とサンタという
組合せも確かにあり。タイトルだけでもドラマチックな展開やナンセンスな
方向、和と洋の出会いなど色々と空想がふくらみますが、割と素直な内容でした。

簡単に言えば、忍者たちがクリスマスイブに備えて日々修行に励み、
当日、その成果を発揮するという話です。白いヒゲの忍者たちは、年に似合わず
俊敏で、とんだり はしったり もぐったり となかなか魅せてくれました。
彼らの秘められたエピソードを次回で紹介して欲しいものです。

--------------------【Review for Review】--------------------
先日チョコレートスパークリングなるものを飲んだ。透明で炭酸入り、
見た目はサイダーなんですが、チョコレートの香りと味がしてビックリ。
いや、本物よりハッキリした香りで、魔法にかけられた気分でした。
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たいふうがくる

2011/01/24 Mon 02:43

たいふうがくるたいふうがくる
(2009/12)
みやこし あきこ

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台風が来た

意外に思ったのは、第25回ニッサン童話と絵本のグランプリ絵本大賞受賞ということ。
というのは、いままでの大賞作品とはまるで毛色が違うし、普通に出版されていても
おかしくない出来映えなので。写実性の高い描写とモノクロームを生かした表現からは
すでにベテラン作家の雰囲気が感じられました。

表紙は浮き輪をもって心配げに外を見つめる男の子。明日は家族で海水浴に
出かける予定なんですが、天気がかなり怪しい。曇り空と不安が増していく
様子がモノクロームの画面から自然に伝わってきます。
そしてやってきた台風の夜。男の子がふとんに包まりながら空想する世界の
挿入が、翌日むかえる朝を、よりドラマチックに演出しています。

さて、男の子は海へ行けたのでしょうか? 少なくとも作者の宮越さんは
絵本界という大海へしっかり足を踏み入れたようです。

--------------------【Review for Review】--------------------
思い出しますね。子どもの頃に台風を迎えたことを。学校を早退し、
家では雨戸を閉め切り、電気を消してラジオをスタンバイして、
ちょっとした冒険気分になりました。
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あらいぐま洗車センター

2011/01/23 Sun 07:08

あらいぐま洗車センターあらいぐま洗車センター
(2010/11)
岡林 ちひろ

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アライグマがアライグルマ

あらいぐま洗車センターにやってくる動物たちの車がそれらしくていい!
チリまみれの小ちゃな車、先端にドリルがついた泥だらけの車、
卵形で電車のようにつながった車などなど。乗り手の生活ぶりがみえて
面白いです。次はどんな車がやってくるかとワクワクしながら楽しめました。
白を基調にした画面も清潔感にあふれて心地よいです。
気になったのは、5匹のあらいぐまがほとんど同じ姿をしているので、
分身の術を使っているかのように見えてしまう点。
それぞれの容貌や仕事ぶりにもっと個性があると、チームとしての
雰囲気がより出たのでは。

--------------------【Review for Review】--------------------
洗車すると心も奇麗になり、走りも軽快になった気になります。
トイレの神がいるならクルマの神だっているかもしれない。
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かべ―鉄のカーテンのむこうに育ってかべ―鉄のカーテンのむこうに育って
(2010/11)
ピーター シス

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絵本作家シスの原点

ピーター・シスの自伝であると同時に、生まれ育ったチェコスロバキアの
変遷を描いた大作。世界的な絵本作家が、いかにして現在にいたるかを
日記、写真、精緻なイラストで語られており、興味深い内容です。

生まれた当時はソ連の支配下にあって自由な表現が禁止されてたこと、
ビートルズをはじめとした西側の文化にあこがれ、こっそりと聞いたり
演奏したりしたことなど、生々しい体験に衝撃を受けました。

きびしい統制下にあっても、夢を持ちつづけ行動することの意味について
考えさせられる内容です。共産主義のシンボルとなる赤が、モノクロの線画に
アクセント的に使われ、日常に潜む支配力の怖さをさりげなく伝えている点も
注目。彼の絵本をより深く理解するうえでもファンは必読の一冊といえます。

--------------------【Review for Review】--------------------
この絵本の表紙につかわれているのはダンボール。家のオカメインコは
床を歩きながら、よく壁紙をかじってしまうので、要所要所にダンボールを
立てかけてガードしてます。彼にとっては、世界がダンボールで囲まれて
いるように見えてるかも。
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天才たちのびっくり!? 子ども時代天才たちのびっくり!? 子ども時代
(2010/10/01)
ジャン ベルナール プイ、アンヌ ブランシャール 他

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子ども視点で天才と出会える

本をパラパラとめくって、一番気になったのはセルジュ・ブロッシュによる
天才たちの肖像画です。写真やイラストをコラージュして遊び心満点。
小学生の頃、教科書に出てくる偉人の顔写真に、よく落書きしたものですが、
そんなノリですね。天才という雲の上の存在を、子ども目線まで引き下ろし
てます。しかも、ちゃんと彼らの業績に関連させた表現なので、いったい
こいつらは何者?と興味をそそられます。

文章にも遊び心があります。「やあ、諸君、わたしが発明王だ」
と天才自身が語る形をとったり、ミッキーやドナルドが証言する
という形をとったりと、飽きさせません。各人の紹介は数ページにうまく
まとまっており、伝記物にありがちな冗長さもなく楽しめました。

唯一ざんねんなのは、西欧人中心で日本人がひとりもいないことか。
その意味もこめて、第二集を期待します。

--------------------【Review for Review】--------------------
最近の高校教科書はカラフルで図版も多く、意外と楽しめるし、参考にもなります。
インド駐在時代は歴史の知識も必要かなと、世界史の教科書を買って行きました。
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フィボナッチ―自然の中にかくれた数を見つけた人フィボナッチ―自然の中にかくれた数を見つけた人
(2010/09)
ジョセフ ダグニーズ、ジョン オブライエン 他

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単純かつ不思議な数列

フィボナッチ数列を発見したレオナルド・フィボナッチの伝記絵本。
1・1・2・3・5と、前の数を2つ足したものが次の数になるという
この数列については知ってました。しかし、発見者については
全く知らなかったので、この機会にと絵本を手に取りました。

彼がこども時代に「のうなし」と呼ばれていたこと。世界じゅうを旅して
数についての見聞を高めていったこと、ウサギの繁殖についての
例題など、興味深いエピソードが紹介されています。

自然界の姿をみごとに解き明かすこの数列のことは、知れば知るほど
魔法のように思えて来ました。フィボナッチ数列のシンボルともいえる
渦巻き形を絵の中に隠す演出もうまいですね。

数を通して自然への興味がわいてくる作品でもあります。

--------------------【Review for Review】--------------------
学生時代にデザインの授業で、フィボナッチ数列を使った平面構成という
課題がありました。当時は単なる発想法のひとつぐらいに考えてましたが、
今にして思うと、かなり奥深いものを感じます。
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カーテン

2011/01/15 Sat 05:17

カーテン (学研おはなし絵本)カーテン (学研おはなし絵本)
(2010/11/10)
こばやし ゆかこ

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現実と空想の幕間へ

劇場におけるカーテンは、イベントの始まりや終わりを告げる存在です。
何かを隠したり、何かから隠れたりする意味で秘密めいたところもあります。
そんなカーテンをうまく使い、ちいさな姉妹のちょっとした夜の冒険を
空想的に描いたのがこの絵本です。

夜更かししたい彼女らが駆け込んだ先は、子ども部屋のカーテンの裏。
カーテンには森や動物たちの模様があって、それが後の展開におおきく
関わってきます。ちょっと危ない!?世界が現れます。

ボクは「もりのなか/マリー・ホール・エッツ」を真っ先に連想しました。
例えば、

と、書き続けようと思いましたが、この場ではやめましょう。
1000冊以上も絵本ばかりレビューしているせいか、新作をよんでも
「あの作品とあの作品を足して2で割ると、この作品になるな」なんて
因数分解するクセがついているもので・・・

それより、古典的絵本のパターンを踏襲した構成は、とてもわかりやすく、
カラフルでシュールな絵造りは、心地よく眠りへさそう魔法に満ちてます。
と、言っておきましょう。

--------------------【Review for Review】--------------------
確実に眠りたいときすることと言えば
1:部屋の明かりを消す(普段はつけたまま寝てます)
2:牛乳をのむ(中学時代に先生からおそわった)
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