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カレーだいおうのまほう

2011/08/26 Fri 06:12

カレーだいおうのまほうカレーだいおうのまほう
(2011/07)
石倉 ヒロユキ

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こんな魔法は大歓迎

カレー大王とはいかなる者か?そしてその魔法とはいったい?
頭にターバン、茶色い肌にパッチリ眼、ヒゲをくるりとさせた
顔立ちはいかにもインド風味。エキゾチックさ全開。
呪文で野菜を呼び出したり、変身させたりなんてことは序の口。
実は体をはった大技を持っている。要はおいしいカレーを
生み出す秘密を彼がにぎっているのである。

この作品はキッチンが似合う。読み聞かせならぬ作りきかせで、
カレー作りが楽しい物語に大変化しちゃうかも。
本場のインドカレーを知っていると、おいおいちょっと待て、
と言いたくなるところもありますが、固いことは抜きで。

出来上がったカレーを前にすると、あなたも魔法をかけられて・・・
この魔法は世界共通ですね。

カレー関連の絵本といえば、最近で印象に残っているのは、
「パパ・カレー/武田 美穂」パパの視点での臨場感が食欲をそそる。
「怪僧タマネギ坊/川端 誠」カレーなる大海での戦いがみどころ。

--------------------【Review for Review】--------------------
カレーが食べたい カレーが食べたい カレーが食べたい。
ロイヤルホストのカシミールビーフカレーは絶対魔法が入っている。
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ねずみのへやもありません

2011/08/25 Thu 04:06

ねずみのへやもありませんねずみのへやもありません
(2011/06/28)
カイル ミューバーン

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あれもこれもそれもと抱えている方へ

原題に使われているNO ROOMは、文字通りにとれば部屋がないということ。
ところが、舞台になっているのは、大きな大きな屋敷でNO ROOMどころか、
部屋があまってしょうがないくらいなのです。

NO ROOMは余裕やゆとりがないという意味にもとることができます。
読み進むと判明しますが、NO ROOMなのは、クリストファーのママの心。
なぜか、この家で仕事や雑務に追われまくっている。
だから、自分の息子が家を失って困っている人達を、勝手に入居させても
全然気づかない。おいおいと突っ込みを入れる隙間もないくらいの忙しさ。

でも、つれて来た人や動物たちの力で雑務がだんだん減ってくる。
そして部屋がなくなるにつれて、自分の時間を取り戻していき、
最後に大事なことへたどり着くという話しです。

ケイト・グリーナウェイ賞作家のフレヤ・ブラックウッドによる
丁寧なイラストは、飛躍した話しにリアリティという居場所を
与えています。我々もこの作品をおおらかに楽しめる余裕をもって
いたいものです。日々の雑務になげいている方へおすすめ。
チェックリストが1つ片付くかもよ。

--------------------【Review for Review】--------------------
やっと夏休み開けの仕事第1週間目が終わった。仕事ってストレスへの対処に
追われることなのかと思うときがある。


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あるひ こねこね

2011/08/21 Sun 03:13

あるひ こねこね (ciel books)あるひ こねこね (ciel books)
(2011/07)
高畠 那生

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宇宙的ユーモア感覚

いったいどんな作品なのか? と、想像が膨らむタイトルと表紙。
実は生命の起源にかかわる重大なことが描かれているのです。
鍵をにぎっているのは、タコ型宇宙人。彼らのとある行為によって
次々と生物が生まれてくるのである。それが何なのかは
知らずに、よんだほうが楽しめるので、ここでは書きませんが
高畠さんらしい、人を食ったユーモアが爆走しています。
あえて言えば、翻訳不能な超駄洒落的創造と言えますね。
ふざけた内容が、まじめに描写されていて笑える。

--------------------【Review for Review】--------------------
作品は作るのではなく生み出すもの。作るべきはそのためのベストな環境。
その意味ではどこにも遠出しない夏休みだったけど、充実していたなあ。
さあ、今日から仕事再開!
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いちばんでんしゃの しゃしょうさん (福音館の科学シリーズ)いちばんでんしゃの しゃしょうさん (福音館の科学シリーズ)
(2011/06/15)
たけむらせんじ

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始発は4時32分

電車絵本は、それだけで本棚の一角が埋まってしまうくらい数多くの作品が
あるジャンルです。空想的な電車から実在の電車を描いたものまで色々あり、
電車そのものに豊かな物語性があるんだなと思います。
そんな中にまた新たな視点の絵本が加わりました。

登場するのは三鷹駅発東京行きの中央線始発。ユニークなのは車掌の
視点で描いているところです。電車絵本でありながら仕事絵本でもあるのだ。
始発に備えて前の晩から車掌区に泊まり、自動起床装置で目を覚ますシーンから
ボクはぐいぐいと引き込まれました。まるで自分も車掌になったかのような
気持ちに。忘れ物や緊急停止などのハプニングもあり、かなり臨場感があります。

電車が毎日時間通りにきちんと運行するには、それを支える人達がいるんですね。
車掌さんが朝食をとるシーンでは、読者も一仕事した充実感を得られますよ。
ちなみにそれは6時08分。やまなかさん、おつかれさまでした。

--------------------【Review for Review】--------------------
時間通りに仕事をすすめることと、ハプニングと隣り合わせという点では、
生放送や演劇に近いものがあるかも。電車は走る劇場か。
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ねこのピカリとまどのほし

2011/08/18 Thu 02:40

ねこのピカリとまどのほしねこのピカリとまどのほし
(2011/06)
市居 みか

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光をもとめて夜を散策

お腹をすかせた猫のピカリが晩ご飯を求めて家を訪ね歩く話し。
家もなくお金もなく食事ができずに困った経験をした子どもって日本に
どれだけいるだろう。もうほとんどいないのでは。特にこの文を読んでいる方では。
ただ食べ物を他のものに置き換えると、似たような経験はけっこうあると思います。

この作品では窓に灯る光を夜空の星にみたてています。ピカリが食べ物を
得られるところ=希望の光という関係になっているんですね。
我々が抱く希望はそれぞれですが、毎日の食事という皆に共通した行いを
通しているので、とても共感できました。諦めないこと、信じること、
求める光は必ずあることを、ガラス絵を活かして美しく語ってくれています。
この夢の世界のような美しさはリアリティと表裏の関係ですが。

--------------------【Review for Review】--------------------
晩ご飯をどの店で食べるか決められずに町をさまようことはよくある。
ここは先日いったばかりだし、ここのメニューは食べ尽くしたし、
いちおう栄養やカロリーも気にしたり、リーズナブルなとこがいいし、
あまり遠くへ歩きたくない、などと考えだしたら迷宮にハマってしまう。
いかにポジティブな点を見いだすかが重要。
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カンガルーがいっぱい

2011/08/17 Wed 02:42

カンガルーがいっぱいカンガルーがいっぱい
(2011/05)
山西 ゲンイチ

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とてもカンガルー的です

なんと、45匹もの子供のカンガルーが1つのポケットに大集合!
一学級よりちょっと多いくらいか。すごいのは、ひとりひとりのガンガルーの
名前を始め、好みや特技をちゃんと描き分けているところ。
その他大勢的な扱いではなくて、ちゃんとそれぞれ紹介されているのです。
そして、全員の母親が同じという共通点でつながっている。

この中には、あなたに似たカンガルーもきっといますよ。
その意味ではカンガルーの子どもたちは、我々の分身とも言える。
そして命の源をたどるといっしょであると。
そんな一体感を描こうとすれば、確かにこれだけの数は必要ですな。

--------------------【Review for Review】--------------------
夏休みも残り半分を過ぎた。一日だって同じ日はない。毎日を大切に。
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やまんばあかちゃん

2011/08/16 Tue 02:47

やまんばあかちゃんやまんばあかちゃん
(2011/07)
富安 陽子

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ドッカーンとあかちゃん登場

富士山の大噴火から生まれるという、ド派手なデビューを飾ったのが、
やまんばあかちゃん。とにかくやることなすこと常人ばなれしていて、
森の大イノシシさえ、相手をするのに手こずってしまうほどの豪快さ。

そんなやまんばあかちゃんを、動物たちが里親となって育てていく話し。
動物ごとにもっている得意技を、軽々と自分のものにしていく彼女の
のポテンシャルは驚異的。一年を待たずして森の中を自由自在に動き回れる
ようになるという成長ぶりが痛快です。

でも、これって人間のあかちゃんも同じことですよね。
無限のパワーを秘めているという点では。
問題はこの力をどう活かしていくかということ。

と思ったら、同作者コンビで、やまんばあさんシリーズという
人気の児童書があったのですね。いきなり赤ちゃんから老婆という
変化についていけるか、心配だけど気になる。

--------------------【Review for Review】--------------------
最近、電車、バス、ファミレスなどで、泣き叫ぶ赤ちゃんが多くなったような。
当たり前といえば当たり前なんですけどね。ときどき赤ちゃんの無垢な笑い声に
出会うと幸せな気持ちになります。やっぱり特別な力がある。
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こけこっこー

2011/08/15 Mon 04:47

こけこっこー (たんぽぽえほんシリーズ)こけこっこー (たんぽぽえほんシリーズ)
(2011/07)
林 木林

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朝は元気にこけこっこー

朝、一日の始まりを告げるニワトリくんの鳴き声。
これを他の鳥がやったらどうなるかというユニークな絵本。

でも、声が小さかったり、ちゃんと発音できなかったり、夜の雰囲気になったり・・・
なかなかニワトリくんのようにはいかないけれど、それぞれの鳥たちの
個性が出ていて、のど自慢大会みたいなノリで楽しめます。
でも、なんだかんだいって、やっぱり朝はニワトリくん。

声に出して読むと気持ちが盛上がってくるぞ。朝の眠い気持ちもふっとぶぞ。
さあ「こけこっこー」パワーで今日も元気に行こう。

--------------------【Review for Review】--------------------
ボクの目覚ましは、iPhoneのアプリ「ラジオアラーム」
ラジオを始め、色々な音が選べて多機能。おすすめです。
http://itunes.apple.com/jp/app/id380271167?mt=8
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ぴんぽーん

2011/08/14 Sun 03:12

ぴんぽーんぴんぽーん
(2011/06)
山岡 ひかる

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押せば心もオープン

ページをめくると誰(何)が出てくるか? という単純な構成の
いわゆる幼児絵本。《いないいない ばあ》遊びの変形なんですが、
玄関のチャイムをつかったところが新しいと言えます。

実は「ピンポーン」というカタカナタイトルの絵本もあって
発想は同じだけど、これは誰かが訪ねてくるという趣向。

「ぴんぽーん」は誰か《を》訪ねるので、ボタンを押す側に
まわれるところが、能動的でいいのではないでしょうか。
それぞれの動物たちが住んでるとこにある押しボタンが微笑ましい。

ボタンはコニュニケーションの入り口でもあるわけですね。
自分の行為に反応してもらえることを素直に喜べる作品。

--------------------【Review for Review】--------------------
今日は画材を探しに行こう。以前BEROLのEAGLECOLORという油性マーカーを
よく使ってたんだけど、それがPRISMACOLORにとって代わった。ところが、
それも大きな画材店でも取り扱わなくなってしまった。逆にコピックは
近所の文具店で簡単に手に入る。ということでコピックにきりかえることに。
でも微妙に色とインクの特性が違うんだよなあ。
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ひ ぼうぼう

2011/08/13 Sat 05:03

ひ ぼうぼう (単行本絵本)ひ ぼうぼう (単行本絵本)
(2011/06/14)
新井 洋行

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火とは何か

火の特性を表現したとてもシンプルな絵本です。
ちいさな火種からはじまって、ページをめくるごとに、だんだん大きく
なり、最後は元にもどる。それだけなんですが、ちゃんと魅せる構成に
なっている。特にグラフィカルな処理が活きてます。

炎が上へと立ち上る様子を伝える、タテ開き。
赤と黒の対比や、大きさの対比、空間のとり方。文字の入れ方などなど。
よけいな物をいっさい描いていないので、その分、自由に想像を働かす
こともできます。単純に火として楽しむも良し。火をきっかけに別の
何かを思い描くも良し。

ちなみにボクはお祭りの熱気を想像しました。季節柄ですね。
姉妹編の「みず ちゃぽん」も気になります。

--------------------【Review for Review】--------------------
庭は草ぼうぼう、頭は髪の毛ぼうぼう。なんとかせねば・・・
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