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スティーブ・ジョブズってどんな人?スティーブ・ジョブズってどんな人?
(2012/01)
ナム キョンワン/アン ヒゴン/藤田 千枝

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Think Different.

彼に関する書籍はもう既にたくさん出ています。それらを知ってる人にとっては、
特に目新しさはありませんが、ジョブズの生涯を俯瞰するにはいい絵本かもしれません。
絵本化にあたっては、おしい点が3つありました。

1:彼の言葉をそのまま英文で並記して欲しかった。
プレゼンの名手であるジョブズの明快でユニークな言葉は、オリジナルそのもの
に意味がある。絵画でいえば原画のごときもの、複製品や加工品では不十分。

2:絵本の構成に一工夫が欲しかった。
稀にみる素材だけに、普通の伝記絵本としてまとめてはもったいない。
使えるネタは豊富にあるので、遊び心のある演出が出来たはず。

3:iPhoneやiPadとの連動性が欲しかった。
せっかく彼が生み出したメディアがあるので活かさない手はないでしょう。
本書を買った人だけが入手できるアプリとかアクセスできる情報とか。

要するに、もしもスティーブ・ジョブズが絵本をつくったら?
という視点が欲しかったってこと。

原書は意外や韓国だったんですね。てっきりアメリカかとおもってましたが・・・

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ならしょうがないか。といっては失礼か。でもおしい。
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ピートのスケートレース

2012/04/14 Sat 06:21

ピートのスケートレース (世界傑作絵本シリーズ)ピートのスケートレース (世界傑作絵本シリーズ)
(2011/11/02)
ルイーズ・ボーデン/ニキ・ダリー

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勇気と希望が運河を滑走

熱い涙がこぼれてくる、絵本でこんな気持ちになったのは久しぶり。
自分の好きで得意としているものを役立てることが出来るとなったら、
しかもそれは、大人にはできないことで、難易度も高く、パートナーに
気になる女の子もからんでくるとなれば、こんな状況設定で奮い立たない
男の子がいようか。この冒険は空想世界の話しではなくて、第二次世界対戦
でドイツ軍に占領されたオランダの史実に基づくリアルなもの。

凍り付いた運河の上を、スケートを愛する少年の魂が滑り行く。
少女とその弟を国境を越えた親族の元へ送りとどけるために。
行く手に待ち受けるドイツ兵、迫り来る日没、分かれ道での迷い、
果たしてその試みは成功するのか?

他の方も書かれているように、これはきわめて映画的でもあります。
スケートの動きや流れ行く美しい風景など、絵的な見所もいっぱいなので。
夢に向かう全ての少年少女におすすめできる一冊です。

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いやほんとに映画化されないかなぁ。それと冬期五輪が楽しみになってきた。
特にスケートでドイツとオランダの選手が戦うとなったら!
もう今からドキドキしてしまう。
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これは おひさま

2012/04/13 Fri 06:10

これは おひさまこれは おひさま
(2012/02/29)
大橋 歩 (イラスト) 谷川 俊太郎 (著)

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世界はつながっている

冒頭に登場する真っ赤な丸。その横にタイトルの言葉。そして次の
ページでは緑の太い線。「これはおひさまの したの むぎばたけ」
と続く。そんなシンプルな展開が繰返されるんだけど、何かと何かの
関係が感じとれるようになっています。余計な説明はない。
でもそこには長い年月とか、作業をした人とか、別の命の存在とか、
見えてくる。行間を読むように何かと何かをつなげているものを
よむ面白さがあります。幼児絵本の形式ながら、どんどんつながって
いく言葉とともに自分と世界との関係を認識する力もひろがっていく。
奥の深い絵本です。20年以上も前の作品ですがよくぞ復刻。

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太陽を赤い丸で描くのは日本人の特質らしい。確かに実物は赤という
より黄色やオレンジ。
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ことばあそびどうぶつえん

2012/04/12 Thu 06:02

ことばあそびどうぶつえんことばあそびどうぶつえん
(2012/01)
石津 ちひろ/石井 聖岳

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あり~わに まで愉快に紹介

あいうえお順に登場する動物たち。始まりは あり だ。

あいすをはこぶ
りんごでごろごろ

という感じの文章で、行頭を縦に読むと動物名。
横に読むと何をしているかが書かれている。
もちろんちゃんと絵にしているんだけど、中には無茶ぶりもの
があったり、動物の特徴を引き出すものがあったり、
別の画面が関連していたりと、最後まで楽しめます。
まさに言葉と絵で遊びまくってる。

同じ考え方でバリエーションが色々作れそうですね。
アルファベットABC順でやったり、食べ物をテーマにしたり。
ことばあそびレストランとかみてみたい。

--------------------【Review for Review】--------------------
日本語ってほんと色々な遊びができる。ことば遊び絵本も豊富だし。
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とんとんとん だれですか? (えほんのぼうけん36)とんとんとん だれですか? (えほんのぼうけん36)
(2012/01/21)
はやし ますみ

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まるで影の仮装大会

ノックの音が、そして扉の向こうのシルエットにドキッ!
大きな角、鋭い爪、手には武器、あっ開けてはだめだ!
と ページをめくって ほーっそうだったんだ・・・
ようこそいらっしゃい となる絵本。

まるでブレーメンの音楽隊を彷彿させる展開にニンマリ。
お客はつぎつぎにやってくる。怖~いシルエットとその
正体の落差がいい。緊張と安堵感のリズムが心地よいです。

なーんだ、お化けじゃなくてオオカミさんか、あーよかった。
というのはさすがになかったですが(笑)

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著名な絵本作家を3名ほど思い浮かべてしまいましたが、
これからどうなっていくか楽しみではあります。
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とうさんとぼくと風のたび

2012/04/10 Tue 06:49

とうさんとぼくと風のたび (単行本)とうさんとぼくと風のたび (単行本)
(2012/03/02)
小林 豊

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風が導く心象的な旅

舞台は日本のどこなんだろう? 昔にタイムスリップしたのかなと思いきや
電車が走ってたり、信号機があったりするし・・・なんだか夢の中を
歩いているみたいな現実感の絵本。

旅に出る父子。風がふいてくるところまで ふたりでいってみよう と。
風? ある意味、ゴールはないと言える。まさに風任せって感じ。
しかし、彼らの足取りはしっかりしている。疲れたら休むし、ときには
列車や渡し船の力も借りる。

風のうまれるところをめざすというのは、あくまでもきっかけ。
父は息子にひろい世界を見せてあげようとしたのかもしれない。
目の前にひろがる今と昔が入り交じった風景は、父のたどって来た人生
のようにも思える、いやむしろ、日本人が風とともに生活を営んで来た
時空的な歩みを語っていると言ったほうがいいか。

だからこの旅には終点がない。彼らの意識は海を越えて大陸へと向く。
そして我々の眼差しもはるかな未来という水平線へ向けられる。

--------------------【Review for Review】--------------------
先週の強風を思い出す。いったいどこからやってきたのか、どこへいったのか。
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ちきゅうのへいわをまもったきねんび (えほんのぼうけん37)ちきゅうのへいわをまもったきねんび (えほんのぼうけん37)
(2012/03/01)
本 秀康

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ピュアな心が地球をまもる

藤子・F・不二雄のSF短編「征地球論」「宇宙人レポート」風の展開ですね。
地球侵略を企てた宇宙人、しかし地球人よりも進んだ文明をもっているが
故に勘違いしてしまうところが。

彼らの調査対象になったのは、砂場でママゴトをする男の子と女の子。
遊んでいる様子がどのように分析されたかが見ものです。
ていねいに描かれた元秀康さんの、ほのぼのワールドが心地よい
ハートウォーミングな絵本。

なんだけど、2人の子ども以外に人の気配がないぞ。
いや、描いてないだけで実際はいるんだろうけど、いや、何か大きな事件が
あったのか? 街の建物はしっかりしているけど、夕刻になっても照明が
ついてないし、いや、たまたま停電だったとか、おっ、車が一台きたか・・・
どうやらボクも考えすぎらしい。

そうそうこの日は2人の記念日。大切にとっておきたい世界があります。

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ズンドル星人の隊長が渋い。実は全てをわかっていたとか?
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おすしのうた

2012/04/08 Sun 06:42

おすしのうたおすしのうた
(2011/12)
牛窪 良太

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やべぇ、回転寿司にいきてぇ~っ

デザイナーの手がけた絵本てさぁーオシャレなんだけど、造形的な計算が
あからさまじゃぁ冷たい感じがするし。あとさぁー私はイラストレーターですっ、
だからこんなタッチの絵なんすっ、て押しつけがましいのもねぇ。

でも逆にデザイナー的な気配りとか演出とか、イラストレーター的な
技術や表現力が絵本に結びつくと、かなりいいよなぁって常々、考えたり
するんだけど、それを体現しているひとりが牛窪さんだと思うわけよ。

特にこの本、いいよ。けっこう手間かかってんじゃない?
寿司キャラの世界観ががっちりと確立してる! 寿司屋の広告にも使えるね。
か~るくそれぐらいのクオリテーがある。それでいて場面場面でちゃんと
見せ場があって、台の上にまわてくる寿司のごとく、次にどんなシーンが
やってくるのかなって目と心が舌なめずりしちゃったよ。

それぞれの寿司たちが歌い上げるメッセージ、ちゃんと味わえよ。
隅々まで楽しめる、お寿司エンターテイメント絵本だぞ。

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なんかさぁ、ウザい文章ってあるよね。普通に書けよっていいたくなるような。
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やまねこのおはなし

2012/04/07 Sat 07:46

やまねこのおはなし (こどもプレス)やまねこのおはなし (こどもプレス)
(2012/02/17)
どいかや/きくちちき

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まぶしい春のメッセージ

たんぽぽの黄色が清々しく咲き誇る春らしい作品。

ちょっと気になったのは、作り手側の目線になってしまうのですが、
普通は逆にするよなぁと引っかかったところ。それは事が起こる順番。

→街に向かう山猫が→たんぽぽの綿毛を土へ置いたあと→仔猫と出会って
→めんどうをみて→成長したあと→真実を知らされ→別れる

真実というのは、神様によって山猫の命が救われたということ。
これも成長し大きくなった仔猫の語りで説明されている。
神様の意図が間に入ってくると、仔猫と山猫の関係が浅くなるのでは。

まあ、何を一番に伝えようとするかによりますけどね。
恩返しをしたのが、仔猫ではなく、自然というもっと大きな存在
だったのだと受止めることにしましょう。どうもこうもない、
これは年老いた山猫の体験談なんですから。

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なんか今朝はいやなほど理屈っぽくなっている・・・
amazonのほうに書くのを控えましたが、話しを勝手に再構成すると、

→身寄りのない仔猫が→老いた山猫にそだてられるものの→別れを経験して
→街に向かったある日→たんぽぽの綿毛で足止めされ→真実を知る

この場合の真実は、山猫がたんぽぽの綿毛の姿を借りて仔猫を護ること。
それを文章ではなく、出来事を通して仔猫自身が察するようにすると
余韻が深まったのでは、と思ったりする。おいおい、それじゃ
別のお涙物語になってしまうだろって、はい、済みません。
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ゆめのスカイツリー

2012/04/06 Fri 06:16

ゆめのスカイツリーゆめのスカイツリー
(2012/03/05)
谷川 俊太郎/accototo

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夢も高く高く

来月開業となるスカイツリーですが、もう絵本があるとは!
東京タワーや東京都庁などの絵本さえも見た事ないだけにビックリです。
そもそも今だに実物を目にしてないので、どこか映画か夢の世界の建物
といった感覚でいます。この絵本もそんな感じ。
展望へと入館する前に多いに想像を膨らませようという内容なので。

冒頭でいきなり登場する怪獣。まるで木にのぼる猫じゃん(笑)
確かにこの高さでは、たとえゴジラといえども霞んでしまいそう。
さらにはエッフェル塔を軽々と肩車しちゃったりととんでもない事を。
逆さになったり横になったりと、ありえないことが続々と描かれてるよ。
さすがに世界1。何をやるにしてもスケールがちがうね。
そんな空想をおもいっきり楽しめます。それができるもの今のうち・・?

いえいえ実際に登ってみたら、さらに夢が膨らむでしょう。きっと。

--------------------【Review for Review】--------------------
すごい、今週は月曜から金曜まで、毎朝レビューできた。
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