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アンリくん、パリへ行く

2012/09/25 Tue 06:33

アンリくん、パリへ行く (P-Vine Books)アンリくん、パリへ行く (P-Vine Books)
(2012/09/21)
ソール・バス、レオノール・クライン 他

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50年の時空をもひとまたぎ

翻訳版もいよいよ登場しました。以下は原書
でのレビューです。
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今週末に翻訳版も出るようですが、待ちきれ
ず原書を購入。だって絵本ファンやデザイン
関係者は必見っていわれると気になるでしょ。
それにソール・バスの手がけた絵本となれば、
文字も絵やデザインの一部として構成されて
るでしょうから。実際、英文もそんなに難し
くなかったし、絵とのマッチングで言えば、
和文よりも英文のほうがおすすめです。

さて、中身の印象。これは正にシャレた映画
のオープニングタイトルだね!彼の持ち味が
軽やかに画面を闊歩している。50年以上も前、
初版を目にした人たちの感激は、今でも色あ
せずに伝わってくるぞ。これぞグラフィック
デザインのもつパワー!シンボリックな画像
と明快な色彩。主人公であるアンリ君の顔や
全体の姿は描かれていません。そこが文化や
時代の影響を越えた表現へ到達している。
そして日本人のボクが見ても、パリへ憧れる
彼の幼き心と一体になれるのです。
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以上。もちろん同じことを翻訳版でも追体験
できました。アンリくんがたどり着いた所は、
すばらしい所だと思います。あなたの今いる
所だって、ちょっと視点を変えれば、ほら、
新たな発見があるでしょう。

-------【Review for Review】-------
ボクはパリならぬ、クマモトへ行く。
おちついたら、こちらを再会します。
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ようかいガマとの―ゲッコウの怪談ようかいガマとの―ゲッコウの怪談
(2012/08)
よしなが こうたく

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妖怪たちは今も健在!

現代文明の拡張と共に古き妖怪たちの居場所
がなくなってきた。前作ではそんなさみしさ
が描かれていましたが、どっこい、妖怪たち
の魂は現代にもちゃんと健在なのだった。
その最前線が学校だ!あなたも一度はウワサ
を耳にしたことがあるでしょう。

誰もいないトイレ、音楽室の肖像画、理科室
の標本、廊下の大きな鏡、などなど。各所に
潜んで小学生の小さな魂をゆさぶる妖怪たち
の話しを。停電とともに突如恐怖の屋敷とか
した学校を舞台に妖怪からの逃走劇が始まる。
一生忘れないほどの思い出が心に焼き付くぞ。

-------【Review for Review】-------
朝から大雨。引越荷物はダンボール箱に詰め
ればいいけど。思い出を詰める箱はどこに?
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【Artisan Biscuits Two by Two】

2012/09/22 Sat 10:13

IMG_0341.jpg

お菓子の輸入品コーナーにて発見した一品。
これは正に〈絵本の舌心〉を直撃しますね!
「ウサギとカメ」「ライオンとネズミ」とい
うイソップの童話がそのまんまパッケージに
なったビスケットですから。箱の側面にある
ショートストーリーは機智に富んだオチ付。

IMG_0343.jpg

中のビスケットはイラストをそっくり再現し
たものとなってます。1枚1枚は大きめなの
で食べごたえあり。販売はARTISANという
英国のお菓子メーカーでかなりロングセラー
商品のよう。さて、最近は日本でもイソップ
の童話が数多く絵本化されていますが、この
お菓子に対応させるなら、やはり英国の作家
が相応しいでしょう。しかもお菓子のように
ロングセラーで両方の話しに関係していると
なれば大御所のこの絵本をとりあげたい。

うさぎとかめ (ブライアン・ワイルドスミス作品選)うさぎとかめ
(1969)
ラ・フォンテーヌ/ブライアン・ワイルドスミス

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ライオンとネズミライオンとネズミ
(1982/01)
ラ・フォンテーヌ/ブライアン・ワイルドスミス

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どちらも主役の2匹に加えて沢山の動物たち
が登場、シンプルなストーリーに華やかさと
奥行きをもたらしています。食べごたえなら
ぬ見ごたえありの作品です。
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うみざざざ

2012/09/22 Sat 07:05

うみざざざ (はじめてであうえほんシリーズ)うみざざざ (はじめてであうえほんシリーズ)
(2012/07)
ひがし なおこ/きうち たつろう

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夏だ海だ 笑みふふふ

五感が解放され、身体のすみずみまで海が
伝わってくる作品です。光、色、熱、音。
あの日、海へ行ったときの気持ちが胸の
奥から満ちてきました。自然な流れの言葉と
絵に身をまかせ、ぷっかりと絵本の中に心を
浮かべる心地よさ。本を開けば、いつでも
海へ行ける、イメージのどこでもドアだね。
他のシリーズもみたくなりました。

-------【Review for Review】-------
あいたたた
ア痛タタタ
愛多多多
日本語って面白いよなあ。

昨晩の送別会、色々なものを受け取った。
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トックトック―これだれかな?ドアをあけてごらん (ブルーノ・ムナーリの1945シリーズ)トックトック―これだれかな?ドアをあけてごらん (ブルーノ・ムナーリの1945シリーズ)
(2012/01)
ブルーノ ムナーリ

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田>品>日>口>?

これは絵本版マトリョーシカですね。箱を
開けると動物と共にさらに小さな箱が登場。
これがつぎつぎに繰返される。いったいどこ
まで小さくなるのか。木箱があったり、トラ
ンクがあったり、スーツケースがあったり、
バスケットがあったり。とある決まり事に
そって、大小の関係、動物、箱詰めの方法
などを構成。最後の一粒までいっきに楽しめ
る仕掛け絵本です。文章には実在する地名を
出して妙なリアリティを出してます。
実際にこんなことやったら大変ですが・・・

-------【Review for Review】-------
それはそうと自分の荷物の梱包。いったい
何から手をつけよう。
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Henri's Walk to Paris

2012/09/15 Sat 07:53

Henri's Walk to ParisHenri's Walk to Paris
(2012/02/14)
Leonore Klein/Saul Bass

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50年の時をもひとまたぎ

今週末に翻訳版も出るようですが、待ちきれ
ず原書を購入。だって絵本ファンやデザイン
関係者は必見っていわれると気になるでしょ。
それにソール・バスの手がけた絵本となれば、
文字も絵やデザインの一部として構成されて
るでしょうから。実際、英文もそんなに難し
くなかったし、絵とのマッチングで言えば、
和文よりも英文のほうがおすすめです。

さて、中身の印象。これは正にシャレた映画
のオープニングタイトルだね!彼の持ち味が
軽やかに画面を闊歩している。50年以上も前、
初版を目にした人たちの感激は、今でも色あ
せずに伝わってくるぞ。これぞグラフィック
デザインのもつパワー!シンボリックな画像
と明快な色彩。主人公であるアンリ君の顔や
全体の姿は描かれていません。そこが文化や
時代の影響を越えた表現へ到達している。
そして日本人のボクが見ても、パリへ憧れる
彼の幼き心と一体になれるのです。

-------【Review for Review】-------
さてと、いよいよ熊本への跳躍がせまる。
とっとと荷物の整理に取りかからねば。
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カブクワれっしゃ

2012/09/14 Fri 06:33

カブクワれっしゃ (クローバー絵本シリーズ)カブクワれっしゃ (クローバー絵本シリーズ)
(2012/06/30)
タツトミ カオ

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動力は虫

絵本界には色々な列車が走ってますが、夏に
相応しい新たな路線も運行となりました。
カブトムシが牽引しクワガタムシが後押し、
客車は木の実をくり抜いて連結。
小さな虫たちを乗せて出発進行で〜す。
助っ人のチームワークもみごと、ちょっと
したスリルもありの旅が楽しめます。
昆虫界で人気のカブトとクワガタが働く姿を
通して、自分の力をいかに活かすかを教えて
くれる幼児向けビジネス本としてよむことも
できますね。ちなみに他の列車絵本としては
「いもむしれっしゃ/にしはら みのり」
もおすすめです。

-------【Review for Review】-------
一昨日は大壮行会。最近ふと思う事。
いいかげんなコックに鍋に放り込まれて、
自分たちでどんな料理になるかを考える
はめになる具材たちの気持ち。
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あいうえおのうみで

2012/09/09 Sun 07:24

あいうえおのうみであいうえおのうみで
(2012/06/12)
すぎはらともこ(作・絵)

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あ→ん まで各駅停車の言葉遊び

あ行から始まり
いぬを追いつつ
うみべの町を舞台に
えとぶんで遊んだ
おもしろい絵本

↑本書と同じような言葉遊びでレビューする
とこんなかんじになります。あ行〜ら行へ、
わ、を、ん まで。全て順番に文の頭として
使い切っています。(濁音、半濁音はありま
せんが)文章はストーリ的につながっていく
ものの、中にはムリヤリな文もあり、それも
絵として真面目に成り立たせようとしている
ところが笑いをさそいました。いったい次は
どうなるんだ? と期待させながら、ちゃん
と目的地までつれてってくれます。

-------【Review for Review】-------
いろは歌の現代版を作成して絵本化
してくれないだろうか。
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はやくおおきくなりたいな

2012/09/08 Sat 06:27

はやくおおきくなりたいな (クローバーえほんシリーズ)はやくおおきくなりたいな (クローバーえほんシリーズ)
(2012/07/06)
サトシン/塚本 やすし

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自分を信じて

男の子と彼が見つけた虫の幼虫との友情を
描いた絵本。幼虫が大きくなったら何に
なるのか?カブトムシ、それともクワガタ?
オチは途中でそれとなく姿を現すが、それは
どうでもよい。問題はそのあとどうするか
なんですよね。子どもの頃に憧れた姿・・・
誰もが一流のスポーツ選手とか、アイドルと
か、ミュージシャンとか、お金持ちとか、
になれるわけではない。才能、環境、出生、
大きくなるにつれ、自分ではどうにもならな
い事の存在に直面することがある。そこで
諦めるか、それでも前へ進もうとするかが
問題なんですよね。

男の子と昆虫の関係は親子の関係に置き換え
てみることもできましょう。コミカルな展開
ながら、芯に熱いものがある作品です。

-------【Review for Review】-------
     答えは自分で決める。
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パンやのコナコナ

2012/09/06 Thu 06:35

パンやのコナコナパンやのコナコナ
(2012/06)
どい かや/にき まゆ

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食べごたえありの内容

パン屋の絵本。○○のパン屋さん、パン屋の○○
といったタイトルで色々ありますが、また
出たのかとあなどるなかれ。パンを食べたり
売ったりするという、華やかなシーンでは
なく、作るプロセスをていねいに描いていて
オォォッとなりました。それは小麦の種を畑
にまくところから始まる!収穫し別に用意し
た酵母をまぜてコネるという裏方の作業を
しっかり伝えようとしているところに好感が
もてました。パンを作るというより、育てる
といったほうがいいですね。食べ物を通して
自然や仲間とのつながりまで実感できます。
小麦の一粒一粒まで意識が向くような描き
方は絵本ならでは。

-------【Review for Review】-------
家電品の買い替え。引越してからでなく、
引越す前に済ますことに。
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