fc2ブログ
軍艦島1

かつての海上産業都市:軍艦島にちなんだ
土産物です。炭坑で栄えた地にちなんで、
石炭だんごとくるのは判り易い。それにし
てもこの包装紙にはギョッ!となります。
今では廃墟化が進むばかりの痛々しい建物
の写真をそのまま使っているんですから。
しかも極太書体の商品名といい、セピア調
の色といい、重厚なレトロ感が迫り来る。

軍艦島2

してその中身ですが、黒胡麻をまぶした、
石炭のごとき黒団子。胡麻のプチプチ感が
楽しい、ちゃんとした味なのでご安心を。
しかし、その甘さとは裏腹に当時この島に
渡って暮らした多くの人々に思いを寄せ、
どうしても感傷的な気分になってしまう。


絵本では、その島で生まれ育った作者によ
る「軍艦島グラフィティ」があって、幼少
時代の思い出が楽しく綴られてます。
でも軍艦島石炭だんごと肩を並べるほど
の重量級となればこの作品。

アライバルアライバル
(2011/03/16)
ショーン・タン

商品詳細を見る

家族と離れ、右も左もわからない異国の地
で生活をはじめた男の物語がセピア調の絵
のみで展開されます。今この作品を見返す
と奇妙な建造物や暮らしぶりが、当時はめ
ずらしい鉄筋コンクリートの高層建造物で
ぎっしり埋められた軍艦島の光景とダブっ
て見え、神妙な気分になります。
絵本の舌心 | コメント(0) | トラックバック(0)

おちゃのじかん

2013/03/31 Sun 06:55

おちゃのじかんおちゃのじかん
(2013/03/09)
土橋 とし子

商品詳細を見る

お茶の話題が広がる

「ほんま、せかい中には、いろんなお茶があ
るもんやなあ」←絵本のワンシーンから引用
しましたが、まさにその通り。アルゼンチン
のマテ茶、モロッッコのミントティー、台湾
の中国茶、等々、全部で7つものお茶が紹介
されています。

様式や作法の違いはあれど、どこでもお茶の
時間をとても大切にしていることが、ほのぼ
のと伝わってきました。お茶の味をひきだす
ために工夫された専用の茶器や、相性のいい
お菓子があるなど興味深かったです。

お茶を解説しつつ、絵本に描かれているのは
家族団らんのひとときというものポイント。

-------【Review for Review】-------
寒い日に路上で飲んだインドのチャイをおも
い出す。ショウガが効いててあったまる。
http://milkysunday.blog29.fc2.com/blog-entry-768.html
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

Matilda's Cat

2013/03/30 Sat 06:31

Matilda's CatMatilda's Cat
(2012/08/02)
Emily Gravett

商品詳細を見る

押してもだめなら、、、

女の子とペットの猫の関係をショートコント
風に描いた絵本です。表紙の通り女の子のマ
チルダは同じ模様の着ぐるみまで身につけ、
猫の世界に寄り添っていきます。そしていっ
しょに遊ぼうと、アノ手コノ手で興味をひこ
うとするんですが、当の猫は困惑気味。

いったいどこまで続くのかと思いきや、マチ
ルダのほうが根負けして、寝ることに・・・
ところがです。パジャマに着替えた彼女の姿
を見て、これはヤバイと思ったんでしょうね、
猫くんは。最後の最後に形勢逆転!

人も猫もかまってもらえるうちが花かも。
遊び心のある手描き(爪書き?)の文字が、
この作者らしい。

-------【Review for Review】-------
延滞してた図書を返さねば。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

ちんどんや ちんたろう

2013/03/28 Thu 06:10

ちんどんや ちんたろうちんどんや ちんたろう
(2013/03)
チャンキー松本/いぬんこ

商品詳細を見る

目立ちすぎ

いぬんこさんのレトロなタッチがチンドン屋
で弾けまくってますね。もうページを開く前
から、賑やかな音が迫ってくる。目眩がしそ
うなくらいダイナミックな構図や、極彩色の
乱舞に圧倒されました。大人には懐かしく、
こどもには新鮮な駄菓子屋的味わいかも。

目立ってなんぼの世界を描きつつ、親子の人
情があったり、かわいいロマンスを忍ばせた
り、ラストにサプライズがあったりと、心に
響く中身もおおいに注目の作品です。
書店の棚でもチンドン屋のごとく目立ってま
した。おもわず手に取ったら迷わずレジへ。

取材元の大阪・空掘商店街にも行きたくなる。

-------【Review for Review】-------
朝からテンションがあがる。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

3わのことりのはなし

2013/03/27 Wed 06:20

3わのことりのはなし (ブルーノ・ムナーリの1945シリーズ)3わのことりのはなし (ブルーノ・ムナーリの1945シリーズ)
(2012/12)
ブルーノ ムナーリ

商品詳細を見る

カゴに入った3つの談話

鳥を飼うということは、鳥の人生を預かるこ
とでもあります。鳥にだってそれぞれ生きて
きた経歴があるわけで、絵本では3羽が3様
の話しを聞かせてくれます。どうしてカゴの
中にいるかってことをね。その意味では全体
的にシニカルなトーン。そして意表をついた
オチがあるのは、相変わらずのムナーリさん。

本書には直接登場しませんが、小鳥の話しを
通して描かれているのはカルレットの存在。
彼は鳥が好きな心優しい男の子です。3羽め
一言には多くのことが暗に含まれていますが、
ボクは肯定的に受止めたいです。

-------【Review for Review】-------
黄色は注意、赤は停止、青は進め。それぞれ
の鳥の色を信号機的に解釈してみる。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

こんな家にすんでたら

2013/03/25 Mon 06:12

こんな家にすんでたらこんな家にすんでたら
(2013/02/06)
ジャイルズ・ラロッシュ

商品詳細を見る

いろいろな暮らしを空想体験

世界各地にはユニークな家がたくさんあるも
のですね。日本人の一般的な家からみると、
奇抜で住みにくいのでは、と感じる家も多く
登場します。でも、それぞれの風土や文化に
根ざし、理に叶ったものであることが丁寧に
解説されていて、興味深かったです。

例えば、周囲を水に囲まれた家であっても、
仕事、外敵からの防衛、環境保護など目的に
よって姿形がまるで別物になる。

移動できる住居つながりでモンゴルのハオと
キャンピングカーを同じ見開きに並べている
のも、なにげにうまい提示。

半立体的なペーパークラフトの手作り感が建
造物としての存在をより際立たせてます。

-------【Review for Review】-------
続編があったら、ぜひ軍艦島の住居を描いて
もらいたい。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
ごぞんじ! かいけつしろずきんごぞんじ! かいけつしろずきん
(2013/02/01)
もとしたいづみ/竹内 通雅

商品詳細を見る

意表をつかれ頭の中も真っ白

同じ頭巾でも赤と白では大違い。白頭巾とな
れば時代劇の剣豪をイメージしてしまうのは、
往年の日本映画を彷彿させるせいでしょうか。
(観た事はないですけどね)

この絵本に登場する白頭巾はかなり異色です。
老人パワーが炸裂し、駄洒落のような催眠術
のような変な技を使う。化け物よりもこいつ
が一番怪しい存在だぞ。いや、でも若者たち
がもっとしっかりせにゃいかんだろう。
白頭巾に頼ってる場合じゃないぞ。

という訳で、次回は緑頭巾の誕生を希望。

-------【Review for Review】-------
あちこちで桜が咲き誇る。散歩が楽しい。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

おじいさんのしごと

2013/03/23 Sat 06:52

おじいさんのしごと (講談社の創作絵本)おじいさんのしごと (講談社の創作絵本)
(2013/01/18)
山西 ゲンイチ

商品詳細を見る

味な天国です

表紙の猫をかかえたお爺さん、いきなり死ん
じゃうんですね・・・ といっても命の尊厳
や大切な人を失った哀しみを扱う感傷的方向
ではなくて、愉快な妄想的方向へと進んでし
まうのは山西さんならではか。

天国には猫だけの世界があるというのもさる
ことながら、そこには猫に模様を描くという
仕事があって、おじいちゃんがその仕事を荷
なう事になるという、超空想的強引な展開を
自然にやってのけているのがすごいですぅ!

愛らしい生命の誕生にお爺ちゃんが天国で一
役買っている。孫はそのことを直接知らない
けど、仔猫を通して関わりが生まれている。

亡くなった者はどこへ行くのか。空で星とな
るという話しもロマンチックですが、生前の
人柄を活かした本書の展開も味わい深い。

-------【Review for Review】-------
というとそれぞれの者にふさわしい天国が
それぞれにあるということか。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)

かたっぽさんどこですか?

2013/03/22 Fri 05:42

かたっぽさんどこですか?かたっぽさんどこですか?
(2013/03)
さこ ももみ

商品詳細を見る

女の子がみつけたものは

かたっぽ。面白い言葉ですね、特に音感が。
それと、二組ある物の別なほうに関心をよせ
ているところが、なんだか奥ゆかしくもある。

目とか耳とか手足など、左と右がある人間だ
からこそ生まれた言葉なんだろうなあ。

なんてことを思いつつ、女の子の無くしちゃ
た、靴下をはじめとするかたっぽさん探しを
楽しみました。無くなったほうは動物たちが
みつけて、もそれなりに役立っていたようで
すが、やっぱり二組そろってなんぼのもの。

女の子のおおらかさが微笑ましい。

-------【Review for Review】-------
身の回りのかたっぽさんを探してみると・・
将棋の駒とか。敵同士であっても相手側が
いないと成り立たない世界。
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
なまえのことばとくらしのことば (言葉図鑑 にほんご・えいご・ポルトガルご・スペインご)なまえのことばとくらしのことば (言葉図鑑 にほんご・えいご・ポルトガルご・スペインご)
(2013/02/21)
五味 太郎

商品詳細を見る

言葉たちの競演

タイトルのごとく言葉というものをテーマご
とにまとめ、見える形でプレゼンした絵本。
四カ国語で並記されているところに奥深さを
感じます。例え言葉は違ってても、同じ人間
なんだなあと判り易く実感できるので。

ものごとに名前というラベルをつけたり、
あいさつ言葉での様々なコミュニケーション
など、使う言葉は違ってもその根底にあるも
のはいっしょ。また、同じ言語であっても、
年齢、性別、シチュエーションによって表現
が微妙に変化する様も興味深い。

盛りだくさんですが、ニヤリとなる遊び心も
あって最後まで飽きずに楽しめますよ。

-------【Review for Review】-------
四カ国語。日本語、英語はわかるとして、
他はなんでポルトガル語とスペイン語?
絵本レビュー | コメント(0) | トラックバック(0)
 | HOME | Next »