これだれの?
2013/06/30 Sun 07:27
![]() | これだれの? (2013/05) みやこし あきこ 商品詳細を見る |
道具は語る
なるほど!これも一種の仕事紹介絵本ですが
見せ方が面白い。見開きいっぱいに登場する
数々の道具類と これだれの? という一文。
ページをめくると答えが解る。現場で働いて
るシーンをよくみると、先に登場した道具類
が、全てどこかに描かれているので、絵探し
的な楽しみ方もできます。また、おなじ靴や
帽子であっても仕事によって形が変わってた
りするので、それぞれ比較してみるのもいい。
さらに、直接仕事には関係ないけど、持ち主
の性格を伝えるような物もまぎれこんでいた
り、なんてちょっとした遊び心も。
何?から始まって誰が?何時?どこで?へ、
そして、なぜ?と発展していく。そんな奥深
さのある絵本です。
-------【Review for Review】-------
気がつけばもう今年の折り返し点・・・
なんてありがちな想いの日曜日。
ことばであそぼう五七五
2013/06/29 Sat 07:31
![]() | ことばであそぼう五七五 (えほんをいっしょに。) (2013/05/25) 内田 麟太郎/喜湯本 のづみ 商品詳細を見る |
ことばの万華鏡
日本語の変幻自在さを五七五のリズムでたの
しめる作品です。それぞれ2つのキーワード
があって意味が変換されていく。例えば
春雨=はる+さめ さめ=鮫
↓
はるさめや
サメさめざめと
まちぼうけ
という句ができて、それを絵にしてます。
まあいわゆるダジャレなんだけど、五七五で
の形にすると高尚な雰囲気になるから不思議。
もうひとつ例をあげると
画家=が+か=蛾か?
↓
チョウへただ
がかにたづねる
これは、ガか?
絵的には蛾と蝶を掛け合わせてますね。
なかなか味わい深いです。こうなると単なる
言葉遊びの域を越えていますね。
そんな感じで、これは実際に手にとって見る
のが一番判り易いかな。数えてみたら、そん
な作品が33もありました。
今の時期だと〔たいふう〕
どんな作品を想像しますか?
-------【Review for Review】-------
これぞ日本の伝統文化だなぁ。
これはちいさな本
2013/06/28 Fri 06:00
パンといっぴき
2013/06/26 Wed 05:42
![]() | パンといっぴき (2012/12/11) 桑原奈津子 商品詳細を見る |
朝食の友よ
パンと1ぴきといつもの朝ー
再読して、冒頭の一文にしみじみうなづいて
しまいました。パンが気になって食卓の下か
ら見上げる犬のなんと微笑ましいこと。そん
なスナップ写真が定点観測のように続く。劇
的なことはないけど、そこがいいんだなぁ。
いつものようにいつもの朝をむかえられる。
そんな同じことの繰返しって実はとても幸せ
なことなんですね。そんなワンシーンを自分
の一日の中でも探してみたくなりました。
犬だけにワン…(失礼)
犬となじんだ白い床とパンをのせたブラウン
のテーブルがいいコントラストに。写真ごと
にそえられてた絶妙のコメント。ときどきや
ってくる小さなハプニングなど、写真絵本と
してみても楽しめます。
料理研究家の桑原さんといっぴきからの幸せ
のおすそわけですね、この本は。
-------【Review for Review】-------
こうして毎朝レビュー書いてるのも幸せかも。
Shin and the Magic Lion
2013/06/25 Tue 06:01
![]() | Shin and the Magic Lion しんくんとへんてこライオン(英訳版) (2012/03/27) 長 新太/オースティン マグヌソン 商品詳細を見る |
英語で味わう長さんの世界
長さんのナンセンス絵本って英語圏の人には
どこが面白いのか解りにくいと何かで読んだ
記憶があります。理屈を越えた展開もさるこ
とながら、日本語を学んだ外国人にとって、
〔へんてこなライオンのおはなしです〕
なんて一文が話しの終わりにきたりすると、
なんで過去形じゃないの?とか困惑するかも。
そんなわけで逆にどうやって英訳するのか?
と、とても興味をひかれました。全体的には
平易な英語が使われてて解りやすいです。
ちなみに、へんてこはMagicとかAmazingと
訳されてますね。確かに理解はできます。
巻末にはオリジナルの日本語と丁寧な解説が
ついているので、こどもが英語に親しむと
いう点ではいいのかなと思います。英文なら
ではの隠し技にはムフフってなります。
でも英語で読むとなんとなくロジカルな印象
を受けるのはボクだけでしょうかね・・・
-------【Review for Review】-------
今年も無事にレビューできた。
なんだかへんなのね
2013/06/23 Sun 07:06
![]() | なんだかへんなのね (創作絵本) (2013/04/05) 内田麟太郎/岡山伸也 商品詳細を見る |
日常とヘンの境界を散策
たしかにヘンですね。といっても唐突な感じ
でなく、ゆったりとしたペースでヘンがやっ
てきます。異形者、誤解、騙し等々・・・
これらが、へのぽんとしたタヌキおじさんと
こんにちは、って感じで出会っていく。
そんなことより、もっとヘンなことが起こっ
てるだろうと、はたで見てる方はちょっと、
ドギマギ。
我々の世界でも目をこらすとヘンの種はあち
こちに蒔かれているのかもしれません。天気
のいい日はそれがひょこり芽を出す?
-------【Review for Review】-------
昨日はほとんど家に籠ってた。
たまにはいいね。
おでんしゃ
2013/06/21 Fri 05:03
![]() | おでんしゃ (2013/05/24) 塚本 やすし 商品詳細を見る |
終着駅は心の胃袋
おでんと電車が合体しておでんしゃ。一種の
言葉あそびですが、そのネタのみで徹底して
一冊の絵本にしてしまったところがすごい。
おでんの具が横に連結して、日本列島を南か
ら北まで走り抜けるという空想的スケールの
でかさもポイント。走る先々でご当地の名産
が登場するところがいいダシになってます。
途中のハプニングも辛しのごとく効いてるし、
みごとにおでんしゃというネタを味わいつく
せる作品にしあがってます。
最後に日本地図などあると、皿に判り易かっ
たかもしれません。
-------【Review for Review】-------
最近、つかれぎみ。熊本の湿気がすごい。
外が温室のよう。
くらやみ こわいよ
2013/06/16 Sun 08:16
![]() | くらやみ こわいよ (2013/04/12) レモニー スニケット/ジョン クラッセン 商品詳細を見る |
怪談ではない、階段はあるけど
家の中で光の届かない暗い場所。子どもにと
っては身近な暗闇といえます。暗闇はクロー
ゼットの中とかカーテンの裏とか地下室に隠
れていて、夜中になると外へ出かける。子ど
も視点で、意識をもった存在のごとく位置づ
けたとことが本書のポイントですね。だから
男の子との間で意識の疎通が成立するわけだ。
夜中に切れた電球をきっかけに部屋へ突如や
ってきた暗闇さん。男の子にとっては暗闇と
直接対峙するというシーンが深い意味のある
体験となっています。大人にとっては単なる
電球の交換作業ですけどね。
絵はジョン・クラッセン。どちらかというと
ブラックユーモア作家のイメージがあります
けど、本作では真摯に闇を描いています。
(ということで怪談絵本じゃないですよ)
-------【Review for Review】-------
さて、今日も一仕事。いつになったら
ゴールにたどりつけるのか。
きいのいえで
2013/06/15 Sat 05:51
![]() | きいのいえで (講談社の創作絵本) (2013/05/24) 種村 有希子 商品詳細を見る |
ふたりにとっては大問題
母にしかられて家を出ていこうとする女の子
がいきなり登場します。勢い良くリュックに
大切な物を詰め込んで裏庭へと足を踏み出す。
でもね、ついカッとなってしまったものの、
やっぱり家にいたい気持ちもあるんですね。
子どもの頃は誰しも経験があることではない
でしょうか。そんな相反する気持ちが双子の
姉妹でうまく描かれているなあと感じました。
家出しようとする心を認めてあげたうえで、
なんとか引き止めようとするもう一方の女
の子の健気な頑張りに拍手。
靴下、本、写真などの小物類で間接的に2人の
仲の良さを伝える演出もみごとです。
-------【Review for Review】-------
DVD「運命じゃない人」面白かった。
同じシーンも誰が当事者かで、まったく別の
意味になってしまう。曲芸的編集マジック。
どこにいるの?かたつむり
2013/06/14 Fri 06:23
![]() | どこにいるの?かたつむり (2013/05) トミー ウンゲラー 商品詳細を見る |
ここにも そこにも かたつむり?
かたつむり=渦巻き形 を手掛かりに絵探し
遊びを楽しめる絵本です。表紙にも早速2つ
隠れていますね。演奏、サーカス、演劇など
楽しいシーンが色々登場します。渦巻きって
なんだかオシャレな感じですね。
蚊取り線香やのり巻き等で日本編も作れそう。
姉妹編「どこにいったの? ぼくのくつ」も
見てみたくなりました。
-------【Review for Review】-------
数字の6を書く時は渦巻きにしたくなる。