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おばけにょうぼう

2013/07/31 Wed 05:06

おばけにょうぼう (こどもプレス)おばけにょうぼう (こどもプレス)
(2013/04/17)
内田麟太郎/町田尚子

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化物が化けると

男女が仲人の尽力で結婚して子どもを授かる。
それを生々しい化物を通して描くことで、か
えって人間の内面世界が浮き彫りにされたよ
うに感じられました。化物界における女性の
美的基準?はよく解りませんが、人間の基準
に近づけたことで共感しやすくなってますね。

それにしても、画面から漂うおどろおどろし
き空気感がいい。ページを開くたびに部屋中
がひんやりとカビ臭くなっていくかのような
心地よさがあります。

町田さんといえば怪談絵本「いるのいないの」
の強烈な場面が今だ印象に残ってますが、本
作でもそれは期待できますぞ。化粧前と化粧
後の変り様に開いた口が塞がりません。

元ネタの「化物婚礼絵巻」をみると、何をど
う料理したかがわかって、二度楽しめますよ。

-------【Review for Review】-------
暑い季節、ベッドでは壁と反対側の隅っこ
で寝るのが好き。
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どじにんじゃ

2013/07/30 Tue 05:49

どじにんじゃ (講談社の創作絵本)どじにんじゃ (講談社の創作絵本)
(2013/07/25)
新井 洋行

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ドジも技のうち!?

どじだとタイトルで言い切ってます。さらに
帯でもカバーの折返しでも、どじだとPRしま
くってるんで、忍法がことごとく失敗しても
意表を突かれたというより、納得してしまう。

その意味では、低年齢向けの分かり易い展開
です。どじといっても、黒ヒョウだけあって
そのポテンシャルは高い。分身したり、大き
なガマを口寄せしたり、疾風のごとく走った
り。そんなカッコいいシーンがページをめく
るといかに崩れるかがみもの。はたして無事
に囚われの姫を救出できるか?

しかし、何が起こっても終止無言で行動する
彼の心中やいかに。気になる。

-------【Review for Review】-------
一昨日は鈴鹿8耐の決勝レースへ。チームごと
にそれぞれのドラマがあるので、それがいか
に結実するかという物語として味わえました。
特にラスト30分、まるで漫画のような展開。
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はいチーズ

2013/07/26 Fri 06:52

はいチーズはいチーズ
(2013/05/31)
長谷川 義史

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ああチーズ・・・

タイトルから、記念写真にちなんだ話しだと
勝手に思って、いつカメラがでるのかなと、
読みすすめたんですが、どうやらこれは食べ
るチーズが話題になっていると確信したのは、
9ページに至ってからでした。ハハハ。

チーズというのは、白くて細長くて赤の細い
テープを引っぱって開けるタイプのもので、
5さいの義史くんにとっては、いつかは口に
したいあこがれの食べ物であったんですね。

うん、あるある、これと似たようなことって。
誰しも身に覚えあるでしょ、子どもの頃に。
読み通すと一言で語れる笑い話的エピソード
ともとれますが、それを一冊の絵本にまで仕
立ててしまうのはさすが。

-------【Review for Review】-------
これ奇麗に剥くのむずかしいんだよなぁ、
で、端を止めてある金属部をグルグルまわし
て開けようとするけど、たいてい失敗する。
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にん・にん・じんのにんじんじゃにん・にん・じんのにんじんじゃ
(2013/07)
うえだ しげこ

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忍参 参上

忍者と野菜の組み合わせとくれば、川端誠さ
んの絵本:野菜忍列伝シリーズがありますね。
忍者と人参を語呂でかけあわせる発想は似て
ますが、こちらはズッコケお笑い調。
茸のシイタ剣士やトマ殿(?)など他のキャラ
も野菜でそろえて、これはこれで楽しいです。

しかし気になるのは、名前。「にんじんじゃ」
から語呂的に、ジンジャーでショウガとか、
神社とか別なものを想像してしまう。

-------【Review for Review】-------
週末にかけてやることが貯まってきた。
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Stuck

2013/07/21 Sun 06:51

StuckStuck
(2012/04/01)
Oliver Jeffers

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落とすまで意地になると

きっかけは木に引っかかった凧でした。男の
子は凧を落とそうとして自分の靴を投げたの
ですが、それも木に引っかかってしまい・・

で、近くにいた猫を放り上げるも、またまた
引っかかる。ならばと持ってきたのはハシゴ。
これでやっと解決、と思いきやハシゴを登る
のではなく、投げつける! ワハハハ。

投げつけるものはどんどんエスカレートして
いって、あんなものや、こんなものまで登場。
ありえないことがユーモラスに展開されます。
最後がどうなるのか気になるでしょ?

目的と手段がズレてしまうことって日常でも
ありますよね。例えばゴミを投げ入れようと
して外したとき。もう一度もとに戻って入る
まで投げたり。わかるなぁ男の子の気持ち。

-------【Review for Review】-------
選挙、行きますよ。早朝散歩がてら。
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でんしゃがいっぱい!

2013/07/20 Sat 06:52

でんしゃがいっぱい!でんしゃがいっぱい!
(2013/06)
そく ちょるうぉん

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楽しい時間へ出発進行

でんしゃって何だろう?同じ形のものが連結
された乗り物、線路の上を走るもの、駅と駅
の間を移動するもの。この本には自由な発想
で色々な電車が登場します。どんな乗客か?
どこへ向かうのか?などなど楽しい空想も、
どんどん続いていくよ。

そういえば路線図も、動かないけどつながっ
ている。なんだか電車にみえてくる。

-------【Review for Review】-------
真っ直ぐにのびた線路を見ていると、心が
水平線のかなたへトリップしてしまう。
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すいか!

2013/07/19 Fri 05:55

すいか! (にじいろえほん)すいか! (にじいろえほん)
(2013/05/17)
石津 ちひろ/村上 康成

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おもわず本にかぶりつきたくなる

やっぱすいかって、ちまちま食べるよりも、
デカいのを豪快にかぶりつくのがいいよね。
ガブッ、シャリシャリ、シャリシャリ。
緑の皮の中にある真っ赤な実という色のコン
トラストがまたいい!そんな魅力成分とが、
見事に抽出された絵本だ。唯一の欠点は、
この本を直接食べられないことか。

ああ・・・すいか食べたい。

-------【Review for Review】-------
すいか、すいか、すいか。
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天からおりてきた河―インド・ガンジス神話天からおりてきた河―インド・ガンジス神話
(2013/06)
寮 美千子/山田 博之

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超越的神話の世界

ガンジス河誕生の神話を重厚に描いた絵本。
インド特にヒンズー教徒にとって、この河が
どれだけ特別で聖なる存在なのかがズシリと
伝わってきますよ。最初から最後まで、時間
や空間の概念を超越したスケールの出来事が
積み重なり、圧倒されっぱなしでした。

6万人の侍女が世話した6万人の王子らが、
素手で土を掘り起こし地獄の先までたどる旅。
ヒマラヤでの一千年の修業。天界から流れ落
ちる巨大な河を頭の先で受止めて閉込める神。
などなど、もう想像の限界を越えてます。

それは大自然の営みやこの世の成立ちにまで
関わる内容。今でなら何とか科学的に説明で
きそうな事もなくはないです。しかし神話が
生まれた当時の人々が、自分たちの物差しで
神々の世界を測ろうとしたら、この様な表現
になるのでしょうね。

ハリウッドの特撮でも表現が難しい内容を、
描写しきった絵も見応えあり。かなり体力、
精神力を労したと推察します。

-------【Review for Review】-------
インド、懐かしい世界です。翻訳版がでたら
本国でも絶賛されるのでは。
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あるひ ぼくは かみさまと

2013/07/14 Sun 06:42

あるひ ぼくは かみさまと (講談社の翻訳絵本)あるひ ぼくは かみさまと (講談社の翻訳絵本)
(2013/05/21)
キティ・クローザー

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遠くて近くの神様

本書に登場する神は、雲の上で杖を持ち、白
い髭をはやした威厳ある老人の姿ではなく、
ちょっと拍子抜けするような格好で描かれて
います。どちらかというとゆるキャラ風。

そして散歩する若者のところへ、近所に住む
おっさんのごとく、ふと現れるんですね。
でも若者の悩みを聞いてくれるでもなく、願
い事を叶えてくれるわけでもない。いっしょ
に食事したり、森で遊んだりと、友達みたい
に若者に接する。そこがいいんですね。

この神様をどう受止めるかは人それぞれだと
思いますが、ボクは成長する喜びや命の可能
性を可視化したのかなと思いました。

その意味では、死神と女の子の交流を通して、
生きる喜びを表現した「ちいさな死神くん」
の作者らしい絵本といえます。

胸に焼き付く蛍光オレンジの温かみも印象的。

-------【Review for Review】-------
28日は色々なイベントが集中するんだなあ。
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カエル星人みたい

2013/07/13 Sat 07:02

バスガエルバスガエル
(2013/06/12)
戸田 和代/シゲリ カツヒコ

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カエル星人みたい

バスガイドならぬバスガエル・・・・・・?
言葉遊びじゃありません。実はカエルたちの
憧れの職業だったのです。何をするかって?
それはバスガイドです。

シゲリさんとバスの絵本で思いつくのは、
「ごじょうしゃありがとうございます」
妖怪たちと異世界巡りをするスリル満点の作
品ですが、本作はそれとは方向が違いますね。

バスガエルを目指すカエルの男の子に焦点が
あてられています。といっても日々の努力や
訓練を連ねるのではなく、身近で支えてくれ
る者への感謝の心がひょこりと描かれてます。

冒頭で語られていた4つの池巡りや雪景色は
見れませんしたが、カエル視点の風景が奇麗
なのでOK。緑色の星空がいいなぁ。

-------【Review for Review】-------
パソコンのアラームの音を学校のチャイム音
にかえてみた。なかなかいい感じ。
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