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おおきなひとみ

2013/08/31 Sat 05:49

おおきなひとみ (とぴか)おおきなひとみ
(2013/02/15)
谷川俊太郎、宇野亜喜良

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宇宙的コラボ

詩人と画家、両者の創造空間が融合して生ま
れた新たな宇宙が、絵本という形で晶結した
かのような作品ですね。

それぞれお互いの領域に働きかけているんで
すが、谷川さんの詩の流れをバラバラにして
しまうなんて宇野さんでなければできない!

一方向への詩の流れを解体してしまうことで
360度 異次元的時空感が、より感じられる
ようになっているのではないでしょうか。

少女の肉体と万物がエロティックに合融する
絵は単独でも目を惹く力があり、そこに言葉
が添えられることで格調高くなってます。

二大ブランドを融合させたモノグラムの見開
きは大人の遊び心を感じるデザイン、いいね。

絵本バー(なんてあるならば)でグラスを傾け
ながら味わいたい世界です。

-------【Review for Review】-------
さあ台風が来たぞ。
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いしのはなし

2013/08/30 Fri 06:10

いしのはなし―きれいでふしぎでやくにたつ、ちいさなちきゅういしのはなし―きれいでふしぎでやくにたつ、ちいさなちきゅう
(2013/06)
ダイアナ アストン/シルビア ロング

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奇跡だ

〔奇麗で不思議で役に立つ小さな地球〕
このサブタイトルに思わず納得の内容でした。
宝飾品になったり道具になったり建造物になっ
たりする石の多様性が丁寧に描かれています。

そして、それぞれの石にはそれらが生成される
までの歴史が内包されている。ん〜深い・・
現物を見たくなったら、奇石博物館はおすすめ。
そこでお土産に買ったテレビ石はいまだにボク
の机の引き出しに入ってます。

-------【Review for Review】-------
週末は台風か・・・
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妖怪食堂

2013/08/28 Wed 05:56

妖怪食堂妖怪食堂
(2013/05/31)
広瀬 克也

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夏バテぎみの想像力にも有効

妖怪というのは創作の源としても有効なんだ
なと実感しました。元々、理屈で説明しきれ
ない事象や、人間の心理的な側面を照らして
できた影のような存在が妖怪とみなせます。
ならば想像力や好奇心を刺激する効果も期待
できるでしょうし、そのエッセンスを料理と
結びつけたらどうなるか? 

開けてビックリのメニューがみものです。
ひやし霊めん ガマめし ぬりかべんとう
くちさけピザ 失神カレー etc.
食べたいかといえば・・・遠慮したいですが、
でも、どんなものかは見たくないですか。

ところで何者、料理を作る忍者のお父さんは?
妖怪シリーズは温泉や遊園地などもあるんで
すね。後でチェックしてみようっと。

-------【Review for Review】-------
最近すずしくなってきた。
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カエルのおでかけ

2013/08/24 Sat 06:55

カエルのおでかけカエルのおでかけ
(2013/05)
高畠 那生

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スタイリッシュなカエルライフ

雨のシーズンの楽しみといえば、毎年登場す
るカエルの絵本。中でもこれは異色作ですね。
カエルだから雨が好き。これは確かによく分
かります。しかし、それを人間側の価値感に
寄り添って再構築してみせたところが秀逸!

おしゃれな高層マンションに住むカエル君が
ドシャブリの日に公園へサイクリング。これ
が実に楽しそうなんだなぁ。これをマネして
雨の日に水着で外へとびだす子どもが増殖し
そうな・・・

-------【Review for Review】-------
人間どうしでも所変われば価値感が変わる。
インドいい天気とは曇り空の日。
北向きの窓がいい物件。
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でるでるでるぞガマでるぞ

2013/08/22 Thu 06:56

でるでるでるぞガマでるぞでるでるでるぞガマでるぞ
(2013/07)
高谷 まちこ

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でたぞ!

おじいさん、おばあさん、そして猫の人柄の
せいなのか、屋敷に潜むお化けたちは親しみ
易さいっぱいです。おじいさんたちのピンチ
に立ち向かうときの一致団結ぶりがみごと。
こんな頼もしいお化けたちなら大歓迎、我が
家にもぜひというかたも多いのでは。

でるぞでるぞ と繰返される前フリがリズミ
カルな展開に一役買ってます。怪談のような
ドッキリはないので安心して楽しめますよ。

お化けたちをもっとみたいなと思ったら、
既に「でる でる でるぞ」があったんですね。
よんでみるぞ。

-------【Review for Review】-------
阿蘇の入道雲は活きがいいぞ。
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あーん

2013/08/19 Mon 06:00

あーん (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)あーん (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)
(2013/06/25)
下田昌克/谷川俊太郎

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「あーん」が「ぷーん」になるまで

食べてうんちする。それをシンプルに描いた
絵本。人類共通語ともいえる擬音を使ってい
るので誰でも感覚的にも消化しやすい内容。

これは何かをインプットして、新たなものを、
アウトプットする創作活動にもみえますね。
カラフルなうんちは芸術的香りぷんぷんだ。

雑誌「イラストレーション/No.199」に
紹介されている編集者の苦労話が笑えます。

-------【Review for Review】-------
連休中はついつい食べ過ぎてしまう。
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人魚のうたがきこえる

2013/08/18 Sun 07:35

人魚のうたがきこえる (こどもプレス)人魚のうたがきこえる
(2013/05/17)
五十嵐大介

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幻想と現実の美しき融合

珊瑚礁の青き爽やかさの中にピリっと血な
ま臭さが混じったカクテルのような読後感。

この作品に生息する人魚は、いわゆる童話に
に登場するお姫様的人魚ではない。鋭い爪や
牙を持ち、魚をむさぼり食ったり他の猛禽類
から襲われたりするような生活をしている。
その衝撃的ともいえる野生味が、かえって人
魚の美しさに存在感を与えていますね。

他の方も書かれているように、絵本とはいえ
いきなり幼児が手にするものではないかも。
おとぎ話から一人立ちして、現実という荒波
の世界を生きる泳力は得られるでしょうが。

ちなみに作者の本業が漫画家とは知りません
でした。意外・・・

-------【Review for Review】-------
人魚って雌ばかりなんだろうか? なんてこ
とをふと思う。いや、元々は空想上の生き物
で海の精や妖怪みたいなものだから性別云々
は関係ない。が、この作品の生々しい人魚を
見た後ではそんな疑問も自然に湧き出てくる。
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おおきなおひめさま

2013/08/17 Sat 07:08

おおきなおひめさまおおきなおひめさま
(2013/06/13)
三浦 太郎

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庭に咲いたかわいい太陽

なんでこのおひめさまには魔法がかけられて
いるんだろう?神様もいじわるなことをする
なと気になりましたが、そこにあえて意味を
見いだすとすれば、おひめさまは一国の繁栄
や未来にかかわる何かを暗示しているんだろ
うと勝手に解釈することにしました。つまり
革新的な技術とか思想のようなものを。

それを国を治めるものが独占するのではなく、
皆に広める、あるいは次世代へと継承する術
をみいだせるかどうかが物語の核として内包
されているのではと思うのです。

もちろん「ちいさなおうさま」と対を成す絵
本として素直に楽しめることは言うまでもあ
りません。

-------【Review for Review】-------
そういえば送別会でもらった枝豆育成セット
の種、まだ蒔いてないなあ。どうしよう・・
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のせてのせて100かいだてのバス (ポプラせかいの絵本)のせてのせて100かいだてのバス (ポプラせかいの絵本)
(2013/07/10)
マイク スミス

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2階建バスの英国ならでは

えっ〜、バスなの!?!?!?!
絵本では「100かいだてのいえ」がありまし
たけど、バスはさすがにムチャなのでは。
こりゃいつか崩れるのでは、というこちらの
心配をよそに、どんどん階数を増やしながら
走り続けるのであった。訪れた先々の建物を
乗せてへんてこな形になりながら。

冷静に考えれば、縦より横につなげたほうが
いいに決まってるのですが、それでは電車に
なってしまうし、道は渋滞になってしまうし。

まるでバベルの塔を彷彿させるような危うさ
と供に横に移動しながら天にも向かうという
不思議な空間感覚です。乗客たちはいったい
どこをめざしているんでしょう? これは、
いつもの日常から逸脱した自由な発想の世界
へ連れてってくれる作品です。

-------【Review for Review】-------
日本建築では五重塔ならぬ百重塔。さらに
百重の王:100段積み重なったライオン
なんて空想をしてしまった。毎日暑いなぁ。
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ハナちゃんのトマト

2013/08/11 Sun 05:21

ハナちゃんのトマトハナちゃんのトマト
(2013/07)
市川 里美

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夏休みにぴったりなトマトの成長物語

小学生の頃に、夏休みの宿題でヘチマの観察
日記をつけてたことを思い出しました。少し
ずつ成長変化していく姿をみるのは面白かっ
たけど、絵も描くとなると大きくなるにつれ
時間がかかって大変でしたっけ。

ハナちゃんの場合は自ら進んでトマトの苗を
育てようとするので宿題のようにやらされて
るわけではありません。でも夏休みの出来事
なので、自由研究的な視点で共感しました。

夏休みを田舎で過ごすため、トマトも連れて
ってお婆ちゃんの畑に植えるという展開が、
中身をより芳醇なものにしています。
トマトを通して作物を育てる苦労や、実りの
達成感、そして家族みんなで食べる喜びが、
瑞々しく伝わってきました。

-------【Review for Review】-------
駐車場にいつもあった車が消えてたり、他県
ナンバーの車が増えてたりする、夏休み。
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