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イソップものがたり うさぎとかめイソップものがたり うさぎとかめ
(2013/10)
ジェリー ピンクニー

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寓話の競争が現実化すると

イソップの物語をリアルに描くことで、血肉
の通った世界が再構築されています。表紙を
見て、おおっ と気になった方の多いのでは。

舞台となるのは、実際にウサギやカメが生息
しているアメリカ南西部とのこと。サボテン
や岩山や農場、他の生き物たちも登場して雰
囲気を盛り上げています。

でも、あの競争は寓話だから成り立っている
のであって、実際に2匹が競争したら結果も
変わるのでは・・・なんて思った方はみての
お楽しみ。なるほどのエンディングです。

文章はほとんど無いので、絵をじっくりと見
ながら、自分のペースで空想を走らせること
ができますよ。

「イソップものがたり ライオンとねずみ 」
と同じ作者だったんですね。納得!

-------【Review for Review】-------
お菓子と動物の関係をみると、カメは固め
で色の濃いめのもの、ウサギは逆にソフト
で明るい色のものに使われていることが多い。
海外でも同じなのかな?
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ふゆやさいの ふゆやすみ

2013/11/24 Sun 06:01

ふゆやさいの ふゆやすみふゆやさいの ふゆやすみ
(2013/10/25)
林 木林/柿田 ゆかり

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野菜なまり言葉

なるほど、こんな野菜の味わい方もあるんで
すね。という言葉遊び絵本。それぞれの野菜
のセリフの中に野菜名が含まれている。

例えば、ごぼう「なにして あそごぼう?」
大根「どうだい こんなのできたんだい!」
てな調子で、それぞれの野菜言葉が方言のよ
うな味わいをだしています。野菜名の出汁が
効いた言葉の料理ともいえますね。

冬野菜だけでなく、前作の夏野菜もすごろく
で登場し(実際に遊べます)豪華な内容です。
最後までおしいく楽しめました。

-------【Review for Review】-------
今月末は実家の法要へ。最近はフライトが
多いなあ。ああ交通費も飛んでいく。
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だましえだいく

2013/11/23 Sat 05:59

だましえだいくだましえだいく
(2013/10)
青山 邦彦

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錯視の策士

まるでエッシャーの絵を思わせるような不思
議な建造物が次々に登場。一見するとなにげ
ない建築イラストですが、そこに仕掛けられ
たトリックにおやっ???っとなります。
手前にあったものを辿ると、いつの間にか奥
側に移動していたり、凹凸が逆転したり、存
在していたものが途中で消えてしまったり。

建物に困惑する大工や住民を同時に描くこと
で、奇妙な空間がより共感しやすいものに。
単に騙し絵を紹介するだけでなく、その特徴
が物語の展開にうまく活かされているので、
絵本としても充分に楽しめました。

-------【Review for Review】-------
宇宙戦艦ヤマト2199を見終える。宇宙の彼方
への旅は人類の叡智を深く辿る旅でもあった。
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おはなしトンネル

2013/11/22 Fri 06:00

おはなしトンネル (こどもプレス)おはなしトンネル (こどもプレス)
(2013/10/17)
中野真典

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トンネル劇場の開幕だ

なるほど!確かにトンネルってお話みたいで
すね。入り口から始まって出口で完結する。
その間が長かったり短かったり曲がりくねっ
たり。周囲の世界から一時的に隔絶されて、
想像力が働く空間ともいえますし。

なので雨の中、帰宅中の男の子がトンネルで
体験した不思議な出来事も違和感なく受け止
められました。時空を超越して繰り広げられ
る華やかなシーン。まるで劇場ですね。男の
子といっしょにみとれてしまいました。

案内役のピエロがいい仕事してます。

-------【Review for Review】-------
車でトンネルの中を走ってるとき、ついつい
想像して怖くなる事があります。
実はこれが穴で垂直に落下している・・・
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While He Was Sleeping

2013/11/19 Tue 05:31

While He Was SleepingWhile He Was Sleeping
(2013/09/01)
Ayano Imai

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冬眠から目覚めると

おやっ、この画面はどこかで出会ったなぁ。
ニョキッと高くそびえる白い帽子と、そこに
住まう小鳥たち。それは2004年のボローニャ
絵本原画展で、5枚の入選作のワンシーンだ。

初めて見たときはどのような絵本になるのか、
想像できなかったけど、物語として結実した
ものをみると、その必然性に驚きました。

ブラウン氏の白い帽子が1羽の小鳥との出会
いをきっかけに変化していく様子が、とても
絵本的です。出会いと別れと再会、揺れ動く
心が目に見える形で伝わってくる。ブラウン
氏はほとんど無表情にもかかわらず。好きで
すね、こういった内面世界の語り口は。

-------【Review for Review】-------
東京モーターショーの開幕が近くなってきた、
でも距離は遠くなった、どうしようかな。
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HIGH TIMES:

2013/11/17 Sun 06:52


High Times: A History of Aviation (Leporello)High Times: A History of Aviation (Leporello)
(2012/09/18)
Nobrow Ltd.

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空想が離陸して宇宙へ

人間が空を飛ぶ。その歴史をイカロスの神話
からスペースシャトルまで、横に折り畳まれ
た一続きのパノラマで見せてくれる絵本です。

グライダーや気球、飛行船やジェット機など
技術の進歩によって生まれた様々な飛行手段
が紹介されていきます。それぞれが登場した
ときの時代背景も描かれているのですが、と
りわけ大戦での爆撃シーンが印象的でした。

シンプル明解にデザイン処理された画面が、
秀逸。多種多用な情報を目にも楽しく伝えて
くれます。解説文をカバー裏にまとめた点も
いいです。

-------【Review for Review】-------
本書は七尾美術館のボローニャ絵本原画展で
購入。空想とは空を想うと書くのですね。
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おむかえワニさん

2013/11/16 Sat 07:54


おむかえワニさんおむかえワニさん
(2013/10/21)
陣崎 草子

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おばあちゃんの下部1号か

女の子が、1人で初めて田舎のおばあちゃん
の家へ出かける。という形式をとってますが、
地理的な空間の移動をしつつ、心理的な移動
もしているところに斬新さを感じました。

と言うのは、おばあちゃんの家の中には物語
の種が散りばめられていたので。駅まで迎え
に来たワニさんとの出会いから、もうおばあ
ちゃんの懐の中に入りこんでいたとみました。

そこへ女の子を導いたワニさんの仕事ぶりに
は感服! 画面の端々に散見するワニを探して
みるのも楽しいです。

-------【Review for Review】-------
旅行をしたら、そこの本屋で見つけた絵本を
レビューすることにしています。というわけ
で、本日のミッションはひとつ終了。
朝食をとったら七尾美術館へ行きます。
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ゆきがふる

2013/11/15 Fri 05:15

ゆきがふるゆきがふる
(2013/10/12)
蜂飼 耳/牧野 千穂

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雪劇場に魅入る

ふわふわころり&ゆきぐも。雪の精とも言え
る彼らは、雪の魅力や不思議さを、空想的に
増幅させた存在とも言える。雪の触感や舌触
りや美しさという特質をみごとに具象化して
いるし、それを可能足らしめているパステル
画も魅力的です。

文章では兄妹の姿を示す言葉はひとつもない
ですが、雪と相性がいいウサギとしたことで
ファンタジックな世界を際立たせている点は、
同作者コンビの「うきわねこ」と同じですね。

大切なものの喪失と癒しというテーマも感じ
させるエピソードが、降り積もる雪の白さに、
より深みを与えています。

-------【Review for Review】-------
今日は金沢へのフライト。雪と出会えるか?
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Ganesha's Sweet Tooth

2013/11/12 Tue 05:17

Ganesha's Sweet ToothGanesha's Sweet Tooth
(2012/09/19)
Emily Haynes、Sanjay Patel

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和魂ならぬ印魂洋才な世界

インド古来の神話とモダンなセンスの絵が融
合された摩訶不思議な画面に魅入ってしまう
絵本です。ガネーシャといえば象の頭の神様。
実は片方の牙が折れてるって知ってますか?

本書ではその理由となっている神話を基に、
お菓子好きなガネーシャらしいエピソードを
加え楽しい内容になってます。ガネーシャの
乗り物とされるネズミ君の活躍もみもの。

Sanjay Patelがヒンズー神話を描いた作品
では「Ramayana: Divine Loophole」も
あります。こちらは絵本としてみると、かな
りのボリュームですが、興味のあるかたは、
ぜひ手に取ってみては。

-------【Review for Review】-------
昨日から元の職場へ復帰。さっそく仕事が
降りかかってくる。
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Little Mouse's Big Book of Beasts

2013/11/10 Sun 06:54

Little Mouse's Big Book of BeastsLittle Mouse's Big Book of Beasts
(2013/08/01)
Emily Gravett

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絵本作家のネズミくん再び登場

表紙をみると作家の名前が上から書き換えら
てる、しかも人間でなくネズミって・・・?
ページをめくると、あっ端っこが破れてる!
しまった、不良品か と慌ててはいけない。

この作品は猛獣を紹介した絵本を想定して、
それを見たネズミが、その本の上から落書き
をしたという趣向の絵本なのである。恐がり
屋のネズミが怖いシーンや気に入らない部分
を破ったり、別の絵を貼付けたりして、改訂
しまくっているのである。

小学生の頃、教科書に落書きをして遊んだよ
うなノリに近いですね。どれだけ面白くでき
るか競い合ったものですが、その意味では、
このネズミくん、絵本作家として充分通用す
ると断言できます。

ネズミくんの活躍をもっとみたいならば、
「Little Mouse's Big Book of Fears」
もおすすめですよ。

-------【Review for Review】-------
久々に迎えた日本での朝、外は豪雨で寒い。
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