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もりのおきゃくさま―「三びきのくま」のさかさまのおはなしもりのおきゃくさま―「三びきのくま」のさかさまのおはなし
(2013/10)
ブリントン タークル

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森の珍入者

サブタイトルにもあるとおり「三匹のくま」
をもとに、人間と熊の立場を入れ替えた作品
です。とはいえ、オリジナルを知らないでみ
ると、こちらが原型ではないかと思ってしま
うほど良く出来てる!

見知らぬ家に侵入して、スープを勝手に飲み、
椅子を壊して、ベッドで眠りこむ。確かに、
これは女の子より、やんちゃな子熊の行動に
置き換えたほうが自然にみえますね。

いずれにせよ子どもというのは、他人の領域
にずけずけと入り込んで、無自覚に迷惑な事
をする生き物なんでしょうか。立場が入れ替
わっても、熊のほうに共感してしまうのは、
ボクだけ?色味をおさえた真摯な描写の中に
痛烈な風刺が込められているともとれますが。

絵だけで展開されるので、オリジナルの文章
をこの絵本に当てはめて読むのも一興です。
出版社の名前にも注目(笑)

-------【Review for Review】-------
寒いと活動量が落ちるなあ。体を暖めてない
とすぐ眠くなってしまう。
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The Night Before Christmas

2013/12/14 Sat 07:08

The Night Before ChristmasThe Night Before Christmas
(2013/10/22)
Holly Hobbie/Clement Clarke Moore

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サンタと出会う感動

クレメント・C・ムーアの有名な詩をホリー
ホビーが絵本化!トゥートとパドルでも描い
たクリスマスシーンとはまた違った味わいで、
聖なる空気感が伝わってきました。雪景色や
さりげなく登場する動物たちなど、相変わら
ず美しい自然描写は溜め息ものです。

詩の中でサンタと出会うのは夜中に目覚めた
パパですが、子どもの視点でもちゃんとこの
世界に入っていけるように描かれてますね。

暖色と寒色、色の対比が見事で、中身だけで
なく装丁も凝ってます。本を閉じた後、ブッ
クカバーをはずすと、しばし余韻に浸れます。

クリスマスシーズンにおすすめの作品。
翻訳版も待ち遠しい。

-------【Review for Review】-------
熊本で有名だという揚げ豚足を初めて食べた。
唐揚げのようなものを想像していたら、骨が
付いててけっこうごっつい。でも衣カリカリ
中プルプルの食感はなかなか。
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ゆきのうえ ゆきのした

2013/12/11 Wed 06:13

ゆきのうえ ゆきのした (世界傑作絵本シリーズ)ゆきのうえ ゆきのした (世界傑作絵本シリーズ)
(2013/10/02)
ケイト・メスナー/クリストファー・サイラス・ニール

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雪の下には秘密の世界が

森に降り積もった雪の下は目にみえないです
が、動物たちの生活圏が出来てるんですね。
冬眠するものばかりでなく、地面と雪の空間
で活動する動物、シェルターのような巣の中
で生活する動物などを知って驚きました。

地上でも、耳をすまして雪の下の獲物を探し
出す動物、体毛の色をかえる動物などなど、
雪との関わり方も様々で興味深い内容です。

雪の上と下を巧みに対比させたイラストから
は無意識の世界をのぞいているような神秘感
も伝わってきました。雪の上をスキーで移動
する親子や家に帰って温かい毛布の下で眠り
につく子どもが案内役として効いてます。
冬のベッドタイム絵本としてもお勧め。

-------【Review for Review】-------
今日は誕生日なのだ。気が引き締まる思い。
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Good Little Wolf

2013/12/09 Mon 05:49

Good Little WolfGood Little Wolf
(2011/09/13)
Nadia Shireen

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可愛い絵に油断するなかれ

オオカミと言えば、子豚の家を吹き飛ばした
り、お婆ちゃんや子どもを襲ったりと、童話
の中では悪者として描かれることが多いもの。
でもロルフは違います。表紙のキュートな姿
のごとく他の動物やお婆ちゃんとも仲良しな
心優しいオオカミなのです。

そんな彼が悪いオオカミと出会って、自分の
の在り方に疑問をもち、とあるきっかけで、
ロルフの内側から何かが目覚める!!!

可愛いイラストとは裏腹になかなかスリリン
グな展開を楽しめました。最後のひとひねり
が効いてますね。世の中は善人ばかりと限ら
ないですから。

-------【Review for Review】-------
今年もいよいよ終わりに。読み残した絵本
はないかチェックだ。
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ちかちか ぴかり

2013/12/08 Sun 06:52

ちかちか ぴかり (福音館の科学シリーズ)ちかちか ぴかり (福音館の科学シリーズ)
(2013/10/09)
ジョアン B. グレアム/ナンシー・デイビス

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視覚的な文章かがやく

ん〜これは確かに翻訳者泣かせの絵本ですね。
文字が積み木のごとく組まれて形を成してい
るので、それを崩さぬよう、日本語に変換し
なければならないのですから。カチッとした
形のアルファベットをクネクネした平仮名で
組み直すのはデザイナーも大変だったでしょ。
まるでデザイン学校の課題作をみているよう
な気分になってしまいました・・・

それはさておき、多少の不自然さに目をつぶ
れば、とても面白い試みの作品です。光や灯
りをテーマにした文章を、絵の一部として、
造形的に構成するという詩人とデザイナーの
タッグがピカッってます。

各詩にあるタイトルは説明的なので余計かな。
なくても充分に伝わるので。

-------【Review for Review】-------
学生時代の課題を思い出しました。俳句を
選んで、それをタイポグラフィックに組む
というもの。ボクがモチーフにした作品は

「暗黒や 関東平野に 火事ひとつ」
「竹馬や いろはにほへと ちりぢりに」
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ママのスカート

2013/12/07 Sat 05:34

ママのスカートママのスカート
(2013/10/15)
キャロル・フィブ/ドロテ・ドモンフレッド

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スカートフェチな男の子が愛らしい

なんなんだ、この絵本は!? 男性にとって
はかなりドキドキの内容ですね。スカートを
めくる仕掛けが連続するんですから。ムフフ

というと変な期待をかきたててしまいますが、
めくって現れるのは男の子。彼はなんとママ
のスカートの中に住み込んでいるのです。中
にはちゃんと部屋があって、寝室や浴室付!
スカート姿のママの日常シーンとスカートを
めくって現れる男の子の様子との対比がいい。

いっしょに外出するときはスカートの中、時
にはそこへ友達を招待したり、まるでカンガ
ルーのポケットのごとく居心地よさそう。

もちろんこれはママへの甘えや守られている
安心感を象徴化しているのでしょうが、海外
の絵本らしいエスプリの効いた作品です。

-------【Review for Review】-------
子離れ、親離れを可視化したともいえる。
女の子の場合はどうなるんだろう?
パパの○○○の中・・・
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フルーツがきる!

2013/12/03 Tue 06:08

フルーツがきる! (えほんのぼうけん)フルーツがきる! (えほんのぼうけん)
(2013/10/11)
林 木林/柴田 ゆう

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シャキッとさわやか

食材をいかに絵本として料理するかという点
で興味をひかれた作品です。特に時代劇風の
味付けとくれば。野菜や和食系の絵本は既に
ある中、フルーツを使うとはなかなかさわや
かな切り口ですね。言葉遊びも冴えてます。
りんごのしん、だいだいかん、いちごや・・

正義の侍、悪代官、越後屋というベタな設定
なのが解り易く、駄洒落ゼリフも素直に楽し
めました。時代劇デザート絵本としてどうぞ。

-------【Review for Review】-------
寒くなると一眠りの時間があっと言う間に
過ぎてしまう。
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ジャーニー 女の子とまほうのマーカー (講談社の翻訳絵本)ジャーニー 女の子とまほうのマーカー (講談社の翻訳絵本)
(2013/11/29)
アーロン・ベッカー

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空想の扉を開く

描いた物が現実の存在になる、なんてことが
起こっても、ボクは驚きません。絵本の中で
はよくあることなので。有名なところでは、
「はろるどとむらさきのくれよん」がありま
すね。実際に画材というのは不思議な力があ
るもので、それを手にしたとたん想像力が増
大します。まだ何も描いてないにも関わらず、
これから生まれるであろう作品を空想して勝
手に酔いしれる・・・

にもかかわらず、本書には驚きました。活躍
するのは赤いマーカーを手に入れた女の子。
最初に扉を描いたところが秀逸です。ページ
をめくって 現れるファンタジックな世界に思
わず見とれてしまいました。空想世界の存在
感が半端ない。さらに危機一髪の連続する展
開。最後に女の子が出会ったのは大きくなっ
たハロルド???

文章はないので、読者も自由気ままに空想の
旅を楽しめますよ。

-------【Review for Review】-------
昨日は東京モーターショーへ。新橋駅から
チケットの行列が出来てたのにはまいった。
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