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へいわってすてきだね

2014/07/31 Thu 04:59

へいわってすてきだねへいわってすてきだね
(2014/06/17)
安里有生/長谷川義史

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平和ってなんだろう

平和への強い想いを長谷川さんが描いた絵本
としては「ぼくがラーメンたべてるとき」や、
中川さんとの共作「8月6日のこと」があり、
過激な表現や生々しさが印象に残ってます。

その両作に比べると、本書は実にホッします。
平和って言葉が最初にくるところなど、素直
でストレート。元になる詩を書いたのは小学
校1年生の男の子で、彼が平和について考え
たんすね。身近な日常の大切さに眼を向けて
いるところは大いに共感できました。(自分
が小学生の頃だったらヒーローが派手に戦う
ことで守られる平和をイメージしたかも)

これから大人になっていく中で、色々なこと
を知っていくでしょうけど、詩に込めた想い
をずっと持ち続けられたらすてきです。

画面いっぱいに、のびのびと描かれた水平線
や地平線がなんとも清々しい。その先にある
のはどんな世界か。男の子の想いといっしょ
に平和を描くのは今を生きる我々なんです。

-------【Review for Review】-------
戦国時代に比べれば平和なんだろうなぁ。
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いえのなかのかみさま

2014/07/29 Tue 07:33

いえのなかのかみさまいえのなかのかみさま
(2014/06)
もとした いづみ/早川 純子

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神様の存在が身近になる

男の子が訪れたおばあちゃんの家は昔ながら
の古い造り。そこで九十九神をはじめとする
様々な神様に出会います。神様というより、
むしろ妖怪に近いかもしれませんね、日々の
生活の基盤となる住居やご先祖様を敬う気持
ちを文化的に共有化できるよう変換した点は。
その意味でいうと、日本には昔からキャラク
ター文化があったのですなぁ。

神様たちは、おやつをくすねたり、踊ったり、
お神酒をせがんだりして、厳かと言うよりも
人間味にあふれ、もはやみえない家族ですね。

暮らしに密着した神様たちですから、皆の家
にだってちゃんといるはず。

-------【Review for Review】-------
今日は洗車しようかな。車の神にも感謝。


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くらいところからやってくる (講談社の創作絵本)くらいところからやってくる (講談社の創作絵本)
(2014/07/04)
前川 知大/小林 系

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見えないから見えるもの

暗闇を意識するようになったのはいつ頃から
だったろうか。小学生の頃、日没後に自転車
で人通りの無い道を帰ったときや、真夜中に
1人でトイレに行き始めたときとか・・・
光が当たらない場所には何かが潜んでいるの
ではと不安になってくる。誰もいないことを
確認するべく意味なき声を発したこともある。

「誰かいるの?」と、つい口に出した男の子
の気持ちはよくわかる。しかし、その声に反
応があったら!?といっても、いはゆる怪談
絵本ではありません。闇とのコミュニケーシ
ョンを通し、より認識を深められる作品です。
逆に様々な光の表情も見て取れます。

男の子が暗闇と対話する絵本では、ジョン・
クラッセンの描いた「くらやみ こわいよ」も
ありますね。読み比べてみては。

-------【Review for Review】-------
昨日は全国総合高等学校文化祭の美術部門へ。
母校からの作品も2点あった。
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かがみのなか

2014/07/27 Sun 06:42


怪談えほん (6) かがみのなか怪談えほん (6) かがみのなか
(2014/07/21)
恩田 陸/樋口 佳絵

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鏡面に恐面

怪談でこのタイトルとくれば読む前から色々
と怖〜い空想をしてしまう方も多いのでは。
ボク自身の体験でいうと、こどもの頃、夜中
に1人で起き出てトイレに行ったときは、絶
対に洗面台の鏡を見ないようにしてました。
ビジネスホテルの鏡も苦手です。特に白い壁
だけが写っている状態のとき。その中に突然
誰かがヌゥっと現れたら・・・なんて妄想が
忍び寄ってきたら、首を振り、慌てて楽しい
ことを考え始めます。

絵本にはそんな感じの怖さが画面いっぱいに
投影されています。うまいなぁと思ったのは、
文章だけ取り出すと全然怖くないんですよ。
鏡をテーマにした児童詩的な楽しささえ感じ
られます。怪しい眼光を秘めた少女たちの顔
が魔力のごとく効いてますね。目を合わせる
のが怖いけど、つい見入ってしまいました。

怪談絵本の中でも洗練された完成度の作品。

-------【Review for Review】-------
今朝は水戸のホテルにて。
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スーパーぶたさんですよ

2014/07/25 Fri 05:53

スーパーぶたさんですよ (ぞうさん・ぶたさんシリーズ絵本)スーパーぶたさんですよ (ぞうさん・ぶたさんシリーズ絵本)
(2014/06/25)
モー・ウィレムズ

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打ちっぱなしならぬ投げっぱなし

人生を楽しむことには相変わらず全力投球で
すね、ボールは明後日の方向に転がっても。

以下原書「Watch Me Throw the Ball」
でのレビューです。
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ゾウ君が投げたボールをひろった、コブタち
ゃん。自分も投げてみようとするところで、
待ったがかかります。

ボール投げといえども単純ではないとレクチ
ャーするゾウ君。案の定、コブタちゃんの放
ったボールは手元がすべってゾウ君の足もと
へ。しかし、遠くへ飛んでいったと大満足の
彼女は調子にのって・・・

ボールを投げるだけの話で、よくもまあ、こ
んなに引っ張るもんですね。いつものユーモ
アが楽しめるものの、パターン化した感もあ
ります。買うならリーズナブルなペーパーバ
ック版をすすめます。
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以上。
始球式に出るのは遠慮したほうが・・・

-------【Review for Review】-------
明日から4連休、プチ夏休みだ。
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びっくりごっこですよ

2014/07/24 Thu 05:45

びっくりごっこですよ (ぞうさん・ぶたさんシリーズ絵本)びっくりごっこですよ (ぞうさん・ぶたさんシリーズ絵本)
(2014/06/26)
モー・ウィレムズ

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おどろいたのはどっちだ?

こどもの頃を思い出しますね。待ち伏せする
側も驚かされる側もドキドキ。

以下原書「I Will Surprise My Friend」
でのレビューです。
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物陰に隠れて、相手が来たら「わっ!」と大
声で飛び出しておどろかせる。なんて遊びを
思いついたゾウとコブタの二人組。

お互いに大きな岩の後ろに隠れたはいいです
が、いつまで待っても相手がやってこない。
ひょっとしてトラブルがあったのでは?だん
だん不安になってきた彼らはついに・・・

別々にいても、実は息が合っているという二
人の様子がシンプルな英文とイラストでユー
モラスに描かれています。3つ眼の怪物まで
登場させた想像力はたいしたもんだよ、ゾウ
のジェラルド君。
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以上、同じことを夜にやると肝試しになる。

-------【Review for Review】-------
週末は水戸の全国高等学校総合文化祭に行く
予定。昨年の長崎に続いて楽しみだなぁ。
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ガマ王子vsザリガニ魔人

2014/07/20 Sun 06:48

ガマ王子vsザリガニ魔人―「Paco パコと魔法の絵本」よりガマ王子vsザリガニ魔人―「Paco パコと魔法の絵本」より
(2014/01)
後藤 ひろひと/たなか しん

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池の中の大事件

実は元になった映画「パコと魔法の絵本」が
あったのですね。自分が海外駐在中に公開さ
れていたせいか知らなかった・・・

劇中で女の子が持っていたポップアップ絵本
をそのまま再現したものは、既に出版されて
ますが、絶版になり中古品は高価なものに。
本作は文章をそのままに、通常の絵本として
描き直したという二重のリメイク品です。

その意味では絵が魅力的な一冊の作品として
楽しむことができます。海砂で作ったという
ザラザラした下地が特徴的で、寓話的世界観
を壁画のごとく画面に定着させています。

物語の流れが唐突に変化するところは気にな
りましたが、独特の節回しは健在。映画での
女の子や老人の朗読シーンが蘇ってくるので、
別の意味で感情移入することができました。

-------【Review for Review】-------
昨日はたい焼きを3個食べてお腹いっぱいに。
「日本一たい焼き」とか「たい焼き研究所」
など大袈裟な名前の店が熊本にある。
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もっと・しごとば

2014/07/19 Sat 08:36

もっと・しごとば (しごとばシリーズ)もっと・しごとば (しごとばシリーズ)
(2014/05/21)
鈴木 のりたけ

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もっと経験値がアップ

様々な職業の仕事場と、そこで働く姿を図解
した絵本もいよいよシリーズ5作目に突入。

始めに各仕事場を本人の目線で紹介している
ところが本シリーズの特徴。例えば特殊メイ
クアップアーティストのページ。眼の前には
男優が座ってて、手に持ったパレットから顔
料をとり、メイクする瞬間が描かれている。
周りには女優や着ぐるみ、映画のポスターや
様々な道具類などがあって臨場感満点。自分
もスタッフの一員として映画作りの現場で働
いているような気持ちになってきます。

様々な物に名前が添えられていて、見過ごさ
ないようにポイントを認知させる演出も巧い。
次のページで図示される道具の解説や、仕事
のプロセスが理解しやすくなってます。

花火師、客室乗務員、和菓子職人、科学者、
特殊メイクアップアーティスト、幼稚園教諭
水族館飼育員、水産加工員、パン職人が登場。
相変わらず盛りだくさんの内容ですね。

この絵本ができるまでに関わった人たちの
仕事ぶりも気になります。

-------【Review for Review】-------
セミの鳴き声がする。学校は夏休みか。
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こかげでほっ

2014/07/18 Fri 05:42

こかげでほっこかげでほっ
(2014/06/16)
みなみ じゅんこ

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おかげさま 

最近、アニメを観るときに注意しているのは
色の処理の仕方。その物に直接できる陰、何
かに遮られて間接的にできる影。それぞれが
繊細に描き分けられていて感心してしまう。

それはさておき、普段は引き立て役の影を、
メインステージに仕立てたのがこの絵本です。
一年の中でも影の存在感が際立つ季節の夏。
強い日差しが生み出す木かげは、涼を取るた
めの憩いの場で、様々な生き物達に、ほっ♪
を提供しています。そんな木かげの魅力をほ
っこりと描いた作品。外に持ち出して木かげ
でよんでみるものいいですね。

-------【Review for Review】-------
射て突く日差しのインドで木陰は安全地帯
でもあったなぁ(回想)
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いっしょにいってもいい?

2014/07/17 Thu 23:46

いっしょにいってもいい?いっしょにいってもいい?
(2014/05)
ブライアン パッテン/ニコラ ベイリー

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小さなネズミの想いが広がって

→「俺より強い奴に会いに行く」なんていう
某対戦格闘ゲームのキャッチコピーを思い出
しました。本書の場合は「ボクより大きい奴
に会いに行く」となりましょうか。最初に行
動をおこしたのは小さなネズミくん。世界で
一番大きな生き物を探しにいこうと旅に出か
けます。次々に出会う動物たちも、自分より
大きな生き物を求めて仲間に加わっていく。
そして最終的に行き着いたところは?普通に
考えれば結末は想像できますよね。

大きさという切り口で様々な動物たちが登場
する絵本のひとつですが、冒険仕立ての物語
になっているところがポイント。出会いや体
験の積重ねによる成長、世界の広さに無限の
可能性を感じたり、想いの実現へと歩み出す
勇気をも伝えてくれるところがいいです。

-------【Review for Review】-------
今日は熊本からのフライトで日帰り出張旅。
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