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軽快な絵でブラックな話を楽しめる

アルファベットの各文字にちなんだ26もの
ショートストーリー絵本。かなり分厚く読み
終えるまで時間がかかるかなと思いましたが、
話は単純で英語も読みやすく、サクッと楽し
めました。中学生くらいからならOKです。

特に「どこいったん/ジョン・クラッセン」
が好きな人はハマるでしょうね。というのは
かなりブラックなオチが多いので。

例えば、(強行採用して歴史的汚点になって
しまった某エンブレムの)「T」のタイトルは、
The TERRIBLE TYPEWITER 
打ち込んだ内容が現実化してしまうタイプラ
イターの話です。タイピストは自ら出現させ
たモンスターにパクリと食われてしまう・・・

基本は4ページで簡潔する4コマ漫画的構成。
絵のタッチもコミカルで、次の話は何かな、
と軽いスナックのごとく味わえました。

-----------REVIEW FOR REVIER----------
昨日は新装されたエンポリウムへ。
クロワッサンたい焼きが出店しているとは
驚き。
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魔法的な眠りの世界へ

月明かりの中、眠る女性に大きなライオンが
が歩み寄る。ルソーの名画とイメージが重な
りましたが、カバー折り返しの作者紹介欄に、
子どものときに観た「眠れるジプシー女」に
着想を得たとのコメントがあり驚きました。
動と静の対比、眠りの世界で目覚める無意識
的本能など、確かに通じるものがあります。

絵本で象徴的なのは、ライオンたちが海から
出現するシーンです。泳いで来たというより
魔法のごとく湧いて出てきた感じが幻想的。
さらに金色に輝く体のなんと美しいことか。

女の子を背中にのせ星空を駆け抜ける壮快さ。
動物の星座と冒険を共にする雄大なスケール
感など、グイグイと画面に引き込まれてしま
いました。眠りへと導く絵本のベスト10が
あれば必ず入れたい作品です。

-------【Review for Review】-------
明日はバンコクへのフライト。
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デジタルでアナログ

赤ちゃん絵本といえばカラフルなものが多い
ですが、あえて白黒をキャラにした異色作。
造形的にはこれ以上ない明解さで、ぐるぐる
とかどろどろといった擬音と共に模様が変化
する面白さが楽しめます。

相反する2つの概念を感覚的に伝える効果も
あります。例えば対人関係で喧嘩や和解とか。
さらに、相手があってこそ自分の姿も存在し
得るといった共生関係や、0と1の2進数的
なイメージもあったりと、単純なだけに奥が
深いです。

-------【Review for Review】-------
夏休みの最終日。
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妖怪ジュラシックワールド

見世物小屋は独特の怪しさや胡散臭さがいい
のですが、そこに本物の妖怪が登場してしま
ったら反則的な人気がでるでしょう。

作品の舞台は江戸時代。現代からみれば架空
の世界とも言えるので、妖怪たちが興行に加
わるという突拍子もない状況も違和感なく、
素直に受け入れることができました。

特筆したいのは見世物小屋を始めとした江戸
の街並みがしっかりと描かれているところ。
そこはさすが建築関係出身の作者ならではで、
3D特撮映画並の空間体験が楽しめますよ。

妖怪たちを自由な表現を管理規制しようとす
る権力への反抗として描いたところも、この
絵本の特徴といえます。

-------【Review for Review】-------
昨日観た映画にさりげなく関連させてみた
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カメくん間一髪

動物たちが各々持ち寄った材料で料理をする
という馴染みやすい構成。ゆっくり進むカメ
くんを追い抜いていくかたちで、集まる動物
たちと持ち寄る材料を紹介していく展開も判
りやすいです。実はそれらが後に続く驚きの
仕込みになっているわけですが・・・

どれか一つがかけても誕生会にならない点で
上手いことチームプレーが成立しています。

それにしても、遅れてきたカメくん、そんな
お茶目な場所で居眠りはないでしょ。

-------【Review for Review】-------
今日のレビューはお茶の水のホテルより
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あっ、こんなところにもセイウチが!

なんだこりゃ?と気になる表紙。デカデカと
書かれた探せというタイトルと、セイウチが
どこにいるか一目で判る絵とのミスマッチ!
いわゆる緻密に描かれた絵探し絵本ではなく、
動物園から抜け出したセイウチと飼育員との
追走劇を描いた作品です。

パターン化されたシンプルな絵が、かえって
セイウチ君の存在を際立たせています。特に
街の人々に混じり込んだセイウチ君の芸達者
ぶりにはニヤりとさせられます。読み進める
うちに2人の信頼関係も伝わってきました。
彼が本領を発揮するシーンはなかなか痛快!
飼育員もビックリで、動物園での待遇も一変
するほど。よかったねセイウチ君となります。

実はこの作品、続編が予定されてるんですね。
「Where's Walrus? and Penguin?」
こんどは小さなペンギンと抜け出すのか。

-------【Review for Review】-------
なかなか寝苦しい日が続くなぁ。
プールに飛び込みたい。
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絵の美しさが救い

どこかユーモラスで心象的な表現に包まれて
いるのですが、内容はとてつもなく凄まじい
ものがあります。

兄弟たちが普通にできることが、どうしても
うまくできない鳥が登場。自分なりに工夫や
努力をしているものの、それでも失敗する姿
がこれでもか続くのは見ていて辛くなります。
特に気になったのは、親鳥や兄弟たちは何も
関わってこないところ。血のつながった者に
対して、あまりにも無関心すぎないだろうか。

なので、鳥が自分にできることを自己犠牲と
いう形で見いだした姿に作為的な印象を持っ
てしまいました。もっと小さなことでもいい
から努力が報われても良かったのでは・・・
(ボクの心が素直でないのかなぁ)

これはもともと鳥ではなく鳥になろうとした
別の生命の物語だったと受け止めたいです。

-------【Review for Review】-------
最近はまっているDVD「バクマン」
漫画はよんでいるけど、音や動きとして
新たに味わえ直せるのがいい。
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笑いのスパイス

ひとコマ漫画だと言われなければ、遊園地の
楽しい風景として見過ごしてしまったかもし
れません、表紙のジェットコースターは・・
気づいた者だけがニヤリと笑える。

収録された漫画は、見てすぐ笑えるものもあ
れば能動的に笑いを発見したり、解釈を膨ら
ませる力が受け手に求めらるものもあります。
モチーフも日常生活〜国際的問題〜童話に至
るまで幅広く、作者が読売国際漫画大賞を始
めとした数多くの漫画賞を受賞しているのも
うなづけました。

本来ならデザートのごとく一日一作品を味わ
うくらいが丁度いいのですが、それらを一冊
にまとめてあるのは、ある意味贅沢かも。

裏表紙のピクトグラムをモチーフにした作品、
「トイレこちゃん:こどもえほんランド」を
連想してしまいました(笑)

-------【Review for Review】-------
夏休み。とある技に磨きをかけたい。
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さいごに船

同タイトル2の小さな飛行機と同じように、
3も最初から一人で進んでいきます。しかし
ながら、飛行機のヒヤヒヤフライトに比べて、
彼女(たぶん女の子)の航海は堂々としてます。
海で出会うものたちが、なにかときをつけて
くれるところも安心ポイント。

三冊を通してよむと、小さな心が道や空や海
へと親の導きを離れて旅立ち、再びもどって
くる構成として受け止めることができます。
オチのひとことが効いていますね。

その意味でかわいい三部作の完結編といえる。

-------【Review for Review】-------
明日から夏休み。今日の仕事は流していこう。
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つづいて飛行機

同タイトルの1では小さなトラックと大きな
トラックが走ってましたが、2では飛行機が
ひとりで空をすすみます。続けてよむと、親
から離れて自立しようとする子どものように
もみえますが、この飛行はけっこうヒヤヒヤ
させてくれますね。

体験を重ねることが目に見える形で描かれて
います。多少の失敗は大丈夫!皆そうやって
どんどん高みへとすすんでいくのだ。

となると船の3もきになる。

-------【Review for Review】-------
もうすぐ夏期休暇。このまえ正月がきた
ばかりだったのになぁ・・・
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