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子どもvs大人の主張合戦2

勝手な妄想をさせていただければ、絵本に登
場するパパは、前書「りゆうがあります」に
出てきた男の子が大人になった姿とみている。
その根拠となるセリフだってちゃんとあるし、

「パパもむかしこどもだったからよくわかる」

子ども時代に、ママの小言を鮮やかに切り返
してみせた屁理屈のキレが復活、今回は自分
の娘に対して発揮されるという展開だよね?

大人はズルいと次々に文句を繰り出す娘への
言い訳はさすがに手慣れたものです。パパの
圧勝かと思いきや、子どもだってズルいよ、
というパパの逆襲への女の子の返答がいい!
これを言われたら降参ですな。

しかしこの家族は女が男に突っ込みをいれる
血筋なんですかねぇ・・・お爺ちゃんvs孫
とのエピソード3も期待したい(笑)

-------【Review for Review】------- 
そろそろ例のものを清書しようかな。
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世界の中心にある田舎

絵本の舞台はサルデーニャ島の内陸部にある
オラーニ村。そこは作者の父の田舎で、幼き
頃に訪れたときの思い出が瑞々しいタッチで
紹介されています。深みあるオレンジの屋根、
白いしっくいの壁、集落を囲むモスグリーン
の山々など、まさに地中海の田舎的風景。

オラーニ村へは行ったことはありませんが、
なぜか懐かしさで、心が満たされてしまいま
した。作者の描いた体験を通し、自分も村人
の一員であったかのような気持ちになったせ
いでしょう。日本人の立場からすると、そこ
に異国情緒も加わるのですが、たとえ国籍や
文化は異なっていても、故郷を想う気持ちは
いっしょだなと実感できます。本を閉じた後
も余韻は続き、自分の子どもの頃に母の田舎
で過ごした時を振り返ってしまいました。

ところでサルデーニャ島といえばこんな絵本
をご存知?→「イワシダラケはどこにある?」
サルデーニャをイワシだらけの島と勘違いし
た猫の旅を描いた楽しい作品です。

-------【Review for Review】------- 
映画「少年時代」のロケ地となった
小学校を訪れたときも懐かしい気持ちに
なった。
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バナナのエンブレムもそれらしい

おさるの運行する列車はバナナが切符がわり。
車掌のサルが、前から順番に客車を移動して
切符を集めていきます。面白いのは車両ごと
に、似たような動物たちが乗っているところ。
クマ系とか角系とか肉食系とか。極端に体の
大きい者や小さい者たちの車両もあります。
動物紹介というより、列車の乗客という状況
で色々な特徴を表現した作品ですね。

途中で通過するトンネルや、天気の変化でさ
えも、動物たちの個性を伝えるのに一役買っ
てます。見開きごとの関連性もよく考えられ
ていてページをめくるのが楽しかった。

ごまかしなく丁寧に描かれた画面も好感がも
て、本当にこんな列車が運行しているのでは
と思ってしまいました。

-------【Review for Review】------- 
昨日は姫路から3時間かけて熊本へ。
電車の中でウトウトって気持ちいい。
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暑苦しいほど恐いぜ

怪談部とは、怖い話が好きな生徒が集まった
小学校のクラブ。近々発表会をひかえ、顧問
の先生の熱血指導が炸裂します。体育会系の
ノリと怪談の組合わせが斬新ですね。

ジャージ姿で鞭を持ち、生徒らに気合いを入
れる姿は別な意味で恐い、と言うか端でみて
いると面白いです。その勢いは本物のお化け
でさえタジタジとなる程。

怪談の王道パターンをふまえた展開で、次に
ウワッと、くるぞくるぞと思わせて、期待に
応える。かと思いきや、ボケが入ったりして
コントのような緩急のメリハリもいいです。
元は創作落語で、実は作品全体が怪談として
完結するのですが、怪談部そのものが珍しい
ので活動をもっと見てみたくもなりました。

力のこもったクレヨン画は、怪談に人情味を
加え、古き良き頃の郷愁を伝えてくれます。

-------【Review for Review】------- 
今日は調べもので明石の図書館へ行くのだ。
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新しくも懐かしい

もはや数多くの絵本が出ている定番作品なの
で、作者による味付けの違いを楽しむのが主
となる方も多いでしょう。マクリントックの
ファンはもちろん必見です。

彼女のノスタルジックな画風は、舞台となる
時代の雰囲気にマッチ。あたかも17世紀か
ら存在していたかのような空気感が伝わって
きます。味わいどころとしては、シンデレラ
のお茶目な側面が描かれているところでしょ
うか。姉達との会話でニヤリとなるシーンが
あります。彼女の絵本には、女の子の主人公
が多いですが、その子がシンデレラを演じて
いるかのような感じですね。

最近の作品かなと思いきや、原初が登場したの
は約10年も前。彼女の絵本人気がじわじわと
日本でも高まってきたので、過去の作品も邦訳
されるようになったのかな。

-------【Review for Review】------- 
寝たくなったら寝る生活が続く。
自由すぎる。
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魔術を使わないオールズバーグ

彼が空想の話ではなく、事実を元にした絵本
を作るとは、珍しいですね。しかしながら、
いつものモノクロ画面を見ていると何か奇跡
的な事が起こるのではないかと期待してしま
います。だってそうでしょう。樽に入り巨大
なナイアガラの滝からの落下に挑む者を描く
のですから。しかもそれは小柄な老女!

いったい何の為に?彼女に崇高な志があるの
かといえば否で、地味な人生から一転、成功
を機に講演会やグッズ販売等で華やか余生を
目論むという下心満々。俗世間的な人間味に
かえって共感してしまいました。

なのでこの作品の見所は、成功するか否かと
いうサスペンスだけでなく、その後の老女の
顛末を描いた所にあります。世間は命知らず
の快挙を成し遂げた者に最初は興味を持つの
ですが、興行魔術師的怪しさや、美人冒険家
といった超越的存在を求めてしまうからでし
ょう。期待したほど注目されずで・・・
 
もしこの実話に奇跡を見いだすなら、樽で滝
から落下するという突飛な発想を実行に移し
たところにあるのでは。それを成し遂げたと
いう満足を味わえるのは彼女だけだ。

それを成し遂げたのは一体どんなヤツだ?
という観点で気になるのは、五輪エンブレム
公募で採用される人。やっぱり!となるのか、
それとも、え〜っ!という人か興味津々です。

海外留学中の美大生
公募が趣味の主婦
某代理店の特命チーム
帰化したばかりの外国人
正体不明の大御所デザイナー
あるいは・・・
得てして現実は想像の斜め上を行くもので。

-------【Review for Review】-------
風邪、回復してきた。
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足元にある大自然

なんて泥臭い絵!なんて言葉が褒め言葉にな
る絵本ですね。筆でぐりぐり描いた見返しの
画面が子どもの殴り書きのようで、心地よい。
茶色を使っているので泥遊びに通じるからで
しょう。でも土はすぐ登場しないんだな。

いきなり顔を出すのは太陽だ。土だけ描くと
暗い画面になりがちなところ。マクロ視点で
は地球とのご対面なんですが、ミクロ視点で
土たちの表情を一粒一粒描いているのは驚き。
この手間のかかる愚直な作業も実に泥臭い。

土は太古から我々の足元を支えてきた存在で
脇役的な存在ですが、今回は絵本で主役級の
動物らが脇役となり、土たちの魅力を引き出
してます。スリリングな場面やしんみりした
場面などの演出に一役買うことで。

あえて稚拙な言葉使いをすることで、知性よ
りも原初的な命の存在を感じさせるところも
泥臭いですが、全体を通してみると、華麗な
力強さが伝わる作品。彼女にオリンピックの
キャラクターを描いてほしいなんて思わせる
ほどに。

-------【Review for Review】-------
こんな話、お米でもできそうだなあ。
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視覚の死角

様々な動物たちの視覚能力を紹介する絵本な
んですが、ミステリー仕立てにしたところが
秀逸です。女王様の影を停電の間に盗んだ者
は誰か?容疑者は舞踏会に集まった動物たち。

左右の眼で別々の方向が見れるヤツなのか。
又は、人間の10倍もの色を識別できるヤツ。
曇った中でも明暗がくっきりと判るヤツかも。
暗闇でも温度を認知できるヤツも怪しいし…

世界は人間の眼に映ったものが全てではない。
いや人間同士でさえ、お互いの見ている色が
同じかどうかさえ判らない。生まれながらに
赤と青を逆に認識していても何ら問題ないし。

アンティーク調の木版画による動物たちの描
写は、突拍子もない設定に科学的な風格をも
たらしていますね。果たして真犯人は誰か?
推理物としてはもっと意外性が欲しかった。
あるいは動物たちの特殊能力を事件の解決に
むすびつけたほうがスカッとしたかも。

-------【Review for Review】-------
日曜から風邪気味、大事をとって今日は有休。
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五輪エンブレム公募の参考に

サブタイトルにあるダイナミック・アイデン
ティティとは何か。それはブランドロゴの運
用に柔軟性や即興性を持たせることで、変化
し続ける環境や時代のスピードへ適応できる
ようにするという新たなデザインの潮流。
運用ルールを厳格に固定することでビジュア
ルアイデンティティを確立させるという従来
のやり方を超えるものとして紹介されてます。

手法としては特に目新しくないものもありま
すが、ダイナミックアイデンティティを6つ
に分類整理しているのはとても解りやすい。

特に白紙撤回となった五輪エンブレムの目指
していたのものを理解するにはお勧めです。

Tをモチーフにした当初の提案は、丸、四角、
三角という基本図形を構成要素とすることで
組合わせによる展開力を確保し、黒、赤、金、
銀の日本の伝統工芸的配色によりイメージの
統一を図っていました。これは本書によれば
DNA手法に分類できるでしょう。ただし、
それが裏目に出てしまい、国際的スポーツの
祭典に期待された躍動感や華やかさを欠いて
しまったのは、多くの方が指摘している通り。
加えて様々なパロディーが生み出されること
で展開力の高さが証明されたのは皮肉な結果。
こんなはずではなかったという心の声が聞こ
えてきそうですがコンセプト先行のデザイン
が陥りがちな失点と言えますね。

原書は三年前に出ているので、内容を知って
いるデザイン関係者も少なくないでしょう。
GRAPHの北川一成氏へのインタビューが
載っているのは日本版ならでは。

-------【Review for Review】-------
絵本以外のレビューをするのはこれが初めて。
レビュアーアイデンティティに反してますが、
特例ということで。
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昔話が二度美味しい

おもちや、文房具、のりもの、お化け、動物
シリーズ前5作は、いづれも具体的な形があ
るものでした。で、今回は昔話。話になると
いうことは??かなり高度な変身をするのか
と思いきや、昔話の主人公になってみたので
した。ある意味、王道的な成りきり妄想なの
ですが、そこにヒネリが加わっているところ
がポイントです。

たとえば桃太郎ならば、川を流れる桃の中に
入ってみたらどうなるかとか、おおきなかぶ
では、抜かれる側のかぶになってみるとか。
空想世界に現実視点を持ち込むことで、より
生々しく物語りを体験できますよ。

もちろんそれぞれの昔話を知っていることが
前提条件。なので見開きに簡単なストーリー
紹介があるのはうれしい配慮です。
しかし、有名なシーンも子ども視点で成り代
わってみると、けっこう笑えますね。

大人視点でシニカル方向の共感絵本としては
「つぶやき隊:つぶやきシロー/谷口崇」
もかなり説得力がありました。

-------【Review for Review】-------
今日は一日何になろうか?
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