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幸せの呪文

幸せとは探すものではなく気づくもの という小山薫堂さん
の言葉を思い出しました。

ぬいぐるみのクマさんが本物の熊へ会いにいく。途中で色々な事に
遭遇しますが、その度に発したのがタイトルの言葉。
何気なく過ぎ去っていく日常の中のちっちゃな幸せに
気づけたらきっといいひになる。1日の終わりに言ってみたい
言葉でもありますね。いいひが続けば、いいつき、いいとしに。

表と裏の見返しにある4コマ漫画。ひとつはクマさんの1日。
もうひとつは空白になってて、読者が描き込めるように
なっているのですが、そこに荒井さんからのメッセージも
込められているところがポイント。なかなか粋な計らいです。

ところで、arai ryoji と sorya mo ihi
なんだか似てると思いませんか?

-----------【Review for Review】-----------
昨日はテクノリサーチパークへ。通勤路の近くなのですが
寄ってみたのは初めて。これがなかなか穴場。手入れが行き届いた
適度な広さで、ちょっと落ち着きたいなと思うところに
ベンチがあったりして居心地が良かった。
そりゃあもういいひだったよ。
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おじいちゃんのゆめのしま

2016/03/27 Sun 07:11

おじいちゃんの航海の終着点

絵本ならではの見事な語りで、おじいちゃんと
孫の別れが描かれています。

孫のシドが招待された島とは何だったのか。
ありがちな天国のイメージではなく、おじいちゃん
の生きた証として描いているところが秀逸ですね。
かつては船乗りで世界中を旅して、引退後は趣味の絵を
楽しんでいる、そんなおじいちゃんならではの世界。

同作者の「あのひのクジラ」のときもそうでしたが
ディテールの描き込みに魅入ってしまいました。
小道具のひとつひとつにまで神経が行き届き、
絵によって物語性が深められています。

-----------【Review for Review】-----------
今日は知事選の投票日。夕方散歩がてらに行こう。
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すごいぞ代表パワー

○○代表を意識することで、それにふさわしい行動を
しうようとするきっかけになる。

○○代表の○○は自分の所属するグループや相手が誰かによって
変わってきます。例えば小学生の場合、町の人に対しては
小学校代表。これが外国人に対すると日本人のこども代表。
スケールアップして宇宙人に対しては地球人代表となるわけだ!

そんなわけで、先生の巧みな指導により、地球人を意識しながら
遠足に出かけた小学生たち。見るもの出会うものを宇宙人と
みなしてしまいます。日常的なシーンであっても、よしながさんの
絵が謎掛け風になってて、あれっ?と騙されてしまうのです。

もちろん子どもたちが代表力を発揮するシーンも登場。
入学の季節にもぴったりな作品です。

-----------【Review for Review】-----------
部屋の整理をしてたら、昔集めてたピンバッチが出てきた。
最近はそれをつけて、さりげなく○○好き代表的な
アピールを楽しんでます。
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オオカミもびっくり

いつものごとく冒頭にミミズクじいさんのつぶやきが
あって、なんとなく展開はイメージできたけど、
オオカミの行動は謎でした。穴を掘る。大きな穴を掘る。
いったいどうするのか?仲良しのキツネにさえ教えない。

終盤でなるほどと判明。いままでシリーズに登場した
他の友達たちも勢揃いして盛上がってます。
みんなも楽しんじゃてますね。

いったい何が起こったかは、本をみてのサプライズです。

-----------【Review for Review】-----------
今月は定時あがりが続くせいか、過ぎ去るのが
早い早い。申年ならぬ去る年。
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災害時に出動

工事現場で作業をしたり、人や物を運んだりする車両は
よく絵本に登場しますが、あまり見かけないのが
パトカーや救急車などの緊急車両。

特殊な機能が見た目で伝わってくる作業車に比べると、
一般車に近い姿をしているせいもあるか。我々の暮らしを
守るために、いつも働いているんですけどね。

ボクも通勤中によく見かけたりするものの、あっと言う間に
通り過ぎてしまうので、なかなかじっくり見ることがない。
白バイなどには近づきたくないし(笑)

それだけに正確なイラストで特徴を紹介した本書は
興味深いものでした。欲を言えば運転席なども見てみたい
ですが、子どもには充分な内容だと思います。

前作「どうろこうじのくるま」と同じく
各車とも初めに前と後姿が紹介され、次のページで側面と
共に使われている様子が解説されるという構成。
最後は登場した車が一同に集まり、現場でみごとな
チームワークをみせてくれます。 

-----------【Review for Review】-----------
緊急時に活躍する乗り物とくればサンダーバード。
リニューアルされたCG版の詳細な図解が見てみたい。
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カウントアップかダウンか

カウンティングブック形式で、様々な動物が1から10まで
紹介されています。なんといっても写真と間違えるほど精緻に
描かれたモノクロの絵がみごと。シンプルな白の背景も効果的で
それぞれの動物の美しい姿態に魅入ってしまいました。
 
登場するのはライオン、キリン、ゾウなどお馴染みの動物たち。
実は共通点があって、皆絶滅の危機に追いやられていること。
絵本の世界では普通に活躍している動物たちだけに、現実世界で
の事実を知って、改めて衝撃を受けました。

そして10から1までカウンドダンウンするするように見返すと
印象が変わりました。命の連鎖や未来への希望を内包させた文章が
じわりと胸にしみてくるのです。最後は動物たちを代表するかの
ように我々を直視する1頭のライオンの視線が迫る!

-----------【Review for Review】-----------
昨日の職場からの帰り道は大渋滞で困惑した。
世の中は3連休の最終日と気づいて納得。
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おえかきしりとり

2016/03/21 Mon 05:37

しりとりで夢の競演 

絵だけのしりとり、言葉はなく絵と絵のつながり
を示す矢印をもとに何が描かれているかをたどる。
リンゴ→ゴリラ→ラッパ と最初は簡単ですが、
だんだんとヒッカケや遊びが加わって難易度も
あがっていきます。

さすがに個性的な絵本作家が集まっただけあって、
魅せてくれますよ。ちょっとした小話的な繋がりが
あったり、前に出たものが間を置いて別のものに
関係してきたりと、トリッキーなこともやってくれます。
作り手も楽しんじゃってますね。
最後に絵本としてのオチもちゃんとあるなど
完成度も高いしりとり絵本の奇跡的傑作です。

面白い企画なので、ぜひ第二弾の登場を期待したい。

-----------【Review for Review】-----------
今日は稼働日、世間は休日なのだが。
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絵本好きほど騙される?

ん〜 これは絵本であることをトリックにした
ミステリーと受け止めることもできる作品です。
いやぁ、みごとにやられました。そうきたか!
後から見返すと所々にヒントはあるんですけどね。

これ以上は書けません。よんでのお楽しみ、
というか普通に絵本としても楽しめます。

毛布やクッションで作られたあたたかい洞穴。
問題は一人分のスペースしかないこと。
クマの立場からすると、なんとかそこへ潜り込め
ないかとなる。クマの好みを熟知した男の子との
駆け引きが見ものです。

-----------【Review for Review】-----------
ハンバーガーの中身を重ねる順序については、
セオリーがあるのだろうか?
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アートと出会える

おおっ、ついに翻訳されたんだ!本屋でたまたま見つけて
思わず叫びそうになりました。

以下は原書「SEEN ART ?」でのレビューです。
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MoMAへ行きたいよ~

同作家コンビの「Math Curse」「SCIENCE VERSE」をよんだならば、
本書はその美術編ではと、期待する ファンも多いはず。
前作で算数や理科といった、頭のいたくなるような教科を
みごとにチャカしてみせた彼らが、美術という絵本にもっとも
なじみある世界をどうみせるのか?
その期待はいい意味でうらぎられます。
今回は舞台が教室ではなく、美術館での学外演習的な趣き。
彼ら流のやり方で、現代美術が紹介されます。
全体的にいつもの毒気は少ない分、上品な仕上がりですね。
舞台となる美術館の、ダダっ広さがよく伝わる極端な横長の判型にも
こだわりが感じられてGOOD !
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原書との違いを言うと、光沢とつや消し印刷の使い分けが
なくなりました。各作品の横にタイトル/作者名とページ数の
記載が追加されてます。本であることを意識させず無垢な心で
作品に出会うという意図では原書のままのほうが良かったのでは。

ちなみに出会った本屋というのは熊本で有名な長崎書店。
絵本でなく美術書の棚に堂々と置かれてました。

-----------【Review for Review】-----------
昨晩は大先輩の送別会。熊本から元の職場へ。
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隣の芝生は青く見える

男の子がサイのことをうらやましがる。
鎧のような立派な皮があっていいなぁと。
そこでサイの発したセリフが「とんでもない」です。
サイの立場からすればウサギの身軽さにあこがれるらしい。
するとウサギも「とんでもない」と別の動物の良さをあげる。
そんな風にとんでもないの連鎖が続いていきます。
行き着くとこは。百十の王ライオン? 海で悠々泳ぐクジラ?

動物たちがジャングルでなく人間の街で生活している様子が
リアルに描かれていてシュール。人それぞれの個性を誇張した
表現とも受止められます。人にはなくて自分にあるものは何か?
他者の視点を借りれば見つかるかも知れません。

-----------【Review for Review】-----------
時系列でいえば、過去の自分になくて現在あるもの
はけっこう見つけられる。
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