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化けの皮が剥がされた?

オオカミ=悪者というのが昔話のお決まりでしたが、
そのステレオタイプな役付けに疑問をいだき、人情味の
あるオオカミも絵本で描かれるようになってきました。
映画:ズートピアでは肉食動物と草食動物が仲良く
共存する理想郷まで登場しましたね。

そこにさらなるヒネリを加えたのが本作といえます。
絵本をたくさん読んでいる方ほどダマさ…いや楽しめるのでは。
よく出来たミステリーとしておすすめできます。
ちゃんとヒントや伏線も描かれているので、再読時に
感嘆してしまいました。

真面目に考察すると、オオカミの立ち位置もどこに焦点を
当てるかで変わってくるもの。善悪なのか、個性なのか、
文化の違いを象徴しているのか。まちがいなく言えるのは
オオカミも物語の中でちゃんと生きているんだなって事、
そして人間の持つ一面がリアルに投影されている事。
イエス! オオカミは我々自身の姿なのです。

さりげなく食育までしているのが隠し味風か。

-----------【Review for Review】-----------
移動先の部屋も整ってきた。大学生時代に
もどったかのような気分をエンジョイ中。
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ぽかぽか気分に

枕の男の子、掛け布団のママ、敷き布団のパパ。
たしかにこれで一つのファミリーですね。
そんな布団家族が活躍するのは夜とは限らない。
ちょっとしたうたた寝とか、軽く横になりたい
ときとかも重宝するし。もちろんお昼ねにだって。

というわけで、日向ぼっこの大好きな布団家族が
外に出かけると、そこへ動物たちが次々に、お昼ね
させてとやって来るのは自然な流れ。
さらに布団家族まで寝てしまうとは・・・

終始ほんわかした展開で気楽によめる作品です。
毛布のお婆ちゃんとか親戚の座布団おじさんとか
もいそう、なんて勝手に想像がふくらみました。

-----------【Review for Review】-----------
震災のときは避難場所でダンボールや毛布が大活躍。
布団のぬいぐるみとかあっても良さそうだなぁ。
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まるで笑点街

堅苦しいことは抜きにして、気軽に俳句が楽しめ
ちゃう作品です。詠むのは商店街の食べ物たち!
誰が一番の人気商品かで、けんけんがくがくし始め、
それなら俳句で決めようってことになる。

仕切り役の招き猫が俳句とは何かを説明し、
お菓子やら野菜やらが思い思いに5・7・5で
自分の魅力をアピールし始めます。

物語としては、ちゃんと前振りがあり、ひとつの山場を
超えた後で、それを踏まえてさらなる盛上りへと進み、
最後に大円団へと着地するところで、なんか少年漫画的な
面白さを感じてしまった。

人情味と言葉遊びの面白さが見事に結びついてます。

-----------【Review for Review】-----------
今朝は4時起き。さあ週末だ。
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写真館の人気の秘密は?

デジカメやスマホの普及で誰でも気軽に写真が
撮れるし、パソコンで後加工もできるので
写真の色々な楽しみかたができるようになりました。

逆にプロだからこそ撮れる写真とは何なのかが
問われるわけですが、そこにクルツの写真館の
人気の秘密がありそうです。

ネズミの助手チュータとの息もピッタリで
決定的な瞬間を見逃しません。先回りしたり、
偶然を活かしたり。写真の為にお菓子を作ったり
さえもします。これぞまさにプロの技!

どんな写真が生まれるかは予測不能ですが
結果オーライということで。

-----------【Review for Review】-----------
ローテーブルを追加購入。
部屋のセッティングがほぼ出来上がる。
さあ、頑張るぞ。
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回転ずしの意外なお客さん

もうおなじみになった、いろいろ食べ物シリーズ。
切り絵を活かした美味しそうなタッチはそのままに、
作品ごとに演出を変えているので毎回楽しみです。

今回いただくのは回転ずし。
次々にやってくる小皿にのった寿司を堪能したら
メインは丸ごと一匹の鮭・・・って。えっ?
注文したお客さんをみて納得。
きゅうり一本そのまま使ったかっぱ巻きや二段重ねの
鞠寿司など、変わり種も次々に登場。寿司が大好き
なのは人間だけじゃないのですね。

-----------【Review for Review】-----------
思ったより早く熊本にもどることになっちゃいそうだぞ。
夏休みまでと気合いを入れて移動したのに。
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田んぼの常連さんたち

なるほどレストランとはよく例えたものですね。
といってもコックはいない。(あえて言えばそこを耕す人間か)
田んぼは四季を通して様々な生き物が入り交じる場でもあり、
そこに食べる食べられるの捕食関係が発生する。いわば
自然に発生するレストランあるいは食堂の場でもあるのだな。

なので、タイトルからほのぼのとした内容をイメージすると
ちょっとショックを受けるかもしれません。愛らしく描かれた
生き物がいきなり他の生き物に食べられるシーンも出ますから。

食物連鎖というとライオン等を頂点とした世界を思い浮かべ
ますが、田んぼという身近なところにもちゃんと存在していて、
実に様々な動物や虫たちが関係し合っていることが分かります。
見返しには登場した動物や虫たちの一覧があるので、
絵さがし的にもういちど見直したくなりますよ。


-----------【Review for Review】-----------
ゴールデンウィークは実家で田植えを。
確かに田んぼにはいろいろな生き物がいる。
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発想の飛躍?

タイトルにもあるようにアイデアや発想の楽しさを
絵本化したように受止めました。前半のほのぼの
とした展開から一転、後半は唐突にトラブルが発生。
それを回避するために鳥と猫がアイデアを出し合って
脱出用の乗り物を作る・・・ 

トラブルといっても抽象的にパターン化された絵柄
なので生々しさはなく、絵として楽しむことは
できます。ただし、大地震のあったばかりの、この時期に
みると天変地異のごとく過激に解釈する方も多いのでは。

その意味でいうと、表紙のさわやかな印象とは違和感の
ある内容が気になりました。

-----------【Review for Review】-----------
昨日は日常品の買い出しへ。勝って知ったる地だけど、
3年ぶりにくると微妙に変化してる。
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大小について考えてみる(ちょっとだけ)

大きいとか小さいというのは、相対的なもの。
ですから、ゾウにとっては小さな物でもネズミに
とっては大きな物という関係もあるわけです。

ゾウが好きな小さい車とネズミの好きな大きい車が
実は全く同じ車だったりしたら面白い。

大人のネズミがゾウの赤ちゃんを見た時は、
「なんて大きくてかわいいんでしょう」という
ほめ言葉もありえるわけですね。

成長するにつれて小さくなる生き物っている
のだろうか? その場合、小さくなったら何になり
たい?なんて親子の会話があるんだろうなぁ。

なんてことをページをめくりながら考えました。

-----------【Review for Review】-----------
灰色は黒から見たら白いけど、白から見たら黒い。
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鮮度に秘密あり

彼らの気持ちはよくわかりますよ。
まるで生きているみたい、と客に言わせたいんですね。
魚屋の商品としては、最高の褒め言葉ですから。
これはある意味、魚たちの営業活動と見なせばいいのか。

これが実に、子どものイタズラ心をくすぐる良いポイントを
ついてる。寝たふりをして親や先生の目を欺く快感に通じてます。

閉店後に人目を忍んで夜空をのびのびと泳ぎ始める魚たち。
猫の襲撃もなんのそので、好き勝手に遊ぶ姿は見習わねば
ならんなぁ、なんて大人のボクは思うのであった。

売られてしまう前になぜ逃げ出さない?
なんて突っ込みはもちろん作者の想定内でしょうね。

-----------【Review for Review】-----------
今朝は池袋より。いよいよ明日から仕事再開だ。
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陽気な喪黒福造か

はなくそ、うんこ、げっぷ、おなら・・・うっ、朝っぱらから
こんな言葉を書き連ねたくないのですが、この絵本を語るには
さけられないので失礼ごめん。

ピンと立った髭が特徴的な胡散臭いセールスマンが登場。
まるでイタリア人版の喪黒福造かって感じなんだけど、
売ってる物はきわめてまともで、汚いものから
宝石や食べ物や音楽や香水などを作り出すという
究極のリサイクルマシーン。本当こんな製品があったら
ブラボーですよね。

ん? いや、まて、本当にいいのか?
それを購入して満足げな人々が増え続けるにつれて、
わきあがってくる不安な気持ちはなんだろう。
一足飛びに幸せを得ることへの本能的な警戒心なのか?
なので、この結末には何故か安心してしまいました。

話の構造的には、狐やタヌキに化かされる民話と同じで、
現代的な設定とモダンなタッチの絵で我々に馴染みやすく
アレンジした作品ともとれます。
また、便利な文明の背後に隠れている相応の犠牲やコストを
寓話的に露見してみせたとも受止められますね。

-----------【Review for Review】-----------
芸術的な行為は人工知能がとってかわるのは難しいでしょうが、
味や香りの判断のようにセンサーとして優秀な機械を作る
ことは可能かもしれない。ソムリエマシーンとか。
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