いもうとかいぎ：石黒 亜矢子：ビリケン出版

2016/08/07 Sun 07:31

不気味カワな世界にハマる

蝶の羽がついた猫の魑魅魍魎な姿が印象的。
水玉の和服がさりげなくファッショナブルで、そんな
毒々しい可愛らしさは、ダンゴムシや出目金や女郎蜘蛛など
他の登場キャラにも言えます。いいなぁ〜
（ショッカーの改造人間に子どもがいたら好みそうだ）

世俗を超越した容姿をもつ彼女たちですが、考えることは、
いかにも子どもっぽい。姉さんたちの勝手な行動にどうにも
不満をもっているところで一致団結、対策会議を始めます。
この展開、姉、兄のいる読者は大いに共感するのでは。

張り切ってお互いの案を出し合ったものの、幼い彼女たちに
出来ることは限られていて、背伸びじみた勢いとつたない
発想のアンバランスが微笑ましいです。

話は分かりやすいので、石黒さんならではのクセある
世界観にすんなり入っていけます。ありふれた妖怪絵本に
食傷ぎみの方にもおすすめ。

-------【Review for Review】-------
昨日は絵本セラピーなるイベントに参加。
絵本のもつポテンシャルを実感できました。
もしこの絵本がセラピーで使われるとすれば、
姉妹喧嘩、空想世界、なんて切り口になるか。