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桃色活劇

中身が体操選手という身体能力の高いゆるキャラが、
こどもたちに向けた図書館の設立に奮闘します。
普通に絵本として読めたので、元が落語だったとは
特に意識しませんでした。

インパクトある絵の力が大きいせいでしょうね。
モモリンがここまで大胆に描かれるなんて、志の輔さんの
想像を遥かに超えているのではないでしょうか。

書家の達人が描いたかのような筆運びが絶品で、
大胆な線や繊細な線など織り交ぜて実に表情豊か、
極端な構図をとりながらも、空間の整合性を保っている
ところが見事と言う他ない。

いったいどうやって描いてるんだろう。
いぬんこさんの身体能力もある意味で体操選手並か。
原画がみてみたいなぁ。

-------【Review for Review】-------
熊本も寒くなってきた。絵本をみるにはいい季節だ。
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猛獣たちのお通り

横長の大きな画面を獣たちが次々に通り過ぎてゆく。
そこは獣道(けものみち)。生い茂った草木に隠れて
彼らの全貌は見えないが、確かに獣がいる。
動物園では決してみられない野生の獣たちだ。

いや、今の地球を見渡しても存在しない獣たちだ。
ひょっとして描かれているのは人類が滅びた
遥か未来のジャングルなのか?あるいは異星の話なのか?
獣の匂いを視覚化した表現なのかもしれない。
いずれにせよ獣道は全ての物を受け入れる。
たとえ常識を超えたものであっても。

どの画面も色彩が豪快に乱舞。獣=絵の具の匂いとも
感じられる。その意味では作家ならではの
野生の感性が発露しまくっている絵本。

-------【Review for Review】-------
デジカメの紛失届けを出したものの、
部屋のひょんなとこに置き忘れている
可能性も捨てきれてない。
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五感で互換を楽しむ

お互いが着ているものを取り替えるのですが、
果物どうしでやってるところがポイント。
例えば、ミカンがバナナの皮を身に着けたりとか
なんてことをしちゃいます。似合う?似合わない?
単純に、見た目の変化が楽しめるだけでなく、
形や色や質感などの変化も意識できるような
絵柄なので、もしこんな果物が居たらなんて
想像も膨らみます。

絵本では表現が難しいですが、味まで入れ替わったら
どうなるんだろう?なんて思ったりも。
バナナのように細長い形をしたメロンがあったら
簡単に皮がむけて食べやすいなぁ・・・

-------【Review for Review】-------
良い意味で自分を騙してしまうという技を
いくつか思いつく。
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たしかに猫ってこんな感じだ


同じネコの姿でも誰が見るかによって、受け止め方も変わる
わけで、例えばネズミにとっては猛獣の姿に、
ノミにとっては毛むくじゃらの草原のようになる、なんて
ことが絵的にわかりやすく描かれています。

単純なだけに色々なことを考えさせられました。
自分自身が他からどう見られているか、とかね。
客観的な視点は持っていたいと想うものの、
解っているようで実は解っていないのが自分だったりするし、
同じ作品であっても、時間を経ると解釈が変わってくる
こともある。自分の持っている尺度と理想とする尺度の
ズレを補正し続けることはいつまで続くのか・・・

逆に、色々な見方があってあたりまえでもある。
一つの物事に執着して身動きが取れなくなりそうに
なったとき、この絵本のことを思い出すことにしよう。

-------【Review for Review】-------
今日は出勤日。
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キノコの天敵現る!

最近は大人向けと称した高級指向のお菓子やアイスなどが
発売されていますが「きのこの山」にもありましたね。
そのうち老人向けの食べやすく身体に優しいお菓子も
登場してくるのでしょうか。絵本も老人向けとか・・・

そんな世の中の流れはさて置き、おじいさんおばあさんは
昔話によく登場しますが、本作のように食べ物キャラで
主役級となると珍しい。正に珍味の絵本です。

今回の見せ場は巨大生物との壮絶なバトル。
巨大といってもキノコ視点ですが、画面いっぱいに描かれた
○○○○は迫力満点。今回も乾物ならではの特徴が存分に発揮され
てますよ。

3作目があるとすれば、乾物系の仲間が登場するとみます。
干し肉系とか干し柿等の果物系、増えるワカメ等の海藻系.etc
けっこうあるもんだなぁ。

-------【Review for Review】-------
夜中の散歩はついつい長距離を歩いてしまう。
昼間とは違う風景が新鮮なので。
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ユーモラスなホラー

真夜中に、ありえない場所から手足がニュルルーンと出没。
テレビ画面から黒髪の女が出て来きたら恐怖ですが、ご安心を。
出没場所は公園の遊具で、出て来るのは妖怪などではなく
親しみのある動物たちですから。
砂場やジャングルジムなど、それぞれの形や色に関連づけた
動物になっているところも納得しやすい。
ひょっとしたらありえるかも!?なんて思ったり。
擬音に合わせた書体のアレンジもさりげなく凝ってますね。

-------【Review for Review】-------
でてこい でてこい。○○でてこい。
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響け ひび毛 髭ひびけ

男の子がこのラッパを誰かに向けて吹くと、
あら不思議、髭が生えてしまう。あれもこれも、
えぇっ!というものまで髭が生えまくっていきます。

なんといっても、ラッパとの組合せが絶妙! 
髭ギターとか 髭ハーモニカとか 髭太鼓じゃないんですよね。
ひげらっぱ 言葉の響きが音感的だし、吹いている姿が、
吹き矢みたいに方向性を持ってて絵的にもいい。

その意味では、先日レビューしましたが「ケチャップれっしゃ」
にも通じるユーモアのセンスが鳴り響いてます。


-------【Review for Review】-------
九州道の基山サービスエリアでイチゴにひげのついた
パッケージのお菓子を発見。この絵本を思い出して
つい買ってしまった。
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開けてビックリ、ミラーマジック:その3

鏡仕掛け絵本1作目の「ふしぎな にじ」では色と形の不思議な造形美、
2作目の「きょうの おやつは」では目の前でホットケーキが作られていく
かのような臨場感に見とれてしまいました。そんな鏡反転の仕掛けが、
3作目ではサーカスの舞台に活かされています。見慣れてきたぶん、
当初のような驚きは少ないものの、空間の奥行感や分身といった
イリュージョンなどを楽しむことができますよ。

再読時はあえてページを180度開き、左右の絵を見比べてみました。
ミラー処理をしたページと通常の印刷のページを使い分けたりといった、
舞台裏的な処理に改めて感心したりも。

もし4作目があるとすれば、クローズアップマジック的なものか、
お化け屋敷的なものを見てみたい気がします。

-------【Review for Review】-------
今朝は博多で、読まない読書会に参加。
持参したのは「ついらくした月」。
道路の陥没と墜落に掛けたわけではないが、
類似性を指摘されてハッっとなった。
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限界を越えようとする者へ

抽象画の開祖といわれるカンディンスキーの半生を描いた興味深い絵本。
もっとも、子どもにとっては具象とか抽象とかの分類は意味ない
かもしれません。あくまでもキャンバスの上での話。壁画や呪術的な
文様など抽象的な描写は昔から存在してますし。

絵画といえば具体的な何かを描くものといった観念が主流だった時代に
あえて、生身の眼でとらえられないもの、心が感じとったものを
表現しようとした、そしてそれが多くの共感を得たことに
彼の創作活動の意味があったのかなと思います。

上流階級に生まれ、当初は法律家の道へ進んだカンディンスキー。
だからこそ伝統やルールに支配されることへの反発も大きかった
のでしょう。内に秘めた想いを抽象画として解放する場面は
胸が熱くなりました。

この話の価値を受け止められるのは小学生の高学年くらいからでしょうか。
むしろ絵画に限らず、まだ誰も表現したことのないものを伝えようと
奮闘している者にこそよんでほしい作品です。

-------【Review for Review】-------
今日は博多へいく予定だったので、陥没のニュースには焦った。
でも埋め立てはほぼ完了したようですね。
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ドーナツ空を飛ぶ

ゾウさんのくしゃみで、吹っ飛んでいったドーナツ。
とんだハプニングかと思いきや、それが偶然にも販促に
つながって結果オーライに。

空からふって来たドーナツを食べ物とは知らずに
身につけてしまう動物たち。穴を活かし方に、なるほどと思ったり、
こりゃないだろ、と思ったりしてどれも微笑ましいです。

見返しに並んだカラフルでバリエーション豊かなドーナツ。
味を想像しながら穴の開くほど見つめてしまいました(笑)

-------【Review for Review】-------
最近はコンビニでもみかけるドーナツ。
試しに買ってみようかな。
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