第2263回「子供の頃の夢は?」
2017/04/29 Sat 07:09
ペンギンかぞくのおひっこし:刀根 里衣:小学館
2017/04/29 Sat 06:57
ファンタジックな世界が一転するショック
ペンギンたちは地球温暖化の被害者として登場しますが、
原因を作ったと思われる我々人類の姿は描かれてないのが
なにげに不気味です。ペンギンたちが航海でめざした各地の
理想郷はあまりにも美しい。どれも絵本の舞台として描いて欲しい
のですが、それをあえて殺伐とした世界にしてしまうという
展開の繰返しに、だんだん息苦しくなってきました。
描く方も辛かったのではないかと察します。
もう地球上に住み家はないのか・・・
彼らが現実から逃げることなく、自らの力で未来をつくろう
する姿に希望を見出しました。想いの種はいつか花開く。
そういえば、豚たちがサバイバルする絵本もありましたっけ。
水不足解消のために、氷山を引っ張ってきてしまう「Ice」。
タンポポの種が天変地異位の救いとなる「The Giant Seed」。
作者は日本でも有名なArthur Geisert。(共に文章なし)
本作との奇妙な関連性も感じられるので、合わせて読むと
より楽しめるかもしれません。
---------【Review for Review】---------
今日は帰省フライト。
第2262回「好きな丼物は何ですか?」
2017/04/28 Fri 05:43
マロンちゃん カレーつくってみよう!:西村 敏雄: 文溪堂
2017/04/28 Fri 05:34
カレーがつなぐ食と人
新作がでると無条件で手にとってしまう絵本のひとつに
にカレーテーマがある。食べるときと同様に読むと元気が出るので。
作風によって甘口〜激辛、家庭風〜豪快なスケールのものまで
バラエティも豊か。その観点でいくと本作は舌触りがまろやかで、
万人向けの懐の深い味わいと言えますね。材料の買い出しでワクワク、
台所での愉快な作業、そして実食。さらには他の料理へのアレンジや
御近所への振る舞いなど、カレーの楽しみ方フルコースの内容です。
犬のマロンちゃんとネクタイの似合うオジーさんの掛け合いも絶妙。
TVの料理ショーをみているかのようでもありました。
---------【Review for Review】---------
連休スタート。さてどこまで行けるか。
したじきくんとなかまたち:二宮 由紀子/山村 浩二:アリス館
2017/04/27 Thu 05:41
みんなに居場所がある
初の新学期を迎える小学一年生の期待や不安に満ちた
心情を、文房具たちがみごとに代弁してますね。
学校デビューに向けて張り切ってきる者たちの中で、
下敷き君だけが意気消沈。鉛筆やクレヨンのように大勢の
仲間がいるわけでもなく、ハサミやテープのように一芸がある
わけでもない。筆箱にも入れないし不安はつのるばかり。
この気持よくわかります。中学や高校へ進学するときも、
同じ学校からの友人が大勢いる者や、スポーツや学業で
秀でた能力がある者をうらやましく思ったりしたし・・・
でも大丈夫。下敷き君を必要としている者もいるんですから。
新学期に限らず、新たな世界へ向かうときの不安な気持ちを
下から支えてくれるような絵本です。
---------【Review for Review】---------
今日は大掃除。早くあがれたら震災で移転した
書店へ顔を出してみよう。
第2261回「今ほしい物は何ですか?」
2017/04/26 Wed 05:52
さらじいさん:はせがわ はっち:ブロンズ新社
2017/04/26 Wed 05:45
絵皿がコミックに
漫画やアニメの世界に自分が入り込んだら・・・なんて妄想は
誰しもあると思いますが、絵皿の中に入るとは考えもしなかった。
それも中国風の異国情緒ある骨董品の中とは渋い。
さらじいさんとは、絵皿に描かれた老人で、女の子が名付けたもの。
しかし皿にのせたドーナツを奪ってしまうとは手癖が悪い。
女の子まで皿の世界へ入り込んでドーナツをめぐる追走劇が
始まります。絵皿のごとく様式化された画面構成は、コミカルさと
気品が同居してます。そしていつの間にか自分の心も骨董品の世界へ
引き込まれてしまう奇妙な味わいの作品です。
---------【Review for Review】---------
今週はGWに向けて助走中。
第2260回「GWはどこに行きますか?」
2017/04/22 Sat 06:15
わかれのことば:阪田 寛夫/田中 六大:岩崎書店
2017/04/22 Sat 06:07
別れ言葉との出会い
最初に:日本人なら さよなら、
次に:アメリカ人なら ぐっばい、と続くこの絵本。
世界各国の別れの言葉を紹介するのかなとおもいきや、
三番目におやっ? っとなる。そしてクスッとなったり、
ホォーっと感心したり。遊び心ある別れ言葉がどんどん
登場するのである。最後にこれが詩で、しかも有名な
童謡「サッちゃん」の作者と知って驚いた。
言葉遊びのクォリティーが高いわけだ。
中には子どもに理解できない言い回しもありますが、
その疑問が日本語の奥深さへ誘っているところが巧み
でもあり、出身が大阪と知って妙に納得。
ほのぼのとした絵にも随所に遊び心あって、
もういちど最初からよみたくなります。
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日本人なら:こんにちは
アメリカ人なら:ハロー
ブリなら:ひさしぶり
歩行者信号なら:おす
イノキなら:元気ですか〜
第2259回「新学期の思い出は何ですか?」
2017/04/21 Fri 05:48