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音が羽ばたいてゆく

これはお爺ちゃんのピアノ独演会。指先から解き放たれた音が
情景となって流れていく様子が絵本的です。でも、どこか物寂しい。
それは聴き手がいないからかもしれない。
お婆ちゃんは、思い出の中へ行ってしまったようだし、
他の家族もいないよう。 せめて孫がそばで聴いてたら、
お爺ちゃんのピアノが、未来へ結びついていくんだけど、
なんて空想しました。でも、ただ純粋に演奏を楽しむのも
悪くないかも。長い人生を経た者ならではの贅沢な時間ですね。

ラストシーンは思わせぶり。これは十字架?
と、ドキッとしてホッとなる。うん、明日もある。

音楽に関連した絵本では「チェロの木:いせ ひでこ」は
三世代にまたがるスケール感が胸に響きました。

---------【Review for Review】---------
ピアノが弾けるっていいな。
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知らね。(筆武将)

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ふたつの親子愛

迫力の表紙!どアップとなった山猫の眼の中に妻と息子の姿が。
実はこの前に写ってたのは子ネズミだったんだよね・・・

さて、父親ならば、子どもの前でいいところを見せたいときって
あるのではないでしょうか。(ボクは未だですが)
それを生きるか死ぬかという極限状況に引っ張り出してきた
ところがさすが木村さんです。「あらしのよるに」では
狼と山羊を通して友情とは何かを、今回は山猫とネズミで父と息子の
関係を描いてみせた。(ガブとメイのときもそうでしたが)
当事者それぞれへ相互に感情移入できるので、心の動きが三重奏的に
積み上がって、クライマックスが胸に響いてきました。うん、よかった。

しかし、終始表情をくずさず威厳を示したネズミパパ、
口だけじゃないところが立派でしたぞ。それとネコパパと
の間に子を持つ者同士の友情が結ばれたと受け止めました。

---------【Review for Review】---------
ラッキー!当日消印有効だったんだ。
一週間の制作猶予ができた。
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夢と希望、そして現実に向き合う決意。

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送り主は誰かな?

生手紙っていいよね。メッセージだけでなく用紙の感触、
筆跡や色のセンスなど関節的に送り手の存在感が伝わって
くるし、込められた想いを実在する形として受け取れる。
(ま、メールの即応性もいいけど、それは置いといて)

だから封書を見ただけで送り主が誰か推測がつくこともある
わけで、そんな謎掛け的な楽しみを何度も味わえるのが
この絵本なのです。女の子のポストへ投函されてくる手紙。
白に黒ブチの封筒へミルクのシールが貼ってあったり、
シマシマ模様の封筒に人参のシールだったり。
それぞれに個性があって次は誰からかな?
なんて楽しめちゃう。シンプルな構成ながらも
絵に色々と含みをもたせているので、色々と想像を
膨らませられる、こういう絵本って好みです。

で、読んだ人は薄々気づくと思いますが、これらの手紙は
全て同一人物によるもの?疑惑が。だって筆跡や文面が共通性が
みられるし。もちろん、そんな事はわざわざ作中で明言してない
ですけどね。なんて探偵小説もどきの見方も。

---------【Review for Review】---------
手紙といえば、TVドラマ「ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~」
へ想いが飛んでいく。
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自分の特技を活かせることですね。勤務時間や休日は問いません。(ゴルゴ13)

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ニュータイプゆえの悩み

ある日突然、翼がはえて空を飛べるようになった男の子。
これはファンタジックな冒険ストーリーが展開されるかと
思いきや、意外にもけっこうシリアスな内容でした。

カフカの「変身」ほど極端でないものの不条理方向へ進みます。
つまり実際に羽が生えて鳥人になったら日常生活はどうなのか?
という観点が入ってくるのです。男の子は真剣に悩んだ末、
コートで翼を隠し、人前で飛ぶことを封印してしまいます。

とは言え、絵から解析すると翼はリアルなものではなく
装飾的な描写をされているので、これは何かの例えと受け止め
られます。大人はそれぞれ思うところがあるかもしれません。
また、モノクロとカラーの描き分けが、男の子の心理描写と
巧みにリンクし、2つの世界観で揺れ動く様子が伝わってきます。

本書を読んだ子どもは、いつか自分の中に特異な何か発見した
ときに作品の意図することを思い出すでしょう。そして
自分を信じ、新たな世界へ羽ばたく勇気を得る。
そんな力を内包した絵本ですね。

で、思うのですが、この子のパパとママも何かしら持ってそう。
オオカミに変身しちゃったり、手足がニューッと伸びたり・・・
なんて勝手に空想の翼を広げたりも。

---------【Review for Review】---------
最近涼しくなってきた。そろそろ冬服の準備。
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夏休みの台風体験

夏休みの終盤、姉弟が親元を離れて、島で民宿をやっている
お爺ちゃんの家にお泊り。そこで初めて台風を迎えます。
次第に荒々しくなっていく天候と子どもたちの心境変化を
さりげなくリンクさせているところが秀逸です。

迫りくる台風、無邪気にワクワクする弟に対し、姉はイライラ。
二人のぎくしゃくした関係が台風を迎えてから変わっていく
様子が微笑ましい。特に姉が自分の不安を抱えつつ弟の心配を
健気に気遣う寝室でのシーンが印象的でした。

絵的には、台風最接近時の窓外の風景が圧巻。風と雨と
子どもたちの複雑な気持ちが入り混じった様子が
ほとんど抽象画に近い形で描かれています。

台風が過ぎ去った後は外も心も晴れ晴れに。

ところで、こちらは雨音が聞こえてきました。
そろそろ熊本へ上陸か・・・

---------【Review for Review】---------
昨晩、台風へ備えてコンビニへ買い出ししようと冷蔵庫や
台所の戸棚をチェックしたら、けっこうそれなりに揃っていた。
結局、洗剤やらチョコレートなど無関係なものを買ってしまった。
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知るか、そんなこと!(ほっと系)

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アイスだけどホットする

当たり付きアイスって今でもあるのかな?懐かしいなぁ。
「あたり」って焼印があると、もう一本もらえました。
でも、「あたりかも」って出たら・・・別の意味で期待させる
ものがありますね。男の子は、当たりかどうかを確かめるために、
冷凍庫の入り口からアイス王国へと出かけます。

不安と期待が入り交じる心の動きを、旅という空間的な動きに
リンクさせているのは、実に絵本的です。
ソリに乗って未知の世界を疾走するシーンが実にいい!
進む先にどんな答えが待ち受けているのか、こちらもワクワク。
アイス王国ってだけに、自然や建物もどこか美味しそうで、
この世界をなにげに観光しているうちに、涼しい気持ちになれます。
画面全体はまるで冷房が効いたようにクールな色調なので
暑い日にピッタリですよ。本棚よりも冷蔵庫に
常備しておきたい絵本ですね。

で、男の子が王様から告げられた意外な答えにも納得。
そうだったのか!

---------【Review for Review】---------
先週、やっとひと仕事が済んだ。今日はちらかった
部屋の整理をしよう。
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