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鬼気迫る顔バトル

にらめっこならぬ、怖めっこは。怖い顔を見せ合って
泣いたら負けなのですね。でも相手がお化けたちとなると、
なかなか手強いですゾ〜。表紙はニッコリとした一つ目小僧
ですが、油断して軽くページをめくると、表情が激変!!!
そ、そんな怖い顔しなくったって・・・気弱な子は本当に泣いちゃうかも。
さらにフランケンシュタインやら魔女やらゾンビやら、
畳み掛けるように難敵が登場。果たして最後まで行き着けるか。
読み語りでは盛り上がりそうですね。

小学生のとき美術クラブの共同制作でトーテムポールを作った
ときのことを思い出しました。棒に各々が顔を飾り付けるんだけど、
みんなで、どれだけ怖いお化けの顔を作れるか競いあってた。
でも一番怖いのは先生とか親が怒ったときの顔かも(笑)

--------------【Review for Review】--------------
今朝はベッドから出たのが8時。最近つかれぎみかも。
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そこは未来への思い出が咲き誇る

これは大人が遥かな子ども時代に置いてきたままの
大切な何かと再会する物語として受け止めました。
幼い頃に描いた絵や作文は夢や希望に満ちた世界だった
のではないでしょうか。でもその価値を理解しているは、
実は子どもの当人よりも、かつて子どもだった親の方なの
かもしれない。親ならではの目線なら、拙い表現の中にも
キラキラ光る未来へと至る何かを見て取れるはず。
自分に子どもはいないけど、きっとそうに違いないだろう。
絵本の庭の中で、二世代にわたる庭師が出会いを
果たすのを見ると、そんなことを考えてしまうのだ。
今は亡き父親と、庭師を継いだ息子の夢がほのぼのと交錯して、
その結果、本の中にしっかりと種が残されましたね。

--------------【Review for Review】--------------
久々のみやざきさん。絵本の創作は庭造りに通じる
のかもしれない。イメージの花咲く庭。
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すべては食中植物から始まった

1963年刊行で、長さんさん初の絵本の復刻版。
全体的に荒削りな印象で、絵本独特のリズム感もないんだけど、
先が読めない展開には長さんらしさを感じることができました。

虫たちが力を合わせて食虫植物を退治しようとする話で、
魚が空を飛んだり、植物の手がニューっとのびたり、
擬音の使い方など、自由気ままな展開の中には
この後に続く長さん絵本を予見させる要素が
散見し、その点では興味深い作品と言えます。

--------------【Review for Review】--------------
昨晩の日本の試合。点が入っても思いっきり喜べなかった、
最後の最後までどうなるか心配だったので。
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お化けも働くんですね

表紙からいきなり求人広告をで始まるお化けのパン工場。
業務内容を見るとまともな職場のようですが、勤務時間は
深夜〜早朝になっているところがお化け向きなのかも。

工場の様子は新人パートさんが見学する形で紹介されていきます。
勤怠や衛生管理、製造から検査まで完璧、きわめて真っ当な工場
ではないですか。これなら人間が食べても大丈夫、というかちゃんと
町中のコンビニに納入していますね。

ハロウィンシーズンになると、よく見かけるお化けパンやお菓子は
ひょっとしてこんな工場で作られているのかな、なんて想像も
膨らむ作品です。横スクロール画面で流れ作業の様子も分かりやすく
仕事紹介絵本としても秀逸。

ちなみに、本格的なお化け用品を扱ったお店を覗いてみたいなら
「コンビニエンス・ドロンパ:富安陽子/つちだのぶこ」
がおすすめ。毒キノコの森とか蜘蛛の巣綿菓子など品揃えも
充実していますよ〜。

--------------【Review for Review】--------------
気がつけば今年も折り返し点がすぐそばに。
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まるで金魚鉢のクジラ

街中にある大きなガラスばりの水槽に入ったクジラの絵が象徴的です。
まるで金魚鉢の金魚のようですが、周りの建造物との対比でその
巨大さが伝わってくるし、街のシンボル的な存在にもなってます。

水槽の中が自分の家だと思いこんでいるクジラが、ジャンプした
ときに見た青いもの(=海)にどきどきするところから、物語も
動き始めます。このクジラにとっての幸せってなんだろう?
なんて疑問もだんだん膨らんできました。もちろん、
海の存在を知らずに、そのまま水槽の中に居続けたとしても、
それなりに満足できる一生を送れるかもしれない。

偽りの世界と本来の世界。自分の居場所を外側から見れない者に
とっては限られた視野の中にあるものが全てとなってしまう。
新たな世界へ飛び出す力を持っているにもかかわらず・・・

これを読んでいる、あなたの世界は実は水槽の中かもしれない。
なんて問いをつきつけてくるような作品でした。

本書はレディオヘッドの「ブルーム」からインスピレーションを
得たとのこと。たしかに歌詞には“瞳の中へ飛び込む”とあります。

--------------【Review for Review】--------------
将来については100%確実なことなんてないので、
結局は自分を信じるか信じないかに帰結する。
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絵本的机上論

物事には程度というものがあって、足りない〜持て余すの間に
丁度良い状態があるわけです。そんな事を机の広さをネタに五味さんならではの
展開で認識できる作品。男の子のなんとなく的感覚と父親の断定的感覚の差は
経験値の違いによるものでしょうね。広さ以外にも高さ、厚さ、硬さ、明るさ
など色々な物理パラメータで絵本化できそう。

--------------【Review for Review】--------------
職場で席替え。机の位置関係が変わるだけで、だいぶ動線が
改善されて快適に。
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おもわず笑みまで漏れたろう

おしっこをした後にちょっぴりパンツを濡らしてしまうのを
真剣に悩む男の子の話。ちょっぴりなのでズボンをはけばわからない。
実は自分以外にも漏らしている人はいるのではないかと、
男の子が散歩がてらリサーチをするのですが、表には表れないけれど、
ちょっとしたことを気にしている人はけっこういるという事実が
明らかにされていく。例えば歯に食べカスが挟まっているとか、
服のタグがチクチクしているとか。

身近な下ネタから普遍的共感へと内容が昇華されていく展開は
ヨシタケさんならでは。そんなボクも髭の剃り残しが気になったり
している、抜こうにも微妙に短すぎてなかなか指で掴めない。

--------------【Review for Review】--------------
ちょっと風邪気味。
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ごけっこんおめでとう

近所にオープンしたという洋菓子屋さんが気になって、
それがいかなるものかと、和菓子部隊が夜中に偵察へ
出かけるという、ワクワク展開の作品。

メンバーは、大福餅、ぼた餅、柏餅、桜餅、草餅。
まるで戦隊ヒーローを思わせる個性的5人組ですが、
彼らには餅であることに以外にも共通点があって、
それが後々の侵入時に活きてきます。

要するに和菓子風味の忍者ごっこ絵本というわけですが、
冒険ありロマンスありで、新商品の誕生という落とし所も
なるほどわかりやすい。

タイトルに「夜の〜」とつくと何だか、怪しい期待感が
高まりますね。同作者の「よるのさかなやさん」
「よるのようふくやさん」もおすすめですよ。

ところで、シュークリームをつまみ食いする和菓子って、
共食いにならないのか・・・

--------------【Review for Review】--------------
昨晩の「ドイツ×メキシコ」はこれぞワールドカップという試合。
王者を切り裂くカウンターの鋭さに見とれた。
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未来の思い出がたくさん待ち受けているよ

もう一度、昨日に戻れないかなぁ、なんて空想をするのは、
昨日が最高のいち日だったと思っている男の子。
判る判る! 逆に最低のいち日だったとしても、昨日に戻って
やり直せたらなんてこと、誰しも考えるでしょう。

でも絵本の世界なんだから簡単にできる・・・奇跡や魔法の力で、
とはいかないんですな。ちゃんと科学的なアプローチをしていきます。
例えば光速を超えてみたら、とかワームホールを見つけるとか、
タイムマシンを作り上げるとか。

悩める男の子に相談を持ちかけられたのは、お爺ちゃん。
さすが人生経験豊富なだけあって、説得力ある導きを示します。

アリソン・ジェイはSF的なマインドと未来への期待感を
イマジネーション豊かに描いてます。この感じは
伊藤正道さんに近いかも。

--------------【Review for Review】--------------
深夜にワールドカップを観ているおかげで、二時間遅れの
時差ボケが未だ解消されていない気がする。
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タヌキ視点の人間界が新鮮


自然の少ない大都会はタヌキの視点からすると、逆にへち地になる
わけですね。そんな所であっても、愛があれば大丈夫! 
というわけで、タヌキらの花嫁道中が山から出発します。

都会に入る前に全員が人間へ化けるという、ミステリアスな展開。
人間になった花嫁は美しく、本気度の高さがうかがえます。
はたして嫁ぐ先はどこの誰なんでしょう?
途中で遭遇する駅や電車や高層階のレストラン。我々にとっては
馴染みのある場所であっても、彼らにとっては異世界そのもの。
人間に噛みつかれないかと心配するタヌキの子の心情に、
なるほどと、おもわず共感。

考えてみると大都会は科学技術という魔法で、自然が化けた姿なのかも
しれない・・・なんてふと思いました。そんなところへ人間に化けた
タヌキが紛れ込むところに表現の深みを感じたりもします。

町田さんの絵は小物に至るまで丁寧に描きこまれ、タヌキの化け方も
含めそれぞれのキャラクターが良く伝わってきました。
人工物も自然物も同様に臨場感いっぱいで、読者もタヌキ視点で
道中している気持ちになること間違いなしです。
最後は無事にハッピーエンドを迎えますよ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
バンコク出張から帰り、久々に迎えた自宅での朝。
また始まるいつもの日常で、自分の何かがアップデート
されてないか期待している。
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