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ハロウィン勢力、ここまで来たか!

元々は西洋の行事だったのですが、お化けの仮装やお菓子に
からめて日本ではイベントネタ、商品開発ネタになっている
ハロウィン。絵本の世界でも毎年新たな作品が登場しますが、
その中でも気になったのが本作です。

お菓子が仮装してお菓子をくれと家々を回るのですから。
プリンとかドーナツとかマシュマロとかが仮装ですよ!
そんなお菓子はコンビニやスーパーなどでも見かけるので、
すでにお馴染みではありますが、ハロウィンパワーの
絵本界における勢力拡大はまだまだ続くのでしょうね。

そのうちハロウィンの仮装をする妖怪たちとか、
野菜たちとか、季節を飛び越えて雛人形がお化けの
仮装するとか、大きなカボチャが川から流れてきて中から
子どもが生まれるという、ハロウィン風桃太郎といった
絵本が登場すると予言しよう、と言うより見てみたいぞ。

余談はさておき、仮装したお菓子たちは、怖いという
より美味しそう。我が家にも回ってこないだろうか? 
そしたら温かく迎え入れて食べてあげるのに。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
ハロウィンの初めての仮装はプリングルスの
ポテトチップだった。円柱状の大きな筒をつくって
顔の部分は穴をくり抜き、白く塗った本物の顔が
のぞくという仕様だ。今思うとこれもお菓子だし
ねり歩く様は、けっこうシュールだったかも。
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長靴に入った猫の看板がいい

言葉ではなく、自分の作る物を通して、仕事のなんたるか
を息子に示した靴職人の父が見事です。共に靴屋を営む息子は、
見た目の華やかさや儲けの方に目が行ってしまいがち。
それも商売の一つの方向かもしれませんが、もっと大切な
事があると、上から目線で言っても息子には伝わらない
とわかっていたのかもしれません。

息子の気づきのきっかけになったのは、王様御用達の靴屋を
決めるためのコンテスト。これぞ王様用だと分かる見事な靴を
作り上げた息子は王様から呼び出しを受けるのですが・・・

お城へ向かう道中で大切な事に気づいた息子も見事だと思います。
さらには王様の彼への一言にも懐の深さが感じられました。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
ボクのお気に入りはeccoの靴。海外駐在するときも、
まとめ買いして持っていきました。残念ながらそのタイプは
販売中止となってしまい、最後の一足は靴箱でずっと待機中。
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顔のない桃太郎

誰もが知っている昔話で、派生版もたくさんある桃太郎ですが、
主人公の顔がいっさい描かれていない絵本はこれが初めてでは。
一人称の文章のみならず、絵も全て桃太郎からの視点です。
当然ながら自分の顔は出てこないわけです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
爺さん、婆さん、犬、猿、雉、が本当に俺に話しかけてくる
みたい。最後に勝つのはわかってるんだけど、鬼どもと面と
向かいあうのは、さすがに怖かった。それにしても動物たちが
仲間になってくれて助かったよ。よくキビ団子だけで付いて来て
くれたよな。物好きというか、暇というか。まあ、俺の
正義感に胸を打たれたのが一番の理由だろうけど。

実を言うと、鬼退治にかこつけて町へ出ていこうと考えて
たんだ。村には何もなくてツマンナイし。旅の餞別に
小遣いを期待したんだけど、キビ団子じゃ小腹を満たす
ぐらいしかできない。それにお供すると言って付いてくる
動物たちの手前、鬼ヶ島に行かないわけにも行かないし。
まあ、俺たちが勝つのはわかってたからいいけど。

あっ、ここだけの話、奪い返した金銀財宝・・・
こっそり隠してあるんだよね。いや、ちょっとだけだよ。
自分自身へのご褒美ってやつさ。これで今度こそ村を出て
町へ遊びに行くぞ。その話はまた今度。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なんて自分中心の妄想が読後にわいてくる絵本です。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
昨日のワークショップの色紙切り絵イラスト。
エリック・カール風になって俺スゲ〜って喜んでは
みたものの、果たして良いことなのだろうかと自問。
まあ、気づきを得るきっかけのひとつなんだけどね。
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生きることは変わること

カエルという生物は面白い。成長の過程でどんどん姿を変えていく。
卵からオタマジャクシになり、手がはえ脚がはえ、陸地にも上がってと、
どんどん身体能力がアップしてくる。まるで一人進化状態だ。
もっと寿命があったなら、羽が生えたり、道具を使い始めたり
するのではないだろうかと、冗談半分で考えてしまう。

なのでカエル族のあいだに、本書のような語り伝えがあった
としてもおかしくはない。なぜ姿を変えるか? それは生き延びる
ためなのだ。恐ろしい捕食者から逃げつつ、自らも獲物を
捉えられるようになるためなのだ。
カエルたちはどこへ向かっているのか?それは彼らをとりまく
環境次第なのかもしれません。ドキっとなるラストには
彼らから人類への暗黙のメッセージが感じ取れます。

学術的講義のようで、実はコミカルな内容でもありますが、
臨場感のある絵からは、カエルたちの真剣さが伝わってきました。
自らを絶えず成長させ続けられる者が、次のステージへと
進むことができるのは、人間でもいっしょです。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
今日は警固塾。課題作成のために、埃まみれに
なってた水彩絵の具を引っ張り出した。
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ダンボールながら高性能

我々の世界で宇宙人と呼ばれる人がいますが、彼らは心が地球から
旅立ったまま戻ってきてない状態なのか?(笑)
スタンリーの場合は確信犯的なところもありますね。ちゃんと
宇宙船まで用意しているし。でも、たった一日にせよママと別れる
寂しさは、地球と火星との距離感に匹敵するのでしょう。

スタンリーのかわりにやってきたという火星人の男の子のワガママ、
いや、火星人の流儀を受け入れるパパや兄の懐の深さに
後からじわじわと感銘しました。一人ぼっちの火星人を
サポートする地球人という関係が微笑ましい。

あ、ボクもですね、ときどき自家用車が宇宙船になったりしますヨ。
ギンガケイまでワープできるコウセイノウタイプなのだ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
昨晩の出張ドンハマ★熊本 「よみきかせナイトinブルービー」。
いい大人がみんな童心にかえった楽しい夜でした。
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ちょい辛怪談絵本

内容紹介にもあるとおり「読み終わったときにほっと安心できる」ことが、
この、おばけ話絵本シリーズのポイントとのこと。まるでお化け屋敷のように、
怖いもの見たさと巡り終えた時の安堵感を味わえる絵本です。

和尚の言いつけに背いた小僧さんが戒められる、という民話のパターンに
則っているので、話は理解しやすいです。恐怖のクライマックスは天狗に
捕まった小僧が顔を変形させられそうになるシーン。
コマ回しの緊迫感やラストの余韻まで含めて絶妙なさじ加減です。
このシリーズでは「のっぺらぼう:杉山亮/軽部武宏」もおすすめです。

激辛の怪談絵本をお望みならば「いるの いないの:京極 夏彦/町田 尚子」
上品な怖さでは「かがみのなか:恩田 陸/樋口 佳絵」をどうぞ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
今日は「よみきかせナイトinブルービー」→ 一応申込んだ
明日は「南阿蘇えほんのくに誕生祭」→ 今から間に合うか?
最近は絵本関連のイベントが多いゾ。

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復興へのプレイボール

盆野球というのは、お盆に開催される野球大会で、岩手県鵜住居村で
戦後に始められた地域のお祭り的なイベント。多くの人が帰省する
お盆に開かれるので盆野球と呼ばれるようになったとのこと。
東日本大震災でしばらく途切れてしまいましたが、奇跡的に残った
優勝旗がはげみとなり、2017年8月15日に7年ぶりに復活。
そんな盛り上がりぶりを伝えてくれる絵本です。

元々は敗戦でやり場のない気持ちになっていた若者たちへの
支援から始まった野球大会。当時の子どもたちはお爺ちゃんに
なったけれど、その意気込みは衰えず、今度は震災復興への
活力へつながっているのは、地域文化ならではの逞しさですね。

グランドから望む海に向かって黙祷するシーンが印象的でした。
ユニフォームはバラバラだったけど、心はひとつだ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
「一番寂しい人生は若気の至りがなかった人生だ」
内田麟太郎さんのブログをよんでいて出会った言葉です。
若気の至り・・・気持ちの若さは今でも持ってます。

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読後は化石に会いたくなる

まるで散歩中に、ふとみつけた画廊に立ち寄ってみたら、
中に恐竜や魚や昆虫などの化石が待ち受けていて、古代に
タイムスリップしてしまった、という体験ができる絵本です。
空想を刺激するという点では、化石は芸術作品と同じ。
大自然の生み出した彫刻ともいえよう。
魚が小魚を捕食中に化石になっているなんて、まるで
3Dスナップ写真のようでユニーク!
生命と物質、現代と太古、時空を超えたダイナミックな
クロスオーバーに目眩さえ感じます。舞台となっているのは、
城西大学水田記念博物館大石化石ギャラリー。今すぐ行きたい。

空想ついでに言うと、未来の化石というのもありかもしれない。
家電品や車を化石のようにしてしまったら、遠い未来の地球の主が
見て、生き物と勘違いしないだろうか? 車を運転中に化石に
なったら車類が人類を捕食していたなんて思われそう。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
大石化石ギャラリーは東京なので、熊本からはちょっと遠いか・・・
でも、近くに御船町恐竜博物館がある。後で行ってみよう。
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