C'est toi mon papa ?:Elsie W.Right/Giordano Poloni:maison eliza
2019/01/27 Sun 07:52
mon papa [・_・]/
先日ボローニャ絵本原画展に行ったとき、この作品に出会い
絵の魅力で購入してしまいました。フランス語なんですけど、
ストーリーはいたってシンプルなので空想翻訳で、こんな会話を
してるんだろうな、と勝手に解釈して読み進んでも大丈夫でした。
・・・たぶん(^_^;)
自分のパパを探しにでかけた小さなロボットがキュートです♡
まるでブリキの玩具みたい!彼が出会うロボットたちの姿も
親しみやすい。ガンダム系というよりマジンガーZ系ですね。
建物や乗り物もCGで描かれているんだけど温かみに溢れている。
そんな未来の街をロボット君といっしょに散策できますよ。
ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
昨日は、くまもと森都心プラザ図書館でのセミナー
「SF書棚のつくりかた」に参加しました。
面白い本や絶版本などたくさん紹介されて、
悩ましいやら嬉しいやらでした。
わたしのもりをぬけたら:サン ミャオ/レイチェル ウッドワース:フレーベル館
2019/01/26 Sat 07:55
心の箱庭へ
「きっと誰しもがもっている、心の箱庭」これは翻訳された
華恵さんによる、作品紹介文の中にあった言葉ですが、絵本で
描かれていることは、まさにそれだ!と符に落ちました。
生きていれば色々ある。うまくいく日もどうにもならない日も。
ゆったりした日も、めちゃくちゃな日も。心の箱庭は、いやな
ことが続いて心が押し流されそうになったときに、訪れること
ができる自分だけの秘密の場所ともいえる。
作中で女の子がでかけた秘密の森もなかなか素敵なところですが、
自分自身の心の箱庭を想像してみるのも楽しそうです。
なにも制限がないとしたらどんな場所にしますか?
絵本そのものが心の箱庭とみなすこともできましょう。
自分にとってはC.V.オールズバーグや、たむらしげるさんの
作品がそうでした。ああ読み返したくなってきた。
ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
大人視点では乱歩の作品「パノラマ島奇譚」で描かれた
た理想郷も心の箱庭といえるだろう。とち狂った男の妄想が
具現化された世界で、現実に作ったら犯罪ですけど、
想像する分には、その怪しさに惹かれてしまう・・・
天女銭湯:ペク ヒナ:ブロンズ新社
2019/01/20 Sun 07:30
婆ちゃんが湯船に降臨
手作りの人形を使った韓国の写真絵本ですが、なんと人間味ある
人形たちでしょう。ヤクルトを飲んでうっとりしている表紙の
老婆(天女)からも、ただならぬものが伝わってきます。
この老婆に、母と銭湯に出かけた女の子が、入浴中に出会うのですが、
どう見ても怪しい! こんなのが突然風呂から現れて、自分が天女だと
自己紹介されても・・・怪しい婆ちゃんにしか見えないだろ。
しかも大阪弁の日本語訳。これはシュールなお笑い系の展開に
なるのかと思っていたら、実はファンタジックな内容でした。
人形の出来栄えを称えるときに、まるで生きているかのようだ、
なんて言いますが、作中の人形は別の意味で生きているかのようでした。
実際にメシ食って、クソして、寝ているんではないかというくらい
生活感まるだしで、そこがこの作品の魅力にもなってます。
時期的にインフルエンザや風邪で寝込んで、女の子と同じ状況に
なる事もあるでしょう。そんな時に本書を思い出して、空想を
膨らませたら、気を紛らわすのにいいかもしれません。
自分としては、どうせなら若い天女に現れて欲しいものですが。
(大人の妄想にて失礼しました)
ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
昨日は山鹿の古本市へ。酒蔵の中に作られた巨大な本棚が
圧巻でした。熊本6年目にして初山鹿でしたが、温泉も
多く風情あるところなので、今度は本を持って泊りがけで行きたい。
ぼくはフクロウ:フィリップ・バンティング:ビーエル出版
2019/01/19 Sat 08:16
フクロウラップ♪
ぼくはフクロウ、ぼくはタカイダロウ、しごとガンバロウ、
あれ?ダレダロウ とページをめくるごとに繰返される
韻を踏んだ言葉。木に止まったままのフクロウも
自分の語りに合わせて変化していきます。
読んでいるうちにだんだんとリズムが感じられて
心地よくなってきますよ。静かに読み始めたのですが、
終わりのほうでは、頭の中でラップのリズムが
ひびきわたってました。声に出して読むとついつい
踊ってしまいそう(笑)
他の鳥でも、色々なバリエーションが作れそうですね。
例えば、カッコウだったら、おれはカッコウ、今日はガッコウ、
宿題ケッコウ、トイレにソッコウ、とかとか。
ウグイスだったら、おれはウグイス、今日はガッコウッス、
勉強キライッス、ホーホケキョウ、ホー。
ちなみに原題は「MOPOKE」。原文も気になります。
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好きな絵本はモモタロウ〜♪
インサイドアウトサイド:アンヌ=マルゴ ラムシュタイン/マティス アレギ:ほるぷ出版
2019/01/13 Sun 06:51
主観と客観
物事の一瞬を2つの空間視点で対比させたユニークな絵本です。
例えば、卵の中と外側の世界、水の中と外、土の中と地上、
家や車の中と外の状況などなど。視点の置所が絶妙で、
それがユーモアやドラマを生み出しています。
初めに左の絵だけを見て、周囲の状況を想像してから、
右の絵を見てもいいし、左右を行ったり来たりするものいい。
我々が日々あくせくしている事も、宇宙的視点で見れば
些細な事に思えてくる。逆に表面上は平穏かと思いきや、
見えないところでは、大変な事になっているかも、
なんて想像も膨らんでいきます。
空間対比を描いた本書に対して、時間対比を描いた絵本もあります。
「Before After:Matthias Arégui/Anne-Margot Ramstein」
こちらも文字がないので原書でも楽しめますよ。
ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
あえて伝えない事が伝える事になるって事もあるのだな。
やましたくんはしゃべらない:山下 賢二/中田 いくみ:岩崎書店
2019/01/12 Sat 17:08
声を出さなかった作者の打ち明け話(改訂版)
思い返して、行き当たった作品は「ジロがなく」。
なんと、作者名をみてハッとなりました。同一の作者???
実は賢二とケンジで別人なのです。
(※改訂前のレビューでは早とちりして同一の作者と
紹介してしまい、大変失礼いたしました)
ジロは、けっしてなかない犬で、仲間は声を聞いたことがない。
やましたくんもしゃべらない小学生。(しゃべれないではなく)
声を発しないこと以外、みんなと同じように生きている点は
共通しているので、実体験版と創作アレンジ版があるのだなと
勝手に感銘してしまった次第です。
とは言いつつ、自分としては、実体験をどのように絵本として
創作に結びつけるか、という観点で楽しませていただきました。
どちらも、止むに止まれず声を出すシーンが印象的ですよ。
ところで山下君が声を出さない理由は? 体の異変、コンプレックス、
それとも何かに意固地になっていたのか、それは明記されていません。
元のエピソードは同作者の「ガケ書房の頃」に収録、と奥付に
あったので早速読んでみようと思います。
ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
最近は自分の実体験そのものを物語のように感じています。
時には辛いこともあれど、それも良しとしてます。
楽しい事ばかりでは物語として面白くないですから。
さあ、今日というページへ進もう。
ふたごのうさぎ:ダフネ・ロウター:NHK出版
2019/01/06 Sun 08:21
ウサギの絵を読む
ウサギたちが朝起きてから夜寝るまでが描かれている
のですが、複数の季節をまたいでいます。なので
一日で一年を過ごしたかのような不思議な読後感でした。
読後といっても文章はなく、はっきりした起承転結も
ないので、何が起こって、どんな会話がされているかは、
読者の想像に委ねられています。
見開きの左側に色面と一つのアイテム、右側にウサギたちの
様子が描かれ、その場面のどこかにアイテムがあります。
なので絵さがし遊びもできます。
画面全体の色づかいは、白系から黄色系、オレンジ系、赤系と
見開きごとにテーマカラーが変化していき、オシャレな
ショーウィンドウを見ているかのようでもあります。
どのシーンが好きかで、占い的なこともできそう。
と思って見開きを数えたら、ちょうど12あった!
星座や干支とも対応できますね。
ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
今日は連休最終日。ふと、昨年の今頃のブロクをみたら、
同じく、連休最終日と書いてた(-_-)
じゃあ・・・平成最後の連休最終日ということで。
だいすきライオンさん:リチャード ジョーンズ/ジム ヘルモア:フレーベル館
2019/01/05 Sat 08:03
いつもそばにいてくれるから
昨日レビューした絵本の「いっしょにかえろう」もそうでしたが、
子どもと心優しい獣という組み合わせは絶妙なコンビとなりますね。
獣は子どもと遊んでくれたり、守ってくれたり、導いたりと、特別な
存在として描かれることが多いです。本作では引越したばかりの女の子と
白いライオンが家の中で出会います。ライオンは女の子が新しい環境や
初対面の子どもたちと馴染めるようにサポートするのですが、
白という色が絵本として絶妙な演出となってます。
R.ジョーンズの描いた白いライオンは女の子の心を包み込むように、
大きくて柔らかくて温かい。色使いも繊細で、さりげなく女の子を
見守るライオンの気遣いまでもが、フワッと伝わってきました。
ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
白いシマウマ、白いパンダ・・・どっちもありえないな。
いっしょにかえろう:ハイロ・ブイトラゴ/ラファエル・ジョクテング:岩崎書店
2019/01/04 Fri 09:09
ライオンが運ぶ女の子の願い
子どもと心優しい猛獣という組み合わせは、絵本でよく見かけます。
「ラチとらいおん」「ライオンをかくすには」「おちゃのじかんにきたとら」
などなど、印象深い作品が多いので、本書も表紙の絵から勝手に想像を
膨らませてしまったのですが、いい意味で裏切られました。
女の子から帰ろうと誘われて、台座の上から降りたのはライオンの像。
彼女のボディーガードのごとく寄り添ったり、背中に乗せたりして、
道中で、街の人達をおどろかせる展開はなかなか痛快です。
しかし、ラストで見せられた現実に衝撃を受けました。
画面の隅の新聞にさりげなく書かれてたスペイン語の見出し、
〈familias de desaprecidos〉の意味を知って、さらに衝撃。
原初の生まれたコロンビアでどのように受け止められたかを
想像すると胸が痛みます。
ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
池上彰さんが、今年は転機の年と語ってましたが、
様々な問題が好転する年であって欲しい。
カレンダーでんしゃがやってくる!:丸山誠司:交通新聞社
2019/01/03 Thu 06:06
一年の旅へ出発進行
1番線から12番線まで、それぞれの月に応じた
電車が次々にやってくるという趣向の楽しい絵本。
例えば1番線に入ってくる電車はお餅の形をしていて、
客車では七福神が餅付きしたり、コタツでお節料理を
食べたりといった、正月尽くしになってます。
画面の端には日付欄があり、ちゃんとカレンダーにも
なってます。なので記念日にチェックを入れたりする
など、色々と工夫できますよ。12月で終わりかと思いきや、
さらに特別な電車まで用意されているというサービスも
嬉しい。プレゼントにもお勧めです。
自分なら見返しをアルバム代わりにして、オリジナルの
写真を12ヶ月分貼ったりしてみたい。
ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
自分の人生を物語として楽しむ一年にしたい。
年初めのエピソードとしてはアレだな。