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楽しく怖がれます

悪さ好きな男の子が、家の中で何かをする度に、ドバーッと
おばけが出ちゃうんですけど、不意をつかれてキモを冷やすのではなく、
さあ出やがれ、と心の準備ができる展開なので、さほど怖くはありません。
タイトルからすでに「おばけ」が出るぞと宣言していますしね。
むしろ、よみきかせでは、けっこう歓声があがるのでは。

本当の意味で怖かったのはラスト。勝手な想像ですが、
パパもとばっちりを受けているのでは・・・

しかし整理整頓は大切ですなぁ。最近部屋の中が物や本で
あふれてきて常に作業中状態で、移動するときは気を使います。
ちょっとでも何かにひっかかって、倒したりしようものなら、
そこからドミノ倒しのように、他の物も崩れて大変なことに。
これこそボクにとっては、「おばけー。」状態なのです。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
あ〜っ、出張も終えて仕事も一段落。次は個展モードだ。
それが終わったら部屋を整理しよう。
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画面から地響きが伝わってくる


相撲はあまり観ないのですが、力士の四股名には魅力を感じます。
山、海、川や動物、郷里の地名などが掛け合わされた四股名は
想像力を刺激し、勝手にキャラや得意技を空想して楽しめるので。
実際に山と山がぶつかりあったら天変地異レベルの大迫力!
それに〜龍とか〜海とか加わったらRPGの召喚獣バトルだぁ。

土俵の中で、人間の姿を借りた大自然の精霊たちが互いの
力量を競い合っている。なんて考えると面白くないですか?

前置きが長くなりましたが、山が歩いて海に手を出したり、
他の山と格闘までしてしまうというこの絵本では、正に
ボクのSKNF(四股名ファンタジー)が具現化されているのです。

相手の意表をつくナンセンスな技を得意とする「長新山」
なんて絵本好きな力士は出てこないだろうか。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
昨日チェンマイからバンコクへ戻りました。
チェンマイでは冷房の効いた屋内と炎天の屋外の
繰り返しで、さすがに身体が疲れた。
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眼が語る

クラッセンの他の作品でもそうですが、とにかく眼です。
眼の中に様々な感情をみてとることができます。
特にこのシリーズのように、■や▲や●という単純な
形に眼がつくと、その威力が最大になりますね。

三人はマンマルの思いつきでかくれんぼを始めます。
ルールに厳格なシカク、ひねくれ者のサンカクと個性が
発揮されて、それだけでもなぜかおもしろい。

そして4番めとなる謎キャラが登場するのですが、
ここで眼の力がクライマックスに発揮されます。
そうきたか! これはもう究極の表現です!

果たしてその正体は? あなたの眼で見いだせるか?

長谷川さんの大阪弁訳も相変わらずハマってます。
コント的な内容ながらも、重厚なモノトーンの絵と
ガシッとした装丁で、高尚な世界を感じました。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
明日からしばらく海外出張。
帰ってきたら楽しみな展覧会。
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何もすることがない=何をやってもいい

思ったことをストレートに言い切るカエルくんには
すがすがしさを感じます。たとえそれがタイトルのごとく無気力な
内容だったとしても。何もしたくないときは誰だってあるしね。

カエルくんの偉いところは、何をしたらいいかを
友達に訪ね行くところ。裏を返すと、何をしたらいいかを
知ることがカエル君のやりたいことになっているわけですが・・・

何もせずに一日が終わってしまうことを嘆くカエル君への、
仲間のカエルからのアドバイスには、なるほどと感心。

何もしないことへの色々な視点が得られる哲学的な
絵本といえます。スケジュール帳の空欄をうめないと
不安になる方にもおすすめです。


ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
職場で、自分の弱みは何か?という話題になったときに、
自分の弱みが分からないことが弱みだと答えた人が
いた。少なくともウィットのある返しができるという
強みはあるわけですね。
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故人を偲ぶ

スーザン・バーレイが初めて子どもの為に描いた作品との
ことですが、いきなり、死という言葉が登場して驚きました。
死期を悟った年老いたアナグマは、仲間への手紙を書いた後
まるでどこかへ長旅に出るかのように静かに息をひきとります。

冒頭に死が描かれたのは、それが終わりではなく、
新たな関係の始まり語る為なのだと受け止めました。
残された者たちが、アナグマがいなくなったことで、
自分たちの中に彼が残こしてくれた大切なものを意識するように
なったからです。そして彼らも年老いてこの世を去る前に
きっと誰かに何かを残していくのだろうと想像できます。

技術や知識を伝えることの背景にある、相手を思いやる心が
読後にじんわりと伝わっってきました。再び表紙と裏表紙を
みると、生前のアナグマがいかに仲間から慕われていたかが、
よく分かります。楽しい思い出は最高の贈り物ですね。

ふと考えてみれば、今の自分自身があるのも、出会った
多くの方々が残してくれたり、伝えてくれたりしたもの
のお陰、そしてたくさんの思い出にも感謝。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
成長を実感できるのは幸せ。まだ見たことのない
世界へ足を踏み込んでいけるから。
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愛もはさまれてる


照れ屋で、先生に「ぎゅーってして」と言えない園児でも、
食べ物の名前だったら素直に言えるわけですね!
サンドイッチごっこを通して、はるくんとゆき先生の
想いと想いまでも合体するところが素敵です。

園児らはぎゅーっの前に自分が成りたい食材を先生に伝えるの
ですが、これがまた面白い。それぞれ個性的です。
そして全てを受け入れる先生の包容力は正におおきなパン。
多民族国家を人種のサラダボウルとかパッチワークとか言いますが、
この教室は個性のミックスサンドと言えますね。

最後に一句 「ハンバーグ ぎゅーってしたら ハグになる」

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
先生の背中にのっかれば寿司ごっこもできますね。
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つけたしたくなる

付け足し言葉も色々あるものですね。
よく耳にするもの、懐かしいもの、初めて知ったもの等々。

本書は付け足し言葉の紹介に加えて、語尾を
ちょっと変えた変化球バーションも登場します。例えば
「さよなら さんかく げきやす かかく」とか(笑)

いいなと思った付け足し言葉は、
「蟻が鯛なら 芋虫ゃ鯨」
大きさの対比があざやか、これはもう一口落語ですね。

自分で作るときのコツまで紹介されていて、
気づくと言葉づくりにハマりだしちゃいました。

↓以下自作
「きょうみないから あしたみる」
「しょうがないけど 塩はある」
「うっとり やきとり 鳥取県」
「うれし はずかし ビタミンC」

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
言葉で遊ぶなら金はかからない。
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実は兄弟愛の物語

人を化かす動物と言えばキツネとタヌキを思い浮かべますが、
実はカワウソも変身能力があるようで、日本や中国には
美しい女に化けて人を襲ったという伝承があるようですね。

かわうそのモグは、ウナギを食べたいがために女性に化けて
鰻屋への潜入を試みます。それはそれはみごとな変身ぶりで、
さらには若旦那からの信用まで獲得してしまう!
しかし、オッチョコチョイなところが災いして大ピンチに・・・

昔話風の舞台設定ながら、スリリングな展開に引き込まれました。
まるで怪人二十面相か怪盗ルパンといった少年冒険物を
読んでいるのかと、ふと錯覚してしまうほどでした。

読後は・・・鰻が食べたくなります。
カワウソに化けて河に潜り込もうかって・・・逆は無理。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
ボクの実家ではブドウを作っているのですが、ハクビシンが
忍び込んで食い逃げすることがあるようです。ご丁寧に
皮は残して中身だけを。その手際の見事さは、
まるで人に化けているのではと思わせるほど。
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計り知れないおもしろさ

ひとつひとつのページについつい立ち止まってしまいました。
定規や時計や天秤などで数値化できないものを、はかろう
とするのですから。それは喜びや悲しみなど心で感じる
様々なもので、人によって、あるいは状況によって、
強度やサイズやスピードが異なるもの。

でも、そんなモヤっとしたものでも「○○○○をはかる」と
言葉にしてみることで、客観的にみつめることができます。
これは魔法の呪文のようです。日常でもつかえそうですね。
作中で測定しているものの、ひとつひとつに共感!
あなたの測って欲しいものも、きっとあるでしょう。
添えられたイラストもユーモラス、はかれないものを
何とかしてはかろうとしている姿に癒やされます。
ところでラストはいったい?・・・考え込んでしまった。

個人的には、夢への扉を開けるのに必要な力を測りたい。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
さあ、いろいろ作らねば、力をつける為に。
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