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→手紙を受け取る


最近は、ほとんどメールで済ますことが多いだけに、久々に手紙を
受け取ったりするとウキウキします。印刷ではなく手書きの文字で、
ちょっと変わった切手が貼ってあったりすると、嬉しさも倍増です。
書かれたメッセージと共に、手紙を書いているときの相手の
様子まで想像を膨らませることができますから。

そんな気持ちに、優しく寄り添ってくれる内容の絵本でした。
手書きの味わいを、さりげなく伝える水彩画がいいですね。

雨の日に、紅茶を片手にゆっくりと味わいたい絵本です。

読後は、ぜひ本書と対になっている「みなとまちから」も
読んでみてください。よりいっそう世界が広がりますよ。
絵と文の作り手が入れ替わることで、想いを送る、受け取る、
といった行為に、深みが加わり、行間ならぬ作品間を読む
という楽しみ方までできます。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー 
本書ともう一冊は、ピンポイントギャラリーでの個展期間中に
近くの青山ブックセンターで購入しました。
これを書いている今、東京での出会いを思い出しています。
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手紙を出す→

最近は、ほとんどメールで済ますことが多いだけに、久々に手紙を
出したりするとワクワクします。ちょっと緊張しながら文字を書き、
いつもとは違う切手を選んだりすると、期待感も倍増です。
旅をするメッセージと共に、手紙を受け取ったときの相手の
様子まで想像を膨らませることができますから。

そんな気持ちに、優しく寄り添ってくれる内容の絵本でした。
港町の旅情が伝わる落ち着いた水彩画がいいですね。

夕日の見えるカフェでゆっくりと味わいたい絵本です。

読後は、ぜひ本書と対になっている「とおいまちのこと」も
読んでみてください。よりいっそう世界が広がりますよ。
絵と文の作り手が入れ替わることで、想いを送る、受け取る、
といった行為に、深みが加わり、行間ならぬ作品間を読む
という楽しみ方までできます。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー 
本書ともう一冊は、ピンポイントギャラリーでの個展期間中に
近くの青山ブックセンターで購入しました。
これを書いている今、東京での出会いを思い出しています。
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緑の生に目を向ける

満月のもと、フクロウの形に刈り込まれた樹と向かいあう少年。
そして銀色のタイトル。表紙を見ているだけでも色々と空想が
膨らんでいきます。いったい夜の間に何が起こったのか?

ページをめくるにつれ、分かってくるのは、この少年の境遇。
住んでいる町の様子。そして謎の老人。
舞台は現実の世界のようですが、どこかの誰かの無意識の世界を
暗示しているかのようにもみえます。老人のみごとな仕事ぶりは、
夢の中の出来事のようにも思えるので。

しかし、動物たちの姿に刈られ、町の人々を魅了した緑の
木々も、季節が移ろうと葉を落として元に戻ってしまいます。
夢ではなく、まぎれもない現実の出来事だったのですね。
だからこそ、町の人々、そしてウィリアムにもたらされた
変化に大きな意味が感じられました。もちろん自分も。

関連した絵本でおすすめは
『グランパ・グリーンの庭:レイン・スミス』
庭師の老人の人生がトピアリーを通して美しく語られてますよ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー 
今日は鈴鹿8時間耐久レース。ボクはボクで心の中に
あるサーキットを走るのだ。まだ見ぬゴールへ向かって。
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入魂(コーン)の一作

食材たちが、お互いに料理し合うという展開が斬新です。
絵的には、一歩間違うと拷問に合っているように見える心配を、
トウモロコシ三人組の陽気なキャラで、吹っ飛ばしてますね。

料理することの背景にあるのは、お互いにお互いを
高め合って成長(=男前になる)するぞ、という友情の心。
まるでスポコン漫画のような読後感もありました。

巻末の解説によると、トウモロコシは南北のアメリカ発祥
とのことで、彼ら三人組の名前やノリの良さにも納得。

読後は男前気分でトウモロコシをガブっと行こうぜ!


ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー 
男前と言えば、男前豆腐。細長い3パックのタイプが好きで、
この時期は毎朝食べてます。白くて柔らかい食べ物に
硬派なネーミング、作り手のこだわりが伝わってきます。
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鬼たちもお疲れ様です

地獄を鬼のサラリーマンの職場とし、働く人々の応援歌的な
このシリーズ絵本は、子どもよりもパパ受けしそう。
今回は地獄の夏季休暇前の大掃除の様子が描かれています。

亡者たちがお盆で現世に里帰りしてしまうので、鬼たちも
盆休みになるわけですね。キュウリの馬に乗って現世に向かう
亡者たちが、交通渋滞に巻き込まれたりと、あの世の大変ぶりに
ついつい共感! 他にもところどころに小ネタ満載で、
作者らは本当に地獄に取材したのではないかと思えるくらい、
リアリティがあって楽しめます。しかし、これは逆に、
この世そのものが地獄のごとし、と受け取れなくもないので、
笑いの奥にヒヤリとしたものを感じたりもしますが・・・
(天国が職場だったら、ここまで共感できないでしょう)

いずれにせよ、大掃除の後の爽快感は、地獄でも同じ。
ピッカピカの針の山や、きれいさっぱりとした血の池など
を見ていると、いっそう清らかな気分になってきまよ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー 
空想的な舞台であっても、ちゃんと現実に軸足を
置いているものは絵本として共感しやすいです。
イメージの世界へ入り込んでリアルに楽しめるから。
↑けっこう重要ポイント
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味ではなく名前で勝負!

食べ物縛りのしりとり絵本ですが、シゲタサヤカさんが描いた
表紙をみているだけでも、なんだか可笑しいですね。

町内にあるそれぞれの食べ物屋さんから、選手たちが大会に
やってくる。寿司屋にパン屋にケーキ屋、ラーメン屋にレストラン
等々、食べ物図鑑ができてしまうでは、と言うくらい食べ物たちが
登場して、その数だけでも圧倒されます。でも、おい、ちょっとまて!
お前が出たら、しりとりは終わってしまうぞ、なんて食べ物も
結構いるので、一波乱あるなと思ったら、やっぱりな展開に(笑)。
○○屋チームの連携プレーでさりげなく見せ場を作りつつ、
最後は大逆転劇と楽しめました。はたして優勝したのは?

食べ物たちの表情がいいですね。全部白目なんだけど
ちゃんと感情が伝わってくるんです。これぞシゲタキャラ!
中毒性のある絵だなぁ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー 
そういえば昨日の夕食で最後に口にしたのは、
しりとり大会で優勝した食べ物でした。
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いつか おあい できることを

それぞれの四季が人格化され、春の視点を通して物語が進む
味わい深い絵本です。季節が春のときは夏、秋、冬が眠っていて、
それぞれ期間が交代するとき、前後の季節と出会える。
秋の存在が気になりだした春は、夏に手紙を託します。
同じように、秋も冬に手紙を託して、春と秋の文通が始まる。
手紙のやりとりは一年がかりとなるわけですね。
それが何度も何度も繰り返されます。

四季同士を関係づけた世界観がみごとで、春や秋の魅力を
優しく伝えてくれる絵にも見とれてしまいました。

ページをめくる度に、数ヶ月が過ぎ去っていく・・・・
ああ、なんと雄大でロマンにあふれる時間感覚なんでしょう!
そして手紙の文末に必ず添えられる一言が切なかった。
永遠に出会えないからこそ、逆に相手を思いやる気持ちが
強くなり理解が深まっていくわけですね。

大自然と共に深呼吸をしているかのようで、日常の喧騒を
忘れて、ゆったりとした気持ちに浸れました。

手紙を扱った最近の絵本では
「水曜日郵便局 うーこのてがみ:小池 アミイゴ」もおすすめ。
水曜日だけ開いている郵便局を通して、こちらもゆっくりと
コミュニケーションが進んでいきます。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー 
夏と冬もお互いの存在が気になっているはず。
冬と秋が出番を交代して、春・夏・冬・秋となれば解決?!
夏休みの後の冬休みを妄想してニヤける。
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イメージのバリアフリー

タイヤが擬人化されているのではなく、頭がタイヤなのですね。
その設定が独特の世界観を生み出しています。足でもちゃんと
移動できるものの、頭で転がったほうが速いとは如何にもです。

ところで、頭が異物のキャラと言えば、ボクを忘れるなと
長新太:作「ゴムあたまポンたろう」が飛んできそうです。
頭部がゴムで出来ていることから、タイヤさんはポンたろうの
親類かもしれません。あるいは、ぜひお目にかかりたいわと
網代幸介:作「サーベルふじん」が彼にパーティの招待状を
送ってくるかもしれません。

目や口はないので表情を読み取れないのですが、
タイヤ自体が人格や個性そのものなのでしょう。
ちゃんと人間の修理工や子どもたちとも良好な関係を
築いているところがすばらしい。

その意味では、たとえ頭部がコップだったり、扇風機だったり、
金槌だったりしても、マナーをわきまえさえすれば、
自然に暮らしていけるバリアフリーな世の中って素敵です。


ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
喫茶店で個展の一人反省会をしていたら、次回作のアイデアが
生まれてきた。形になれば、けっこういい線いくかもしれない。
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家の中がちいママ劇場に

女の子がゾウのヌイグルミのママ役になるという、
ママごと遊びが描かれた絵本ですが、何げにスゴい!
家財道具そのものが商品にみたてられ、部屋巡りが
お店屋巡りになっているという女の子の発想が
クリエイティブ。さらにはママへの憧れや、おしゃまに
背伸びしている様子が微笑ましく伝わっってきます。

なんと言っても見開きの3番目が実に絵本的で、ハッと
させられました。「おつかいにでかけました」という
何気ない一文に、この絵が来るとは・・・!
展開も自然で、子どもらしさもあり、最後は優しい
眼差しとともに、ママごと劇場の幕が降ろされます。

そういえば子どもの頃に、部屋をレース場に見立てて
ミニカーで遊んだことを思い出しました。
廊下のハイウェイ、風呂のタイルの岩山、毛布の砂漠などなど
コースを想定するのも楽しかったなぁ。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
個展は無事に終了。最終日の締めにと移転再開された
トムズボックスへ行き、中身も見ずに本書を購入しました。
タイミングよく作者のたかやまさんが来店され、サインを
いただきました!何かに導かれたような気がしてならない。
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パンダのパンのホンだ!

いきなり気になったのがパンの配達に使ってるバイク。
スーパーカブですよね!しかもエンブレムがPONTAに!
なかなかに芸コマです。
それはさておき、舞台の下町感がいい雰囲気です。
和菓子屋、蕎麦屋、喫茶店などなどお店の様子や
お客の動物たちの生活感も伝わってきます。
それもそのはずで、東京都台東区に実在するお店を
取材しているとのこと。巻末にお店が載っているので、
この絵本を片手に町歩きをしてみると、何かいいこと
に出会えそうな気がします。

最近はどこに行ってもチェーン店やコンビニがあって
それはそれで便利なんですが、昔から地元の顔に
なっているお店もいいですよね。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
個展は初めてですが、来場者によって、その日ごとの
特徴が出て面白いですね。いよいよ今日が最終日。
どんな物語が生まれるか楽しみです。
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