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カブ君が優秀すぎる

おつかいで思い出したが、小学生のとき担任の先生から
お昼にアンパンとジャムパン買ってきてと頼まれたことがある。
片方が売り切れてたので、一個だけ買って帰ったのだが、
「代わりに他のパンでもよかったのよ」と言われた。
言われた通りの物を買うのではなく、腹を満たす事が目的
だったのだなと気づいたが遅かった。でも赤いボールペンを
頼まれて、それがが無いからといって、黒いボールペンを
買ったらそれはだめだろう。おつかいは、子どもにとって、
かなり高度なミッションなのだと思う。

そんなおつかいを完璧にこなした子熊のカブは大したもの。
現場での判断力が冴えているし、不意のトラブルも
機転を利かせて切り抜け、他のお客さんや店員からも
一目おかれてしまうのですから。カブの買ってきたものには
家族も大満足。おつかいを通して、相手を思いやる気持ちも
伝わってくる、優しさにあふれた絵本です。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
でも、先生は、笑顔で感謝してくれた。ちょっとぐらいの
失敗は大めにみるくらいの心の広さも大事だと
子ども心に感じた。
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出かける前にちょっとお出かけ

楽しい楽しい旅行の当日。いざ出かける直前になって
あっあれが無い、そういえばあれは持ったか、なんて
気づくことないですか? 海へ家族旅行する当日のクマ君
のようにね。海での遊び道具がそろってないことに
気づいたクマ君は、慌てて取りにもどります。
行き先は同じアパートに住んでる友達のところ。
借していた遊び道具を返してもらうために。

2階〜4階まで、それぞれにフロアに住んでいる動物たちを
描いた断面風の部屋のイラストからは、彼らの趣味やクマ君との
関係が伝わってきて、興味深い。さらに借してた物は何か、
なんて絵さがし遊びもできますよ。各フロアの動物ごとに
テーマカラーもあって、色彩的にも味わいある絵本です。

しかし最後の最後にとんでもない忘れ物をしたようで・・・
(ちなみにマスクではありません)

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
旅行や出張の準備にはチェックリストがおすすめ。
海外駐在時代に作ったものがあり、今だに重宝しています。
中身はちょっとづつ更新しているのですが、その中の重要項目の
ひとつが、出かける前にボーッとする時間を確保しておくという事。
直感的に何かに気づくことがあるので。
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ー ✕ ・ = !

スリムな白い線と、コロっとした黒い点のキャラが愛らしい。
二人がからみあって遊ぶと、それが造形パフォーマンスになって
しまうところが絵本的です。例えば点の上に線が横たわって、
シーソーごっことか。さらには長短さまざまな線や、大小さまざまな点
たちが集まって造形パフォーマンスが高度になっていき、次は何が
出来るのかなと、期待も高まっていきますよ。さらにさらに
3原色要素も加わって世界は広がり続ける。大人は異なる人種や国が協調し
合うことで、人類の可能性も拡がるとかなんとか解釈してみたくなります。

しかし子どもは単純に絵本に落書きしたくなるかも。線や点たちと
いっしょに遊ぼうとして。この線はボク、この点はわたしとか言って、
描き足したくなるのでは。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
朝からセミが鳴いている。そうか、もう夏なんだなぁ。
今年はあれやこれやで季節感が喪失していた。
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実物より美味しそう

クッキーをつまむ感覚でサクサクとたのしめる小さな絵本です。
見開きごとに、ひとつの動物クッキーが登場。呼びかけに
ピヨピヨとかワンワンとか、鳴き声で答えるという構成。
木目を活かしたクッキーの質感が美味しそう。動物によって
焦げ茶色の模様が入ったり、鳴き声の書体も変えたりして、
さりげない味わいの変化も伝わってきました。

本を閉じたあと、おもわずニンマリ。そうそう、お気に入りは
とっておいて最後に食べるのだ♡

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
最近は曜日ごとに夕食のパターンが決まってきたなぁ。
月:定食 火:野菜チャプチェ 水:ハンバーガー
木:カレー 金:惣菜アラカルト 土日:自由、たまに宅配。
コロナの影響、栄養バランス、週のペース配分、通勤ルート
などなど様々な要素がからんで、ここに落ち着いてきてる。
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ほろ苦い夢


サンタクロースの居る世界と居ない世界の境界線を通り抜けた
ような読後感の絵本。これは意識が子供から大人へ変わる境界
とも言いかえられるでしょう。幼い頃は空想と現実の境界がなかった、
サーカスに魅了される絵本の中の女の子のように。
でも舞台が火事によって消失してしまうと同時に、女の子の
中でも夢の世界が失われてしまう。非日常的な力を見せてくれる
憧れの者たちも、裏にまわると只の人間だったことが明らかに
なったわけですから・・・ かつてスーパーカーのタイムマシンで
過去や未来へドライブしていた俳優も、ずっと若いままではない。
現実という時間の流れには逆らえない。これも同じことだ。

しかし、このまま終わってしまうのではなんとも寂しい。
大人は現実という制約を受け入れつつ、なおも夢を生み出す術を
持っていると思うので。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
インドに居たときは、雨が降ったので仕事を休みます、
なんて連絡され苦笑したことがあったけど、日本も
そうなってしまうのか。
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大蛇は何度も蘇る

福岡県大牟田市の大蛇山まつりを、大牟田市生まれの内田さん
によって紹介した絵本です。観光的な視点で祭りを描くのではなく、
当事者となる子どもと大人の視点から追いかけたところに共感しました。

かたや東京から越してきて地元に馴染んでない小学生の男の子。
かたや妻を亡くして塞ぎ込んでいる山車作りの名人。
二人は大蛇山作りを通して初めて出会います。
祭りは、それをやるぞ!と決意したところから始まっている。
そして関わった者それぞれにドラマが生まれるのですね。

大牟田市は数年前に行ったことがありますが、電話ボックスの上に
飾り付けられた大蛇山の迫力にビックリ。これが巨大になって
火を吹きながら町中を闊歩する姿を想像し、胸が打ち震えました。
今年の祭りがコロナの影響で中止となったのは、やむ無しとしても、
九州豪雨で冠水した街の姿には唖然となりました。
平時なら、ここを多くの大蛇山が練り歩くはずだったのに・・

祭りの復活には、特別な想いが込められるのでしょうね。
むしゃんよかドラマはもう始まっているのかもしれない。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
ちょっとした坂道であっても、急な大雨で水はけが追いつかず
巨大なみずたまり状態になってしまうことを体験。もしここで
車が立ち往生してしまったらと通過するとき焦った。
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まちがいなくまちがってる

その町に引っ越してきた家族が最初に遭遇したのが、
「あな」だらけの畑。野菜を引っこ抜いた跡ではなさそう。
トラクターで「あな」の手入れをしているし・・・
次のページで、何かを片手に電話している人たちを見て、
あっ、そういうことか!と解った。間違いというのは、
名詞の一字違いの事。それがそのまま現実となっているのだ。
文字を入力中に誤変換され、笑ってしまう系のやつですよ。

一字違いで建造物が虫や文房具に、乗り物の一部や楽器が
動物になってたりと、とんでもない事になっている。
しかも、それを認識しているのが男の子だけで、他の全員は
間違え前の物として受け入れ、なり切りボケ状態になって
いるところが面白さを際立たせてます。
頭を「じゅうたん」にしたい方にお勧めです。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
現実の世界も間違いだらけ。本当に正しい情報なのか
いちいち疑ってかかるのも疲れる。
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一転二転・・変転

確かに変な名前ですよね、フンコロガシって。
そのままじゃないですか。しかも糞というあまり触りたく
ないものを、転がすって・・・変です。
イヌとかチョウチョとかカエルなど固有の名前をもっている
側からの指摘はもっともだと思います。

憤慨したフンコロガシは名前を変えることを決意。
それはそれでいいのですが、発想の方向がねぇ、、
糞から離れないところが笑いをさそいます。
元名を否定することにこだわりすぎて、逆に変さが
強調されてしまうという悪循環。しかも変えた名前に
合わせて本来のライフスタイルまで否定してしまい
生きにくくなるという本末転倒な結果に。

救いの手は意外にも、とある鳥からさしのべられました。
あれこれ回り道をした結果、一周して元の名前に。
しかしそこは元いたところと同じではありません。
自分を肯定できる場所へようこそ。

自分のすすむ道に迷ったとき、気づきを得られる
絵本としておすすめです。

ーーーーーー【Review for Review】ーーーーーー
今日は荒井良二さん・オンライントークイベントの日
なんだけど、もう満席になってた・・・ざんねん。
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